WALL-E(ウォーリー)

登録日:2012/03/17(土) 13:08:06
更新日:2024/03/14 Thu 00:54:51
所要時間:約 6 分で読めます




きみと手をつなぎたい。

「WALL-E(ウォーリー)」とは2008年に公開されたピクサー&ディズニー制作のCGアニメーション映画。

人間よりも人間らしいロボット達と人間性を失った人間による、大事なものに気付きそれを取り戻す物語。
他のPIXAR作品よりも台詞が少ない。序盤30分に至っては一切台詞無し。
また、過去の人類として実写の人間が登場する。


【あらすじ】

23世紀、地球はゴミで溢れ返り植物が育たない程に汚染されてしまった。

そこで当時の大統領は宇宙船アクシオムで地球を離れ、その間にロボットで地球のゴミを掃除、浄化されたら帰還するというプロジェクトを発案。
人類はアクシオムで旅立ち、地球にはゴミを片付けるロボット達だけが残された。これがウォーリーである。

それから700年後。

地球最後のロボットになったウォーリーは今日もゴミを掃除していた。誰かと手を繋ぐ事を夢に見ながら…

ある日、突如宇宙船が飛来し白いロボット、イヴを置いて行った。彼女に一目惚れしたウォーリーは手を繋ぐためにアプローチを決行。
最初はスルーされたりブラスター砲で何度も殺されかけたりしたが段々と2人は仲良くなっていった。

だがウォーリーがある物を見せた途端イヴは動かなくなってしまった。さらに宇宙船が戻ってきてイヴを連れ去ってしまう。
必死に宇宙船にしがみ付きイヴを追いかけるウォーリー。地球を出て辿り着いたのは宇宙船アクシオムだった…



【用語】

  • WALL-E
地球のゴミを掃除するために作られたロボットでゴミを集める→キューブ状に圧縮→積み上げるを繰り返す。
エネルギーは太陽光(充電完了音がMacの起動音)、壊れてもパーツ交換だけで簡単に直せるというメンテ性の高い設計。
録音機能が付いていたり眉間からレーザーを発射できたりと掃除ロボットの割には妙に多機能。
名前は"Waste Allocation Load Lifter - Earth Class"(ゴミ配置積載運搬機地球型)の略。

昔は沢山いたが長い年月の中で徐々に壊れていき今は主人公のウォーリーのみ。
またアクシオムには全長数十メートルの巨大な類型機(WALL-A(Earth Classに対してAxiom Class))がいる。

  • AXIOM(アクシオム)
人類が地球を出るため乗り込んだ宇宙船。作中に出てくるのは1隻だが実際は何隻もある。
浮遊する椅子やロボットが何でもしてくれる快適空間で、人々はそこで生活しながら地球が浄化される日を待っている…

なんてぇのは

700年の間に人類は地球の事を忘れており、土、本、ダンスといった地球の知識は誰にもない。(流石に存在そのものは記録に残っており人類の故郷という認識はされている)
更に浮遊椅子の動かなくていい生活によって全員超メタボ化。立つのも歩くのもロクに出来なくなってしまった。*1

脱出当時は実写だったが段々とCG化。どうやら堕落しきると二次元の存在になる様だ。さぁ皆も嫁に会うためレッツトライ!



【登場人物】

ロボットの登場人物は名称がバクロニムとなっており、呼び名を頭文字とした正式名称が設定されている。

  • ウォーリー(WALL-E)
(日本語吹き替え:横堀悦夫)
主人公。本来のウォーリー達は感情も愛想も無いロボットだが、彼だけは長い年月による学習かバグなのかかなり豊富な感情を持つ。
通常の個体と違い、目の部分にあたるパーツが少し垂れているのが彼のアイデンティティ。
好奇心旺盛なドジっ子。ダンスをしたり慌てたりガタガタ震えたりと、する行動する行動がコミカル。

同型機がみんな壊れても彼一機のみで700年もの間ゴミ処理を続けており、処理されたゴミは積まれて高層ビルのようになっている。それでもまだゴミが残っているのだから恐ろしいものである。傍から見ればとても寂しい状況であるものの、日々の仕事の様子を見る限り案外楽しんでいるらしい。

部品供給が途絶えているため、どこかが破損して交換が必要な場合は壊れてその辺で活動を停止した同型機から部品を失敬しなければならない。主な部品はきちんと住まいにストックしている。

元々同型機の仲間達が収容されていたトレーラーを住まいとしており、ゴミ処理中に見付けたスプーン、ライター、指輪の「ケースだけ」などの気になった物をそこへコレクションする趣味を持つ。
中でもミュージカル『ハロー・ドーリー!』のビデオが宝物。劇中の手を繋ぐシーンが好きでいつか誰かと手を繋ぎたいと夢見ている。

イヴと手を繋ぎたいという思いだけで行動しており様々な騒動を巻き起こす。故にゴミ処理場でのシーンはグッとくるものがある。
『成長する側』ではなく『周りを成長させる』タイプの主人公。彼の一途な気持ちが人類に人間性を取り戻させる。

物語の後半でオートの攻撃を受け損傷、さらにホロディテクターに挟まれて大破・機能停止に。帰還後、イヴに修理された後は何の感情も持たないただのロボットに戻ってしまったかに見えたが、イヴが手をつないで別れのキスをしたことで自我が戻り、イヴと結ばれる。


  • イヴ(EVE)
(日本語吹き替え:園崎未恵)
アクシオムから地球に送られたロボット。
白いタマゴ型のスッキリしたシルエットで常に浮いているという、ウォーリーとは正反対の未来的デザイン。

任務を忠実にこなす真面目な性格だが短気。イラッとするとすぐにブラスター砲をブッ放すキケンなクールビューティー。古く言えば「プッツン」。
でもウォーリーのコレクションを壊して慌てたり、おもてなしに笑ったりとオフの時の感情は豊か。

地球の状態を調査し植物があったら艦長の元へ持って行くという任務を負っており、とにかく任務の事ばかり考えている。
が、機能停止中に録画されていた映像を見て…ウォーリーと同様それ故にゴミ処理場でのシーンはグッとくるものがある。
ある意味作中で一番成長したキャラ。

デザインのモデルはiPod。


  • ハル(HAL)
G
29世紀の地球でも元気に生きており、踏み潰しもブラスター直撃もものともしない生命力を手に入れている。なんて奴だ。
ウォーリーの地球でのお友達ポジションで、一緒に暮らしている。ウォーリーが与えてくれる棒状のケーキ菓子*2が好物。
多分この世界の人間はGと仲良くやっていくのだろう。

「レミーのおいしいレストラン」「シュガー・ラッシュ」にもカメオ出演している。


  • モー(M・O)
(日本語吹き替え:吉野裕行)
アクシオム艦内で調査から帰還したイヴの清掃を行う任に就いているロボット。
手に電動ブラシが装着されており、それを使って清掃する。
かなりの潔癖症で、地球からやってきた(≒汚染物質まみれ)ウォーリーのキャタピラ跡を掃除しつつ執拗に追いかける。
この執念深さが一度ウォーリーとイヴの危機を救うことになる。


  • B. マックリー艦長
(日本語吹き替え:草刈正雄)
アクシオムの6代目艦長。最も台詞の多いキャラ。

怠惰な性格で、昼まで寝坊して「艦長の挨拶を忘れてた!」という理由で艦内の時間を朝に戻す等ちょっと勝手。

他の人間の例に漏れず地球の知識は皆無で、本の開き方やマニュアルという字の読み方すら知らなかった。

だが土を解析したのをキッカケに地球に興味を持ち一晩中データベースで調べる程に。
一時は地球の現状を知って困惑するも、逆に決意を固め帰還を決定。クライマックスでオートに振り払われるものの、ホバーチェアに頼らず自らの足で立ち上がり、オートとかなりアナログな取っ組み合いに持ち込む。その最中、手動への変換スイッチをオートの上部に発見し「もう、お前に用はない!!」と切断。見事にアクシオムをオートの支配から解放して勝利、地球に帰還することに成功した。そしてその植物を土に植えて再植民地化計画を再開した結果、ゴミが一気に減ってほかの植物も蘇り、植えた植物は大きな木へと成長した。

オートの反乱後も植物が無事ウォーリーの手にあることを知った際には、大胆にもアクシオムの放送システムを乗っ取ってイヴとウォーリーに連絡をとったり、写真を使ったトリックアートのような手段でオートを欺いて活路を見出したりと、初登場時の情けない印象とは一線を画す巧みな頭脳プレーを見せた。


  • オート(AUTO)
(日本語吹き替え:江原正士)
代々艦長をサポートしてきた補佐ロボット兼アクシオムの操縦装置。操舵輪の形をしている。
艦長に忠実なロボットに見えるが、実は700年前から社長の命令でアクシオムを決して地球に帰還させないという極秘任務を与えられていた真っ赤なディズニー・ヴィランズ(悪役)である。その為、イヴが持ち帰ってきた植物を部下のゴーファーと共に極秘任務コードネーム「A113」に従いながら徹底的に処分しようと目論む。武器として強力なスタンガンを武装しており、ウォーリーの電子回路をショートさせる*3

だが、艦長を振り払ってホロディテクターを沈めようとスイッチを破壊しながら押し込む最中に艦長に止められ、激闘の末、切り替えスイッチを自動から手動に切り替えられ活動停止。ただの舵となった。

今作のヴィランズではあるが、彼自身は大それた悪意や野望の類は持ち合わせておらず、ただ単に人間の命令を忠実に守り続けていただけである。
それゆえ「お前は用済みだ」と艦長に宣言されながらも、スイッチを押されまいと必死で抵抗する彼の姿に哀愁を感じた観客も少なくないとか。

特徴的な赤いカメラアイや「艦を制御している」「人類に反乱」といった要素で映画好きの方ならわかるだろうが、『2001年宇宙の旅』に出てくる「HAL9000」のパロディキャラである。

  • ゴ―ファー(GO4)
アクシオムの警備ロボット達を率いる主長ロボット。
オートの右腕とも言える存在であり、彼の命令に従ってウォーリーとイヴ、そして彼らが持ち込んだ植物を処分しようとする。
最期は艦長と格闘するオートに加勢しようとするも、艦長に蹴飛ばされた拍子にプールサイドに転落、そのままバラバラに壊れてしまった。


  • シェルビー・フォースライト
(演:Fred Willart/日本語吹き替え:小川真司)
Buy N. Largeの社長、及び創設者であり、その同時に大統領でもあるらしい。
地球の清掃プロジェクトを実行させた張本人だが、楽観視が災いしてプロジェクトは失敗という事態に追い込まれてしまった。
その後、汚染レベルが高すぎて、地球環境の正常化は不可能だと判断し、地球を見捨てた無責任なヤツ。

その際に、各アクシオム艦の操縦システム(AUTO)に向け、「何があろうと地球に戻ってくるな」という極秘指令を出しているが、このような指令をわざわざ出した理由は不明。

  • バーニー(BURN・E)
アクシオムの修理用ロボット。艦外で第7スパイアを修理していたが、WALL・EとEVEの活躍が原因でエアロックが閉まり、艦外に閉め出されてしまう。

実はこの前後の物語は、DVD・ブルーレイの特典映像で明かされている。任務を遂行しようとするが、WALL・Eに気を取られてスパイアが飛んで行ったり、誤ってスパイアを壊してしまったりなど、意外とドジである。


  • アクシオムのロボット達
警備、掃除、料理、美容、日傘等アクシオムでは様々なロボットが働いている。

壊れたロボットは修理用の部屋に連れて行かれて直されるが、自分の番が来るまでは四角い仕切りで隔離される。

ウォーリーのうっかりで仕切りが解け、自由になったお礼にウォーリー達の仲間になる。

ウォーリーの味方として主に活躍したロボット
  • ハンス(HAN・S)
マッサージ用のロボット。一機、かなり暴力的な個体がおり、ウォーリーとともに行動。危険な為バンドで拘束されていたが、セキュリティーと対峙した際にウォーリーの機転で拘束を解かれる。直後、「待ってました」かのように暴れ倒してセキュリティーをあっという間に破壊・制圧した。
この一件で好きなだけ暴れて満足したのか、その後は普通にマッサージを行う様子が見られた。

  • ブレラ(BRL・A)
日傘型のロボット。一機、裏返って開くエラーを起こす個体がおり、ウォーリーとともに行動。セキュリティーの捕獲レーザーを跳ね返してウォーリーとハンスを守ったほか、最終盤では植物をホロディテクターまで吹っ飛ばすなど、地味ながら重要な活躍を見せた。

  • ヴェン・ゴー(VN・GO)
塗装ロボット。ペンキをあちこちに塗る個体がおり、ウォーリーとともに行動。"Put On Your Sunday Clothes"を気に入っているらしく機械音で歌を再現しながらついてくる様子を見て、ホロディテクターへ移動中のウォーリーが歌を流したことで歌に気づいた他の故障ロボットたちが続々と集結した。


【余談】


毎度お馴染み電気スタンドによるピクサーロゴだが今作はウォーリーも出演する。最後まで見よう。

彼らが題材のアトラクションは今の所無いがトゥモーローランドにウォーリーとイヴのオブジェが置いてある。

ウォーリーとイヴの日本語で話す声は、セリフ数が少なく加工されてるため気づきにくいかもしれない。

エンドロール後のピクサーのロゴでおなじみのルクソーJr.の電球が突然切れて、ウォーリーが電球を交換して、戻ろうとしたその時、なんとロゴの「R」の字を倒してしまい…

更によりセリフの無いお掃除ロボのモーの声を吉野裕行が演じている。何処で喋ってた。   「イケ!イケ!」



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最終更新:2024年03月14日 00:54

*1 一応骨が細くなってメタボ化してしまう事態を防止するためのジョギングコースは用意されていたがそれすらも忘れられてしまっていた

*2 元ネタであろうケーキ菓子「トゥインキー」はいつまでも腐らないという都市伝説を持つことで有名。29世紀になっても腐っていないとは…

*3 艦長に対しても躊躇無くスタンガンを向けたことから、恐らくロボット三原則はプログラムされていないと考えられる。