ズ・ゴオマ・グ

登録日:2011/04/02 Sat 19:59:22
更新日:2024/04/10 Wed 18:34:35
所要時間:約 7 分で読めます





ゴセゾガ ラブリスバ(俺を甘く見るな)……

ゴセバ(俺は)……!俺は……今に!



ズ・ゴオマ・グは『仮面ライダークウガ』の登場怪人の一体。
初登場はEP:02「変身」。

演:藤王みつる


●ズ・ゴオマ・グ


種族:グロンギ族(コウモリ種怪人)
呼称:未確認生命体:第3号(B群2号)
身長:206cm
体重:167kg
特色 / 力:鋭いキバとツメ、飛行能力


最序盤から長期に渡って登場し続け、同作を代表する敵キャラクターの一人となっている。
『クウガ』では練り込まれた世界観をドラマで見せるべく、敵であるグロンギ側のドラマも作り込まれていたのだが、
ゴオマはバラのタトゥの女と共に終盤まで主要な登場キャラクターとして物語を支えた。

……その一方で本作屈指のネタキャラとしてファンから親しまれており、特に中盤からの世界観が完成され、脚本が試行錯誤を抜け出して以降の他のグロンギとの漫才のような掛け合いは重厚な物語の中でも一種の清涼剤として作用……視聴者を和ませた。


【概要・能力】

コウモリの能力を持つグロンギ。
両腕に備えた翼によって空中を飛行することができ、その速度は時速120kmに達する。
頭頂にある器官から周囲に超音波を発し、反射させた音波を頭部にある大きな耳で捉えて周囲の環境を把握することで、明かりの一切無い暗闇でも自由に活動することが可能である。
鋭い爪と牙を武器とし、生物(特に人間)の生き血を好むという吸血鬼のような怪人。
一晩に牛一頭や人間数人の血を平らげてしまうなど、結構な大食漢である。特に人間の血を好んでおり、ひと晩で成人5人分を平らげるほど。
恐らくは未確認生命体:第1号と認定されたズ・グムン・バと同様に復活直後より行動を開始していたと思われるが、夜行性である為に活動が遅れたことが第3号と認定された原因と思われる。

グロンギは人間が姿を変えた存在であることが示唆されているのだがゴオマの場合はコウモリの特性が強く反映されているのか、
異常に太陽光や紫外線、強いに弱いと云う特徴を持つ(人間体ですら)。
陽光の下に晒されただけで短時間で火傷してしまう程で、この特性ゆえに有利に戦いを進めていた状況でも撃退されてしまった場面も見られる。

また、上記の通り飛行時には超音波を発し続けているのだが、この特性が知られてからは科警研が開発した探知機で居場所を特定されるようになってしまい、
時には超音波発生装置によって攪乱されてしまうなど、弱点となってしまった場面も多い。


バラのタトゥの女による召集を受け集団に加わって以降は真夏でも厚手の黒いコートと帽子、さらに蝙蝠傘により徹底防御しており、
この季節感の無い姿も良くネタにされる。
ちなみに、初登場時には着ていた服をなぜか変身時に破いてしまい、人間体に戻った際には全裸にシーツを巻いて物陰に潜まざるを得なくなるなどかなり情けない有様になっていた。
尚、顔色が非常に悪いが、日焼け止めでも塗っているのか否かも不明。
後述の強化体に進化した際には普通の肌の色になっている。


【ゲゲル】

復活直後から長野市内のサン=マルコ教会のホセ神父を殺害して成り代わり、休業状態にした教会を根城にし夜な夜な市内各所へ出没しては吸血活動をしていた。
ただしこの時点ではグロンギ全体で「ゲゲル」の体制が整っていなかった段階であり、ゴオマが先走って好き勝手に動き回っていただけである。


程なくして目撃情報から教会を突き止めた一条刑事と一条刑事を助けにきた雄介クウガと交戦。
乱入したグムンが戦闘を引き継いだものの、夜明けが来たことで自身は逃走を余儀なくされ、結果として根城を失ってしまった。
その後バラのタトゥの女から接触を受けるが、好き勝手に動き回ったうえ悪びれもしない態度だったのが癪に障ってしまったらしく軽い制裁を受けている。

このように諸々やらかしはあったものの他のズの面々と同じくバラの花びらを受け取り「ゲゲル」の資格を持つ集団に加わったゴオマは、東京へとその活動場所を移した。
しかし待てども待てどもゴオマが「ゲゲル」のプレイヤーに選ばれることはなく、
以降は仲間達に虐げられつつバラのタトゥの女の従者として働かされる日々を過ごすことになる。

この「ゲゲル」の資格を失った理由については、「ゲゲル」の開始前に無用な殺人を犯した為とされるが、やや矛盾した描写も見られる為に詳細は不明。
そもそも同時期に召集を受けたズ・メビオ・ダが自分達に絡んで来た不良を殺害した際に他の仲間達が止めようともしなかったことから、
単純に「ゲゲル」前の殺人が「罪」なのかどうかは不明である。
……ただし、自ら殺人を犯したゴオマとは違い、メビオは戦士の誇りを汚されたことへの報復と取ることも出来るため、
その辺りに線引きがされているのかも知れないが……。

ただし、後にゴ・ベミウ・ギが無用な殺人を犯しているにも関わらず、何の責も負っていない為にやはり不明。
……それとも「」は別格なのだろうか?

この他にも放送当時には「勝手にゲゲルを始めたから参加資格を失った」とする資料も存在していたらしいがこちらの説であっても矛盾する描写が見られるため結局不明なままである。*1

兎にも角にも、ついぞ「ゲゲル」の機会が与えられることはなくゴセパギヅ(俺はいつ)?」と聞いては、
バラ姉やその他の仲間に張り倒され日々を過ごすこととなる……(※このタイミングが見事すぎるのが「漫才」呼ばわりの理由である)。

一応、本来なら処刑されてもおかしくない所を生かされている為ある意味周りの対応は緩い。

「ゲゲル」の資格が「」から「」に移行してからもまだ諦めようとせず、同じく血気に逸ってゲゲルの権利を求めるズ・ザイン・ダを嘲る一幕もあった。
だが、遂に「ゴ」による「ゲリ・ザギバス・ゲゲル」が開始される。
更に「整理」が迫る中で、自らの生存を懸けた別の手段……。

自らを虐げた仲間達への反逆を実行することになるのである。


【強化体・究極体】

EP:36~39
「錯綜」「接近」「変転」「強魔」
バラのタトゥの女の従者として、様々な雑用をこなしていたゴオマ。
中でも特に重要な役目であったのが来る「ゲリ・ザギバス・ゲゲル」に向けた「ゴ」の専用装備の発掘。
飛行能力を活かして東京から長野・九郎ヶ岳遺跡周辺へと移動し、そこで古代の発掘マシーンを使って遺物を回収。
そのまま東京へと舞い戻る、という往復作業を繰り返していた。

しかしその発掘作業の途中、ゴオマは計らずも大変な物を発見することになる。
……古代に破損し、失われていた「ン」のバックルの一部。「究極の力」の根源に至る道を得たのである。

バックルの欠片を密かに自分の物にしたゴオマだったが、ゴオマは「ゲリ・ザギバス・ゲゲル」が開始されてからもその存在を秘密にしたまま抱え込んでいた。
確かにバックルの欠片から力を得ることは魅力的ではあったものの、それをしてしまえばバラのタトゥの女どころか「ダグバ」にすら目を付けられてしまうことは確実。
そんな無謀とも思える賭けに踏み切ることは出来ず、ゴオマは「もしもの時の保険」として御守のようにバックルの欠片を懐にしまっていた。

だが実力者ゴ・バダー・バの命すら失われたことで、遂に見込みのない自分たち下位集団に対する「整理」が開始し、長野と福島で既に100体以上の命がダグバによって奪われた。
……自らにも迫る“ダグバ”の影に抗うべく、ゴオマは遂に「ン」のバックルの欠片を体内に取り込むことを決意するのである。

と、ここまで仰々しく書いたが、俗っぽく言えば違反行為で速攻垢BANされた地雷プレイヤーがこっそり違法ツールによるチートを使い調子に乗ってイキリ倒した挙句、ゲームを勝手に荒らしたりプレイヤーやGMにも喧嘩を売り始めたりしたようなものと考えて差し支えない。


ズ・ゴオマ・グ強化体


ゴセパ・ゴセパ(俺は、俺は)……手に入れたんだ、ダグバの力を!!

身長:208cm
体重:198kg
特色 / 力:鋭いキバとツメ、飛行能力

……ゴオマが体内に強引に取り込んだ「闇の力」により強化された姿。
ダグバ中間体を想起させる頭髪をはじめ、胸や大腿部など全身の体毛が伸びたのが大きな特徴。

飛行能力などはそのままに、素の身体能力が飛躍的に強化され、「ゴ」であるゴ・ザザル・バとも体術だけならば互角に戦えるようになっただけでなく太陽光も克服。
コートを脱ぎ捨てた中の人が意外な肉体美を晒す等、正に強化体の名に相応しいパワーアップを果たす。
……が、強引な強化の影響からか肉体の変化に関するコントロールがままならず、ダグバの居場所を知るべく襲撃したバラのタトゥの女からも嘲笑を受ける……。

挙句に一騎打ちする羽目になったゴ・ガドル・バには強化されたはずの力が通じず、簡単に打ちのめされるのであった……。


“今になる”と言っていたのは……こんなもののことか?


ガドルに嘲られながらも、それでも不屈の闘志を以てガドルに再び挑みかかろうとするゴオマだが、突如、激しい苦痛に襲われ已む無く逃亡。

ガドルの追跡を振り切りなんとか逃げ延びたものの、急激な肉体の変化に伴う想像を絶する苦痛に倒れ伏すゴオマ……。
しかし、ゴオマは怨念とも呼ぶべき執念を以て、それに耐え抜き、遂に「闇の力」を制するのである。


ズ・ゴオマ・グ究極体


ダグバが来るまで……何人死ぬかな?

身長:211cm
体重:227kg
特色 / 力:鋭いキバとツメ、飛行能力

それまでとは違う、禍々しい姿と化した完成形態。
頭髪は真っ白になり、肌は光沢のある漆黒に変化。
さらに肩や脹脛から伸びたカッター状の突起や膝に現れた紋様、全身に走る血管のような筋など、後のクウガ アルティメットフォームやダグバと共通する意匠を持つ。
恐らくはこれが「霊石」による変身の究極の姿なのであろう。
……が、左右対称で完璧な姿をしているダグバやアルティメットクウガと違い、部分的に崩れて歪になった左右非対称の姿となっている。
デザイナー曰く「結局は借り物の力では長持ちしない証」とのこと。
後述のような暴れっぷりを見せていたものの、たとえ生き延びても自滅は早かったのかもしれない。

鎧のように変化した皮膚はタイタンソードの攻撃を受け付けず、マイティキックを軽々と撥ね除ける程の身体能力を得た(この時点での進化のレベルは「金の力」を得た雄介に匹敵する)。
……圧倒的な力を得たことでダグバを挑発するかのように警官隊を虐殺し、クウガをすら退けたゴオマ……。

しかし……山の彼方から突如、唸り声とも取れる異常な音が鳴り響き、嵐が巻き起こる!!

遂に到来したダグバ……。

ダグバ!ジャデデジャス(やってやる)!……ババサズ・ボソグ(必ず殺す)!!


雄叫びを挙げ、声の方向に飛び去るゴオマ……。

……そして。


この「ゲゲル」に参加できなかった鬱憤を晴らすかのような『クウガ』でも最大の長篇の主役は間違いなくゴオマである。
ザザルの「ゲゲル」も行われているが、ハッキリ言って前座でしかない。

『クウガ』の物語がいよいよラストスパートに入るエピソードだけに、思い入れのある人間も多いのではないだろうか?


【関連人物】

バラのタトゥの女。
グロンギを率いる存在。
「ゲゲル」の参加権を失ったゴオマを従者として使う。
多少は便宜を計ってくれていた面も見受けられたのだが……?

「ゴ」の気怠い姉ちゃん。
馬鹿にされた恨みと強化態に成長し調子に乗ったことからかゲゲル中に接触。バルバの居場所を聞こうとしたが相手にされず、無理矢理聞こうと「ゲゲル」の邪魔をしたことでブチギレたザザルに一蹴された。
なおその後人間達に法則をも見破られ、イライラの内に撃破された。
シナリオ上でも完全な嚙ませ扱いを受ける。

「ゴ」最強の存在。
強化されたはずのゴオマを易々と退けた実力者。

「ン」の称号を持つグロンギ最強の存在。
ゴオマの反逆も全ては「整理」から逃れる為。


【漫画版】

グムン没後に行動を開始。夜な夜な女性を襲って殺害していた。
原作とは異なり、血を吸って殺害した相手をゾンビとして操る(ただし、日光を浴びると消滅する)能力を持っている。
これは初代『仮面ライダー』に登場した蝙蝠男オマージュであろう。

桜子さんを襲撃するものの、先代の意思を次いでクウガに変身した五代雄介に追い払われてしまい、
ゲゲルの資格を失って原作と同じく下っ端生活を送る羽目になる。


【余談】

ドラマと云うものは普通序盤にこそ予算を掛けるものであるが、
EP:2「変身」ラストでの雄介が真の「戦士」として覚醒するゴオマとの戦いの演出の為に
「巨大な教会のセットを大炎上させ、予算を使い果たした」という話は有名。

予算的な意味で『仮面ライダークウガ』の最強の敵であった……


と思われた。


だが後に、一番予算を使ったのがEP:1「復活」の最初のシーン、つまり「遺跡」であったことが発覚する(TVに映らない部分まで作りこんだため)。
とうとう予算最強の敵ではないことまで明らかになり、ネタキャラの運命からは逃れられなかった……。


中の人のあまりの熱演ぶりから「本当のグロンギ語はこんな発音」と言われることすらある。



「ダグバが来るまでに……どれだけ追記できるかな?」

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最終更新:2024年04月10日 18:34

*1 メタな理由を言うと元々使い捨てキャラとして設定されていたのが演者の熱演により設定変更、延命が決定し出番が増えたという事情があるため詳細な設定は考えられていなかったものと思われる。