怪盗クイーンシリーズ

登録日:2012/05/18 Fri 23:55:43
更新日:2023/12/13 Wed 20:44:52
所要時間:約 14 分で読めます




人生に必要なのはC調と遊び心!



『怪盗クイーンシリーズ』とは、講談社青い鳥文庫より2002年から刊行されている冒険小説シリーズ。
作者は『名探偵夢水清志郎シリーズ』などで知られるはやみねかおる

ちなみに、クイーンの初登場は『いつも心に好奇心(ミステリー)!』にて発表された「夢水シリーズ」の短編。設定されたテーマにより生み出され、夢水のライバルに位置付けられた。
その怪盗クイーンが主人公を務める物語なので、所謂スピンオフ作品…のはずだったが、「夢水シリーズ」が終了したため、現在はこちらが主流となっている。それを示すかのように、前述の短編も、短編集「怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーンエピソード0」に収録され、更にイラストも「夢水シリーズ」のそれからこのシリーズのそれに変わっていた。
既刊12巻。短編も含めると15話。

そして2022年、シリーズ20周年となる記念すべき年にアニメ映画が公開された。
情報が公開されるとTwitter上では「懐かしい」という声が続出し、瞬く間にトレンド二位へ。
また、はやみね先生や先生の他作品もトレンド入りすることとなった。


【あらすじ】
『いつも心に好奇心(ミステリー)!』で初登場した怪盗クイーンを主人公に据えた物語。
気まぐれな怪盗クイーンがパートナーのジョーカーやRDと共に、超弩級巨大飛行船『トルバドゥール(「吟遊詩人」の意味)』に乗って世界中をまわり、時に変装し、時に戦い、高価な宝石や絵画などを華麗に盗んでいく。


【登場人物】

●怪盗クイーン (声:大和悠河)
本作の主人公。
蜃気楼“ミラージュ”の異名を持つ神出鬼没な怪盗。あふれるような長い銀髪と透けるように白い肌を持ち、顔は神の美しさを持つと言われる。
制作秘話によるとイラストのモデルはビョルン・アンドレセン(「ベニスに死す」の美少年タジオ役)。
性別、年齢を初めとして国籍や経歴など全てが不明の謎に包まれた人物。
超弩級巨大飛行船トルバドゥールを使い、世界中何処にでも現れるとまさに神出鬼没。

怪盗としての実力は極めて高く、顔だけでなく身長や体格すら自在に変え、様々な言語や文化、風習を理解し、刃物を使わず物を切断する技を持つなど身体能力も作中トップクラス。グロンギ語も話せる。
さらに“蜃気楼(ミラージュ)の術”とよばれる催眠術で、自分の事を相手の記憶から消したり、自分の存在を目立たなくさせることができる。
強い自己暗示により変装することも出来るなど、作中屈指のチートキャラである。
ジョーカーとRDのことは(ほぼ一方的に)大切な友人と思っているなど、人間らしいところもある。

そんな彼(?)だが、性格は子供っぽく、気まぐれな快楽主義者。「気が向かない」と言う理由で仕事をせずに昼間からワインをがぶ飲みしたり、猫の蚤取りに勤しんだり、幼児向けの玩具でRDと遊んだりと行動は非常にフリーダム。
仕事に関しても基本的に怠慢であり、曰く半年に三回も仕事をしたら休暇をとりたいらしい。
ただし、自らの美学に見合った獲物を見つけると非常に勤勉になる。
犯行前には必ず予告状を出す、決して殺しはしないなど、自身の「怪盗の美学」に基づいて行動するが、それを理解してくれる人物には中々巡り会えないのが悩みの種。

夢水清志郎を「同じ赤い夢の住民」として気に入っており、自分を捕まえられるのは彼しかいないと断言している。

映画版での声優は、元宝塚トップスターの大和悠河氏、性別不詳のクイーンには相応しい配役と言えるだろう。
ちなみに作者のはやみねさんはTwitterで「大和さんに化けたクイーン」と称していた。

●ジョーカー (声:加藤和樹)
クイーンの“仕事上の”パートナー(クイーン曰く親愛なる友人)。
端整な顔立ちと青い瞳を持つ黒髪の青年。左耳にピアスをつけている。その理由が尊い。いつも黒い中国服を纏っているが国籍は不明。
住んでいた村が幼い頃に襲撃され壊滅。少年たちの中から最強の兵器を生みだすための収容所に入れられ、鍛錬を繰り返す日々を送っていた。
その後収容所を脱走することに成功し、冬の路地で行き倒れていたところをクイーンに拾われた。それからというもの、稽古(と言う名のいじめ・いやがらせ)をつけられたことで人間離れした体を獲得している。

拳法の達人であり高い戦闘力を持つが、実力ではクイーンに劣る。ヴォルフに敗北するなど、初期は未熟な面が目立ったが、物語の進行と共に成長しているようだ。
女子どもとは戦わないというポリシーを持っている。生真面目な性格で、自由奔放なクイーンにはいつも振り回されている苦労人。
笑うことができなかったが、「魔界の陰陽師」で……。

「ブラッククイーンは微笑まない」にて甘いもの好きの一面が明かされた。鍛錬の後に食べる「つるりんコッテリみるくプリン」を楽しみにしている。


●RD (声:内田雄馬)
日本の天才科学者、倉木博士に開発された国防用の人工知能。
その性能は世界最高峰であり、情報収集から様々な物の製造や改造、果てはトルバドゥールの管理(という名の家事)まで幅広くこなす。
元は倉木博士の研究所にいたが、完成後にクイーンに盗まれた。
実はこの時夢水がRDの警備に抜擢されていたものの、RDが戦争に使われるのを危惧した夢水はクイーンの犯行を許し、この対決は引き分けに終わった。
その後は倉木博士の後押しもあってクイーンの旅に同行するようになる。

基本的に誰にでも丁寧語で話す紳士的な性格だが、シリーズを経る毎に人間くさくなっていく。
どこか黒い部分があり、ジョーカー曰くプログラムの丁寧と慇懃無礼が混同しているとのこと。
盆と正月には倉木博士の元に里帰りしているらしい。



◆中国奥地
皇帝の終の棲処。
地元である里の者も決して入ろうとせず、空気も薄く動物すら近寄らない秘境とも云われる険しい山の奥。少し山を下りたところに虎がいる。
クイーンは昔ここで5年間修行した。


●皇帝(アンプルール)
クイーンの師匠。クイーンには「お師匠様」と呼ばれるが、忌み嫌われ殺意を抱かれている。
現在は引退しているが、かつては伝説の大怪盗として世間を騒がせた。弟子が世界一の大怪盗であるなら、自分は宇宙一の大怪盗であると豪語する。実際師匠なだけあって、能力はクイーンに勝る。あらゆる学問に秀でており、トルバドゥールの設計図を描いたのも彼。
「風(ヴァン)」の異名を持つ。
制作秘話によればモデルはヨーダ

容姿はとても小柄な老人。しかし変装術に長け、身長180cm程の美青年になれる(通称・若作りバージョン)。趣味はビデオ鑑賞。
がめつく、本人曰くあと300年は生きるらしい(現在推定170歳以上)。クイーン、ヤウズ曰く、人間ではなく宇宙人。
自己中心さや能天気な性格、さらにだらしなさなどから、クイーン以上に多くの世界中の組織や人から恨みを買っている。
また、現在の弟子(ヤウズは弟子と認めていない)・ヤウズからもその人使いの荒さと自分勝手さなどにより、元弟子であるクイーン同様、殺意を抱かれている。さらに、クイーンに「遊び心」や「怪盗の美学」を教えた張本人であることから、ジョーカーとRDからも間接的な殺意を抱かれている。

鳩のポッポは皇帝が唯一頭を下げる生き物であり、友達。
クイーンは基本的に彼を嫌っているが、妙なところでは仲良くなる。


●ヤウズ
本人は認めていないが皇帝の弟子兼料理当番の少年。
幼少期はスタと呼ばれる女性やその他の子供達と暮らしていたが、その後ジョーカーと同じ謎の収容所に身を置いた。
自ら戦いを求める自分に疑問を抱き、収容所から脱走。収容所で身につけた殺人技術により様々な人に雇われながら暮らすものの、自分の戦闘本能を満たすために気に入らない雇い主を倒すことも多々あった。
その後ジェラール・ジャンダンに用心棒として雇われ、ヤウズと言う名を付けられる。意味は「冷酷な者」。
イラストのモデルは綾野剛

『オリエント急行とパンドラの匣』にて、当時の主人のジェラール達と共にオリエント急行に同乗。ジョーカーに戦いを挑むが完敗する。この時から先輩としてジョーカーに憧れを抱く。
その後自ら山中に降ろしてもらい、そこで皇帝に遭遇。現在は皇帝の下で料理当番として暮らしている。ジョーカーと違い笑うことはできる。

ドイツのプロのシェフ並みと称されるほどの料理の腕前を持つこと、また自分の戦闘本能故に他人を傷つけることを恐れ、人となるべく関わり合いを持たないように生きようとしている(皇帝のことは倒せない上に人間と思っていない)ことがのちに判明。
以前の暗く冷酷な性格より、律儀で飄々とした性格へ少し変化している。
エレオノーレに好意を持たれたり、エレオノーレが好きなゲルブからはライバル視されたりするなど、人とのつながりに戸惑いつつも、自分でも気付いていない心地よさを感じているようである。



●パシフィスト・ドゥ・ルーベ
クイーンの知り合いでトレジャーハンター。長身で、華美な服装を好む。
幼い顔立ちのせいで見た目は20代だが実際は35歳である。

自称“考古学者”だが、気に入った遺跡を隠すなど、やってることは完全に遺跡荒しのそれと同じ。
その職業柄財宝等に詳しく、クイーンにターゲットの情報を流すこともある。
因みに彼女もグロンギ語を話せる。



◆探偵卿
国際刑事警察機構<ICPO>の探偵卿局に所属する、十三人の探偵。
推理力が必要とされる事件が発生した際に動く、謎解き専門の人物達で度々クイーン達と衝突する。
いずれも一癖も二癖もある人物が揃っており、常識人は少ない。
作者からは「ひとりでいる時がいちばん強いやつらの集まり」と評される。

探偵卿・助手と上司一覧
+ ...
●ルイーゼ
探偵卿たちの上司にしてお目付け役。おばさんと言われると爆発するような殺気を放つ(その殺気には皇帝もおびえるほど)。
ヤウズを気づかないうちに捕らえたり、ヴォルフを軽く手なずけるなどその強さがうかがえる。

現役の探偵卿時代はやることにぬかりのないことから「伏兵(ヒンターハルト)」の異名の持ち主だった。
唯一苦手な人物は上司であるM。


●M
「探偵卿の中の探偵卿」と呼ばれていた元探偵卿の男。現在は引退し、ICPOの上層部で管理職に就いている。
正体・容姿はほぼ不明。ルイーゼに言わせると「ヤなやつ」(ヴォルフも苦手意識を持っている)。
クイーンのようなセンスを持ち、電話で「チャーリーズ・エンジェル」や「スパイ大作戦」を真似るなど、お茶目な人物。
「エンジェル諸君」が口癖。
電話の会話でしか登場しないが、まるでその場を見ているかのような発言をする。
非常に性格が悪いと評判。


●ジオット・メイズ・ウインドミル
最初に登場した探偵卿で、イギリス人。
観察力、洞察力、推理力、それら全てに優れながらどこかずれた性格をしており、「調子っ外れ(ホンキートンク)」の異名で呼ばれている。
冥美曰く、ずれた性格さえなければ探偵卿でも最高位の実力の持ち主らしい。


●冥美
ジオットの秘書で探偵卿見習い。東洋人と西洋人のハーフの小柄な少女。15歳。
飛び級制度を利用し、13歳で大学を卒業した天才で、ICPOのデータベースを暗記している。

ジオットの我が侭やずれた性格に(少し殺意を覚える程)振り回されており、彼が殺されたら犯人は自分だろうとも考えている。
ちなみに『魔界の陰陽師』にて探偵卿見習いから探偵卿になったことが分かった。
本来探偵卿は13人態勢が維持されており、死亡や引退で空席になった際、外部からのスカウトや、助手が探偵卿に格上げされるのが通例となっている。まさか……
正式に昇格した後再登場するが、ヴォルフのがさつさに少し殺意を覚えている。


●ヴォルフ・ミブ
探偵卿の一人でドイツ人。
銀髪のオールバックに鋭い目付き、白いコートが特徴で、腰には「斑屋事件」で手に入れた日本刀をさげている。
ぶっきらぼうで不器用な性格だが、上司のルイーゼには頭が上がらない。

探偵卿では異端視される武闘派の探偵で、長刀とコートの裾に仕込んだ隠し刃で戦う。その実力はジョーカーを倒す程。
しかし推理力の方は劇中披露される機会が少なく、ホテルの隣の部屋にクイーンとジョーカーが宿泊していたのに気付かず過ごすなど、読者からはジオット以上に抜けたキャラに見られる事もしばしば。

最近彼女ができたが、実は……


●マンダリン・アタッシュ
密輸犯罪を専門とする探偵卿でフランス人。45歳。
いくつもの細かい事実集め、それを組み合わせて推理を組み立てる事から「つぎはぎ(パッチワーク)」の異名を持つ。
かなりの仕事人間でそれ故妻と別れたが、娘の事は常に気にかけている。


●花菱仙太郎
探偵卿の一人で日本人。24歳。
茶髪にピアスと今時の若者の様な格好をしており、ヴォルフからはお調子者と呼ばれて苦手とされている。

真剣に推理をすると瞳の色が銀色に変わる事から「ダブルフェイス」の異名を持つ。
因みにその推理が間違っていると瞳の色が元に戻るという特異な体質。

探偵卿以外にもコンビニのバイトを掛け持ちしており、そちらでも卓越した才能を発揮する。(※探偵卿は副業禁止)
将来の夢は「コンビニ店長」、最終的には全てのコンビニを統括する「コンビニ王」らしい。


●アンゲルス
ギリシャ人の探偵卿。二十歳前後。
電子工学の天才。マサチューセッツ工科大学に飛び級で入学するも、学生との人間関係が煩わしくなり、一カ月で中退。
しかしその間に2件の殺人事件を解決し、ICPOにスカウトされる。

家から一歩も出ずに生活し、部屋は美少女フィギュアだらけ。
遂には「働いたら負け」とまで言ってしまった、正真正銘のヒキニート(そしてオタク)。


●マガ
アンゲルスが作った女性の人工知能。自称宇宙一の人工知能だが、一度はRDを機能停止にするなどまんざら嘘ではない。
生ける屍であるアンゲルスの日常生活や仕事を担当している。
勝気な性格でRDを圧倒するが、後に救われ恋仲となる。


●ウァドエバー
国籍不明、年齢不明の探偵卿。
見た目は企業戦士のようだが、なんと元・犯罪者
毒を以て毒を制そうと考えたICPOから、悪を本格的に取り締まるためにスカウトされた、悪の探偵卿である。

彼にとっての悪とは、自分のことしか考えない、利己的な考えを持つ者のことらしい。


●パイカル
15歳の探偵卿見習い。ウァドエバーの助手を務める。
周囲から何を言われても、絶対に探偵卿になるという気概を持った少年。
真摯に学び、探偵卿に昇格する日を夢見ている。


●マライカ
ケニア出身の女性探偵卿。普段は現地で小学校の先生をしている。
祖父はマサイ族の戦士であり、戦闘力も高い。その眼光と厳しさは同僚をも震え上がらせるほど。
子どもたちからは「シェタニ(悪魔)」と呼ばれ恐れられる。ちなみにマライカはスワヒリ語で「天使」。
そんな彼女だが、夢は「子どもたちの幸せな未来」。
これでも探偵卿の中では恐らくかなりまともな部類に入る。


●イザド
性別も国籍も不明だが、探偵卿の中で誰よりも正義を愛する人物。
アマチュアが作ったような特撮ヒーローのコスチュームを身にまとい日夜悪と戦っている。
仙太郎から妙な人間と言われている。


●ネア
モナコの名家生まれの探偵卿。かなりの資産家で上流階級に繋がりがある。
「アヴィディテ(貪欲)」という異名を持ち、最低2つ以上の指令を与えないと動かないなど性格に難があるが、探偵卿としての能力は高い。
非常に子供っぽい面を持ち、クイーンと皮肉の応酬でやりあうほど。
そんな性格だが、シドという執事のおかげで慈善事業に手を出すなどして、以前よりは見直されるようにはなった。
武闘派ではないが武術も習得しており、半年間で通信教育の空手をマスターした。


●シド
ネアに付き従うヒマワリのような明るい笑みが特徴の男性の執事。ネアから友人扱いされるが、一介の執事と否定する。
非常に優秀な人物でネアを含め周囲の人物からは高い信頼を得ており、ネアの心境の変化もシドのおかげと言われている。
物腰柔らかで「様」付けで呼ばれることもしばしば(一方ネアは野郎呼ばわりだが)。

少年時代はジョーカーやヤウズと同じ収容所で訓練を受けていた。
右耳にピアスをつけている。その理由は……
ジョーカーの友達。


●ラロ
スペイン人の探偵卿。20代後半だが学生と見間違えるほど若く見える。
普段はスペインの村で精神科医をしている。
祖母が日本人で、一番の新入りである冥美を対等に扱う穏やかな男性。
先を読んでいるかのごとく行動したり、クイーンの正体をあっさり見破るなど優秀な探偵卿。
時見の血を引く最強の探偵卿。




◆ホテルベルリン
第二次世界大戦中に影でナチスに抵抗するために組織されたドイツマフィア。
それ故その行動は派手に表立ってはいけないものとされるが、総帥が望めば48時間以内に世界を滅ぼせるほどの力を持つ。


●エレオノーレ・シュミット
ホテルベルリン4代目総帥にして16歳の少女。
少女とはいえホテルベルリンの敵とされる皇帝の暗殺を画策したり、自身に血なまぐさい世界を見せまいとするシュテラの様子を察しつつ自分の手で暗殺しようとしたりと、総帥らしい部分がある。
しかしなかなかの天然で、あべこべ城にてヤウズに恋をしてしまった。

「普通の女の子のような」経験に憧れているらしい。
が、ヤウズを追いかけるためにエジプトへと飛ぶなど、普通の女の子ならばしないであろう行動をする。
ゲルブに好意を寄せられているが、本人は全く気づいていない。


●シュテラ
常にエレオノーレのそばにつきそい、身の回りの世話をする美しい女性。白い肌に長い黒髪をもち、常に黒いドレスを身に纏う。
ホテルベルリンの最高幹部で、ドライ・ドラッヘンの三人からは恐れられている。

ゼルマル・シュミットが死の間際に遺した「ある命令」を忠実に守るため、エレオノーレがいつでも笑顔でいるためならどんな事もする。
女性である等の理由で(自分の身を心配されているとはいえ)自分を見くびる発言をした相手には、凄まじい殺気を放つ。
重火器を用いた彼女の戦闘能力は高く、どんな相手と渡り合っても余裕を失わないクイーンが苦戦したほどである。


◆ドライ・ドラッヘン
ホテルベルリンの、シュテラ以外の最高幹部3人を指す名称。ドイツ語で「3匹の竜」の意。
全員がそれぞれ卓越した能力を持ち、3人だけでイタリアマフィアを内部抗争に見せかけて壊滅させることもできる。
3人の名前はドイツの国旗の色が由来する。


●シュヴァルツ
命令厳守の筋金入りの兵士。
常に聖書を携帯し、自分の意志ではなくあくまで命令によって戦う。
それができなくなったら自分はただの殺人者になって神に救われないと思っている。
クイーンと皇帝いわく「戦っても面白くない相手」らしい。

「そこら辺にあるもの」で戦い、実力は極めて高い。(玉ねぎを催涙弾代わりにしたり、欠けた陶器の破片をナイフ代わりにするなど)
最初は硬いキャラだったが、物語の進行とともに人間臭くなりつつある。最高幹部シュテラに恋心を抱いている。
名前の意味はドイツ語で「黒」。


●ゲルブ
ドライ・ドラッヘン最年少、14歳の少年。
勝てる者はヨーロッパにいないと言われるほどの狙撃の名手で、本人曰く、条件さえ整えば1キロ先の針の穴とて命中できるとのこと。その腕前でピラミッドキャップを封印するのに一役買ったこともある。

総帥エレオノーレに好意を持っており、エレオノーレが好意を抱いているヤウズにはライバル意識を燃やしている(しかし、ヤウズをエレオノーレの為にという理由で助け出す一面も)。
エレオノーレの誕生日プレゼント代金を深夜の郵便局でバイトをして貯めている。ファーストフードが主食、スマホも使いこなす現代っ子。
名前の意味はドイツ語で「黄色」。


●ローテ
ドライ・ドラッヘン唯一の女性。
赤い髪を短くし黒い背広を着ているため、女性には見えにくい。手袋からギリシャ火薬と水分を使って火炎を放ち、火球を操る火炎使い。
可愛いものが好きでなかなか乙女らしい一面を持っている。
名前の意味はドイツ語で「赤」。

探偵卿であるヴォルフと、素性を隠して交際中。
2人とも不器用なためなかなか進展しなかったが、最近はかなり距離が縮まっている。

……実は一度、ローテとヴォルフは互いの正体を確認しているはず(『仮面舞踏会にて』より)なのだが、2人とも名乗っていない事になっている。双方とぼけたキャラなのでほとんどの読者がスルーしているが、
おそらくピラミッドキャップ編ラストにて世界線が変わり、我々が読んだのとは違う出会いを果たしたということだろう。
あべこべ城が存在しない世界での出会いが語られるときは来るのだろうか。



●夢水清志郎
クイーンがライバルと認める名探偵。
彼の美学の数少ない理解者であり、親交も深い(クイーンが彼宛のお土産を買うほど)。
クイーンの趣味の一つ、野良猫の蚤取りは何を隠そう彼から教わったものであり、それ故ジョーカーからは交友関係を考えるよう苦言を呈されている。
クイーンとは二回戦っているが、そのどちらも事実上引き分けに終わっている。
「魔界の陰陽師」にて、ある用件でクイーンが彼のもとを訪ねたことで、対決ではないが再び共演した。
その際、重要文化財レベルの文書をアッサリと本の山の中から取り出し、クイーンを驚愕させている。
詳しくは名探偵夢水清志郎シリーズを参照。



項目に必要なのは追記・修正と遊び心!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 小説
  • 児童文学
  • はやみねかおる
  • 怪盗クイーン
  • 怪盗
  • 赤い夢
  • 番外編
  • 青い鳥文庫
  • シリーズ項目
  • スピンオフ→主流になりました
  • 講談社

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年12月13日 20:44