メ・ギノガ・デ

登録日:2011/04/07 Thu 03:07:19
更新日:2024/03/11 Mon 16:10:16
所要時間:約 7 分で読めます





……ボクのこの力で、あのクウガがもうすぐ死ぬんだよ?

だからこれからはもっと楽に、もっと沢山のリントを殺せるようになる…きっと、凄く楽しいよ……


メ・ギノガ・デは『仮面ライダークウガ』の登場怪人の一体。



●メ・ギノガ・デ


演:青山雄

種族:グロンギ族(キノコ種怪人)
呼称:未確認生命体第26号
身長:209cm
体重:138kg
特色 / 力:毒胞子、敵の攻撃を受ける度に体質を変化させる能力


【概要】

グロンギの一集団・メ集団の一人。
人間体は白髪の長髪にこれまた白い帽子を目深にかぶり、女性的な服を纏ったドラァグクイーンを想起させる長身痩躯の中性的な青年(恐らくキノコの持つ性別のイメージの曖昧さを表してのもの)。
怪人体はキノコの傘を思わせる丸い頭部と植物の皮のような表皮が特徴。

能力の性質上(後述)蒸し暑い場所を好み、エアコンの室外機が無数に並ぶ裏路地に潜み、通り掛かった標的を「死の接吻」によって殺害した。
身体能力は作中に登場したグロンギ怪人の中でも最低レベルで「虚弱体質」と評されているが、致死性の胞子による攻撃は、標的となった人々はおろか、クウガすらも一瞬にして倒したほどであり、メ集団に属するだけの実力を感じさせる。

また、「虚弱体質」とされながらも細胞の生命力自体は非常に高く、ダメージから復活した後には体色が濃くなった強化体へと変貌した。
これに伴い人間体で被っていた帽子を赤色に変えている。


各形態やゴウラムの紹介が主な内容だった導入篇が終わり、本格始動した『クウガ』の物語の初陣を飾った難敵である。
クウガ=主人公・五代雄介を一度殺した怪人でもあり、その死を巡る主要登場人物たちの物語や、一条を始めとした警察組織による活躍が定着した完成度の高いエピソードが楽しめる。



【ゲゲル】

EP:18:19
「喪失」「霊石」

  • ゲゲル:「150人を殺す(※制限時間は不明)」

……前回までの『クウガ』の基本設定を消化するかの様な物語が終了しての、言わば応用篇の始まりを告げたエピソード。

上記のようにテーマは主人公・五代雄介の「死」であり、それを巡る主要登場人物たちの細やかな心理描写を抜き出したドラマが主軸となる。

『クウガ』に登場する怪人=グロンギは、『仮面ライダー』の敵、というよりは正に人類の敵というべき存在である。本エピソードの登場怪人であるギノガはこれまで以上にその殺人行為が人類社会に与える影響を抜き出して描写されている。

どうしてもヒーローを主軸に描くことが慣例となっていた同系統の作品の中では珍しく、(良いか悪いかは別にして)警察組織の活躍など、リアルな世界観設定に根差した展開が本格的に登場する『クウガ』のスタイルを定着させた物語とも言える。


同エピソードラストの死地から復活した直後の雄介が「白い戦士」(グローイングフォーム)によるキック3連発を披露し敵を倒す場面は『クウガ』を代表する名場面として紹介される機会が多い。



【能力】

キノコの能力を持つグロンギ。
特殊能力は体内で生成する致死性の胞子で、これをキスという形で標的の体内に至近距離から直接噴霧する(通称「死の接吻」)。
この胞子は、人間の体温と同じ「35~40度」の熱で最も活発に活動する。
この能力を最大限に活かすべく、ギノガは蒸し暑い裏路地を犯行場所に選択したのである。

その毒性は凄まじく、犠牲者の遺体が搬送中に崩れ落ちてしまい、残留した胞子で救急隊員が二次災害に遭ったほどだったと説明されている。
上記の通り雄介の持つクウガの力=アマダムも通常の免疫力の向上では太刀打ちできず、仮死状態となって体温を限界まで低下させることでやっと切り抜けたほどだった。
ただし、絡んできたズ・ゴオマ・グにお灸を据えるために吹きかけた際、ゴオマは悶絶こそしたものの致命傷とはならず、しばらく咳き込むだけで済んでいた事から、少なくとも強化前の時点ではグロンギへの効き目は薄いものと思われる。

また、「死の接吻」を介さず口から大量の胞子を噴出させる広域噴霧も可能であるが、ガスマスクなどで防がれると意味がない上に、
体内の胞子を出し尽くしてしまった場合は胞子の再使用までのインターバルを要するなどの欠点もあり、逃走時の目くらましくらいにしか使われていなかった。

一方で身体能力自体は低く、クウガのマイティフォームの徒手空拳攻撃はもちろん、警官隊の攻撃によって致命傷レベルの深刻なダメージを受けるなど、本編に登場したグロンギの中では最低レベルだったといえる。

しかし細胞本来の生命力によって回復を果たし、頭部が赤黒く変色した強化体へと変貌。
能力全般が底上げされ、強化前はダメージを負っていた警官隊による特殊ガス弾による銃撃を受けても平然としていられる頑丈さを発揮するなど、弱点だった身体能力の低さを克服。
胞子の毒性は相変わらず致死レベルだが、使用方法は広域噴霧をメインとしたものへと変更。
以前は効果があったガスマスクでも全く防げないほどに強化され、更に常温でも活動可能。
結果キスを介さずとも周囲の人間十数人をまとめて毒胞子で皆殺しにできるまでになっており、もはや手の付けられない凶悪さとなっている。



●ギノガ変異体


呼称:未確認生命体:第26号B
身長:207cm
体重:178kg
特色 / 力:格闘能力
※知性と特殊能力を失ったクローン体。


【概要(変異体)】

グローイングフォームとの戦いで爆散したギノガの遺体の一部、その細胞から誕生した凶暴なクローン体。
菌類の特性ゆえにか、豊富に栄養が摂取できる川の水面に引っ掛かっていた手の部分の細胞が急激に増殖……ついに人型までに成長した。
科警研で培養していた細胞の増殖シーンのグロさは有名。


容姿はギノガの怪人体に酷似しているが当人の人格は愚か知性や特殊能力は失われ、見境無く破壊を繰り返すだけの存在だった。
なお、偶然誕生した存在であるため、ギノガが着用していたような腰巻きやバックルなどの衣服は一切身に付けておらず全裸状態で動き回っていた。



【変異体】

EP:20
「笑顔」

前回までの展開を受けてのエピローグとも呼ぶべきエピソードに登場した。
なお、このエピソードは『クウガ』としては珍しくコメディ的な描写の比率(の方が)が高く、「ポレポレ」にてカレーに舌鼓を打つ謎のグラサン集団や警察無線で「大都会」を熱唱する雄介など、誰に向けたのか判らないようなお遊びがされている(※少なくとも子供向けではない)。



【能力(変異体)】

クローンである変異体は不完全な形で増殖したためか、知性と特殊能力は失われた存在であり、目の前の相手を襲うだけの存在となっている。
武器は怪力だけであるが、それでもマイティフォームと渡り合う程度には強く、警官隊などでは手に負えない。

最期はマイティキック(新たな力の兆候である放電現象付き)を喰らって高所から落下し息絶えたが、死の間際に爆発を起こさず肉体が溶解するように崩壊。
これまでにない現象で新たな疑問を生じさせる結果となった。

なお、当初は再度の爆裂による変異体の二次増殖が懸念されたが、変異体自体が不完全なものであったため、変異体から増殖する能力までは備わっていなかった。(人型になったものは川という栄養の多い場所、科警研で誕生しかけたものは培養実験の結果、とそれぞれやや特殊な環境下で偶然生まれたものだった)



【関連人物】


  • 五代雄介
衝撃の「死」を迎える僕らのヒーロー。
びくびくと痙攣する全身、開きっぱなしで硬直した口と眼、あきらかにおかしい呼吸の音。オダギリジョー渾身の「死」の演技には、子供どころかその親御さんまで恐怖した。
チート能力を発揮するお腹の霊石に救われる一方で、死の淵にあっても尚、諦めない心が後に「新たなる力」を生むことに……。
「戦士の瞼の下、大いなる瞳現れても汝涙する事なかれ」

今回は不死身っぷりは披露しないものの名言連発の熱血刑事。
何気ない仕草に雄介との絆を思い出す演出が渋い。
「五代に伝えてくれ……オレは、待っていると」
「遅いぞ五代!!」

  • 沢渡桜子
今回でインドア派ヒロインのスタイルが確立した桜子さん。
情の深さを見せつける。
「私も自分の場所で頑張ってみようと思います」

  • 五代みのり
雄介の「死」にすら動じないとは……スゴい兄妹だ。
「私……それでも兄は帰って来るような気がします……兄を信じて裏切られたこと……無いんです」

  • 椿秀一
雄介の蘇生に尽力する椿先生。熱い言葉が胸を打つ。
「バカ野郎テメェ……死なせねぇぞ!!」

  • グロンギの皆さん
明らかに「やり過ぎ」感漂う演出で登場の怪しい人達。
何気ない会話シーンですら、ちょっとした怪奇映画風である。
ギノガの身体能力の低さをバカにしてはいるが、その再生能力の高さは認めている様子。
ゴオマは皆が見てる前でギノガからグゼパ(腕輪)を奪おうとして怒ったギノガから「死の接吻」をもらい呻いていた。
……日曜朝8時にやってたのかコレ……。
特にEP:19での巨大なネオンを背にしてのバラのタトゥの女、ゴオマ、ガリマの会話シーンは必見。



ディケイドでは】


『クウガの世界』では変異体がン・ガミオ・ゼダの力で複数のリントから変貌。

『アギトの世界』では普通の個体が未確認生命体第49号となっていて、ズ・メビオ・ダと共に行動していた。
海東が装着変身していた仮面ライダーG3-Xを二人掛かりで圧倒するが、すぐスーツを脱いだ海東が変身したディエンドに逆に圧倒される。更にディエンドが呼び出したデルタドレイクのせいで状況が悪化。三人のライダーに集中放火を喰らい爆散した。
胞子は武器として全く使わなかった。
この世界のグロンギはゲゲルを行っているのかどうかは不明だが、「人知を越えた存在」としてアンノウンからは敵視されているようである。


【仮面ライダークウガ(漫画)】

ヒーローズコミックス(HC)連載の漫画版にも登場。
容姿は中性的な美青年でストリートミュージシャンをしており、多数の女性ファンがつく人気ぶり。
ゲゲルの標的に選んだ対象を裏路地に誘導し口づけ(死の接吻)を行い殺害。
ドラマ本編より致死性と即効性が高く、被害者は数分もしないうちに体が崩れだしてしまう。
なお人間体では胞子の力か対象の顔に軽く手を当てるだけでわずかながら意識を低下させることができ、これによって簡単に裏路地へ誘導することができる。


【余談】

強化体に変貌したにもかかわらず、能力が低いはずのグローイングフォームに倒されているが、これは死地から蘇ったことやそれまでの戦いによってクウガの能力自体が強化されていたためと思われる。

最後の必殺キック3連発は「グローイングキック3連発」と表記されることが多いが、演出としては3発目にして漸く「足の宝玉が赤く光り完璧な刻印を打ち込む」(マイティキック)というものである。

本エピソードのジャンクションはベッドに横たわった雄介の「死」を捉えた「やり過ぎ」感漂うブラックジョーク的なものだった。
……自重しろ、スタッフ。

キツい撮影の合間に良く文芸室に遊びに来ていたオダジョーは、ホワイトボードに雄介が死ぬと書かれていて素直に驚いたらしい。








「ヅギビ・シュグゲギ・グスバンデ……ジュスガバギ・クウガ~!!」

※訳:追記、修正するなんて……許さないクウガ~!!

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最終更新:2024年03月11日 16:10