魔神英雄伝ワタル

登録日:2009/09/20 Sun 09:05:08
更新日:2024/04/10 Wed 17:08:28
所要時間:はっきし言って、約 4 分で読めるぜ!






はっきし言って、オモシロカッコいいぜ!



『魔神英雄伝ワタル』とは、サンライズ制作のロボットファンタジーアニメである。
1988年4月15日から1989年3月31日まで日本テレビ系で全45話が放映された。


【概要】

本作はタカラ(現:タカラトミー)が「SDガンダム」に対抗して立ち上げた作品である(後に「パロ伝」というシリーズで騎士とか侍とかコマンドーな龍神丸が発売された)。

いわゆる「SD体型」でも魅力的なアクションができる事を証明し、幅広い年齢層からの支持の下に続編が制作された。

本作のロボットを製品化した「プラクション」シリーズは塗装不要・接着剤不要・ワンタッチアクションギミックという手軽さから大ヒットを果たし、後年のタカラ製品でも採用され、一部本作から金型を流用した製品も存在する。

プロデューサーの芦田豊雄が「いつかこんなアニメをやりたい。この表紙を見た業界の方々、興味があればご一報ください」ダメ元で書いていたものがサンライズの目に留まったのが切っ掛けで「ワタル」は誕生した。
広井王子の「いまビックリマンチョコ流行ってるけど」という発言が元となり『ビックリマン』の特徴である「顔」の要素を取り入れ、登場人物およびメカは「顔から手足が生えたような造型」になっている。
もう一つ当時流行していたものとして「ファミコンRPG的要素」を大いに取り入れ、設定や物語の展開に活かしている。

シリーズ展開も広く行われ、テレビシリーズが3本、OVA・Webアニメが4本製作されたほか、文化放送でアニラジも制作されるなどメディアミックスも多数。

なお、タカラトミー合併後、本作の権利は当初のライバルであったバンダイに譲渡されており、以降の作品のソフト化・配信・グッズ販売は全てバンダイグループが担当している。


【ストーリー】

小学4年生の戦部ワタルは、龍神池と呼ばれる池から現れた守護龍に「神部界」という神々の世界へと連れて行かれる。
その中心に存在する神々の山「創界山」では、突如現れた隠れもなき支配者、悪の帝王「ドアクダー」が罪なき民を蹂躙していた。
ドアクダーを倒せるのは、伝説の救世主の再来であるワタルだけなのだ!
手作りの人形から本物の「魔神」となった龍神丸、忍者のヒミコ、の達人シバラクと共に、創界山の象徴である七つの虹を取り戻す為、ワタルの長い旅が始まった。


【登場キャラ】

救世主ワタル一行

  • 戦部ワタル
田中真弓
主人公。
伝説の救世主の生まれ変わり。龍神小学校4年生で9歳。
明るくはっきりした性格で跳ねまくった髪と鼻が特徴。
ローラースケートを得意としており、大会での優勝経験も。
「ハッキし言って~だぜ!」の台詞と拳で鼻の下を擦るのが癖。
「龍神丸~~~ッ!」

  • 龍神丸
声:玄田哲章
創界山を守る神部七龍神の『金龍』にして、救世主と共に戦う救世主専用の魔神。全高は3、4メートルほど*1
厳しさと優しさを兼ね備えたワタルのかけがえのない相棒。
何故か創界山のあらゆる地方の方言をマスターしている。
後に龍王丸に、2では新星龍神丸、龍星丸へと生まれ変わる。
「おぉーー!」

  • 忍部ヒミコ
声:林原めぐみ
忍部一族十三代目御頭。
天真爛漫で怖いもの知らず、能天気な性格で生まれた時から「キャハハハ…」と笑う。チャームポイントはでっけぇリボン。トラちゃんのヨメになると約束した。
2では時を越え大人になった彼女自身に出会う。

  • 剣部シバラク
声:西村知道
戦神丸の操縦者でミヤモト村出身の剣豪。
チャームポイントは髭。
野牛シバラク流の使い手。
性格は豪放磊落で単純。剣の腕は抜群だがじゃんけんには弱い。
ワタルにとっては剣術の師匠で、『先生』と呼ばれる愛すべきカバ。
戦神丸を呼び出すときには公衆電話を使う。
この呼び出し方式は1997年制作の「超魔神」ではPHS、2020年制作の「七魂」ではLINE風メッセージアプリと史実の通信機関の変化に応じてアップデートする。
美人に弱いがいつもフラレてしまう。

  • 渡部クラマ
声:山寺宏一
空神丸の操縦者で魔神山ワタリベ村出身。通称トリさん。
キザで皮肉屋だが、面倒見の良い一面もある。
ドアクダーの魔界力によって村人全員が鳥にされ、元に戻るためにワタル達にスパイとして近づく。人間に戻るとトレードマークのアイパッチがなくなる。
人間姿はかなりのイケメンだがヒミコには「トリさんの方がいい」と言われる。
演じた山寺はこれが初のテレビアニメレギュラー。

  • 忍部幻龍斎
声:緒方賢一
忍部一族十二代目御頭。猿年生まれ。
ヒミコの父親であり、幻神丸の操縦者。
ドアクダー討伐に向かったが返り討ちに遭い、魔界力で猿の姿にされる。語尾に「ウラ」と言う。
人間姿は長身の渋いオッサン。やはりヒミコには「おサルさんの方がいい」と言われる。

  • EXマン
声:龍田直樹、 吉田古奈美、柴田由美子
「エクスキューズミー!」物語の解説役。

ドアクダー軍団

  • ドアクダー
声:飯塚昭三
「悪の帝王」と呼ばれる魔界随一の実力者。
凶悪な魔界呪術と魔王の剣を振るう。
後述する虎王の父親と思われていたが……?

  • 虎王
声:伊倉一恵
創界山第七界層出身。嫌いな物は梅干。
ロボットアニメ恒例の敵側の王子ポジションのライバルキャラ。
我侭で世間知らずだが、卑怯な事はしない潔さも持つ。
ドアクダーの息子「魔界皇子」。ヒミコを気に入りヨメにすると約束する。
邪虎丸を駆る。
その正体は創界山を治める聖龍妃の息子・翔龍子。つまり創界山の皇子。

  • ドン・ゴロ将軍
声:戸谷公次/松山鷹志(スパロボ)
ドアクダーの側近、四天王の一人。
防衛庁長官で虎王のお目付役。怒ると凶悪な形相になる。
搭乗魔神は型魔神のドンゴロ。

  • ザン・コック
声:稲葉実
四天王の一人、魔界ザン三兄弟長兄。しゃくれ。決して宦官ではない
三体合体の魔神ガッタイダーを駆る。
余談であるが『機動戦士Vガンダム』に登場する某MSはあやうくコイツと同じ名前になってしまう所だったらしい。

  • ザン・ゴロツキー
声:龍田直樹
四天王の一人、ザンコックの弟。鳥顔。
武器は

  • ザン・ギャック
声:笹岡繁蔵/三宅健太(スパロボ)
ドアクダー四天王の一人。コック、ゴロツキーの弟。犬顔。
ハンマーを携える。

  • ブリキントン
ドアクダー軍の一般兵士。人の三倍もの戦闘能力を持つが、やられ役

  • メタルブリキントン
ブリキントンの上位兵士。量産型魔神やメカの操縦を担当する。


【スパロボでの扱い】

長らくスーパーロボット大戦シリーズへの参戦が熱望されていたが、2018年に『スーパーロボット大戦X』に参戦。
シナリオ面ではメインの一角を担うことになり、比較的明るい作風である『X』の華を添える形となった。
まあ、甲児グレン団はともかく、ヒイロアンジュルルーシュまで「ドアクダー」だの「ザン・コック」だの「ブリキントン」だのを連呼する光景はなかなかシュールであったが。

開発側もよほど参戦させたかったのか、後に実は『スーパーロボット大戦NEO』の開発時点でも候補に挙がっていたとスパロボのプロデューサーである寺田貴信氏が明かしている。
特に『NEO』は『ワタル』とほぼ同世代である90年代前半頃の作品が参戦していたので、戦部ワタルと中の人が同じ上に、ちょうど龍と虎で対応する『獣神ライガー』の主人公・大牙剣との掛け合いもあったかもしれない。
そして、その共演は後に『スーパーロボット大戦DD』で共演した際に実現することとなった。

ちなみに、ワタルが参戦している2作品とも人対人の戦争モノを扱った作品も参戦しているため、本作の性質への配慮と思われるところもシナリオ上で語られており、
『X』の方ではモビルスーツやオーラバトラーなどには脱出装置が備わっていることが明言されていて小学生であるワタルに殺人を行わせないようにしていて、ワタル一行が行くルートでも死者が極力出ないよう配慮されている。ただしエンブリヲとかの例外もあったが。
『DD』の方では『グランゾート』と『ライガー』組と共に『ライガー』に登場する神の城に常駐させており、原作に関わる話以外では世界の有事や人命救助などのタイミングで出撃させる事にしている。


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最終更新:2024年04月10日 17:08

*1 これはほとんどの魔神の共通サイズである