メ・バヂス・バ

登録日:2011/04/11 Mon 11:50:55
更新日:2024/04/16 Tue 11:34:46
所要時間:約 6 分で読めます





クウガ!……ギビビビ・バギング・ググシギ・ザ!!
(クウガ!……一気に27だ!!)



●メ・バヂス・バ(演:河合秀)

種族:グロンギ族(ハチ種怪人)
呼称:未確認生命体:第14号
身長:207cm
体重:145kg
能力:飛行・毒針

メ・バヂス・バは『仮面ライダークウガ』の登場怪人の一体。
メ集団のファーストプレイヤーではあるが、まだ視聴者が謎の多い展開に手探りで情報を集めていた時期の登場だったこともあり、
その事実に視聴者が気付いたのは随分と後。
普通、アニメや特撮ではいくら飛行型の怪人であっても格闘戦をするのが慣例だが、こいつはなんと高度数千mからの精密射撃という凄まじいガチぶりを見せつけた。冷静に考えると「とてつもなく掟破り(ほぼ無敵)」な存在。
そんなリアルな設定に対処可能な「緑の力ペガサスフォーム登場篇の敵役である。



【ゲゲル】

EP:7:8
「傷心」「射手」
ゲゲルの目的「規定人数は不明」

」による「ゲゲル」は、新たなるクウガにより阻まれ、ガルメの成功を出すのみに止どまっていた。
「ゲゲル」を進行させるべくバラのタトゥの女は「メ」に「ゲゲル」の権利を移行。メ・バヂス・バが名乗りを挙げる。


密かに急展開を迎えるグロンギそっちのけで、今エピソードの主役を張るのは九郎ヶ岳遺跡の発掘チームを率いていた夏目教授の遺児、夏目実加。

未確認生命体関連事件で被害を受けた家族の心情を捉えた『クウガ』らしいエピソードで、
これまでの特撮ドラマでは見られなかった「敵との戦いよりも、人助けを優先させるヒーロー」という姿勢が五代雄介が「型破り」と評された理由か?

全身の感覚能力が数千倍に強化されるというペガサスフォームの能力描写や、
架空の敵の行動をリアルな推理によって見破ることで説得力を与えるシナリオなど見所多し。



【能力】

ハチの能力を持つグロンギ怪人。
人間体はハチをイメージしたのか、黄色い光沢のあるシャツに黒いベルトで自らを拘束した青年。

格闘能力は低いが、背中に生えた羽根による時速200kmの飛行能力、青い目の上にある巨大な複眼によって高度数千mからでも地表の人間を識別(普通の人間は水色、霊石を持つ雄介=クウガはオレンジ色、といった具合に認識されている)し精密射撃が可能な感覚能力など、
それまでのグロンギとは一風変わった「メ」らしい特殊能力を備えている。
また、クウガとの戦闘時には時速数百kmで飛ぶ相手は普通では「見えない」というこれまたガチな演出もみられる。

武器は体内で生成し、右腕から発射される一撃必殺の毒針。この毒針を目標に撃ち込んで急激なアナフィラキシーショック(ハチによる急性アレルギー)を引き起こすことで殺害する。
因みにアナフィラキシーショックは一回刺された人しかならないからあんまり役に立たないんじゃないかとよく言われるが、
実は1割ほどの人は一回刺されただけで発症するケースがある。
……というかこの毒針自体20cmほどもある巨大なもの。更に狙撃時には数千m上空から正確に標的の脳天から一直線に貫通させており、その威力たるや人体をぶち抜いた上で地面のアスファルトに突き刺さり全体が埋没するほど。
当たり所にもよるが、脳天からこんなもの撃ち込まれたら毒とか関係なく普通に死ねそうである。

弱点は、一度毒針を発射すると次の毒針を生成するための時間を含め発射までに最低約15分間というインターバルが必要となること。
ゲゲルの際も毒針のインターバル中に移動範囲を正確に広げていた(螺旋状に移動しつつ約15分間隔で殺人を行っていた)ことから、雄介と一条に居場所を見破られる結果に繫がってしまった。

なお、ゲゲルの際には毒針による遠距離攻撃に徹しているが、クウガとの初戦が毒針のインターバル中だったこともあって機動力を活かした近距離戦闘も披露している。
「メ」には殺害方法に関する規定も無いので、おそらく最も確実かつ安全な戦法をとっているだけなのだろう。


【関連人物】

「ズ」の蝙蝠
未練がましく「ゲゲル」の見学に来ていた。ゴオマとの会話に気をとられ一条に狙撃され、犠牲者をカウントするための「グセパ(腕輪)」を撃ち落とされてしまったバヂスは「ゲゲル」をリセットする羽目に。
実際のところバヂス自身の油断を突かれた失敗だったが、責任は全てゴオマに被せられることになった。
  • 夏目実加
第0号に殺害された父の仇を取ってもらうべく東京にやって来るが……。
こういう人物が捨て設定にならずに後々まで活かされるのも『クウガ』ならでは。

新時代のヒーローは敵を倒すためではなく「みんなの笑顔を守る」ために戦う奴だった。
本エピソードは、それを初めて描いた物語とも言える。
「ゲゲル」を再開したバヂスに、遅れた時間を取り戻すべく「9×3人分(27人)」の標的として狙われるが、それは雄介の反撃の始まりでもあった。

凄まじい推理力と動物的勘を発揮する不死身の男。
銃の受け渡しの場面が異様に格好良い。

  • 榎田ひかり
榎田姐さんは今エピソードからの登場。
一条に「恋人できた?」と聞くが、出来たのは相棒(五代)である。
……いや、合ってるのか?

  • 西園寺公任
「ポレポレ」に「たまたま」立ち寄ったサラリーマン風の男。
その正体は主役ライダーの座を奪いに来た「ライダー麺!!」……だったのだが(スーツの下は全身タイツ)、バラエティ番組のおふざけは通じず、
本篇のさり気ない演出へと落ち着いた。



【狙撃手】

現在では銃ライダーなど珍しくはなくなったし、そもそも特撮には銃を武器にしたヒーローや敵役は何人も存在した。
が、ペガサスフォームはその中でも珍しい「一撃必殺の狙撃タイプ」として設定されている。

これは『クウガ』以前の銃を使ったアクションの描写が結局は格闘戦の延長だったことから、
各形態の能力を徹底的に差別化するという『クウガ』の演出意図には合わないと判断されたためである。

そもそも銃が必殺性の高い武器であることを再認識させたいという意図もあったようで、極端に短い「50秒」のタイムリミットも、
反則性の高い能力への制限の意味を込めたもののようである。



【余談】

中の人は元『忍者戦隊』のやっぱり黄色い忍者。

バヂスを皮切りに、「メ」のグロンギの人間体ファッションは奇抜なことで知られている。
グロンギにもパンク精神があるのだろうか?

前述のように本エピソードからズ集団からメ集団にゲームの権利が移っている。
前回からいきなり未確認生命体のナンバリングが飛んでいることに軽く目眩を起こした視聴者もいるはず(第6号ズ・バヅー・バ→第14号メ・バヂス・バ)。

前述のように「極楽と○ぼ」の山本圭一氏がゲスト出演しているが、これは当時同局系列で放送されていた看板番組の企画。
オレンジ色のタイツの「ライダー麺!!」として暴れ回ったが、悪ふざけが過ぎて芸能界の大先輩のおやっさん(きたろうさん)に怒られたりしてた。
なお、「ライダー麺」の武器はキックでは無く、ライダースティックによる撲殺。



漫画版】

漫画版ではかなりの巨漢かつロンゲのグラサン男という超怪しい姿で登場。グロンギの癖に煙草を吸っており、他のグロンギから煙たがられている。
本来格下であるバヅーメビオと共にアジトを訪れている。
メビオ死亡後は、原作とは異なり「巣」に人間を持ち帰り甚振り殺すという残虐なゲゲルを行う。
ゲゲルの方法も狙撃型ではなく、ゴ・ジャラジ・ダに酷似した時限式のものに変更されている。
焼きイモが好き。

いじめられっ子の学生である春日久雄に興味を抱き、本人に気づかれぬよう彼の周囲の人間*1を遠くから殺害していた。
その結果 「ぼくが『死ね』と思えばみんな死ぬ」と思い込んだ春日は当然増長してしまい、
積年の恨みを晴らすかのごとく今まで自分を見下してきた相手を逆に虐げるなど、実質的にグロンギの威を借りたリントへと変貌してしまう。
特に数人の女子生徒に対しては「下着姿で組体操」を命じる、メイド服に着替えさせて召使いとして自宅に監禁する等、下劣ぶりがエスカレートしていた。いいぞもっとやれ
もっとも、後者の場面で監禁生活に耐えかねた女子生徒から「殺して」と泣きつかれた際には流石に狼狽してしまい、罵声を浴びせながら女子生徒を全員家から追い出した。

その醜い姿に興味を抱いたバヂスは、より増長させるため、人間態(前述したとおり巨漢)の姿で接触し春日にヘイコラすることで
彼を更にのさばらせようとする。
こうした行為は「リントは殺せればそれでいい」という発想のバルバからは理解されていない。

毒針は射出するだけではなく手で摑んで手裏剣のように投げることも可能であり、原作より巨大な針になっているため
爆撃したかのような破壊力を有している。


かくして春日は自らが神であるかのように増長するが、あまりに威張り散らしまくったせいで万人から恐怖されるようになり、
自らのしてきた過ちに気付き、バヂスの能力に恐怖する。
それを見越していたバヂスは最後の標的として春日を最高の恐怖と絶望を味わわせた上で血祭りにあげゲゲルを終わらせようとするが、
間一髪でクウガが邪魔立てに入る。
空を飛べないクウガに対しバヂスは嘲りを露わにするが、新しく手に入れたペガサスフォームのペガサスボウガンで胸を貫かれ、
空中で木端微塵に弾け飛ぶのだった……。






「ヅギビ・ラゼ・ガドグ・ボギザ……ラデデソジョ」

※訳:追記まで後少しだ……待ってろよ。

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最終更新:2024年04月16日 11:34

*1 被害者の中には、春日に対してイジメを行っていた数人の男子生徒も含まれているが、彼等は日頃から春日を虐げていた上、その内の1人が春日を「うんこ」に例えて見下す等、揃いも揃って同情の余地のない最低のクズであった。