春日井甲洋

登録日:2010/12/30(木) 19:25:25
更新日:2023/06/27 Tue 11:37:01
所要時間:約 9 分で読めます





俺は絶対に、仲間を見捨てるようなことはしないからな…!絶対に……!!


※ネタバレに注意



蒼穹のファフナーシリーズ』の登場人物。



【プロフィール】

年齢:15歳(DA時点)
誕生日:2131年5月7日
身長:172cm
体重:64kg
血液型:A型
好きな物:犬、釣り、友情



【概要】

竜宮島に暮らす少年で、主人公真壁一騎皆城総士の同級生。
薄茶色の髪と柔和な表情が特徴。
実家は島で唯一の喫茶店「楽園」。

穏やかで心優しい性格の持ち主。
友人たちへ気を回し喧嘩などを抑えることもあるが、常に一歩引き自己主張出来ず、嫌なことがあっても誰にも告げずに抱え込んでしまうという損な質。
そのため自らが想いを寄せる羽佐間翔子に想いを伝えることも出来ないどころか、彼女とその想い人である一騎の橋渡し役になろうとしたほどである。
ただしそういった痛みを抱え溜めこんでもいるため、譲れぬことに対しては激情を垣間見せることもある。


彼の天才症候群は「記憶力」である。例えば本を流し読みするだけで一字一句間違えずに覚える事ができる。
だがその記憶力故に出会った人々一人一人、その表情一つ一つも細かく覚えてしまい、他人の感情に敏感になり元来の他者に気を遣う性格もあって人間関係で苦悩していた。

彼は翔子と同じく、アルベリヒド機関の保管遺伝子により誕生して春日井夫妻の養子となった。
しかしながら翔子とは違い、親には冷たく接され、自分達の地位を上げるための「道具」としか思われていない。
両親の経営している喫茶店の名前は「楽園」であるが、甲洋にとって自分の家は「地獄」だったのではないだろうか…よくグレずに優しい性格に育ったものである。

拾ってきた「ショコラ」と名付けた犬も容赦なく捨てろって言われたし…両親マジ鬼畜(´・ω・)凸


初期はサブキャラクター的な立ち位置だったが、シリーズを重ねる内に主人公たちと並ぶ超重要キャラとなっていく。



【シリーズで活躍】

◆『蒼穹のファフナー Dead Aggressor

第一話から登場し、同級生たちと共に島の真実を知る。
その後パイロット候補としてアルヴィスに出入りするようになるが、技術的に一騎ほどの素養は無いため劣等感を抱いたりもしていた。

家庭環境や届かぬ翔子への想いなど苦悩の種は尽きなかったものの仲間たちと共に島のために働くことを考えていたが、翔子の戦死を境に一騎や総士に対して「戦う術を持っていたのに彼女を見殺しにした」と逆恨みにも近い感情で憤りをぶつけるようになってしまう。
それまでの甲洋から想像も出来ない態度だが、それだけ彼が秘めていた翔子への想いが大きかったということなのだろう……

7話の一騎のマークエルフ相手の模擬戦でマークフィアーに初搭乗。
一騎相手に完膚無きまでに叩きのめされたが、マークエルフの右足にペイント弾を一発だけ当ててた。
一騎や真矢ほどではないが、彼にもある程度の才能はあったのだろう。
ちなみに彼がファフナーに乗った時には普段とは逆に自己主張が激しい性格へと変わる。そのため一騎への攻撃的な態度はさらに露わになった。


そして続く8話で竜宮島と同様にアーカディアン・プロジェクトによって造られた人工島の調査の護衛としてマークエルフと共に戦線に投入されるが、マスター型フェストゥムであるイドゥンが目覚めたことによってフェストゥムが大量発生。
一騎は敵を引き付ける囮になり甲洋は真矢たちの脱出艇の回収任務に向かうが、コアギュラ型フェストゥムから脱出艇を庇ってしまったが為に機体は半同化されてまう。
なんとか脱出艇を渡すものの、マークフィアーの手を掴んだマークエルフの腕をコアギュラ型が切断。
脱出艇こそ無事ではあったが甲洋は機体と共に海中に沈む。


「これが、同化されるってことなのか…?」

「何も感じない……。哀しいことがあったはずなのに……」

「そう、翔子のときだって……」


「しょうこ………?」


「だれ、だったっけ………?」


同化されていく一連のシーンは徐々に黒く染まっていくコックピットと相まって非常に欝。

直後駆け付けた咲良によってなんとかコクピットブロックのみを摘出され島に戻るが、中枢神経のみを同化されてしまったことで脳死に近い状態となってしまい、甲洋は自我を失ったままアルヴィス内の研究施設に保管されることとなった……


その後も長い間、人間とフェストゥムの狭間の不確かな存在としてアルヴィスで眠り続けていたが、やがてフェストゥムの側に寄っていき19話ではとうとう島にコアギュラ型を呼び寄せるようになってしまう。

そのため20話で已む無く凍結封印されることになるが、それを察知した乙姫によって盆踊りの夜に人知れず解放。
その後は心神喪失状態で翔子の面影を追うように竜宮島を彷徨い歩き、大人たちから甲洋を守ろうとする一騎たちに保護され一時は人間としての自我を取り戻しかけたが、やはり完全には元に戻れず遂に「あなたはそこにいますか?」という問いかけを行うようなってしまう。

だがその時、現場にやって来た"翔子の服を着たカノン"の姿と「前はいたが、今はもういない」という回答を受けたことで、「翔子はもういない」という事実を認識。
その深い喪失感と悲しみによって「個」としての自我を取り戻した。

「しょうこ…、翔子は、もう、いない………」


「翔子は……!」


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


同時に甲洋は同化能力を失くしたスレイヴ型フェストゥムとして覚醒。
コアともまた異なる人間とフェストゥムの中間の存在となった甲洋は、同じく翔子を喪った悲しみに涙する一騎たちに寄り添われながら再び眠りについた。
なお、不安定だった甲洋の形質は安定し、それをモデルケースにすることでファフナーパイロットたちの同化抑制がある程度成功し、なんとか島を守る戦いを続けることが出来るようになった。



そして、ミョルニアが竜宮島を訪れた際、再度覚醒。
一騎達が離れる間の島を守る為、仲間たちに別れを告げ、人の姿を捨てフェストゥムとしてミョルニアと共に竜宮島の防衛にあたった。

「みん、な……ありがとう……」

「さようなら……!」


更に蒼穹作戦の最後、フェストゥムの「無」に呑み込まれかけた一騎と総士に手を差し伸べ、二人を「存在」へと導いた。
フェストゥムの姿になっても仲間を思いやる甲洋の優しさは変わることがなかったのだった……



◆『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH

中盤、大量のフェストゥムに圧され竜宮島のファフナー部隊が全滅の危機に瀕した時、海中から再構築されたマークフィアーのコアとして帰還。
敵に同化されかけた暉と咲良の窮地を救った。
この時のマークフィアーはBGM(「激戦」)の盛り上がりもあって最高にカッコいい。

甲洋自身はコアのみの存在となっており、人間の姿は登場しないし台詞もないが、確かにそこに彼の意思は存在するのであった。
それを証明するように、竜宮島の誰もが彼の事をフェストゥムとは呼ばず、かつての彼の名とコールサインで呼びつづけた。

戦闘ではようやく本編でメデューサを装備して出撃。
第二次蒼穹作戦でも大暴れする操のマークニヒトを食い止めようと組み付き同化を図るが、機体をワームスフィアによりバラバラにされてしまい敗北した。

が、ギリギリでコアが転移して難を逃れた様子が確認できる。



◆『蒼穹のファフナー EXODUS


「確かに助けたぞ…一騎……」

終盤の第三次蒼穹作戦中、ウルドの泉からコアとして出現。
アザゼル型ウォーカーに同化されようとしていた鏑木彗の元へ転移し、再度マークフィアーを構築して窮地を救った。
搭乗者こそ違うが、想い人の機体(マークゼクス)を救えたことになる。
今回は人間としての姿も構成されており、他の先輩組同様成長した姿となっている。

当初の未来では甲洋は帰還しなかったらしいが、カノンがSDPで未来を掴みとったため戻ってきた。
奇しくも三度蒼穹作戦時に帰還し、また翔子とカノンの羽佐間姉妹に導かれたことになる。

フェストゥムに変化し肉体を喪っていた後遺症で感情が戻り切っていないものの、島と仲間たちを守る為に戦線に加わり、新たに得たSDPによって戦闘でも主力の一角を担うようになった。
また、自分に続いて合流した操には以前戦った経験もあってちょっと嫌われていたが、戦闘ではコンビを組んで戦うような形になり、はしゃぎやすい彼のフォローをする場面も見せている。


そして同期たちと成人式も迎え、第四次蒼穹作戦では一騎たちとともに最前線で戦い続け、プロメテウスの少年によって「存在と無の地平線」へと引きずり込まれた一騎を操と共に助け出した。



◆『蒼穹のファフナー THE BEYOND』

肉体もしっかり成長。すっかり優しそうなお兄さんという雰囲気。
また、「フェストゥムの力と人間の心を持つ存在」として、一騎・操と並ぶ「エレメント」と呼ばれるようになっている。

一騎たちと共に総士を連れ戻すが、感情も大分戻ったらしく総士の気持ちに理解を示し気遣ったりと優しさを見せている。




【搭乗機】


マークフィアー

分類:ノートゥングモデル
形式番号:Mk.W
所属:アルヴィス
メカニックデザイナー:鷲尾直広

竜宮島製ファフナーであるノートゥングモデルの4番機。カラーリングは茶色。
肩に武装追加用のハードポイントを備えた中距離支援型で近藤剣司が搭乗する8番機、マークアハトと同型である。
OPの時のみ肩に大口径ビームキャノン「メデューサ」を装備していたが、本編ではあっという間の退場であったので「メデューサ」は同型機のアハトが最終決戦の時に装備した。
本編で使用した武器は赤いレーザーを発射するライフル「ゲーグナー」。

『DA』序盤で海中に没した後、新国連に回収されコアはザルヴァートルモデルのマークニヒトに移植されることとなる。

『HAE』ではボディを再構成すると共に甲洋自身のコアを機体のコアに代用する形で登場。なので外観こそ同じだが以前とはまた別の機体である。
武装としては両肩に装備したメデューサを使用した。

『EXO』でもまたボディを再構成し登場。
新たな力としてSDPを発現しており、能力は「毒」。
登場時にアマテラスのガンドレイクを拝借し、毒の効果を付与した変形ワームを刀身に纏わせ斬撃や射撃を放っている。
その効力は並のフェストゥムは触れるだけでボロボロと肉体が崩れ、アザゼル型にさえ有効打を与えられるほどである。


マークフィアー改「アバドン」

分類:エインヘリアルモデル
所属:竜宮島

『EXO』で帰還したマークフィアーを、竜宮島の最新モデルであるエインヘリアルモデルへと改修した姿。
「アバドン」の名称は『BEY』で新たに追加された。

エインヘリアルモデルの特徴であるカノン式アクセラレーターの追加などを行っており、SDPの効力と同化抑制が強まっている。
その他武装は改修以前のものを継続使用。
なお、ガンドレイクは標準装備になっている模様。



【小説版】

ファフナーに乗ると同化された味方を冷静に処理する性格になる事から、「味方殺しの甲洋」と呼ばれている。
また、TV版では希薄だった天才症候群の事についても書かれており、他人の言動や仕草を思い出しては疑心暗鬼に囚われていた。



【補足】

また、彼の特徴として「不幸」が挙げられる。ここからは彼の不幸について述べてみよう……。


◆ケースその1

自分の子供がファフナーのパイロット候補になった時(※ファフナーのパイロットになるには遺伝子の適性が必要であり、
適性があればどんな状態の人間でも乗れるが、ファフナーに乗る=同化への道なので…)

  • 一騎の親父・史彦の場合
一騎のアルバムを見ながら泣いて妻・紅音に謝る。

  • 剣司、咲良、翔子のオカンの場合
報告に来た史彦と千鶴にひたすら文句をいう。

  • 衛の親父の場合
息子がパイロット候補になってしまった事を打ち明けられない。

  • 千鶴と弓子の場合
千鶴は酒を飲まなきゃやってられなくなり、弓子にいたっては真矢がファフナーに乗らない為の偽装工作をしたほどである……。
後に偽装はバレてしまったが。









  • 甲洋ん家の場合

父「(宝くじの一等賞に当たったような気持ちで)本当か!?」

母「やったわ!あなた!!(赤紙みたいなものなのにまるで宝物を見せるように)ほら!」

父「おおぅ!ちょっと見せてみ!!」

父「おお〜、本物だー!!」

母「甲洋〜!降りてきなさ〜い!甲洋〜」

史彦&千鶴「…」



養子とはいえあんまりである。


◆ケースその2

5話で翔子を心配した時。


甲洋「どうした?こんな所で」
翔子「(とても残念な表情で)春日井君…」

その後、翔子は貧血で倒れてしまう。恐らく一騎だったら元気になったのだろう……。



決して報われない甲洋の想い


◆ケースその3

7話で模擬戦で一騎に敗れた時に親からの言葉。

  • 咲良の母の場合
母「危険だったらいつでも逃げなさい。それが命令違反でも、でないと羽佐間さんのように…」


  • 甲洋の両親の場合

父「さぁ、もうこれで終わりだ」

父「うちのは…ハズレだ」

母「…」


なんか見てるだけで泣けてくる(´;ω;`)
一応母は少しだけ甲洋を気遣う素振りは見受けられたが…。


◆ケースその4

甲洋が半同化されて再起不能になった後。

父「あいつのおかげで俺達の評価も下がるんだぞ!」

母「羽佐間さんのように、レベルの格下げはごめんだわ!」

そして甲洋の代わりとなる里子を欲しがるも、里子は1家族に1人のルールの関係上、例え半同化状態でも生きている以上は与えられないと却下されたため、甲洋の生命維持装置を切ろうとする……。

これには普段は寡黙な史彦もさすがにキレた。

「優秀なパイロット一名を育ててくれた事に感謝する…」
「だが、お前達に人の親になる資格はない!!」

その後、甲洋の両親が島から追放されたのは言うまでもない。
追放後、どうなったかは、はっきりと描写されていなかったが、住民の噂話によれば、まともに生きては行けないだろうとのこと。
スパイを依頼してた人類軍に拾われてなければ、おそらくどこかで野垂れ死んでるか同化されたかの二つしかない。まさに自業自得。
音沙汰がないということは少なくとも人類軍には拾われていないのだろう。


実は春日井夫婦は新国連のスパイであり、アルヴィスでの重要なポストを得て機密情報を横流しする目的で甲洋を育てていただけだった。
新しい里子を欲しがり、生命維持装置を切って甲洋を殺そうとしたのもパイロットの親という立場を利用しようとしただけ。
ファフナーきっての吐き気を催す邪悪そのものであり、視聴者からの評判は最底辺といっていいほど悪い。 





【ゲーム】


スーパーロボット大戦K

フラグ次第では翔子、衛、道生と共に竜宮島へと戻ってくる。
しかし、どっかのの命と引き換えに総士が……。これじゃあ素直に喜べない。
なお、春日井の両親は「春日井夫妻」という名義で名前のみの登場であり、総士と史彦の口から原作通りの末路を語られるだけの扱いであった。
まあ、もし原作通りに両親が登場したらしたで味方部隊から激しい非難を浴びるのは想像に難くないが。

機体のマークフィアーはファフナー唯一の補給機能持ち。
一体どうやって補給するんだろうか?……もしかして甲洋はみんなの荷物持ちなのか?!

ちなみに精神コマンド「愛」を覚える…やっぱりか。


スーパーロボット大戦UX

劇場版を踏まえてか、残念ながら生存フラグはない。同化時の展開はDVEで再現された。
マーク甲洋…もといマークフィアーの精神はかなり使いやすい上、読心能力もあるので極めて便利と評判。
ちなみに両親は登場どころか存在すら語られない。…まあ、もし原作通りに(ry
中断メッセージでは翔子に一騎を使い込みまくって本編をクリアするよう強要される。
翔子「一騎君、喜んでくれるかなぁ…」
甲洋(いいさ…翔子が喜んでくれるなら、それで…)

まぁ、このお蔭で聖戦士ショウ=コハ=ザマが爆誕したので甲洋もきっと満足であろう。
ちなみに翔子を生存させると、スレイヴ型覚醒イベントが更に泣けるものになるので必見。

「…!?そんな…翔…子…どう…して…」

「帰ってきた…?翔…子が…?」

「……」

「帰り…たい…」

「翔子も…みんなも一緒だった…あの場所に…!」

「…うっ、うわぁぁぁぁぁぁーッ!」

「一騎…翔子が…くっ、うぅぅ…」

「うわぁぁ…翔子ぉぉぉーっ…!」


終盤、劇場版展開で「マーク・フィアー」名義で復帰するが、本作では参戦の際に未採用の「激戦」の代わりに「Shangri-La」が流れる。
なお、フェストゥムなのでCコード技能はないが読心技能はL3を取得済み。*1


ユガの終焉を乗り越えた後は、フェイ達と共にユガの狭間に残る。
一騎達と最期の言葉を交わし、「全ての可能性が集う」世界へと帰還させたのだった…。

「そして、覚えていてくれ。俺達が、ここにいたことを」



◆蒼穹のファフナー(PSP版)

ゲーグナー2丁持ちでそこそこ援護として機能してくれる。
何故か途中で離脱せずに最後まで自軍にいる。




追記・修正は仲間を絶対に見捨てないと決意してからお願いします

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最終更新:2023年06月27日 11:37

*1 =命中回避+50%の補正