モーター(ミニ四駆)

登録日:2010/06/27 Sun 11:42:39
更新日:2024/03/24 Sun 16:01:41
所要時間:約 18 分で読めます




ここではミニ四駆専用のモーターについて解説する。
一般的なモーターについては個別項目参照。


概要

ミニ四駆に欠かせないパーツであり、これを交換するだけで走りがガラリと変わる。
実際の自動車で言えばエンジンにあたる部品であり、まさにミニ四駆の心臓部と言える存在である。

また手入れが大事なパーツのひとつでもあり、
モーターごとに特性がかなり異なるので、たくさんの種類のモーターを使えるようになろうと思うと
やはりそれなりに勉強や経験が必要となる、非常に奥深いパーツ。
一部の実力者には特定のモーターだけを使って大会上位に食い込む猛者がいるが、
基本的に使えるモーターの選択肢は多ければ多いほうが良いので、しっかり知識を身につけよう。

なお、名前に「PRO」と付いているものとそうでないものとがあるが、
これは「PRO」と名のついたものは両軸、即ちモーターの軸が左右両方から伸びているものであり、
原則的にMSシャーシ並びにMAシャーシにしか用いる事ができない。
つまり上記二つのシャーシ専用モーターであり、
その他のシャーシを使う場合は「PRO」と書かれていないものを使う必要がある。
落ち着いて見れば一目瞭然なので、購入時には慌てて自分が使わない方を買わないように注意しよう。

パワーのあるモーターに超速ギアを使う人が多いが、
速さを求めた結果デチューンになりコースアウトしまくりのマシンになってしまう事がたまにある。
どこぞの博士に「ダウンフォースが足りない!!」と怒られる前に自分好みのモーターとそれに合ったチューンをした方が良い。


ミニ四駆がブーム中はタミヤ社から多くの派生モーターが作られていた。
中にはタミヤ非公認のモーターも多く作られており、非公認のモーターは何故かカッコいい名前がいつも付けられていた。

また多くの非公認モーターはミニ四駆の耐久性を無視した作りになっており、
場合によってはミニ四駆本体の故障の原因や、クラッシュして愛車がバラバラに大破する事態にも繋がる事もあるので注意。使用する場合は自己責任でお願いしたい。

タミヤ主催の大会ではこのような非公認モーターを使うとペナルティをくらい失格になる事もある。
また大会によっては派生モーターが使えず、使えるモーターはノーマルモーター固定の時もある。

まれに同じ種類でも速度が違い、かなり速いモーターがある。

そのようなモーターは当たりモーターと呼ばれており、
ミニ四駆レーサーは一つの当たりモーターを当てるのに50個ぐらい購入することがあるらしい。
それでも当たらないことがあるらしいが……
ちなみに2012年世界チャンピオン曰く
「僕の感覚ではモーターの当たり外れはそんなに無い。どれも回しきれば一定の回転数には達する」らしい。


現行の公式モーター


ノーマルモーター

スーパーミニ四駆以前のミニ四駆に最初から入っているマブチFA-130型モーター。エンドベルの色は白だが、
第二次ブームやダンガンレーサーの頃は青色のエンドベルも存在した。
名前通り最低限のスペックで、スピード・パワー共にとても実戦で使えるような性能ではないので、早めに下のチューン系に積み替えたいところ。

しかし、その遅さを利用してギヤやシャーシの慣らしに用いたり、分解してピンやらお宝ワッシャーなどの有用パーツを取ったりと
実は幾つあっても困らない優良モーターだったりする。パーツ取りなら他のモーターでも一緒の事だけど。
ちなみにタミヤのAOパーツにもなっており、タミヤ公式のオンラインショップや、扱うお店とかで入手出来る事も。
非公認では、使用モーターをこれに限定して行うレースなんかもあったりする。


トルクチューン2モーター

古くから定番だった○○チューン系モーターの現行機種の一つ。パワー重視の性能をしている。
先代トルクチューンから世代交代した後継モーターとして2015年に登場。
先代から大幅な性能アップを遂げており、慣らし方によっては無負荷で23000回転に達する事もあり、
コースによってはライトダッシュをも凌ぐほどの凶悪モーターと化した。
どれくらい優秀かと言うと、発売直後の2015ジャパンカップの各地区大会で
ジュニアクラス・オープンクラス共に相次いでこのモーターでの優勝者・入賞者が続出したほど。

両軸のPRO用も存在し、こちらも前作同様にかなりの優良モーターとして名を馳せている。
現代ミニ四駆初心者から上級者まで幅広く使える、オールマイティなモーターと言える。


レブチューン2モーター

同じくチューン系のモーターで、こちらは最高速度重視。
先代は散々な立場だった(詳しくは後述)レブチューンの後継モーターで、世代交代に伴いエンドベルの色が紫から青に変更された。

回転数・トルク共にかなり改善されたが、このモーターの本領が発揮できるコースは
ほぼイコールでダッシュ系が猛威を振るうコースという事になるため、やっぱり影が薄い…
が、加速がつきすぎると下りが飛ぶような形でコースアウトしかねないアイガースロープやナイアガラなどでは、程よく減速して楽に突破できるので一個くらいはモーターボックスに仕込んでおいた方がいいかもしれない。
そこ、コースチェッカーとかいわない

とは言え前作よりは大分マシになったため、チューン縛りでの高速レイアウトでは登板が見込めるかもしれない。
こちらも両軸のPRO版がある。


アトミックチューン2モーター

パワーと最高速度のバランス型のチューン系モーター。
かつてチューン系のいいとこ取りと評されたアトミックチューンもリニューアル。
PRO同様の黒いエンドベルに変更された。
先代に負けず劣らずの万能さを誇り、トルク2とは一長一短の存在と言える。
こちらもジャパンカップ2015で多数の優勝・入賞者が使用し、その高性能っぷりを遺憾なく発揮している。

こちらも両軸のPROがry


ライトダッシュモーター

二次ブームの人は知らないモーターその1。現在公式戦公認モーターである。
性能はハイパーダッシュ3とアトミック2の中間。
つまりノーマルを一回り強化した上位型というべきで、ダッシュ系モーターとしては控えめな性能。
逆に言えばじゃじゃ馬と化しやすいダッシュ系では1番扱いやすく、状況を選ばず適応できる優等生でもある。
現在ではトルク2・アトミ2とほぼ三すくみな状態であり、有力な選択肢の一つと言える。
…が、俗に言う『ハズレ』が非常に多い為、それを嫌って手を出さないユーザーも多い。

両軸のPRO版も存在し、こちらは比較的品質が安定していると言われ、よく使われる傾向にある。
というかデビューは両軸版のほうが先であり、片軸の方が後発だったりする。
ハイパーダッシュPROかトルクチューンPROかの2択だったMSシャーシに幅広い選択肢を授けた良モーター。


ハイパーダッシュ3モーター

チューン系の上位(≠後継)的な存在であるダッシュ系モーターの1つ。
速度がいきなり上がるのでコースアウトや電池の消耗にはくれぐれもご用心。
これはバランス型でアトミックチューンの上位型という位置付け。

先代のハイパーダッシュ2は名モーターとして親しまれ、これが生産終了する訃報の流れる少し前にデビューしたモーター。
先行販売した大規模公認で早速このモーターを搭載し、優勝ないし入賞したレーサーが続出したほど。
ハイパーダッシュ2の後継者には十分すぎる高性能。伊達にダッシュの名は冠していない。

先代と比べると慣らしづらい、消費電力が多いなどの欠点を抱えているが、
反面寿命が延びたので突然死に怯えなくても済むようになったり、
上手く慣らせばハイパーダッシュ2を超えるほどの性能を発揮できるようになる。


パワーダッシュモーター

二次ブームの人は知らないモーターその2。現在公式戦公認モーターである。
トルクチューンの上位型であり、テクニカルなコースでは無類の強さを誇る。
ただし消費電力の高さ故普通のアルカリ電池ではパワーが足りず、公式でも充電式のニカドやニッケル水素電池が推奨されているほど。

決勝では公式アルカリ電池のパワーチャンプGTの使用を強制される公式レースで
使用される事はあまりなかったが、
2016年により強力な性能を誇るパワーチャンプRSが登場、支給電池もそちらに変更されたため
このモーターの強力な性能を遺憾なく発揮できるようになり、
公式大会での使用者も激増、片軸のオーソドックスなモーターの一つとして定着した。


スプリントダッシュモーター

二次ブームの人は知らないモーターその3。現在公式戦公認モーターである。
レブチューンの上位型であり、レギュレーション内でひたすらトップスピードを狙うならこれ一択。
迂闊に手を出すとマグナムトルネード連発するほどの高パワーモーターなので、
ちゃんとチューン系で自分の技術を鍛えてから手を出そう。

パワーダッシュ同様アルカリ電池は不向きなモーターだが、パワーチャンプRSの登場で以前よりは公式大会で使いやすくなった…
が、消費電力がパワーダッシュより更に高く、依然としてシビアな調整が要求されること、
トルクがかなり低い事などから、一気にシェアを広げたパワーダッシュとは異なり
そこまで存在感を示せていないモーターでもある。悪い性能ではないのだが…


ハイパーダッシュPROモーター

ハイパーダッシュの両軸版であり、片軸におけるパワーダッシュに相当する。
元となったハイパーダッシュは禁止だが、こちらは公式でも問題なく使用可能。
両軸中最強のトルクを誇り、当然ながらユーザーからの支持も絶大。

当然ながらこのモーターを積んだマシンをコースアウトさせずにコース内に留めるのは難しく、
かと言ってブレーキを過剰に搭載すると却って遅くなり、
ノンブレーキのトルクチューン2に速度負けしかねない、扱いの難しいモーター。
しかし自在に扱えるようになればこれほど心強い存在も無いため、
両軸シャーシで高みに上るための最大の試練の一つと言える。

2018年現在の公式大会ではMSシャーシが猛威を振るっており、
当然ながらこのモーターの使用率も非常に高い。


マッハダッシュPROモーター

かつての名作モーターだったマッハダッシュの両軸版。こちらは片軸のスプリントダッシュに相当。
そしてこちらも公式大会で問題なく使用できるが、ハイパーPRO同様に扱いが難しい。

ハイパーダッシュ以上にスピードが乗るため、生半可なセッティングでは
レーンチェンジをまともにクリアする事もできずにコース外に散ってしまう事請け合い。
しかし超高速レイアウトではこのモーターを使えなければ話にならない事も多く、
ハイパーPRO同様に両軸ユーザーの心強い味方にして、高い壁でもある。

ハイパーPRO同様、MSシャーシの大躍進に伴い一気に台頭して来たモーターであるが、
回転数は高いがトルクがかなり低く、ハイパーPROよりも一層扱いが難しい。
このモーターの性能を十二分に発揮することができれば、晴れて中級者の仲間入りとも言える。



廃盤だが、所持していれば公式大会でも使用できるモーター


ハイパーダッシュ2モーター

ハイパーダッシュ3の前身であり、ハイパーダッシュの後継。
寿命がかなり短く、突然死しやすいという欠点を抱えていたが、
慣らしやすく速度も出しやすいことから非常に高い人気を誇っていた。

しかし、2014年にハイパーダッシュ3と取って代わる形となり絶版となる。
現在でもレギュレーション上は使用できるが、プレミア化が進行している状態。


ハイパーミニモーター

グレードうpパーツの第1弾であり、この項目に記載されている全てのモーターの始祖のような存在。
カタログスペックの数値はトルクチューンに似ているが、その実態はアトミックが出るまではまさかのチューン系最強であった。つまり今は無き名モーターの一つ。
田宮は何故廃盤に限って名モーターが多いのか…。
ちなみに何度かこっそり再販されてたりするのだが、流石に今現在はこのモーターをわざわざ選ぶ理由はあまり無い…


レブチューンモーター

爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の主人公、星馬豪が愛用していたモーターであり、
かつてのブーム世代には絶大な知名度を誇るモーターその1。
なお、このレブチューンとトルクチューンは元々ミニ四駆ではなくミニF1のためのパーツとして発売され、そこからミニ四駆用に転用された経緯を持つ。

パワーではトルクチューンに劣る代わりに最高速度で勝る…とはいうものの、実際は本領を発揮するにはかなりの長さのストレートが必要で、大会にそこまでのロングストレートは滅多になかったこと、
トルクが致命的に低すぎた事、そしてチューン系で何故か最大の消費電流を誇っていた事から
かなりのネタモーターとして認知され、ぶっちゃけ不人気であった。
アニメの豪もトルク不足を認識していたのか5:1ギアと組み合わせていた
2015年に絶版となったが、ぶっちゃけそれでも定価以下での入手も全然難しくないという…

その余りのショボさから、「このモーターを使って公式大会で優勝すれば神となれる」とまで言われていたが、
2015年のステーションチャンピオン決定戦(全国のミニ四駆ステーションの代表が一堂に集って雌雄を決する大会)で
オープンクラスのチャンピオンマシンが搭載していたのがまさかのこのモーターだった。
(ちなみにジュニアクラスは優勝はなんとノーマルモーターで、
このレブチューン搭載マシンに至ってはギヤ比を最も遅い5:1まで下げていた。
つまりコースレイアウトが鬼畜過ぎて、過剰なデチューンを施さなければ完走すら覚束ないコースだった)。

両軸のPRO版も存在するが、両軸は片軸よりもトルクの高いモーターが選ばれる傾向にあるため
片軸以上に使いようがないという…何故作った?


トルクチューンモーター

レッツ&ゴーのもう一人の主人公・星馬烈愛用のオーソドックスなモーター。
アトミックチューンが出るまでは、ハイパーミニが入手困難&レブチューンがあまりに不甲斐ないため結構使われていた…のだが、
やはりこれもアトミックチューンの台頭でいらない子扱いが定着してしまった。

両軸のPRO版が出たが、これは慣らせば23000回転くらいまで回る事と、
そもそも前述の通り両軸はトルクの高いモーターが望ましいとされているため、
こちらはかなりの支持率を誇ったが、残念ながら絶版。
とは言え後継のトルクチューン2がかなりの高性能のため、あまり気にする必要も無いが。


アトミックチューンモーター

二次ブーム中盤頃に登場した第三のチューンモーター。
レブとトルクの中間的性能を誇る…と書かれていたが、
実際は完全ないいとこ取りモーターであり、当時のレースシーンをガラリと変えてしまった。
そしてダッシュ系が解禁されるまでは実質これ一択といえる有様であり、
ダッシュ系解禁以降も常に存在感を保ち続けていた名モーター。

2の発売が決定された途端、性能の劣化を危惧したユーザーたちが買占めに走ったが
実際は2も悪くない良モーターだったため、今入手困難なこれを探す意味はあまり無い。
しかし、長年ミニ四駆を支え続けたその性能は本物であり、
2登場後の2015ジャパンカップでも2と共に大活躍を見せていた。

黒いエンドベルの両軸用も存在するが、こちらはかなり性能が抑えられてしまい、
完全にトルクPROの影に隠れる形となってしまっていた。



タミヤ製だが、公式大会では使用できないモーター


ハイパーダッシュモーター

廃盤。現在と違い全体的に真っ黒ぼでぃ。
ハイパーミニに比肩する古株のモーターだが、登場当時から公式で使えなかった上、上位互換のマッハダッシュが産まれてしまったため
解禁レースでもあまり活躍できなかった悲劇の子。
登場が20年早かったと言われており、仮に現在発売されたならば
スペック的にも公式で使用が許可され、かなりの大活躍をしていただろうと言われている。

とは言え、サンダーショットブラックスペシャルをイメージした
赤いエンドベルに黒いカップのその姿はかなり精悍であり、
コレクション用としては非常に高い人気を誇る。

現在は後継のハイパーダッシュ2、3、そしてハイパーダッシュPROが公式で使用でき、
頻繁に表彰台を賑わせている。


マッハダッシュモーター

今は無き名モーターの一つ。
レブチューンの系列だが現行のスプリントよりも速く、そして燃費も良かった。
しかし、そんな高性能なのに中のブラシは寿命の短い銅製。突然死を招く要因となった。
一時期公式大会で使用する事ができたが、現在は再び使用禁止に。

前述の通り、両軸のPRO版が存在し、こちらは公式でも使用可能。


ジェットダッシュモーター

パワーダッシュを超えるトルクチューン系の最上位型だったモーター。でも廃盤。
なかなかに使いやすくはあったのだが、早々に廃盤になったのは制作工場が他と違う為と言われている。


ウルトラダッシュモーター

ダッシュ系の最上位型に位置する超高性能モーター。現行品なので今でも普通に買える。
元々はレブチューンやスプリント(マッハ)ダッシュの最上位型だったが、現在は相方のジェットダッシュが無くなった為に実質バランス型扱い。

あまりにも速すぎるので公式レースでは基本的に使えない。まさに公式チート。
他のダッシュ系ですら持て余すといわれるので、これを下手に積んだマシンがどうなるかはお察し。
しかし公式チートとは言ったが実はこれでもナンバー2で更に上がいた。…数年前までは。
そのナンバー1が一線を退いたことでこちらも繰り上げとなり、今では名実ともに唯一の公式チートとして君臨することになった。

実はラジ四駆ではプラズマより使いやすいと評され、ガチモーターの一角であった。

チューン系モーターのリニューアルによって唯一のマブチモーターになってしまった。


プラズマダッシュモーター

ウルトラダッシュをかつてナンバー2たらしめた、正真正銘公式モーターの頂点に君臨していた存在。ブラックモーターとも。
徹底的な速度強化と排熱効率に特化し、一瞬ミニ四駆用とは見えない独特の形状を持つ。公式チートどころか公式が最大手状態。
おそらく田宮は今後これ以上のモーターは作らないし、その必要もない。それほどの性能を誇る最強のモーター。
そんな怪物モーターだったが、実は2021年頃にひっそりと生産終了していたことが判明。
公式最強の座もウルトラダッシュに譲ることになった。どの道公式レースでは使えないけど。

ウルトラダッシュ以下でも上記のじゃじゃ馬ぶりである以上、このモーターの危険性はもはや説明するまでもない。
かっ飛んだ先でも暴れて色々と破壊しかねないので、特に人のコースを借りる時などは慎重に取り扱おう。

ちなみにブラシを自力で交換できる構造になっており、AOパーツとしてブラシ単品の販売もされている。
それを交換する事で結果的にかなりの寿命を維持できるモーターでもある。
ワークマシンにも是非どうぞ。
今となってはプレミア化も相応に進んでいるため、今持っている人はいずれにせよ大切に使いたい。


タッチダッシュモーター

ミニ四駆本体に電源を入れても、そのままでは動かないが
本体に衝撃を与えると動き出し、また衝撃を与えられると止まる、という世にも珍しいモーター。
コースを買って貰えない子供に少し人気があった他、
リレー形式ルールを作りやすい為、創意工夫に自信のあるレーサーたちに根強い人気を誇る。残念ながら絶版。


ZENチューンモーター

かつて限定販売されていたモーター。元々はトルクチューンらと同様にミニF用パーツであった。
現在となっては結構な希少品で、オークション等でも高値で取引されている。
慣らせば片軸マッハダッシュをしのぐ性能という噂も。


ターボダッシュモーター

公式で発売されたモーターの中で、間違いなく最も入手困難である幻のモーター。
カタログスペックこそZENチューンと同じだが、
ZENチューンが慣らしやすい銅ブラシだったのに対し、こちらは長寿命だが慣らしづらいカーボンブラシ。
当時はモーターの慣らしのノウハウを突き詰めている人間も殆どおらず、
またインターネットが全く普及して居なかったことで情報の共有も成されて居なかったことから、
既に登場していたZENチューンの下位互換とみなされて非常に不人気であり、
一年半ほどしか販売されなかったという悲劇のモーター。

そのような経緯を辿った上、当時は二次ブーム直前で人口もめっきり減っていた事から
生産自体がほとんど成されず、現存数は非常に少ないと言われている。
中古ですらめったに見かけず、未開封品に至っては拝むことすら難しい。



以下タミヤ非公認

要するにタミヤ以外から発売された、ミニ四駆と互換性を持つFA-130規格のモーター群。当然ながら公式レースでの使用は認められていない。各社の独自のミニ四駆系玩具(通称パチ四駆)専用として発売されていたものもあった。
とにかくやたら高性能が謳われているものが多く、前述のプラズマダッシュすらも上回るスペックのモーターも珍しくない。
しかしながら前述したようにプラズマダッシュとは「恐らくタミヤはこれ以上のものは出さないし、出す必要もない」モーター。これを上回るスペックが与えられているということは、要するにミニ四駆に実際に搭載して走行させた場合の安全性が軽視もしくは度外視されていることを意味し、中には走行可能な秒数が限定されているものすら見られた。

  • ぶっとびモーター
キャッチフレーズは「究極の超ハイトルク」。パワーが強すぎで高確率でコースアウトするので文字通り「ぶっとび」である。
ちなみに発売元はお城のプラモデルでお馴染みの童友社。

  • 覇王
回転数はなんと約10万回転(レブが約2万回転)恐るべき回転数を誇るが、それほど速い印象はない。
値段も1000円と意外に安い。上記の事もあってか覇王(笑)と呼ばれる事も。
これも童友社製。

  • ドラゴンモーター
ミニ四駆の耐久性を無視したモーターのひとつ。発売元は上と同じ童友ry
電池消耗が激しく長くは使えない。
シャーシが溶けるという報告が多く、中には初回使用でお亡くなりになることも。
ちなみに童友社は他にも「ガッツ」、「チャンプ」とかも作っている。

近年モーターの値上がされており、¥315→378に高騰した。
実はそれに伴い、性能もバージョンアップしている。

クラッシュギアやバクシードでも、この規格のモーターを使用する事が出来、規格外の性能で走らせる事が可能。
ただし、ミニ四駆同様に、故障や、クラッシュして大破する事態にもなり得るのでこちらも自己責任でお願いしたい。



ピニオン

モーターのもう一つの重要な要素として、モーターの軸に差し込むピニオンギヤと呼ばれる小さなギヤが存在する。
モーターほどではないが幾つか種類があり、モーターごとに使い分けるのが良いだろう。

紫ピニオン

現在流通しているキットの大半に付属している紫色のピニオンギヤ。
柔らかい材質でできているので、あまり力のない人でも比較的簡単にモーターに差し込めるが、
破損やズレが起きやすいので激しい回転を伴うダッシュ系モーターには不向き。
しかしかなり軽量なため、チューン系モーターにはよく使われる。
加工しやすいのでギヤ以外のいろいろな用途にも使える便利パーツ。


カーボンピニオン

AR、FM-A、VZシャーシのみ、このギヤを使用することが強制されるギヤ。
とは言え決して悪いパーツではなく、むしろその頑丈さからユーザーに歓迎されている優良パーツであり
ダッシュ系にはとりあえずこれを付けておけばまず間違いはない。

ちなみに単品版とカーボンクラウンギヤとのセット版とがあるが、
主に使われるのは前者であり、後者は制度が非常に悪いと言われてほぼ使われない傾向にある…

更に言えば現在流通している『カーボンピニオン』は後述のオレンジピニオンと同形状であり、
紫ピニオンと同形状のカーボンクラウンも一時期(ARシャーシ登場当時)も存在していたが
今となっては入手が困難なレアパーツである。


真鍮ピニオン

その名の通り金属でできたピニオンギヤであり、頑丈さは全ギヤ中随一のものを誇る…が、
金属ゆえの重量や着脱の困難さ故に非常に扱いづらいパーツと言われていた。
それなのに一昔前のPRO用チューンモーターには何故か標準装備されており、外すのがとても面倒だったため
当時のレーサーたちからは猛烈に嫌われてすらいたパーツであった…

しかし、2016年頃から
『一度付けたら外すのが非常に困難なほど固い』というネガ要素が
『決してピニオンギヤがモーター軸からズレないから、ダッシュ系を使っても駆動ロスを起こす確率がカーボンピニオンより段違いに低い』
というポジティブな評価に逆転。
特にパワーダッシュなど高パワーのモーターを使うレーサー達の一部から愛されることとなる。
事実、2016年の全国チャンプは勝利の秘訣を尋ねられ
「ピニオンギヤに真鍮ピニオンを採用したことです」と大真面目に語った程である。

それ故、紫・カーボンほどではないが、
以前のように誰も見向きもしないというパーツでは決して無く、
ダッシュ系を気兼ねなくブン回せる上級者好みの玄人パーツとしてまさかの出世を遂げた。


白ピニオン

二次ブーム期までは比較的見かけたギヤ。
白色のピニオンギヤだが紫ピニオンのように洗練された形状ではないため若干重く、
しかも穴がガバガバになりやすいため駆動ロスも大きい。
入手も簡単ではないので、現在使っているユーザーは皆無に等しいし、使う理由も正直特に無い。
使われるとしたらワンウェイホイールぐらいしかないし。


オレンジピニオン

ダンガンレーサー用に開発されたギヤ。
激しいぶつかり合いをテーマとするダンガンレーサーの為に設計されただけあって
非常に頑丈だが、その分重たい。
現在は生産されていないが、同形状のカーボンピニオンを使えば困ることは無いと言える。



番外編 モーターをサポートするパーツ

走行中のミニ四駆のモーターの冷却効果を与えたり、振動で外れにくくするパーツ。
冷やすのであればスマホクーラーとかの上に使用して熱を持ったモーターをしばらく置いておけば常温に戻るのだが、走行中ではそうもいかないので、なるべく取り付けられるのであれば付けて少しでも熱を持たないようにするべき。

アルミモーターサポート

片軸モーター用のパーツで、薄いアルミ板をコの字型に曲げた物で、モーターとシャーシの間に挟むことでモーターとターミナルの接点を圧迫し、接触不良を防ぐ。又、アルミ特有の熱伝導率の高さにより放熱効果も狙っている。
ちなみに放熱効果に関しては、両面テープを介さない分、下記の放熱フィンよりはマシか。
主に基本的にゼロシャーシ、スーパー1シャーシに装着する事を想定しているが、 スーパー1の後継であるスーパー2でも使用可能。他のシャーシでも少しの加工で装着出来る場合もある。ただ、モーターとシャーシの間に挟むという構造上、TYPE-1系列(TYPE-1、3、トラッキン)のシャーシには使用出来ない。
モーターの冷却と振動による接触不良を防ぐという効果はあるため、なるべく付けた方が良いパーツだが、現在は、主にギヤのバックラッシュ調整のために使われることが多い。

モータークーリングシールド

こちらも元はダンガンレーサー用に発売されたパーツで、下記モーターヒートシンクの後継品。 モーター冷却効果を狙ったパーツである。
使用方法はほぼ同じで、形状もヒートシンクとよく似ているが、こちらはフィン状ディティールがなくなり穴が開けられている。
ヒートシンクがアルミ削りだしだが、こちらはアルミ板のプレス加工で作られており、製造コストは下がっていそうだが、価格はむしろ上がっている。(ダンガン現役時代の価格で比較してもヒートシンク250円、クーリングシールド260円)
ミニ四駆にはMSシャーシとスーパー2シャーシで使用可能。

放熱フィンセット

1次ブーム期に登場したモーターにフィン状の部品を貼り付けて表面積を増やし、冷却効果を狙ったパーツ。
TYPE 1〜3のシャーシにはほぼ使用不可。
フィンはモーターの曲面・平面両方に対応していて、穴が開いているので付属のアルミ棒を使ってひとまとめにも出来る。
しかし貼り付けが両面テープなので効果に疑問がある。
正直半分夢パーツだが、見た目がかっこよくなるのでドレスUPには向いている。
こちらは絶版品である。

ダンガンレーサー モーターヒートシンク

ダンガンレーサー用に発売されたもので、トンネル型のアルミ製パーツをモーターを包み込むようにはめて使用する。
モーターと接している面が大きく、また表面もフィン状に加工されているため放熱面積が大きく、装着に両面テープなどを使わないためにモーター冷却用のパーツとしては最も優れている。
ミニ四駆にはMSシャーシのみだが、シャーシ側(ギヤケース)を少し加工することで使用可能。
こちらも上記のモータークーリングシールドに代わる形で絶版品となった。




追記、修正は、全てのタミヤ製モーターを持っている、使った事がある人がお願いします。

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最終更新:2024年03月24日 16:01

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