神尾観鈴

登録日:2011/07/23(土) 07:40:03
更新日:2024/03/02 Sat 10:04:54
所要時間:約 5 分で読めます




ただ…もうひとりのわたしが、そこにいる。そんな気がして



神尾(かみお)観鈴(みすず)とはPC・DC・PS2・PSPのゲームソフト『AIR』のメインヒロイン
CV:川上とも子/真田アサミ(かぎなど)

テーマ曲 夏影 -summer lights-
誕生日 7月23日(しし座)
血液型 O型
身長 159cm
体重 49kg
スリーサイズ B83/W55/H82

口癖・名セリフ
「が、がお…」
「せみっぽくない?」
「にはは」
「観鈴ちん、ぴんちっ」
「ぶいっ!」
「どうしてそういうことするかなぁ」
「もう、ゴールしてもいいよね…」


DREAM編、AIR編に登場。

腰まで届く長い金髪をポニーテールにした、碧の眼を持つ少女。別に外国人やハーフではない。

冒頭、堤防で主人公国崎往人と出会う。
その後、見ず知らずの往人を自分の家にしばらくの間泊めてあげることにし、そして、二人の忘れられないひと夏が始まった…

家族は義母の神尾晴子のみ。

性格は純粋無垢で誰にでも優しく接する。だが年齢に反して(精神面で)幼さが残っている。
いい性格の持ち主なのだが友達はいない

学校への道の途中にある武田商店に設置してある自動販売機の謎の飲み物シリーズが好きで、とくに『どろり濃厚ピーチ味』が大好き。

また往人に子供の落書きレベルの地図を渡すあたり、絵心はあまり無いようだ。

恐竜が好きで部屋にはたくさんのぬいぐるみがある。また本人は小さい頃、ひよこが恐竜になると思っていた。
余談であるが、本ゲーム発売時点で「鳥は恐竜から進化した」というのはもはや常識とされていた(おそらく上記の設定もそれに因む)が、
現在では鳥は最も高等な恐竜であるという学説が支配的なため、観鈴の言っていることは何にも間違っていないということが判明した。


小さい頃から空に想いを馳せており、もう一人の自分がそこにいると思っている。
夜に夢を見るたびに空の夢を見ており、それが次第に時系列を遡っていることに気づいている模様。 







以下ネタバレ











観鈴の正体は空にいるもう一人の自分である神奈備命の魂が人間に転生したものである。


■DREAM編
往人と出会った日から夢をみるようになる。夢の内容は神奈備命の記憶である。
普通の夢とは違い、時間をさかのぼるもので、それと同時に観鈴の体を蝕んでいく。
また、人と親しくなりそうになると癇癪を起こす。この癇癪が原因で友達ができなかったのである。
さらに心が近づき過ぎてしまうと相手の体も蝕んでいってしまう。そして、大切な人のことも忘れてしまい、夢を見終えた朝には死んでしまう…
往人も例外ではなく、観鈴に心が近づき過ぎたため体が蝕まれていった。
そのため、往人は神尾家を出て行くが、観鈴が笑っていてくれればいいと気づき、再び神尾家に戻る。
そして自分の魂を人形に封じこめて消える。

___目覚めるはずのない観鈴は、目を覚ました。








以下さらなるネタバレ





■AIR編
観鈴は一羽のカラスそらに出会い、飼いはじめる。その後、往人と出会い、二人と一羽の時間は過ぎていく。
そして、往人が消えたあの日、人形に封じられた数多くの魂の力により観鈴の前にそらに転生していた往人が現れ、
観鈴の癇癪が起きる呪いを消しさり、観鈴の寿命を少し延ばす。
観鈴は、往人と最後まで夢を見続けることを約束する。

その後、出かけていた(実際は観鈴を自分の子にするため橘家に説得しに行っていた)晴子が帰ってくる。
こうして最後の夏、観鈴と晴子は家族の時間を取り戻していく。

だが、ある日観鈴は晴子のことを忘れてしまい、さらにそこへ観鈴の実父である橘敬介がやって来る。

記憶と歩く力を無くした観鈴を見た敬介は『自分達の所にいたときよりも悪くなっている』と言い、観鈴を連れ帰ろうとする。
このまま離れ離れになってしまうなど絶対にしたくない、その思いから晴子は敬介を説得。しばしの猶予を得る。
晴子は記憶を取り戻そうと奮闘するが、しかし観鈴の記憶は戻らず、ついに敬介との約束の日が来てしまう。
自分には無理だった、やりきれない思いと多くをしてやれなかった悔しさを押し込めて観鈴を手放す。
ところが、今さっきまで眠っていたはずの観鈴は敬介の手に移ると急に暴れだす。
彼の手を離れ、今にも倒れそうな足でも、観鈴は必死に晴子を目指して歩く。


大粒の涙を溢れさせ、ただひたすら「ママ」と叫びながら。
例え血の繋がりはなくとも観鈴の『母』は晴子で、そこは唯一無二の観鈴の居場所だったのだ。

すっかり茜に染まった砂浜で、いつか観鈴が友達と遊ぶことを夢見た砂浜で晴子は観鈴を抱きしめて言うのだった。
『そうや、ウチがあんたのお母さんや』



その後、観鈴は戻るはずのない記憶が戻り、さらに体の痛みもなくなる。
観鈴と晴子は外に出かけ、観鈴は車椅子から降り、歩く練習を始めた。 
そして……






「…もうゴール、していいよね」

実は晴子を気遣かって体の痛みがなくなったと観鈴は嘘をついていた。




「ゴール…」

観鈴は誰も成し遂げられなかった1000年もの悲しみの輪廻を終わらせた。


「観鈴ーーー!!」

BGM:青空



観鈴は幸せそうな顔で幸せだった思い出とともに空へ逝った…


余談だが、観鈴が短命だった原因は神奈備命が受けた呪いによるものではなく、神奈備命がもともと受け継いでいた「惑星の記憶」が原因である。
その莫大な情報量に人体が耐えきれないためだそうだ。
観鈴の観る夢の本質もこれであり、夢を観る度に記憶の継承が進行、最後の夢を観る=記憶の継承が完全に行われるとその生涯は終わってしまう。


アニメ版のラストで神奈備命とプテラノドンが一緒に空を飛ぶシーンは、このことを端的に表している。

また、観鈴の癇癪癖は神奈備命の魂による防衛本能であるという指摘がある。
観鈴の性格を考慮すると、癇癪癖さえなければ友達にも恵まれているはずであり、呪いによって多くの人間を蝕んでいたことだろう。
観鈴にとっては残酷ではあるが、彼女に友達ができなかったのは仕方ないことだったのかもしれない。


+ 以下、ちょっとした余談
「もっと彼氏っぽくしても良いのだよーっ」

劇場版ではキャスティング紹介が最初であり、実質的な主人公として登場する。(国崎役の緑川光氏もドラマCDにて「主役は観鈴」と発言している)

同作では基本的に彼女の視点で物語が進むため、原作よりも精神年齢が高く、ハキハキと普通に喋る。
更に「翼人の呪い」の正体が原作やTV版と全く違う為、癇癪や泣き癖が無く、精神的にも落ち着きがある。
劇場版はいたる絵直球ドストレートな原作よりやや現代的なキャラデザなので、「こっちの方が好き」という人もいる。

そして冒頭の通り、原作に比べて恋愛に対する欲求がストレートに描かれている。
これは尺の都合というのもあるが、劇場版では翼人の呪いは「愛する人に好意を伝えると死ぬ」という即物的なものになっているためであり、
観鈴は夏休みの宿題*1としてのフィールドワークで神奈備命と二枚目の柳也さん(by観鈴)の逸話を調べていく…という流れになっている。

このように大幅に設定が改変された為、義母(本作では伯母*2ということは年齢は…)である晴子との仲は非常に良好。
最初から晴子は観鈴大好きを通り越して完全に観鈴に依存しており、観鈴もそんな晴子が大好きである。
劇中、廃校になった小学校を訪れ、国崎と共にタイムカプセルを掘り返した時のシーンは、まさにそんな晴子への愛がうかがえると言える。

ちなみに、実はPS2版はおろかPC版にすら無い国崎とのキスシーンがある。


物語の終わり、死期を悟った観鈴は、名実ともに「彼氏」となった国崎と、そして母と共に海岸を訪れる。
原作とは異なる永訣の言葉を大好きな二人に告げ、観鈴は空に旅立っていった。


余談だが、演者の川上とも子氏は既に家庭用ゲーム版とTV版のラストシーンを撮ってこれが3回目の収録だったにもかかわらず、
家で劇場版を見た時には飼い犬がビックリするほど大泣きしてしまったそうである。


「最後はどうか幸せな記憶を…」






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最終更新:2024年03月02日 10:04

*1 劇場版の観鈴は原作以上に病弱で、1学期の出席日数はゼロである

*2 観鈴母の姉