機動警察パトレイバー the Movie

登録日:2010/02/15(月) 01:19:04
更新日:2024/02/16 Fri 07:28:05
所要時間:約 8 分で読めます






エホバ下りて、かの人々の建つる街と塔を見たまえり


いざ我等下り、かしこにて彼らの言葉を乱し、互いの言葉を通ずることを得ざらしめん



故にその名はバベルと呼ばる



『機動警察パトレイバー the Movie』は、1989年に公開された日本のアニメ映画。
OVA版に続きメディア化された『機動警察パトレイバーシリーズ』の記念すべき劇場版第一作目である。


1999年・夏に起こったレイバー暴走事件とそこに潜む犯罪計画に特車二課が挑む物語となっている。
ちなみに同時上映は『SDガンダムの逆襲』。



【あらすじ】

1999年の夏。一人のプログラマーが東京湾に身を投げ出した。

これが事件の始まりであり、終わりであった。



東京湾埋め立て工事、通称「バビロン・プロジェクト」。
この大規模事業のため関東一円に無数の作業用レイバーが集結している昨今、都内では原因不明のレイバー暴走事故が頻発。
その対応に追われ、特車二課の面々は慌しい日々を送っていた。

しかし自衛隊の試作レイバーすら暴走するという異常事態に発展。
暴走したレイバーは製造元・機種・搭乗者・使用状況など共通点はほとんど無かった。
唯一の共通点は篠原重工が2ヶ月ほど前に発表した最新レイバー用OS「HOS」(Hyper Operating System)を装備していたことのみ。

特車二課の篠原遊馬は実家が絡んでいることもあり、HOSの調査を開始。
その中で遊馬はレイバー暴走の影にとあるプログラマーの仕組んだ犯罪計画があると気が付いていく。

大型台風が迫る東京で特車二課は未曾有の大規模犯罪計画に立ち向かう。



【主な登場人物】

  • 篠原遊馬
CV:古川登志夫
今作の実質的な主人公。実家が絡んでいることで調査を始める。
しかし、かなり暴走(無断外泊、飲酒運転、ノーヘル二人乗りetc…)して謹慎を喰らうはめに。
「呪ってやるー!!」

CV:冨永みーな
相変わらずのアルフォンス大好き婦警。ヒッチコックもびっくりな体験をする。
遊馬との会話には感じるものがある。

CV:池水通洋
発砲バカ、街中でレイバーによるどつき合いにドロップキック、真夏に凍りついたという壮絶な体験をする等、本人が素で本気であるが故に、ネタキャラとしての進化が加速した。
今回も太田の頭がもげる。

  • 香貫花クランシー
CV:井上瑤
事件を聞きアメリカから帰国した第二小隊の秘密兵器。はからずも第二小隊最大の敵となってしまう。
上の馬鹿…相方と揃って熱血。だが明らかな違いは彼女のかっこ良さにある。

「COMBAT」


  • 進士幹泰
CV:二又一成
出動続きでひと月で家に帰れたのがたったの三回と夫婦の危機。頑張れ進士さん。

  • 山崎ひろみ
CV:郷里大輔
トマト栽培に精を出しているが、その巨躯を生かして軽々と対戦車ライフルを放つ。めちゃカッコいい…

CV:大林隆介
キレ者の片鱗を見せる。やっぱり何考えてるか分からない。
なんだかんだで素晴らしい上司。

  • 南雲しのぶ
CV:榊原良子
シゲさんから警察用の新型レイバーの調査を依頼される。

  • 榊清太郎
CV:阪脩
特車二課が誇る整備課長にして我らがおやっさん。
HOSに対する疑問から実山と直に話をするなどメカニックとして気を回す。

  • シバシゲオ
CV:千葉繁
零式運用に伴う研修で渡米していたため本人の登場は遅れるが、
彼があらかじめ振っていた采配が特車二課を救うことに。
帰国直後はアロハなハワイ被れになっていたが直ぐに元に戻った。

  • 福島隆浩
CV:小川真司
特車二課課長。
一連の事件に関する上層部の動静を気にしており、割りと及び腰。
遊馬との子供のような怒鳴り合いは微笑ましい。

  • 海法
CV:小島敏彦
警備部長。保身と口実を使いこなす「タヌキオヤジ」。

  • 実山剛
CV:辻村真人
篠原重工常務兼八王子工場長。
HOSの危険性に薄々勘付いているが、会社の人間としての立場から親交深い榊や遊馬と苦しいやりとりをする羽目に。

  • 松井
CV:西村知道
警視庁捜査一課の刑事。
腐れ縁の後藤から帆場の身辺調査を依頼されその足跡を辿っていく。
終盤、警察らしからぬ特車二課の姿に彼が漏らした評は実に的を得ていた。

  • 片岡
CV:辻谷耕史
松井の同僚である若い刑事。
松井と共に帆場の足跡を辿る。

  • 暴走レイバーの運転手
CV:立木文彦
序盤に暴走したタイラントに乗っていた不運な土建屋のおじさん。
警察のレイバー隊到着に喜んだのも束の間、「第二小隊」の名前を聞き悲鳴をあげる。



【レイバー】

お馴染み特車二課第二小隊が誇るパトレイバー。
今作では野明の1号機(アルフォンス)と太田の2号機が登場。
「HOS」をインストールしたことで運用の危機に陥るが……?
映画ということもあって他では見れない銃撃や格闘など豊富な活躍シーンが用意されている。

  • HAL-X10
陸上自衛隊に配備されている試作軍用レイバー。菱井インダストリーと篠原重工が共同開発した機体。
多脚戦車のようなデザインで、四脚とオプションのホバーユニットで移動し搭載された重火器で戦闘を行う。
TV版にも登場するが、今作の物とはデザインが若干異なる。

  • ARL-99 ヘルダイバー
陸上自衛隊に配備されている軍用レイバー。篠原重工八王子工場謹製。
イングラムと同時期に開発されており、外観の意匠も似ている。
冒頭、暴走したHAL-X10と交戦し破壊するが、頭を撃ち抜かれたりと割と苦戦気味。

  • 菱井HL-96 タイラント2000
四菱重工製の土木作業用レイバー。
序盤で乗員を乗せたまま暴走状態になって民家を破壊し第二小隊に停止させられる。
しかし無人のまますぐに再起動したため太田のリボルバーで蜂の巣にされ破壊された。

  • BEL-1999 カルディア
警備用無人レイバー。シャフト・エンタープライズ・ヨーロッパ製。
円盤から四脚が生えた1mにも満たない程度の小型機(設定画ではもっと大きかった)で、上部から電撃を放ち不審者を撃退する。
方舟内に無数に配備されており警備システムと連動し壁面を縦横無尽に走り回る。

篠原重工で開発された次世代型の試作パトレイバー。
イングラムと同じAVシリーズに属し、HOSの使用を前提に設計されており今までのレイバーを凌駕する性能をもつ。
専用の大型シールドの他、イングラムと同じスタンスティックやリボルバーキャノンも装備可能だが、最大の武器は腕の延伸ギミックを利用した「貫手」。この一撃はレイバーを破壊できるほどである。
イングラムに比べるとスマートだが全体的に刺々しいテッカマンのような顔付きが特徴で、内部にはデカくて赤いセンサーが備えられている。
野明いわく「悪役顔」。

ニューヨーク市警察のレイバー隊では既に3機が試験配備されているが、日本ではまだ配備されておらず方舟で性能評価が行われている。

デザイン面では他メディアでのライバル機・グリフォンに通じる部分もある他、漫画版のAVR-0やTV版・新OVA版のピースメーカーなど類似したデザインの機体も登場している。



【重要な人物・用語】

  • 帆場暎一(ほば えいいち)
かつて篠原重工に在籍していた天才プログラマー。事実上一人でHOSを作りあげた男。
物語の数日前に『方舟』から飛び降り自殺するが、死体は発見されなかった。
彼に関するデータの殆どが消去されており実態は不明。
ちなみに漫画版にも登場しているが、そっちの彼は普通に現役の天才プログラマーとして働いている。

  • HOS(Hyper Operating System)
篠原重工が2ヶ月ほど前に発表した最新レイバー用OS。既存のレイバーに組み込むだけでも効率が飛躍的に上がる。
しかし……、帆場が作ったというわけで、何かありそうなのは誰でもわかること。
漫画版では普通に使いやすいOSなだけだが、グリフォンを釣る餌に使われている。

  • 方舟
東京湾に作られたバビロンプロジェクト(東京湾埋め立て工事)に使用されるレイバーの修理・補修・格納を一手に引き受ける洋上プラットフォーム。
直径500m、高さ150mの多層式の構造物。メインシャフトを中心に無計画に増築されており『方舟』というより『混沌の塔』である。



【以下、ネタバレ注意】






















奴はそんなロマンチックな男じゃないよ。警察なんざ、端から相手にしてはいない。
自分のプログラムに絶大な自信を持っていたのさ。そうでなけりゃあ、結果を見定めずに死んだりはしない。
おそらくあいつは、俺たち…いや、この街に住む全ての人間を嘲笑しながら、飛び降りたに違いないよ。

  • 後藤喜一
しのぶの「古い存在を切り捨てる箱舟への挑戦であり、復讐ではないのか?」という内容の考察を
切って捨てるかのように上の台詞を吐く。その顔は言葉では否定しつつもどこか共感を覚えているかの様な、
「顔は笑っているが死んだ魚のような目」をしていた。しかし、それもまた飽くまでもしのぶさん・後藤さんの考察に過ぎず…

  • 松井孝弘
後藤さんの依頼で証拠集めに調査に訪れた場所は全てが、感傷的な雰囲気のある廃墟だった。しかも、不自然なまでに意味深な証拠をへんぽんと中央に置いていた。
これらをみて松井刑事は「もしかしたら、俺たちに『この街の今』を見せたかったのかもな…」と評した。







追記・修正よろしくお願いしま・・・
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