トライチェイサー/ビートチェイサー/ゴウラム

登録日:2010/04/23 (金) 17:19:11
更新日:2023/11/07 Tue 22:27:08
所要時間:約 7 分で読めます




トライチェイサー/ビートチェイサー/ゴウラムは『仮面ライダークウガ』の作中に登場するクウガ用バイク、及びサポートメカである。





トライチェイサー2000/TRCS-2000

最高速度:300km/h
ベース車両:ガスガス(スペイン)製パンペーラ250


警視庁が開発した新型白バイの試作機。無公害イオンエンジン“アレグロ”を搭載。
車体の色を変化させる『マトリクス機能』を持つ。
従来の白バイとは比較にならない機動力と運動性を誇る。

名前の由来はトライアルバイクからか。


クウガが高速移動する第5号(ズ・メビオ・ダ)の相手をするために、
必要だと感じた一条薫警部補によって五代雄介に託され、以降五代の愛車となる。
一条が独断で雄介に渡した*1ため、二人の友情と信頼を象徴する機体とも言える。

ハンドル部分に設置されたコンソールにはダイヤル式の目盛りがあり、起動の際は『0318』の暗証番号を入力する必要がある。
初期設定からこの番号だが、五代の誕生日でもある(3月18日)。
また元々警察用ということもあって無線通信機も搭載され、作中でもこれで一条たちと情報をやり取りしている場面が多い。

第25号(メ・ガドラ・ダ)との戦闘時にコンソール部分が破損し、
正式量産型の『トライチェイサー2000A』のパーツで修理したため途中からコンソールのデザインがボタン型に変わっている。


中盤、ゴウラムとの複数回の合体により車体全体に金属疲労が蓄積し、第41号(ゴ・バダー・バ)との戦いの最中に不調をきたし、戦闘中にバダーに奪われた際遂に走行不能に陥った。
その後ビートチェイサーにバトンタッチしたが、最終決戦では修理完了し一条が使用。
五代と二人でダグバの待つ九郎ヶ岳遺跡まで走った。(この時のカラーはポリスヘッド)


『仮面ライダーディケイド』では夏海の夢の中で真っ先に登場したほか、小野寺ユウスケの愛車として登場。
入手経緯は特に語られていない。
正式名称は原典と同じ。

ユウスケは五代と違い変身前でもゴールドヘッドのまま乗り回しているが、マトリクス機能が搭載されていないのか変えていないだけなのかは不明。よく世間や警察にばれなかったものである。


《トライアクセラー》

トライチェイサーの起動キー。
右グリップその物であり、取り外すと警棒にも変形する。よく紫のクウガでタイタンソードに変化させて使用する。
オートバジンのグリップも似たような機能を搭載している(ファイズエッジ)が、長さはファイズエッジほど長くはない。警棒だからね。


《マトリクス機能》

電気信号によって車体の色を変化させる機能。元々は覆面パトカー的な使い方を予定していたのだろうか?
金属疲労による故障の直前にはこの機能が使えなくなってしまう一幕もあった。
なお、勘違いされがちだがアマダムの力は一切干渉していない、トライチェイサーに元々付いている機能である。

◆ブラックヘッド

普段、五代が使う状態のカラー。ほぼ真っ黒。

◆ゴールドヘッド

金と赤と白で構成されたカラー。変身時に使用。
車体には五代が気に入ったクウガのリント文字を入れられている(ブラックヘッド時は色が重なって見えないようになっている)。

◆ポリスヘッド

初登場時や最後に一条が乗った時の白バイカラー。


トライチェイサー2000A

ベース車両:パンペーラ250

トライチェイサーの正式量産型。
コストの都合でマトリスクやトライアクセラーの排除、最高時速の低下などオミットされた機能はあるが、それでも優秀な白バイ。
ストーリー中盤で警視庁に配備された姿が見られ、トライチェイサーが破損した際に五代が借りた事もある。


トライゴウラム

最高時速:400km/h
ベース車両:YAMAHA製V-MAX

トライチェイサーにゴウラムが合体した形態。
ゴウラムの力で合体に合わせてトライチェイサー側も形状が変化している。
分離すると元に戻るが、この時に起こる形状変化がトライチェイサーの負担となり故障の原因となった。

見た目通り重装甲で、トラックに轢かれて可燃性燃料の缶置き場のど真ん中で爆発に巻き込まれても無傷なほど頑丈。
そのうえ走行速度も上がっている。*2
必殺技は体当たりで巨大な刻印を打ち込む〈トライゴウラムアタック〉。巨大なため直接当てなくても封印エネルギーを送り込める。
また体当たりの威力自体も大型トラックを横滑りさせそのまま横転させるほどと凄まじい。ほんとに400km/hか?
ただし必殺技を使うとエネルギーを使い切ってゴウラムが劣化しバラバラの化石状態に戻ってしまう。



ビートチェイサー2000/BTCS-2000

最高時速:420km/h
ベース車両:パンペーラ250


激化する未確認生命体関連事件に伴い、4号=クウガと連携を始めた警視庁が開発したクウガ専用新型バイク。
アレグロのチューンアップ版“プレスト”を搭載。

全てに置いてトライチェイサーを上回り、クウガ用の新設計のため普通の人間には耐えられない超速度が出せる。
更に驚異的な速度から急停止するため後部にパラシュートのエアブレーキも備えている。

形状記憶合金BT合金の使用により、機体に負担の掛かるゴウラムとの合体にも設計上約500回は耐えられ、
合体時にゴウラムへ液体金属を供給して劣化を防ぎ、必殺技使用後の石化を防止する事も可能になった。
また、赤の金のクウガのライジングマイティキックによる爆発の爆心地にあっても無傷で耐えられる頑強さも備える。


起動キーはトライチェイサーから引き続き〈トライアクセラー〉が使用され、暗証番号もそのまま。
ハンドル部のコンソールも改修後のトライチェイサーとほぼ同じである。
マトリクス機能も健在。また、劇中未使用だがカウル内にパトライトも搭載している。

完成時期にクウガの強化が危険視されたため上層部が引き渡しを渋ったが、一条たち現場の刑事や理解ある上司の説得により、無事五代に渡された。


《マトリクス機能》

トライチェイサーと同一の機能。

◆ブルーライン

普段使う銀に青ラインのカラー。

◆レッドライン

変身時に使う黒に赤ラインのカラー。クウガの文字も健在。



ビートゴウラム

最高時速:570km/h
ベース車両:V-MAX

ビートチェイサーにゴウラムが合体した形態。
合体シークエンスなどは基本トライゴウラムと同じ。
ビートチェイサーの設計通りゴウラムが破片に戻る事もなく、機体に不調も見られない。
上記の通りビートチェイサーが最初から合体を想定しているため合体自体もよりスムーズに行われ、速度の上昇もTRCSの100km/hアップを上回る150km/hと強化が顕著になっている。

ただし必殺技は使ったことがなく、主に爆発による被害を抑えるためグロンギを先端に引っかけて爆破地点まで連行するのに使われた。


◆《ライジングビートゴウラム

最高時速:700km/h
榎田の提案によって誕生した形態。
クウガがビートゴウラムに乗った状態でライジングフォームになることで、ライジングの力がゴウラム側にも伝達され発現した強化バージョン。
外見上の変化としてカウルと後部(ゴウラムの後ろ脚パーツ)に金の装甲が追加されており、前者が突撃時の封印エネルギーを、後者が走行速度を、それぞれ強化している。
特に速度に関しては100km/h以上アップしておりヤバい。
発動時間はライジングフォーム同様30秒間。

必殺技は〈ライジングビートゴウラムアタック〉。第45号(ゴ・バベル・ダ)をほぼラグなしで爆殺する威力。

劇中では五代に「金のゴウラム合体ビートチェイサーボディアタック」と命名されたが、
直後に一条から「長すぎないか?」と言われて取りやめになった。
後の電車斬りやドライブの武器に近い物があるが、ライジングの言葉が作中にないので妥当なネーミングである。

想定通り発現し上記の通りバベルを一撃で撃破するという戦果を挙げたが、クウガ本来の仕様にないライジングパワーとの併用は負荷が大き過ぎた*3のか、使用後ゴウラムの表面が色褪せてしまった。
このことや物語上の展開もあり、ライジングビートゴウラムの登場はこの一回だけとなった。



《ロードチェイサー》

HERO SAGAGENERATION1編に登場。
ビートチェイサーとガードチェイサー(アギトの仮面ライダーG3のバイク)の間にあたるバイク。




装甲機ゴウラム



“来れ 甲虫の姿をかたどりし 馬の鎧となる僕よ”


最高時速:500km/h
古代においてクウガをサポートするために造られたクワガタを模した生体メカ*4
意思を持ち、リント語で喋る(CV:オダギリジョー)。ちなみにリント語のベースは英語。グロンギ語が日本語なのとは対照的であるが、機械的音声のせいでいまいち聞き取りづらい。

長野県九郎ヶ岳遺跡発掘チームの城南大学院生ジャン・ミッシェル・ソレルらによってバラバラの破片として発見されたが、
調査のために東京へ輸送している最中にトラックの荷台やアタッシュケースなどの金属を吸収して不完全状態ながら復活。
長野から東京にいるクウガの元へ向かった。
道中、復活のために廃棄処分の車やマンション屋上の給水塔等の金属を吸収して軽い被害をもたらし、
未確認飛行体として警察に警戒されたが、無事クウガ=五代の下にたどり着いた。
以降は研究も兼ねて科警研に保管されている。

上部にクウガのベルトにある霊石〈アマダム〉と同質の石を持ち、クウガの意思を感知して飛来する。
また、クウガ(五代)が触れているとアマダムのエネルギーが送られて全体が活性化し、化石状態からの復帰も早くなる。

ボディを前後に分離しつつ変形することでバイクと合体しその鎧となり、上記のトライゴウラムやビートゴウラムとなり、バイクの性能を飛躍的に向上させられる。
またクウガが掴まった状態で飛ぶ事も可能だが、クウガの重量の分飛行速度は落ちてしまう。

バイクとの合体状態ではそれぞれ突進技を使用可能となるが、必殺技を使うとエネルギーを消耗し化石に戻ってしまう。
これは恐らく復活時に喪失していたパーツの代用として取り込んだ金属を機体のパーツの形に維持するため、普段モーフィングパワーに回しているエネルギーまで攻撃で消費してしまうため。

クウガがアルティメットフォームになった場合、
凶暴化したクウガがゴウラムで移動して被害が拡大するのを防ぐため、アルティメットの出現を感知して自動的に砂になる機能を持っている。
だが最終決戦で実際にアルティメットが出現した後も科警研に現存しており、五代が優しさを保ったままアルティメットに変身した証明になった。

碑文に書かれている通り、本来は馬と合体していた。


一条「TRCSが馬なのか……」

五代「まぁ、古代にバイクは無いですからねぇ」


『HERO SAGA』クウガ編では先代のクウガが実際にダグバの馬を手に入れて合体している。
また『ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』にて「初めてバイク以外の乗り物に乗った平成ライダーは?」という問題の答えになった。

ユウスケ「え、いや、これ乗り物って言わないんじゃ……」

鳴滝 「ぶら下がって移動する表現になったが、クウガの乗り物として企画されていることに変わりはない」

それって結果的に乗り物ではない上にそもそも乗ってないじゃん。
ちなみに仮面ライダーとしては1号が馬に乗っていた。




余談

最高時速は300㎞/hと現実的に考えたらとんでもないモンスターマシンだが、隼やスーパーブラックバードなど当時の市販バイクの持つ最高時速記録と同じくらいであり
実は初代ライダーの旧サイクロン号(400㎞/h)にすら見劣りし、歴代ライダーのマシンの中ではブッチギリの鈍足。
また、「警棒内蔵」「外観の色を変えられる」ぐらいしか突飛な設定はなく、その突飛な部分にしても十分現実世界の技術の延長で実現できそうなものである。
元々クウガ自体リアル寄りの作風なので、恐らく意図的な設定と思われる。

ナンバープレートの類が一切ないが、どうやって車検を突破していたのかは謎。一条が裏で手を回してくれたのだろうか?

トライチェイサー系列のマシンのベース車両であるパンペーラ250はスペインのガスガス社が生産していたレース向けのバイク(公道走行可)。
特に、複雑な地形を足を着けずに乗り越える「トライアル」という競技を主眼に設計されたオートバイである。
メーカーもトライアル競技そのものももともと日本ではマイナーな部類なので、パンペーラの可動個体は現在では極々少数しか残っていない。しかも残っているものの程度も怪しいし、部品供給も厳しい。

それらを乗り越え何とか車検を通しても、2stのレースバイクなので給油方法は混合給油、
さらにギア比・エンジンや各部パーツの耐久性(間違っても高速道路を走ってはいけない)……などなど、軽い気持ちで買おうとすると相当な苦労を強いられる。
ちなみに、ゴ・バダー・バが人間体の時に乗っているのもパンペーラ。

トライゴウラムやビートゴウラムに使われたバイクに関してはこちらを参照→V-MAX



追記・修正はバイクアクションを決めながらお願いします。

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最終更新:2023年11月07日 22:27

*1 警視庁は事実上の黙認対応をとった

*2 ゴウラムの最高速度が500km/hなのでちょうど中間をとったものと思われる。

*3 「ライジングフォームはアルティメットフォームの力が部分的に発現したもの」というファンの間でよくある言説には実は明確なソースが確認されていないため、「ライジングパワーとゴウラムは相性が悪い」という説は誤りである

*4 リントの文化においてクワガタ=甲虫は「神の遣い」のよう神聖な存在であったとされる。