ドライセン(MS)

登録日:2012/03/09 Fri 09:31:18
更新日:2024/04/06 Sat 22:03:23
所要時間:約 4 分で読めます





何がプルツーだ、何がニュータイプだ!俺たち大人の男がそんなに役立たずか!


ドライセンとは、『機動戦士ガンダムΖΖ』及び『機動戦士ガンダムUC』に登場するモビルスーツ(MS)。




■諸元

型番:AMX-009
所属:ネオ・ジオン軍袖付き
頭頂高:22.0m
本体重量:36.7t
全備重量:66.5t
ジェネレーター出力:2,380kW
推力:107,800kg
センサー有効半径:13,100m
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
  • ビームトマホーク
  • ビームランサー
  • 3連装ビームキャノン×2
  • トライブレード×3
  • ビームライフルバウ用と同型)
  • ビームバズーカ
  • ヒートサーベル(袖付き)
  • ジャイアント・バズ(袖付き)

搭乗者:
ラカン・ダカラン
オウギュスト・ギダン
グレミー・トト



■機体解説

アクシズが開発したドムMSの最終発展機
十字型のモノアイレーンや紫色の外装など、かつてのドムを想起させるデザインが盛り込まれている。

当初は地上用として開発されたが、宇宙と地上両方で使える汎用機となった。

バズーカ等砲撃戦を主体としたかつてのドム系とは異なり、接続が可能なビームランサー及びビームトマホーク、腕部連装ビームキャノン、投擲武器であるトライブレードといった近距離、格闘戦向けの設計になっている。
とはいえビームライフルを持てたり、ビームランチャー搭載のバックパックに換装した機体があったり、バズーカ装備の機体があったりと汎用性はかなり高い。
また従来のドム系同様かなりの堅牢性を持つほか、オーソドックスな作りな分信頼性も高かったため、ネオ・ジオン軍の中盤以降の戦線を支えた。

また生産性も高かったのかU.C.0096の袖付きに多数の機体が残存していたとされ、更に性能も優れていたため小規模の改修に留められている。
さすがに最新鋭のユニコーンガンダムには敵わなかったが…しかしながらかなりの汎用性や信頼性から傑作機のひとつである事には変わりはない。
なお、試作機はU.C.0083年には既に完成していたと言われる。13年近くもほぼそのままの仕様で使われていたとすれば、改めて基本設計の優秀さが窺える。



■武装

斬撃に特化したビームトマホークと刺突に特化したビームランサーの2種類の近接装備を持つ。
ビームランサーは柄を伸縮してビームサーベルとしても使用可能。

2つを接続すれば出力を倍加した双刃式の武器にも出来る。ただ柄が長くなるので扱いは難しい。


  • 3連装ビームキャノン
両腕に内蔵。連射性や命中率に優れ、小型メガマシンガンと言って良い。
機関砲のような連射だけでなく、「ビームキャノン」の名に違わず3門同時発射による集束ビームとしても使用可能。
しかし、上腕部にパワーサプライヤーが露出している為、ここに被弾すると全く使用出来なくなってしまう。

袖付き仕様は露出していたパワーサプライヤーが内蔵式に変更され、出力も向上している。
ガトリング持ちのユニコーンとはある意味ライバルか。

かつては「3連装ハンドガン」という名称で、実弾なのかビームなのか曖昧だった。


  • トライブレード
バックパックに3基搭載の試験兵装。回転する刃を投げつける手裏剣かコマのような武器。
フレアとしての機能も持ち合わせており、赤外線誘導ミサイル等への防御にも使える。

タケ○プターでも超○磁ゴマでもない。

劇中では大して目立っていた武器ではないのだが、大体のゲームだとオールレンジ攻撃兵器でないにもかかわらず、威力と命中補正値が高いので侮れない。
ビームトマホーク/ランサーや下記のヒートサーベル、ジャイアント・バズを背中にマウントする場合は、トライブレードを1基外す必要がある。



  • ヒートサーベル
  • ジャイアント・バズ
共に袖付きの機体が装備。バズーカはシナンジュ用の物を改修・量産化したものである。
従来のドムに倣った運用方式を取らせるための装備。


  • ビームライフル
『ZZ』で使用されていた。バウのものと同型。
腕の3連キャノンだけでは足りなかったのだろうか。


  • メガ・バズーカ
旧1/144プラモの説明書に掲載されていた設定のみ存在する武器。
メガ・バズーカ・ランチャーの簡易版として設計されたらしい。
試作型バックパック(推力と燃料積載量を重視した高出力型)と共に装備する予定だったが、トライブレード搭載型バックパックに換装したところ出力が足りなくなり廃案となった。



■劇中での活躍

◇『ΖΖ』

まず宇宙でラカン搭乗の試作機が、地上ではグレミー、オウギュスト機など量産型が登場。
ラカン機はΖΖの装甲を切り裂くなどかなりの奮戦を見せた。

オウギュスト機はドライセン部隊を率いてアーガマを襲撃。
カラバのジム部隊やルーのZを落とす活躍を見せるも、ジュドーの百式にはラカン戦で武装のパターンを見切られていたこともあって攻撃が通じず、両腕を切り裂かれて爆散した。

その後もエンドラ搭載の機体、ハマーン軍、グレミー軍ともに多数の機体が確認されている。


◇『UC』

OVA版のEP3で袖付き所属の機体がパラオでユニコーンと交戦。連装ビームキャノンを浴びせたりトライブレードを投げつけるが、ビームガトリングの餌食となった。
ここで撃破された機体以外にも、多数の機体がパラオに存在していた模様。内一機は衛星の影から飛び出した瞬間をロトの砲撃でやられたり、その砲撃に対処しようと思ったら背中からジェガンのビームを掠められたりと連邦軍側の術中に落ちていた。
『ΖΖ』とは少しデザインが変更されており、袖付き特有の腕部・胸部のエングレービングの他、二の腕に露出していた動力パイプが無くなっている。



◇その他

「ソデつきのくせにナマイキだぞ!!」
「うわあああ!!ドラいせ~~ん!!」

ガンダムエース連載の「ハイブリッド4コマ大戦線」では袖付きの本機が「ドラいせん」という某ネコ型ロボットみたいにガザDとやり取りを行うネタがある。
基本はの○太なガザDがドラいせんに道具をねだる、というものだが大体当てにならない。あと「GNドライブ」を出してきたこともある。(当然ガザDにツッこまれた。)
なお、ここではユニコーンがジャ○アン、デルタプラスがス○夫らしい。

ゲームブック『シャアの帰還』では、ジオン残党ダンジダン・ポジドン少将が根城とするグワダン級大型戦艦イン・エクセスの艦載機としてリゲルグと共に登場し、
ネオ・ジオン復興の協力を願い出るシャアの力量をテストする際に、ゲームの展開によってはシャアがどちらかを借りる事になる。
またジェイ・ニコルソン大尉の搭乗する機体がテストのための敵キャラとして出現する。



■バリエーション

バーン・フィゼクス専用機

エンドラ級インドラ所属のバーン・フィゼクス大尉が搭乗する専用機。
この機体はドライセンのプロトタイプだったらしく、制式仕様機には採用されなかったメガバズーカと高出力バックパックを装備している。
後にバックパックをトライブレード装備に差し戻して3連ハンドガンを実弾式に換装した接近戦特化仕様に改造された。

ちなみに塗装はドムカラーになっているが、これはメカマンが勝手に塗り替えたもの。



ドムⅢ

型式番号:AMX-009G

ネオ・ジオンと協力関係にあったジオンマーズ(後の火星独立ジオン軍)用に調整された火星陸戦仕様。

空間戦用の装備を撤去した代わりに両肩部にスラスターユニット、バックパックにホバー推進ユニットを追加している。
武装も固定兵装はそのまま、携帯火器はビームバズーカとヒートサーベルに一新した。

わざわざ「ドライセン」の名を排してドムⅢとしたのはジオンマーズが「ジオン公国の正統後継者」を自称していた為で、カラーリングもスタンダードなドムカラーとチェスター艦隊用のサンドカラーの2種が用意されていた。
奇しくも、かつてのドムとリック・ドムの関係に近いと言える。

主に旧ジオン軍以来のドム乗りに愛用されたようだ。



プラモデル

放送当時に1/144で発売。その後HGUCにて『UC』版(袖付き仕様)が、更に3年後に『ΖΖ』版が発売された。

  • 1/144
旧キットは当時としては破格の出来で、腕部ハンドガンが何と差し替えなしで展開・伸縮する。HGUCでは差し替えな上に伸縮機能がないのでここは完全に旧キットの方が上。
プロポーションも良好で、下半身がスマートなのでHGUCよりもこちらの方が好きというモデラーも多い。
可動も動かないのは肩の前後可動と腰ぐらい。
武装も『ΖΖ』劇中で使ったものはビームライフル以外全て付属する。

  • HGUC
ガッチリした体型で下半身はやや太め、足も大きいので安定性は高い。こちらの方がドムの後継機らしいとは言えるか。デブって言うな
武装は旧キットのもの+『UC』のヒートサーベル&ジャイアント・バズが付属(『ΖΖ』版の方にもそのまま同梱)。しかしビームライフルだけはやはり付属せず、これだけはバウから流用する必要がある。
『UC』版と『ΖΖ』版でデザインの異なる腕部・胸部はそれぞれ別造形となっているが、それ以外の部分は基本的に『UC』版準拠なので「『ΖΖ』劇中そのままのドライセンが欲しい」という人には若干コレジャナイ感があるかも知れない。
トライブレード用のエフェクトパーツはないので、自作するか、2022年に同じくバンダイから発売された『スパロボOG』のゲシュペンストに付属のスラッシュリッパー用エフェクトパーツを流用するなど工夫する必要がある。

ちなみにドーベン・ウルフも発売されたので、ラカンが乗った機体は全てHGUCでキット化したことになる。

最初期(まだ「SDガンダム」シリーズに含まれない頃)に、ドライセンモチーフの「ドラクン」というキャラクターで商品化。見た目はそのまま三頭身のドライセン。
更にこのドラクンをリデコした「ムシャドライセン(武者怒雷仙)」も発売された。
ドライセンを元にしたプラモデルの中で唯一メガ・バズーカが付属する(代わりに他のドライセン用武器は一切付属しないが)。


ゲームでの活躍

初代から登場。武装は少ないが使い易い。トライブレードが高威力かつ高命中率を持ち、作品によっては特殊射撃なこともあるため、侮れない機体である。
「3D」「OVERWORLD」「GENESIS」には袖付き仕様が登場。こちらはビームランサーがヒートサーベルに置換された代わりにバズーカが追加され手数が増えている。どちらも使い易いので好みで選んで構わない。

ZZ時代を含むようになったアクシズの脅威から登場。

どの作品でも、足が速いため指揮官機やズサブースターと歩調は合わせやすく世代のわりに格闘が強いが反面運動性は其れほどでもなく盾もないので受けに回ると脆い。

最大の悩みどころはジオンにはよりコストパフォーマンスに優れ技術的により早く作れる量産ユニットがわんさかいる事だろうか。


黒い三連星が登場している場合は必ずと言っていいほど、中盤からドライセンに乗り換える*1。特に『F完結編』で乗ってきた時はかなり手強い。場合によってはA.T.フィールドも楽々貫く超兵器に。まあ、『F完』のインフレバランスのせいであってドライセンに限った話ではないのだが。
『コンプリートボックス』でも恐ろしい機体であった。デフレバランスなのでダメージは防御すればそこまででもないが、トライブレードが移動後攻撃可能、射程3、命中+60%と狂った性能になっておりMSや弱ったスーパーロボットを切り裂く超兵器となっていた。
原作でリック・ドムⅡに搭乗していたカリウスもこれに乗り換えることがある。
また、「UC」以前に発売された『64』のようにバズーカとヒートサーベルを装備していた作品もあった。*2ちなみにその作品でバズーカとサーベル持ってたのは、黒い三連星がジェットストリームアタックをドライセンでやりたいからという理由であった。

基本的に敵が使用するが、シリーズによっては自軍で使用可能。『EX』リューネの章では黒い三連星を味方に引き入れた時の使用機体でもある。

「UC」が参戦しているシリーズでは袖付き仕様が登場するが、作られた年代がやや古いからか、ギラ・ズールよりも性能がやや低めに設定されていることが多い。


  • 機動戦士ガンダムUC(PS3)
貴重な袖付き仕様のドライセンをプレイアブルで使える。
ただ量産型の典型のような性能であり、耐久力が高めである以外は特に特筆すべきものがなく、腕ビームガンがミリ削りやファンネル掃除に使えなくもない程度。
トライブレードが使い捨て武器な上に威力も大したこと無いとぞんざいな扱いである。


  • SDガンダム ガシャポンウォーズ
中コストの汎用機として収録。
こちらのドライセンはトライブレードが使い捨てではなく、フィールドを飛び回ってジワジワと削ることが出来る。
複数体を相手にすると中々にウザいが、射撃扱いなのでタイミング良く近接で切り払えば本体を怯ませると同時に破壊出来る。
SEED系機体のビームシールドで防ぐと反射扱いになり、サイコミュジャックの如くドライセン側に牙を剥く。


  • バトルオペレーション2
コスト550の汎用機として2020年8月とかなり早い段階で実装。
通常の主兵装はUCで所持したジャイアント・バズで、持っていればバウ用のビームライフルを持たせる事ができる。また格闘もロング・ビーム・トマホークかヒート・サーベルを選択式で選べる。
トライブレードは最大3連射可能で、発射後は標準を動かす事である程度の誘導が可能になる。直撃すると爆発する。

射撃面はそれなりだが威力が平凡で、あくまで格闘へ繋げる初動択としての側面が強い。その格闘は威力と補正値が高く、ドム系特有の強襲戦闘能力が本機も高い事を示している。
ただ、あまりにデカいヒットボックスが仇となり、スキルである程度回避・耐よろけ性能を持っているとはいえ過信できない。
トライブレードという奇襲と追撃に長けた装備をどう扱うかで本機の真価を発揮できるだろう。


ドム系の更なる発展を願って、追記・修正お願いします。

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最終更新:2024年04月06日 22:03

*1 元からドム系MSに愛着がある設定はない。それどころか、原作ではザク系から機種転換して間もない慣らし運転の段階で出撃し、機体を最大限扱いこなせていたかどうかもはっきりしていない。

*2 ただし武装には含まれず、合体攻撃の演出で使うのみ。