サタナエル(悪魔)

登録日:2012/02/20 Mon 02:24:14
更新日:2023/08/06 Sun 10:27:49
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◆サタナエル◆

「サタナエル(Satanael)」はユダヤ/キリスト教悪魔めいた存在。
中世のブルガリアを中心に広まった、グノーシスの影響を受けた異端のキリスト教分派「ボゴミール派」の独自の神話解釈で有名。
また、アザゼルやシェムハザらと同じく「見張る者達(グリゴリ)」の一員であるとも伝えられている。

「Satan(敵対)-el(御使い)」と名前を読み解く事が出来る事や、
背に十二枚の翼を持つ、最も美しい天使にして、真の神の息子であったとする伝説からルシファーと同一視される反面、
名前の類似性から悪魔王ルシファー配下の悪魔軍団の首領にして、
地獄の君主階級(ルシファー、ベルゼブブアスタロト等)に仕える上級悪魔サタナキアと同一視される場合もある様だ。


【伝承】

ボゴミール派の伝承によれば、真の神の二人の息子の内の長男であり、弟はイエスであったと云う。
天に於いて、最も美しく、最も偉大な存在であったが、自らを父(真の神)にも優る存在と勘違いする様になり、
やがてはその心が「傲慢」を始めとする「七つの大罪」に捉われ、悪辣な振る舞いをする様になったので地に堕とされた。
……この際に、ルシファー(サタン)同様に天の三分の一を率いて叛逆したともされるが、
実際には叛逆を起こす前にサタナエル一人が美しい姿を奪われた上に追放されてしまったと云う。

こうして、サタナ(悪魔、叛く者の意)となったサタナエルは、神に対抗するべく地上を造り上げる事を決意。
未だ、地上は混沌とした原初の状態であり、ボゴミール派ではサタナこそが地上を造り、混沌から最初の人間アダムを造り出したと説いているのである。

……この、サタナが地上を造る行為を真の神は誓約を交わす事で黙認し、
神が炎から魂を造り、サタナが土から肉体を造り、それを宿す事で決着させようとしたのだが、
傲慢なサタナは真の神との約束を反故にし、アダムとエヴァを始めとする創造物に「自らが神である」として、自分を崇拝する様に仕向けたと云う。
……つまり、ボゴミール派ではこのサタナエルこそを地上を造り上げたユダヤの神(Y・H・V・H)であると定めており、
不完全な世界を造り上げた偽りの神の支配から逃れなければならないと説き、凡る物質世界の快楽を否定しているのである。
……やや細部は違うが、影響元のグノーシス同様にボゴミール派の伝承でもイエスは救世主とされており、
イエスは天界の兄であるサタナエルの造り上げた世界から人々の魂を解放するべく「救世主(キリスト)」として降臨して来るのである。


【見張る者達】

名前(サタン)や伝説(ルシファー)が丸被りしている為か、ボゴミール派の伝承に倣う形では二次創作に登場して来ないが、
アザゼルら「見張る者達」の一員として登場して来る場合がある。

ただし、特に目立った活躍をする訳では無く、神がイエスを造り地上と関わりを持とうとしたのに反発しただの、同胞達を唆した張本人とも、
神にチクった際には「既に自分も見捨てられていた」とされるものの、矢張り目立たない。

別名とされるサタナキアとしての活躍も中世の「悪魔学」に限れば、特に目立った存在では無く、
寧ろこの名前で登場した二次創作作品それぞれの活躍の方が目立つ位であろう。


【主な登場作品】

◆ゲーム『女神転生』シリーズ
『ソウルハッカーズ』にてアザゼルらと共に登場している。
……かなり悪辣。

ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印
マモノの凶暴化を始めとする騒動の全ての元凶として登場。同時にラスボスでもある。
負傷したとある人物の肉体に憑依してその体を酷使させ、それにより混沌に陥った国の状況を『笑顔』で「いい天気」と答える外道。
その正体は八大神の一人、魔神。幼女・少女・真の姿の三つの姿がある。
ヒトや他のマモノをオモチャ当然で見下しており、癇に障るような笑い方をする。しかし、神だけあってその力は本物である。


追記・修正は「悪魔」じゃ無いと信じさせてからお願いします。

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最終更新:2023年08月06日 10:27