黒いヒーロー/白い怪人

登録日:2011/07/09 Sat 13:44:21
更新日:2024/02/04 Sun 07:59:46
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■黒いヒーロー/白い怪人

「黒いヒーロー/白い怪人」とはロマン。
所謂ギャップ燃えの類である。
無論、正式名称では無く特撮やアニメを論じるコラムに於て時折見掛ける言葉でこそあるものの、未だ市民権を得ている名称、概念とは言えないと思われる。

……しかし。
意外や意外……と云うか、この法則に当て嵌まったキャラクター、敵キャラクターと云う物は非常に多く、もはや一つの価値観、設定としてクリエイターやアーティストに刷り込まれていると言っても過言では無い普遍的な価値観なのだと思われる。

……そもそもが、そうしたフィクションの原形たる神話や伝説に同様の概念が存在するのだから、恐らくは共通認識、共同幻想の類として刷り込みがされているのであろうと思われる。
ただ、ここではそれらの解説をして行くつもりは無い。

……多過ぎてキリが無いからである。

よって、主に有名作品と思われる作品について解説を述べるので「ああ、そうだなあ」とか「こんなのもあるぞ」とか思っていただければ幸いである。
また、ダークヒーローの項目を見てみることもお勧めする。

※追記願う。

【黒いヒーロー】


名称通りの漆黒を纏うヒーロー、或いは闇を抱えるダークヒーロー、悪から生まれたヒーローの事である。
……近年、ロボット物でも悪側から作られた存在……と云う概念が大流行りである。
尚、上記では色と概念を一応は分けているが、大概はそうしたキャラクターは生まれが黒ければ色も黒い事が多い。

……何故か、やはりロマンなのだろう。
色自体は全体的に黒くなくてもアクセントに入れられていたり、身体にオーラの様に纏う事も多い。

黒いヒーローの歴史は古い……。
それこそ神話にまで溯れるが、近代に限ればバットマン辺りが元祖であろうか?
単純明快な人類の夢を描いた光の存在たるスーパーマンの最大のライバルにして、ただの人間であり乍ら神に匹敵するスーパーマンに並ぶ存在として認識されているバットマン……。
日本ではそもそもが仮面ライダーの元祖たる旧1号が黒いヒーローであったし、その原案たるスカルマンもまた黒いヒーローであった。

【黒いヒーロー名鑑】


バットマン

ゴッサムシティを守る闇の騎士。

パニッシャー

恐怖の私刑執行人。

ゴーストライダー

現代に蘇った死の天使。
燃え上がる髑髏である。

●ブレイド

吸血鬼と人間との間に生まれた最強の吸血鬼ハンター。

デビルマン

永井豪が生み出した究極のダークヒーロー。

ハカイダー

基本的に悪役で、しかも漫画版後半・アニメ版 では悪の首領用サイボーグボディになってしまったが、
イメージが男前過ぎてヒーローにされてしまった究極のライバルキャラクター。

●スカルマン

髑髏の仮面を身に付けたピカレスク(悪漢)ヒーロー。
原作は最早悪人。

仮面ライダー1号

初期作品では本当に闇を纏っていた元祖仮面ライダー。

仮面ライダーBLACK

正に黒い仮面ライダー。
原作では魔王としての設定が強調されている。

仮面ライダーBLACK RX

最強ライダー候補に必ずと言っていい程その名が挙がる「太陽の子 / 光の王子」。

仮面ライダークウガ

みんなの笑顔の為に闇に染まった聖人。

仮面ライダーカリス

全ての生命を滅ぼす53体目のアンデッドでありながら、「人間」として生きる道を選んだハートの戦士。

仮面ライダーディケイド

多くの意味で物議を醸した世界の破壊者。
設定的には完全な悪役。

仮面ライダースカル

左翔太郎の師匠である「おやっさん」にして、「ハードボイルド」を体現する骸骨の戦士。

仮面ライダージョーカー

切り札は常にここにある。

仮面ライダープロトドライブ

グローバルフリーズから世界を救った孤高にして偉大なる戦士。

ザビタン

アクマ族と人間とのハーフ。

サンレッド

体は赤いが中身が黒い。
怪人達が可哀想になる。

マジンガーZ

神にも悪魔にもなれる力。
名前が名前なだけに、瞳の無い眼、牙を隠すかのようなマスク、脳味噌としてのホバーパイルダー、
悪役然としたロケットパンチ・口から酸を噴く・熱線等の武器、原作の血の涙のような顔面の意匠、
大魔神を彷彿とさせる出動シーン等デビルマンを産み出した永井豪らしいヒーロー。
後続にZをよりシャープかつスタイリッシュにしたグレートマジンガーと神を超え悪魔を倒せる究極のマジンガー・マジンカイザーがある。
マジンガーではない「第三のマジンガー」グレンダイザーも角の量が凄い。
近年になって大きな話題となったマジンガーZEROは遂に正義の味方を止めたマジンガー。

ディス・アストラナガン

主人公機の癖に設定、デザインが完全にラスボスのそれ。むしろ主人公機なのが不思議な位。ぶっちゃけ出るゲームを間違えちゃった機体。

ジェネシックガオガイガー

ご存知僕らの勇者王。破壊神。勇気の究極の姿。新生の為の破壊を司る。パルパレーパとの決闘、ゴルディオンクラッシャーによって遊星主達との戦いに決着をつけるシーンなどどれも印象深く、出番の少なさを感じさせない。

ティガダーク

本来は光の巨人であったが、一時的に闇堕ちしていたウルトラマンティガ

●ベヨネッタ

天使も泣いて逃げ出す我らが痴j(ry……もとい魔女。

湊斗景明

項目参照。
呪いだから仕方無いが

ゲキカラ

胸のアクセサリーがROCKに変わると・・・

●怪傑ゾロ

黒い服装とマントを纏い、サーベルによる剣術で戦う。
ピカレスク(悪漢)ヒーローとしてはおそらく世界一有名。

●ゴキヴリマン

天然戦士G』の主人公。大自然の宿命により(嫌々)ゴキヴリを友として戦う。
怪人を倒すも名は体を表す格好のせいで怪人が起こした被害も自分のせいにされる悲劇のヒーロー。
黒いアイツの能力を持つため本気を出せばかなりチート。クライマックスは激熱。

●スカルソルジャー

復讐のために髑髏の仮面と黒いスーツを纏った元刑事。

キュアブラック

変身ヒロイン唯一の黒がメインカラーの肉弾戦マニア。
「ヒロインでしょ?」


【白い怪人】


黒いヒーローに比べれば数は減るが、確かに特撮やアニメの歴史に於て伝統的に受け継がれている存在である。
白=神聖な物。
と云う概念があるのか、白い怪人(敵キャラクター)は非常に強くなる事が多い。
……無論、弱い雑魚的な存在に白が使われる事もあるが、そこはそれ、別に否定意見とする程に強い物では無い。
白をカラーリングでは無く、属性と見なす事も可能だが、やはり純白とは言わずとも白銀等があしらわれる事が多い様だ。
神話等には概念こそ存在するが(神と悪魔に値するものの合いの子等)、ハッキリと白い敵としてデザインされた存在は、近代に於ける創作にこそ多い気がする。
……そう云う意味では、まだまだ認識が新しい概念なのだとも考えられる。

【白い怪人名鑑】


〇サタン

デーモン一族から神と崇められるデビルマン最後の敵。
元天使なだけあってその姿は美しく神々しい。

イカデビル

厳密には並べられないが、白い怪人のデザインをもたらした存在。

ジェネラルシャドウ

事実上の第一期ライダーシリーズの最強幹部。
完成度の高いデザインとキャラクターは今もなお人気が高い。

シャドームーン

仮面ライダーBLACK最大の宿敵。
単純な白ではなく『銀』と云う概念を持ち込んだ。
ダークヒーローのカテゴリーに入れて紹介される場合も多い。

ン・ダグバ・ゼバ

仮面ライダークウガ』のラスボス
クウガも最終的には黒いヒーローとなった。
神を意識した堂々たる姿は新たな伝説を呼んだ。

〇ローズオルフェノク

仮面ライダー555』に登場。
ダークヒーローの代表格であるハカイダーを意識した上級オルフェノク。

仮面ライダーサイガ

映画『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』に登場。
天のベルトにより変身する。

アルビノジョーカー

映画『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE』に登場。
アルビローチを率いる、破滅の象徴。

ウカワーム

仮面ライダーカブト』に登場。
ワーム軍団を率いる一人であったが、最後は人間として風間大介を愛してしまい……。

ジーク

仮面ライダー電王』シリーズに登場。
「世界は私の為に回っている」と豪語するプリンス気取りの手羽野郎。

ウェザー・ドーパント

仮面ライダーW』に登場。
中盤の強敵として物語を盛り上げた。
神に類する存在をイメージされた典型的な白い怪人である。

仮面ライダーエターナル

映画『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ
仮面ライダーながら完全なる悪役。むしろダークヒーローか。

レオ・ゾディアーツ

仮面ライダーフォーゼ』に登場。
ホロスコープスきっての武闘派であり、最後までに忠実であり続けたしし座の幹部。

ワイズマン(カーバンクル)/白い魔法使い

仮面ライダーウィザード』に登場。
最愛の娘を蘇らせる為だけに多くの者達の運命を狂わせた全ての元凶。

ロシュオ

仮面ライダー鎧武に登場。
世界を作り変える力を持ちながら、自分達の文明を滅ぼしてしまったフェムシンムの王。

眼魔ウルティマ

仮面ライダーゴースト』に登場。
幹部クラスの強敵怪人だった……筈だが、何時の間にやら単なるかませに。

アナザージオウ

仮面ライダージオウ』に登場。
仮面ライダージオウの力を持つ怪人で、全てのアナザーライダーを統べる裏のライダーの王。

カリュブディス

仮面ライダーセイバー』に登場。
腹部の巨大な口であらゆるものを喰らい、倒されても新たな力を得て成長・進化する厄介なメギド

ノロイ

説明不要、史上最凶最悪の白イタチ。というかお前のようなイタチがいるか!

シェゾ・ウィグィィ(魔導物語・ぷよぷよシリーズ)

白銀の髪に白いトーガを纏い、主人公の魔導力を狙う闇の魔導師。
流石に属性が分かりづらいせいか、『ぷよぷよ〜ん』以降は属性と同じ黒基調衣装になっている。

バイオハンター・シルバ

バイオマンを幾度となく苦しめたウz…白銀の狩人

初代艦長シュバリエ

白い鎧兜マントを着用。

ゴードム文明

ネガティブシンジケートの一つで、メンバーは白で統一されている。

〇シュヴァルツ(重甲ビーファイター)

白い体に白い服を着用。

ミカエル(人造人間ハカイダー)

正義の名の元にジーザスタウンの公安を統括するが、逆らう奴は容赦なく殺す。
一見優雅でヒロイックな外見によく目を凝らすと酷薄な本性が見えてくる、天使の皮を被った悪魔。

パルパレーパ

勇者王ガオガイガーFINALにおける凱のライバル的存在。再生と創造を司る自分達遊星主を神と称し、自分達のアンチプログラムであるジェネシックガオガイガーを破壊神、若しくは悪魔と称した。ロボット形態であるパルパレーパ・プラスは天使を感じさせるデザイン。

シブヤ

入院中の盟友には手を出しません。

キュゥべえ

かわいさにだまされた人は死にます。

怪盗キッド

昔主人公今ライバル。
シルクハットにタキシードという如何にもな姿だが、怪盗(=犯罪者)なのに闇夜に紛れない純白の出で立ちで善悪両面兼ね備える。

シリウス(爆ボンバーマン)

白と金の鎧に身を包む、ボンバーマンのお助けキャラ……に見せかけた真のラスボス。
巧妙にカムフラージュされた外見や演出のおかげで、初見では彼こそが傲慢な黒幕と見破るのは難しい。

〇ハンス王子

アナと雪の女王』に登場。
「善人に見える悪人」というディズニーでは希有の存在。
ディズニーヴィランズの色は黒・赤・紫と相場が決まっており、白い礼服を着たこいつはなおさらヴィランズには見えない。

〇フロロー(ミュージカル版)

『ノートルダムの鐘』の悪役。ディズニー映画と異なり純白のローブを纏う。
言動も清廉潔白で、映画版と違って良い人そうに見えるが、その本性はやはり傲慢、独善、そして狂気で満ちている。自分を聖職者だと思い込んでいる怪物。

〇マグニフィコ王

ウィッシュ』に登場。
若くして家族や国を失いながらも、独学で各国の魔法を極め、一代で願いが叶う理想郷のような国を建国したという、稀に見る傑物。
しかし、弟子になるための面接に訪れたアーシャに国家機密を明かしたことがきっかけで、運命が大きく狂っていくのだった……

〇伯牙天慌

『髑髏戦士ザ・スカルソルジャー 復讐の美学』の悪役。名前の読み方が「はくがてんこう」。
無邪気かつ残虐非道で部下をも平気で殺す狂人*1アメコミ的に言えばジョーカーに近い人物像。
スカルソルジャーからは「妹の仇」と憎まれており、終盤では白い衣装を纏ってスカルソルジャーの前に立ちはだかった。

〇デビー・ジェリンスキー

『アダムス・ファミリー2』の悪役。
アダムス一家の財産を狙う悪女でその人物像がアダムス一家のアンチテーゼと言える(アダムス一家の「ゴシックな黒服」「不健康な白い肌」「浮世離れした感性と人間味溢れる家族愛」に対し、デビーは「エレガントな白いドレス」「血色感のある健康的な肌」「外面が良い社交性と心が怪物同然の自分本位」)。

〇怪奇ロリータ

『イビツ』に登場。
都市伝説となっている白いロリータ服の少女であるが、その本性は悪魔的なサイコパスのストーカーであり、彼女と関わったら最後、確実に不幸のどん底に落ちて破滅するといっても過言ではない。

伍行壊(鉄鍋のジャン!)

薬膳に長け、万物を操る聖人「五行道士」……の皮を被った毒膳料理人。着ている白い調理衣自体はごくありふれたもの。
だが大谷とテレビ局の陰謀によって「聖人五行に倒される悪魔」のレッテルを貼られたジャンが開き直って血染めの「醤」印を刻んだ悪魔のように黒いコックコート」を着用。
奇しくも「衆評に縛られない黒いヒーロー」「聖人の皮を被った白い怪人」という構図の対決となる。
黒い怪人と白い怪人の間違いだろと突っ込んではいけない



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最終更新:2024年02月04日 07:59

*1 劇中ではスカルソルジャーこと鳴海達也を拉致した際に気まぐれで近くにいた部下を惨殺して斬首、その生首を見せびらかして達也を絶句させた。