エレン・イェーガー

登録日:2011/05/20 Fri 14:43:59
更新日:2024/03/24 Sun 20:56:32
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9つの巨人 あの日の少年 エルディア人 エレン エレンゲリオン エレンレクイエム エレン・イェーガー ダークヒーロー プロフェッショナル出演 ラスボス ラスボス系主人公 不屈 不撓不屈 世界の敵 主人公 主人公→ラスボス 九つの巨人 人類の敵 人類種の天敵 初志貫徹 加害者にして被害者 哀しき悪役 地鳴らし 大量殺人鬼 奴隷 始祖の巨人 巨人化能力者 必要悪 悪魔 悪魔に成り果てた男 悲劇の主人公 戦鎚の巨人 最後の巨人 有言実行 梶裕貴 死に急ぎ野郎 涙腺崩壊 熱血 狂人 童貞 第104期訓練兵 紅蓮の弓矢 終尾の巨人 自己犠牲 自由 自由の奴隷 自由を知りたかった少年 調査兵団 超大型巨人 進み続ける者 進撃の巨人 馬鹿 駆逐系男子



「駆逐してやる!!この世から…一匹…残らず!!」


漫画「進撃の巨人」(別冊少年マガジン)の主人公。


誕生日:3月30日
年齢:15歳→19歳

身長:170cm→183cm
体重:63kg→82kg


●目次

●概要

ウォール・マリア南端のシガンシナ地区出身。町医者グリシャ、その妻カルラの一人息子。
ある事情で同い年の少女ともに暮らし、幼馴染の影響で、危険だが可能性に満ちた壁外への関心を持つ。

10歳のときに超大型巨人の襲来を目の当たりにし、巨人に蹂躙されるシガンシナ区から逃げる際に、
母親が喰われるのを目にしたことで巨人に深い憎悪を抱いた彼は12歳でウォール・ローゼ南端トロスト地区の訓練兵団に入団し、厳しい訓練の中で巨人を殺すための力を身に着けてゆく。

虐められている友人を身を挺して助ける、初対面の少女を助けるために自分より大きな大人に立ち向かうなど、同世代の訓練兵との衝突を繰り返しながらもその強靭な精神力を評価され、15歳時に第5位の成績で訓練兵団を卒業。

しかしその翌日、トロスト区にて固定砲整備を行っていたところに突如として超大型巨人が出現し、開閉門を破壊される。
壁内へ続々と侵入した巨人を殺すために奮起するも、新兵である彼らと巨人との力量差は絶望的であり、
仲間が喰われる中で自身も片脚を喰いちぎられてしまう。

戦意を喪失し、今にも巨人に喰われる寸前であったアルミンを助けるために片腕を残して呑み込まれ、壮絶な戦死を遂げた…





…と思いきや、その巨人の体内で図らずも15m級の巨人に変身したエレンは結果的に20体の巨人を屠り去る。
人間として培った格闘技術は健在だが、精神が凶暴化しているようで当初は全く制御できず、かなりの体力の消耗を強いられる上に自力で元に戻ることは出来なかった*1
この巨人体(通称・エレンゲリオン*2)に変身する能力が覚醒してからは失った四肢が元通りに再生するなど、異常な回復能力が備わるなどといった変化が見られる。

その後、「巨人になる化け物」として処刑を求める勢力から逃れつつ、
彼は「人類の希望」として巨人たちとの戦いに身を投じるようになる…



●本編での軌跡

調査兵団入団

前述の通り、最初の巨人化後は彼を恐れる兵士たちに囲まれて殺されそうになっていたが、アルミンの決死の時間稼ぎによって難を逃れる。
直後のトロスト区奪還作戦にて、高さ10mはあろうかという大岩を運んで壁の穴を塞ぎ、ウォール・ローゼ陥落という最悪の事態は防がれた。

その後、エレンを団員として迎え入れようとする調査兵団と、彼の生体解剖を求める憲兵団が衝突する裁判が開廷される。
最終的に調査兵団リヴァイ兵長預かりの身となり、調査兵団特別作戦班、通称「リヴァイ班」に編成された。
エレン本人のおぼろげな記憶によれば、巨人化できるのは行方不明の父親に打たれた薬が原因と推察されており、
シガンシナ区の自宅地下室、そして彼が肌身離さず身に着けている「鍵」にその秘密が隠されているらしい。
今後、エレン、ミカサ、アルミンを含む調査兵団の面々は、その秘密を探るために壁の外へ出て行くこととなる。


VS 女型の巨人

彼らにとって初の壁外調査となる第57回壁外調査で女型の巨人の襲撃を受け、リヴァイ班員4名の死に激昂し、自身も巨人化して対抗する。
しかし、女型の巨人の技量はエレンの上にあり、巨人体の首を刎ねられ口内に捕らえられてしまうが、ミカサとリヴァイによって助け出された。

惨敗とも呼べるこの調査結果によって今度こそエレンの身柄は憲兵団預かりとなる寸前であったが、アルミンによって女型の巨人の正体が判明した後、再び彼女と交戦。ミカサとの連携で生け捕りに成功するが、彼女は巨人の能力で全身を硬質化させて自らを封印し、何も聞けずに終わった。


VS 鎧の巨人&超大型巨人

突如ウォール・ローゼ地区に巨人が出現した際には巨人化せずに戦闘に参加。ウトガルド城で窮地に陥っていた仲間を救出した。
しかし、その直後に鎧の巨人と超大型巨人のが判明。その裏切りに激怒し、巨人化して交戦。鎧をあと一歩のところまで追いつめるが、壁から落下してきた超大型に激突し敗北。四肢を切断され、ユミルと共に壁の外へと連れ去られてしまう。


その後、彼らに拘束されてウォール・マリアよりも外にある「どこか」へ連れ去られるところであったが、そこに調査兵団が突入。
エルヴィン団長の捨て身の攻撃によって二人から解放される。

開放されてなお危機去らぬ中、自らの戦いの始まりである怨敵、かつて目の前で母を喰い殺した巨人が現れた。

体力の消耗により未だ巨人化できないエレン、負傷して動けないミカサ、周囲の巨人に手一杯の他団員、

そして、あの日と同じように目の前で喰い殺されるハンネス。

「自分は結局何もできないままだ」と絶望のあまり発狂するエレン。地獄を体現したような戦況の中、エレンにミカサは「マフラーを巻いてくれてありがとう」と今までの感謝を告げる。
その言葉を聞いたエレンの両腕は急速に再生していき、


そんなもん(マフラー) 何度でも巻いてやる」

「これからもずっと オレが何度でも」

「アアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

人間体のまま素手で殴りかかるエレン。当然通じるはずも無く、ペチン…というなんともしょぼい音が鳴り響いた次の瞬間。


突如周囲の巨人が一斉にその巨人に襲いかかり始めた。


巨人が巨人を喰うという異常な状況の中、鎧の巨人は血相を変えたようにエレンに襲い掛かる。
だが、


「来るんじゃねぇ!! てめえら!!クソ!!ぶっ殺してやる!!」


まるでエレンの意思に従うようにすべての巨人は鎧に標的を変え、エレン達はその混乱に乗じて撤退することに成功した。


王政編

曰く「座標」とされる能力の奪取を目論む地方貴族、ロッド・レイスを筆頭とした勢力に拉致され、レイス領にある礼拝堂の地下に監禁される。
そして、それとは違う巨人の力を有していた父、グリシャ・イェーガーが5年前にレイス家の人間を惨殺してその力を奪い、
自身の巨人化能力が父を捕食して得たものであることを知る。

その重過ぎる事実にエレンはクリスタことヒストリア・レイスが自身を喰い、その力を以て人類を救うように頼んだが、
フリーダとユミルの約束を思い出したヒストリアに激励され、この世界の真実に立ち向かう決意を固めることとなった。
その際にロッドが所持していた「ヨロイ」と書かれた小瓶を噛み砕き、全身の硬質化能力を獲得している。

計画が破綻したロッドは悪あがきにと砕けた注射器の残骸を舐め取り、超大型巨人の2倍以上の体躯を持つ異形の巨人に変身する。*3

ロッドの巨人化による崩落を硬質化能力で免れ、レイス領脱出後はウォール・シーナ壁上にてロッド巨人を迎え撃つ。
開きっぱなしの口に大量の榴弾を突っ込んで弱点のうなじごと爆破し、撃破に貢献した。

ウォール・マリア最終奪還作戦

ヒストリアの女王即位から3か月、シリアスな展開続きだった中で比較的安穏に日々を過ごす。
この間に、グリシャの旧知であったキースによる過去の話を聞き、カルラの残した「この世に生まれてきたことの偉大さ」を噛み締める。

硬質化能力による巨人処刑台の実現など、いよいよウォール・マリア奪還が現実味を帯びてきた。
世論は調査兵団を大きく支持するようになり、多くの新兵を迎えるなど今までになく希望が見えてきたが、
ライナー、ベルトルト、そして獣の巨人。敵勢力の生存を許していては人類の勝利はあり得ない。
「次は殺す」という意思を絶やさず、決戦の日を待った。

奪還作戦の夜に行われた宴席ではジャンと微笑ましくどつき合い「ワッサッ」
かつてアルミンが話した「海」を見に行くことを誓った。

翌日早朝、シガンシナ区に到着し、壁の穴を塞ぐことに成功。その後、姿を現した巨人一派と交戦する。
硬質化を拳に集中させることで鎧の巨人の防御を易々と貫き、新兵器「雷槍」の導入もあって圧勝する。
だが、ギリギリで死を逃れたライナー*4の「合図」によってベルトルトが乱入。
超大型巨人への変身による大爆発によってライナーの近くにいた兵士は皆殺しになり、わずか6人でライナーとベルトルトを仕留めなければならなくなった。

一気に窮地に陥ったが、アルミンがエレンと2人でベルトルトを仕留める算段を立てる。
それは、エレンが囮の巨人を全身硬質化で生成し、そこから脱出してうなじを斬る。それまでにアルミンが超大型の蒸気を消耗させ、時間を稼ぐというものであった。実際にこの作戦は成功し、ベルトルトの四肢を切り落としてうなじから引きずり出した。
全身を黒焦げに焼き尽くされたアルミンをよそに。

この直後、車力の巨人に乗り撤退中だった獣の巨人の変身者と遭遇し意味深な言葉を投げかけられ、変身者の顔に父の面影を重ねてしまう。
そして獣の追撃にあったリヴァイと合流し、息も絶え絶えのアルミンに巨人化の注射を使い、ベルトルトを喰わせるよう急ぐ。

だが、獣の投石によって瀕死の重傷を負ったエルヴィンが新調査兵であるフロックにより運び込まれ、エレン、ミカサとリヴァイ、フロックによる殺し合い寸前の対立に至る。後に駆け付けたハンジがミカサを宥め、エルヴィンの助命という結論が下された…




「アルミンが言うんです… この壁の向こうにある海を…いつか見に行こうって…」

「でもそんな…ガキの頃の夢は… オレはとっくに忘れてて…」

「母さんの仇とか…巨人を殺すこととか… 何かを憎むことしか頭になくて…」

「でも…こいつは違うんです…」

「アルミンは戦うだけじゃない 夢を見ている!!」



「人類を救うのはオレでも団長でもない!! アルミンだ!!」



ベルトルトが目を覚ますと、1体の巨人が彼を襲う。
手も足も出せず、助けを求める声さえ誰にも届かない彼が喰われて間もなく、巨人のうなじから人が現れる。

リヴァイは、最後にアルミンを選ぶことを選択した。
エレンの懇願、育ての親であるケニーの遺言、奪還作戦の夜にこっそり聴いていた「海」、
そして、世界の真実を知るというエルヴィンの「夢」を諦めさせたこと。
彼の胸中に去来したものが何であれ、リヴァイの悔いなき選択よってアルミンは命を繋ぐに至ったのである。

エルヴィンは既に息を引き取っており、超大型巨人の力はアルミンに引き継がれた。

戦いが終結して4時間後、アルミンとサシャの無事を確認し、エレン、ミカサ、リヴァイ、ハンジは
「世界の真実」が記された3冊の手記と1枚の「写真」を発見する。



その事実や寿命の残りを知り、父の記憶をも夢見たエレンは、同時に母の仇の正体が父の先妻で王家の末裔だったこと、そして座標の力を使う方法として王家のヒストリアを巨人化させ自分が触れるという非道なやり方がある可能性に気づいて慄きつつも、
1年後の壁外調査でパラディ島沿岸部に到達した際は念願の海を見る事よりも、広大な海原の先に存在する新たな敵に思いを馳せるのであった。































以下、23巻以降・アニメ版The Final Seasonの更なるネタバレ















4年後

「クルーガー」と名乗り、自ら目を潰し、足を切り落として負傷兵として本拠地マーレに潜入。
仲良くなった少年ファルコ*5の引き合わせによりレベリオ収容区でライナーと4年ぶりの再会を果たし、マーレでの生活や今までの心情を互いにさらけ出す事となる。


そして



「多分…生まれた時からこうなんだ」




「オレは進み続ける」



「敵を駆逐するまで」




ヴィリー・タイバーのエレン達に対しての宣戦布告を聞いた後に巨人化し、マーレ軍幹部を全滅させた(後にエレンはハンジにマーレ軍幹部を全滅させたことを報告している)。呼応するかの如く、エレンはマーレに対して宣戦布告を果す。
その場にいた軍人と住民を巻き込んだ戦闘で「戦鎚の巨人」を倒し能力を継承する。
帰還後、一連の独断専行による行為で地下牢に監禁されるが脱獄し、王家の末裔(=座標起動の鍵)でもあるジークの居場所の特定に乗り出した。
寿命は3年僅かで、過去に比べて仲間達と距離を取っていたりと独断で強行とも呼べる彼の行動には何かあるのかもしれない。

なおエレンの豹変ぶりにはサシャの死もあるが104期生の仲間達すら不信感を持たれ、あのミカサですら強く庇えない程であった。
だが、マーレに潜入する前のエレンは104期生の仲間達に他の誰よりも大切で長生きしてほしいとも語っており、サシャの死を聞いた際は笑って見せたと同時に誰にも気取られないよう悲痛の表情を隠していた。

さらにはアルミンと喧嘩し殴りつけ、ミカサには、アッカーマンの特性を語り、大嫌いだったと言った。

そしてシガンシナ区に大挙して奇襲しに来たマーレ軍との戦いの中で再び鎧の巨人と交戦。
ライナーからは「お前は1人なら脅威じゃない」と言われるが、新たに獲得した戦鎚の巨人の能力も使い、兄ジークの加勢もあって圧倒。
しかしそんな中、巨人化を解除しジークの元へ急ぐ途中に、怒りに燃えるガビ(ライナーのいとこ)に対巨人用ライフルで首を撃たれて、頭を吹っ飛ばされてしまうが…。


進撃の記憶



すべてのエルディア人を…安楽死させる

こんなふざけた計画オレは到底受け入れられない

悪いが兄さん オレはここに来るために あんたに話を合わせていただけだ

ガビによって首を吹っ飛ばされたエレンだが、事切れる前にジークと接触。
王家の血を引くジークが始祖の巨人を継承したエレンとの接触を果たしたことにより、エレンはすべての道が交わる「座標」へと導かれた。
二人は始祖の巨人の力を手にすることに成功したのである。
しかし、ジークは『不戦の契り』の鎖に繋がれており、この「座標」にて始祖ユミルに命じることが出来るのは始祖の巨人を継承したエレンのみと語る。

ボロボロの服を着た金髪の少女、『始祖ユミル』に命令する様にジークは言うが、エレンはジークから離反。
最初から、彼の馬鹿げた願いである「エルディア人安楽死計画」を止め、自身の願いを叶えるために利用していたのである。

が、始祖の力の主導権は始めから王家の血を引くジークにあった。
ジークの『不戦の契り』の鎖は偽物で、エレンの本音を知ると逆にエレンを鎖で拘束する。
ジークは『フリッツ王の思想』も『不戦の契り』も既に無効化し、エレンの本音を確かめるために芝居を打ったのだ。

エレンの本音から、ジークはエレンがグリシャに洗脳されたと思い、エレンにグリシャの記憶を見せることでその洗脳を解こうとした。

しかし、いくら記憶を見てもグリシャはエレンを洗脳する様子はない。
エレンは最初からエレンのままだった。

場面は進み、フリーダから始祖の巨人を奪うシーンになる。
グリシャはここで自身の持つ「進撃の巨人」の特性、『未来の継承者との記憶の共有』を明らかにし、未来の記憶に従い子供を殺そうとしたが……

グリシャはメスを落として、子供を殺せないとその場に崩れ落ちてしまう。
間違った過去を見ているのかと困惑するジークをよそに、エレンは父親にが話しかけた。


何をしてる 立てよ 父さん

これは 父さんが始めた物語だろ

エレンはグリシャに操られていた訳ではなかった。
真相は真逆、グリシャがエレンに操られていたのだ。
「進撃の巨人」の特性、『未来の継承者との記憶の共有』により、グリシャに都合のいい記憶だけを見せ操っていたのだ。

エレンこそがグリシャ、壁の王、そして世界と戦うように仕向けた元凶だった



感謝してるよ兄さん あんたがオレを親父の記憶に連れ込んだおかげで 今の道がある
あれを見たのは4年前… オレは親父の記憶から 未来の自分の記憶を見た

あの景色を…

グリシャは記憶の中で何かを見て、ジークにエレンを止める様言った。何かは分からないが、少なくとも大災害が起こることは確定した。
が、始祖についての主導権は未だジークにある。
エレンの目的を阻止するべく、そして自らの願いを叶えるべく全てのユミルの民から生殖能力を奪う安楽死計画の発動をユミルに命じた。

しかし、エレンは座標に向かうユミルを抱きしめ、ただの少女として彼女に訴えかける。

終わりだ!
オレがこの世を終わらせてやる オレに力を貸せ!

お前は奴隷じゃない 神でもない ただの人だ
誰にも従わなくていい お前が決めていい
決めるのはお前だ お前が選べ
永久にここにいるのか 終わらせるかだ

オレをここまで導いたのはお前なのか?
待っていたんだろ ずっと

二千年前から 誰かを


そして現実世界に戻ると、ジークのキャッチしていたエレンの首から何かが生えて胴体と繋がり超大型よりさらに巨大な身体を形成していく。
ユミルはエレンに従うことを選んだのだ。
ついに地ならしが発動し、全ての壁の硬質化が解かれ、大量の超大型巨人が姿を現した。
シガンシナ区に集まったマーレ兵を一掃するためではない。
世界から自由を簒奪するために。


オレの名はエレン・イェーガー

始祖の巨人の力を介し、すべてのユミルの民に話しかけている。

パラディ島にあるすべての壁の硬質化が解かれ その中に埋められていた全ての巨人は歩み始めた

オレの目的は オレが生まれ育ったパラディ島の人々を守ることにある

しかし世界は パラディ島の人々が死滅することを望み

永い時間をかけて膨れ上がった憎悪はこの島のみならず すべてのユミルの民が殺され尽くすまで止まらないだろう

オレはその望みを拒む

壁の巨人はこの島の外にある全ての地表を踏み鳴らす



そこにある生命を この世から駆逐するまで



そして、パラディ島を除く全生命の滅亡を宣告したエレンは、この物語のラスボスとして君臨することとなる。

進行する超大型巨人と対抗する人々


エレンの巨人体姿はそれまでとは大きく変貌しており、数百対に及ぶ肋骨を引き摺り軸にしながらひたすら進み続ける異形の巨人へと変化。*6
特筆すべきはその巨躯であり、ページ、あるいは画面に収まらないあまりの大きさゆえに確定されていないが、
50mを超える超大型巨人を見下ろすほどの体高、そして1000mを優に超すであろう体長を持つ。
そしてその周囲を守るように無数の超大型巨人がひしめき、あらゆるものを踏みつぶすべく行進していく。
かつて壁内人類の守護という未来へと進撃した巨人は、壁外人類の死滅という終末のために進撃する「終尾の巨人」へと変わり果てたのだった。

攻撃目標は現状最も軍事力の高いマーレ大陸であり、海上に集まった世界連合艦隊を一瞬で壊滅させる。

続いてかつて訪れたマーレの街、自分が昔助けた難民キャンプの子供たちもまとめて踏み潰し、焼き殺し、ただ進んでいく。



もはやエレンを止める手立てはない様に思えたが、それでもアルミン達はエレンを止める為に動いていた。
アルミンは全てのエルディア人と巨人を支配できるエレンの影響を特に受けていないことに気付き、
レベリオ襲撃の直前の対話を含め、ライナーはエレンが「自分を止めてほしい」かもしれないという心理を推察する。

しかし、「道」を通じてエレンはアルミン達に、自身を止めたいなら戦えと告げる。

オレを止めたいのなら オレの息の根を止めてみろ

要するにエレンは「アルミン達が自分を(殺してでも)止めること」を邪魔する気がないのである。
これ程の大事を引き起こしながらそれを完遂できなくても良いのか? と矛盾に思うかもしれないが、元々エレンは主観と客観を分けて考えられるタイプである。

その価値観を簡潔に言えば
「客観的な正解(神の視点から見た最前手)など誰にもわからない。自分を含め、誰の意見も、その人の主観でしかない。誰を信じても正解である保証などないのなら、自分は自分の主観を信じる」と表現できるだろうか。
この価値観は以前「エルヴィンとアルミン、どちらを救命するべきか」でリヴァイやフロックと対立した際にも表れており、エレンは「アルミンを救うべき」という主観に従いつつも「エルヴィンを救うべきだった」という主観そのものは否定していない。

今回もエレンは「パラディ島と世界が共存するのは不可能」と信じてそれに殉じるつもりでいるが、同時にそれが自分の主観的な結論であることも理解しており、「自分が正しくてアルミン達が間違っている」と決めつけてはいないのだ。
このような考え方は作中において「女型の巨人VSリヴァイ班」や「礼拝堂地下での硬質化能力発現」といった事件を経て徐々に形成されてきたものであり、それを考えればエレンの無抵抗にも違和感は抱かないであろう。

ちなみにエレンにはまだ隠された真意があるのだが、それを踏まえても「パラディ島と世界が共存するのは不可能(どちらかが滅ぶまで戦うしかない)」と信じていたこと、それでもアルミンを否定しなかったことについては一貫している。


自由を手にするべく世界から自由を奪うために大地を進み続ける悪魔と、世界を救うために空を駆け巡る調査兵団達。最後の一瞬まで戦い続ける天地鳴動の最終決戦が今、幕を開けた…。





●余談

作中では人類反撃の希望として見られる巨人化能力だが、肝心の戦績は巨人化2回目以降敗北気味。
勝っても殆ど辛勝に近い。
というのも2回目以降戦った相手がエレンと同じく巨人化能力の持ち主、つまり理性を持った巨人であり
しかもその正体がアニ(4位)、ライナー(2位)、ベルトルト(3位)と、揃いも揃ってエレンより成績上位者
さらにアニに至っては「格闘術」という得意分野で上回られている(というかエレンの格闘術はアニの指導の賜物)と相性最悪であるのが大きい。
まあ、それでも善戦したのだが…

しかし、ライナーこと鎧の巨人を圧倒することには定評がある。
鎧の巨人との初のタイマン勝負では、「九つの巨人」の中でも弱い部類である進撃の巨人の力しか保有していない状態にもかかわらず、打撃が効かない鎧の巨人(ライナー)に関節技を決めてあと一歩まで追い詰めていた。超大型巨人(ベル…なんとか君)の奇襲のせいで敗北したが。
その後のウォール・マリア最終奪還作戦での二度目となる鎧の巨人とのタイマン勝負では、硬質化能力を応用した硬質化パンチで圧倒。多少の反撃を受けるも、今度は関節技で追い詰め、仲間達が雷槍を打ち込む隙を作った。因みに、この日ライナーは二度負けた。もう帰れお前。
5年後のウォール・マリアでの戦いではライナーから「お前は一人なら脅威じゃない」と言われ、対峙することになったが、当のライナー=鎧の巨人は一方的にボコられるばかりで読者からは「お前は集団でも脅威じゃない」と言われる始末である。

時期やメディアによって容姿に変化があり、アニメ版では少年らしさを強調するように眉が太くなり、24巻で髪を伸ばし、26巻からは結ぶようになっている。

「エレン」という名はトルコでは「聖人」を意味する男性名詞(スペルもトルコ風の「Eren」)。

ネタにされがちだがエレン自体は…

  • 目の前で母を喰われた。
  • 巨人化能力の原因は知らぬ間に父を喰っていた事だった。
  • 母の仇の正体は父の元妻で、しかも彼女は無意識の内に父との最期の約束を守っていた。
  • 父から受け継いだ力の一部は、父が仲間の家族を殺して得たものだった。
  • 力の代償は短命化で、気が付いたら既に余命が削れていた。
  • 瀕死の幼馴染を何とか助けようと請い叶うも、その方法のせいで結果的に彼の寿命も減らしてしまった。
  • 壁の向こうにいた人間が真の敵で、敵方の一人に異母兄(=自分が終わらせた母の仇の息子)がいた。

と無茶苦茶ハードな人生を歩んでいる主人公である。

中の人の梶さんはエレンとの長い付き合いから自分も影響され、どんどん凄みが増したり、なんか機嫌も悪くなったりとエレンそのものになりつつあると語っており、自分がどうなっちゃうのか怖いと語っている。

最終回を前にNHKでは『プロフェッショナル 仕事の流儀』で特集が組まれている。
番組はパラディ島地下牢内でインタビューを受けたという体で進行しており、その中で自身がサウナーであることを明かしている。
そしてその新規セリフの脚本については作者から指名される形で梶裕貴自身が書き下ろし、声を吹き込んでいたと梶裕貴自身が語った。
なお「敵」について同僚のミカサさんは巨人について語っていたが、エレンは上司のリヴァイさんの薫陶もあってか彼と共に「汚れ」について語っている。

ちなみに4期前半が放送された2021年には、別な世界でリヴァイ役の神谷浩史氏や父グリシャ役の土田大氏と同じ「戦隊ヒーロー経験者」なんて共通点が出来、
さらに別な世界では兄ジークと同じ声の参謀と複雑な関係性を持つ戦士を演じていたりする。


●台詞


「どうしてだって…?
 そんなの…決まってんだろ…
 オレが!!この世に生まれたからだ!!」

「オレ達は皆 生まれた時から自由だ
 それを拒む者がどれだけ強くても 関係ない
 炎の水でも氷の大地でも 何でもいい
 それをも見た者は この世界で一番の自由を手に入れた者だ」

 戦え!!

 そのためなら命なんか惜しくない
 どれだけ世界が恐ろしくても関係ない
 どれだけ世界が残酷でも 関係ない

 戦え!! 戦え!!

 戦え!!

「大体…あなた方は…
 巨人を見たこともないくせに何がそんなに怖いんですか?
 力を持ってる人が戦わなくてどうするんですか
 生きる為に戦うのが怖いって言うなら力を貸してくださいよ
 この…腰抜けどもめ…
 いいから黙って、全部オレに投資しろ!!」

「ライナー…ベルトルト…
 このッ…

 裏切りもんがあぁあああああ!!!

「あの日…」
「壁が破られ オレの故郷は巨人に蹂躙され」
「目の前で母親が巨人に食われた…」
「あの日から…」

「そんなもん 何度でも巻いてやる。これからもずっと オレが何度でも」































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最終更新:2024年03月24日 20:56
添付ファイル

*1 毎回うなじ部分から引き剥がされることで元に戻る

*2 アニメでは声が加わったことで更にエヴァっぽくなっている

*3 しかもこの巨人、近くの人間を喰わない代わりに人口が密集する壁の中へ直進し続ける性質を持ち、その重量故に直立して移動出来ないために体の前半分が擦り切れていて滅茶苦茶グロい。

*4 下顎から上が爆散しても生存。わけがわからない。

*5 本人達は恐らく知る由もないが、グリシャはファルコの叔父からの誘いで「エルディア復権派」に加入しており、ファルコは摘発され裁かれた叔父のせいで汚れた家名を復権させるため兄と共にジーク・ライナー達と同じ「戦士」に志願していた。

*6 腕全体が動かしようもないように吊り下げられ、正面からだとまるで鳥籠に囚われているように見える。概してその造形が「人」だとは評し難く、何より「自由」を渇望していた少年の到達した姿としてはあまりにも皮肉である。

*7 この対話はアルミン以外の104期の仲間たちとも(個々で内容は異なっているが)行っており、その記憶は一度消去された上で全てが終わったら元に戻るよう仕組んでいた。

*8 物語初期から見られたミカサの「頭痛」はこれが原因であり、ユミルがこの結末に至るまでにミカサの思考を覗き見ていた。

*9 後ろ姿でしか描かれていないために確定していないが、この男女はジャンとミカサであるとされている。あくまでも可能性の域を出ないが、生涯エレンを想い続けるミカサを想い、せめて孤独には生きさせまいとしてジャンが頑張った結果なのかもしれない。

*10 アニメでは超高層ビルなどが建ち並んだサイバーパンクシティの様になっている。