ゴ・ブウロ・グ

登録日:2011/04/17 Sun 10:35:02
更新日:2024/03/22 Fri 13:00:34
所要時間:約 6 分で読めます





ベルスグギギ(眠るがいい) クウガ!

ゴ・ブウロ・グは『仮面ライダークウガ』の登場怪人の一体。


ゴ・ブウロ・グ


種族:グロンギ族(フクロウ種怪人)
呼称:未確認生命体:第37号
身長:207cm
体重:168kg
特色 / 力:飛行能力、吹き矢による狙撃
専用武器:吹き矢
演:高尾晃市


概要

物語後半から一気に加速を始めた『クウガ』の物語を盛り上げた「ゲゲル」の最上位階級であるゴ集団のファーストプレイヤー。
『クウガ』の中でも特にメッセージ性の高いエピソードに登場したためか「イマイチ印象が薄い」などと言われることもある不遇なキャラクターだが、
下位集団とは全くステージの違う力を持つ『ゴ』の一員たるグロンギ屈指の実力者の一人である。


人間体は黒い服にサングラス姿の青年。
外国文学であるカミュ全集を読むなど卓越した知性を持つ非常に落ち着いた性格。
しかし知性は高くとも残虐性は他のグロンギと変わらず、自身のゲゲルで死んでいく一般人を高所から眺めて楽しそうに薄笑いを浮かべ、ゲゲルの思案に耽る様子を見せる。
知性派キャラではあるが意外と胆力もあり、自身の翼がライジングペガサスボウガンの矢を受けてしまった際は躊躇なく翼を引き千切って封印エネルギーが胴体に回るのを防いでいる。
グロンギのトップランカーである『ゴ』の座は伊達ではない。


【能力】

フクロウの能力を持つ未確認生命体。
フクロウの持つ鳥類屈指の視力と、昼間でも時速300kmもの速度で飛び回る飛翔能力を有する。
専用武器は吹き矢の筒。
この筒から体内のペリット*1を矢として発射。超高々度からの正確な射撃によって標的を殺害する。
ペリットは体内で自由に生成できるため弾数は無制限で、かつ威力の調整も自由。
「ゲゲル」の際には痛みを感じさせず、目立った外傷も残さずに標的を殺害しているのに対し、クウガとの戦いではライジングぺガサスの肉体を貫通し、血飛沫が上がるほどの威力で弾を打ち込んでいる。

おまけにフクロウの怪人*2なので羽音が非常に小さく、第3号(ズ・ゴオマ・グ)対策用に製作され、第14号の動きも捉えた「超音波感知装置」では位置を特定することが不可能だった。
また、感覚能力や回復力も凄まじく、初見にもかかわらず、ライジングブラストペガサスの連射を回避し、躱し切れずに刻印を打ち込まれた翼を自ら引き千切り逃走するクレバーさも披露。
高度数百mから落下しても全くの無傷で、「カミュ」全集を読みながら1時間程度で失った翼を再生させてみせた。


「ゲリザキバス・ゲゲル」の記念すべきファーストプレイヤーであり、下位集団とは全く比較にならないその凄まじい殺人技と身体能力は雄介と一条、未確認生命体関連事件特捜班に衝撃を与えた。
……が、上記のように登場シナリオが「ドラマ」パート重視の展開であるためか視聴者にはその「凄さ」がイマイチ伝わり辛い不遇な強豪だったりもする。


ゲゲル


  • 「ゲゲル」の法則:「東京23区を五十音順に移動し、1区につき9人ずつ殺す」
  • 「ゲゲル」の規定人数と期間:207人(規定時間は不明)

現代の行政区分と言語を利用したゲゲル。
専用武器の吹き矢とペリットを使った超高々度からの正確な射撃によって標的を殺害する。
しかも、その方法は単純に標的を「撃ち殺す」のではなく、「超高々度から動く標的に痛みを感じさせることなく弾を打ち込み、弾を心臓の表面で停止させ急性心筋梗塞を引き起こさせて殺す」というもの。
第14号と被るとか言われることがあるが、無論それとは比較にならない超精密射撃の結果であることは言うまでもない。
更には狙撃の腕への自信からか、白昼堂々多数の通行人が往来する大通りでそれも規定の9人をほぼ同時に纏めて心停止させるという曲芸じみた技でゲゲルを進めていた。
ただし心筋梗塞による殺害方法までルールに規定されていたのかは不明。もしかしたら独自のセルフ縛りプレイだったのかもしれない。

上記からもわかるように知性派でリントの文学すら嗜み、「ゲゲル」の法則もそこから導き出したもの。
東京23区の行政区分を完璧に覚えておく必要はあるが、後のメンバーが複雑な縛りを課していたことを加味すると、相対的に難易度はゴのメンバーの中ではやや低めな部類に入る。
ちなみに劇中で126人の犠牲者を出していたことから、既に14順目(9×14)までゲゲルを終えていたことがわかる。
音も無く標的を抹殺する正に死神であった。


【物語】

EP25「彷徨」
EP26「自分」

ザジレスゾ(始めるぞ)ゲリ・ザキバスゲゲル(セミファイナルゲーム)……

バギンビンズヅ・バギングドググド・ズガギビ・バベデ(9人ずつ23に分けて)……ボソグ(殺す)


「ズ」と「メ」の「ゲゲル」が「新たなクウガ」と「現代のリント」に阻まれてから約1か月。
遂に「ゴ」の位にある者たちによる「ゲリ・ザキバスゲゲル(黒き闇のゲーム)」が開始される。

本エピソードの主役となるのは主人公・五代雄介の恩師、神崎昭二の現在の教え子である霧島拓。
シナリオ上の主題はシステム化された現代に生きる少年がふと、「自分の居るべき場所」に疑問を感じ彷徨い歩く姿を中心に捉えつつ、
その不安を生み出す「歪み」への疑問を問い掛けるというもの。
全篇にわたりカメラを固定せずに撮影するなど、『クウガ』のエピソードの中でも特にメッセージ性の強い物語となっている。
ややその「ドラマ」パートの陰に隠れてしまっている印象はあるものの、恐るべき殺人技を持つゴ・ブウロ・グに挑むクウガ。

新フォーム、ライジングペガサスの勇姿は必見。
「金の力」(ライジングフォーム)の中でも、特に能力の強化がわかりやすい射撃形態でもあるだけに、
時間は短いながらも本エピソードの「バトル」パートを印象深いものにしている。



【関連人物】

もう強くならくていいと願う雄介とは裏腹に、クウガには進化が求められる……。

「君が生きている限りずっと、その時の居るそこが君の居る場所だよ」
「その場所で自分が好きだと思える自分を目指せば良いんじゃない?」
は番組屈指の名言。

  • 霧島拓
本エピソードの主人公。
現代の教育システムの中で育った優等生だが、ふと見上げた夏の空に、あの日見た青空を思い出し……。
なお、今はクリーニング屋となってしまった模型店の店先には霧島の思い出のプラモデルが飾られている。

  • 神崎昭二
「大事ですよね。悩むってことは」
雄介との再会にかつての熱血教師も蘇った。
「変身」したかつての教え子も受け入れているあたり、流石に只者ではない。
……冷めたと言われる子供達相手にもめげずに「サムズアップ」も復活していた。
「ポレポレ」での桜子、みのりとの会話シーンは必聴。



【ゴ集団】

本エピソードから「ゲゲル」の最上位階級たるゴ集団が本格登場する。
「ズ」「メ」とは比較にならない衝撃を以て登場した「ゴ」の力は、戦いの中で凄まじい強化を遂げていたクウガですら
ギリギリの戦いを強いられるほどであった。

なお、リアル指向と数々の掟破りにより、それ以前(以後)の特撮ファンや東映ファンから嫌われる向きもあり、
それ故にマイナス要素を強調されて伝えられる面もある『クウガ』だが、掟破りと共に目指したのは特撮そのものの原点回帰。
故に「ゴ」怪人やグロンギの源流も過去の「仮面ライダー」シリーズに見ることが出来る。

●階級によるバックルの色の変化
※=初代「仮面ライダー」の黄金ベルト(強化型怪人)。

●武器の使用
※=「仮面ライダーX」の神話(悪人)怪人。

●高い能力を持つ強豪集団
※=「仮面ライダーストロンガー」のデルザー軍団。


型破りと評されながらも『クウガ』が王道と呼ばれる所以である。





【余談】


中の人は人気昼ドラ『天までとどけ』の元・長男で、俳優、マジシャン、現在は仲間と設立した会社の社長としても活躍するスゴい人。

ブウロが傷を癒す間に読んでいた「カミュ」全集は帯付きの新刊……買ったのだろうか?

「ゲゲル」の法則が難し過ぎることから、法則を見破られたのは事件後(EP:28「解明」)であり、
ブウロを撃退できたのは現場対応による偶然である。






バルバ「立て逃げもせずに、5時間で126項目とは流石だな……だが、間に合うのか?」

ブウロ「この項目を読み終える頃には、追記も完了している」

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最終更新:2024年03月22日 13:00

*1 フクロウなどの猛禽類が食べカスを固めて吐き出す物体

*2 フクロウは人間の耳では感知できないほど羽音が小さく、騒音対策として新幹線のパンタグラフの形状に羽の形が取り入れられたこともある。