剣立カズマ

登録日:2012/05/08 Tue 00:30:25
更新日:2024/04/09 Tue 14:20:49
所要時間:約 6 分で読めます






エースは給料もエース級だぜぇ……!会社最高~!



剣立(けんだて)カズマとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーディケイド』の登場人物である。
名前の由来は原典『仮面ライダー剣』の主人公・剣崎一真から。
剣立という苗字も、使用するラウズカードのスートに関連するものである。

演:鈴木拡樹





【概要】

初出は第8話「ブレイド食堂いらっしゃいませ」。
ブレイドの世界』に存在するリ・イマジネーションライダーの1人。
当初は人々を襲う不死生物・アンデッド封印を担う大企業『BOARD』のエリート社員として登場。
スペードクラスのA(エース)であり、仮面ライダーブレイドの変身資格を有している。
性格はエリートとしてのプライドがあるのか、やや鼻持ちならない態度が目立ち、
給料を貰った際には本項目冒頭の台詞と共に有頂天な態度を隠さなかった。
しかし、先輩の菱形サクヤ/仮面ライダーギャレンから「カズマ!アンデッドを倒す事を優先しろ!」と命令されているにも拘わらず、
「アンデッドより人の命です!」と言って同僚の黒葉ムツキを助けるなど、人命を第一に優先する優しさも持ち合わせている。



【作中での活躍】

エレファントアンデッドカプリコーンアンデッドとの戦闘で命令より人命を優先した行動*1を咎められ、
「身勝手な行動で会社に損害を齎した」として、社長の四条ハジメからランク7までの降格を言い渡されてしまう。
この世界で門矢士がランクK(キング)のチーフとして働く社員食堂に異動になるも、エリートとしてのプライドを捨て切れなかった結果、
数々のヘマをやらかしてしまい、最低のランク2に格下げされた挙句、同時にブレイドの変身資格まで剥奪されてしまう。

納得がいかないままブレイバックルを手に思わず会社から飛び出して失意に暮れる中、後を追ってきた士からの𠮟責を突っぱねた所に、
ブレイバックルの返還を求めたBOARD理事長の鎌田/パラドキサアンデッドが出現。
士/仮面ライダーディケイドとパラドキサアンデッドが戦闘に入る中、新たなアンデッドを封印しようと息巻くが、
駆け付けたサクヤとムツキから、


カズマ、ブレイバックルを返せ!

社長が“素直に渡せばクビにはしない”ってさ!

と忠告されるも、「“嫌だ”と言ったら…?」とこれを拒否。


エースの命令に背く者は倒すのみ!

俺だって……アンデッドを倒してエースに返り咲いてやる!

変身!

サクヤ/ギャレン、ムツキ/仮面ライダーレンゲルを相手に仲間同士で争い合う事態に発展。
その最中、突如現れた仮面ライダーカリスにブレイバックルを奪われ、結局アンデッドの封印に失敗してしまう。


続く第9話「ブレイドブレード」では、とうとう会社までクビになってしまい、全てを失った彼は会社から去ろうとするが、


所詮、その程度の男か?

そんなにランクに拘るなら……俺が書いてやるよ。

ほら、プレゼントだ。

と言いながら自身の社員証に「0」と書き記した士の行動……小野寺ユウスケがマイルドに言い直した


カズマ!その数字の意味をよく考えてみろ!

数字の意味!?

“あんたは全て失った。だから、ゼロからやり直せ”って事だよ!そうだよな、士!?

“ゼロからやり直せ”だと!?

……士がここまで仕事に拘るのも、何か…深い考えがあるんだよ。

という言葉で奮起。ゼロからやり直す事を決め、士の部下として社員食堂を切り盛りする事となる。

なお、ムツキから嫌味混じりに「こらこら。エースの俺を呼び捨てにするんじゃないよ、“バイト君”と言われている事から、
アルバイトという立場になっていた様だが、エリートとしてのプライドを乗り越えて懸命に働き、
社員食堂の仲間達にも「一緒に働く仲間だろ?助け合っていこう」と励ます心の余裕も見せるようになっていく。

その後、サクヤとムツキが突如会社を依願退職した事に不信感を覚え、
ユウスケと共に鎌田が所有するBOARD研究施設へ潜入。
そこでカリスの正体である四条と鎌田の計画を知り、士が取り返したブレイバックルで再びブレイドに変身。
ディケイドと共に彼らが変貌したジョーカーとパラドキサアンデッドを倒した。

そして、「俺はやがて、全ての世界を破壊する……らしい」と『ブレイドの世界』を去ろうとする士に、

違うな、あんたがこの世界を救ったんだ。

と感謝の言葉を告げ、笑顔で彼を見送ったのだった。


士が去った後は四条亡きBOARDの社長に就任しており、第30話にて世界の融合が進む中で、『キバの世界』の仮面ライダーやファンガイアと戦っていた。
自分の世界の存続が掛かっている中で「今すぐ戦いを止め、俺達と共に大ショッカーを倒すんだ」と言う士を信じられずにいたが、
かつて彼から聞いた言葉を思い出し、リ・イマジネーションライダーの中では一番最初に士の下へと駆けつけた。


士!お前は俺に大切な事を教えてくれた。

俺達は励まし合い、助け合い、一緒に進化していく仲間だ!

その言葉……。覚えていてくれたんだな?

ああ、お前はいつも大体正しい!

いや、大体かよ。

その後、ソーンファンガイア率いるアンデッド・ファンガイア軍団との戦いの末、
スーパーアポロガイストが更に加速させた世界の融合に巻き込まれる形でギャレン共々消滅してしまう*2が、
後に映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』の「仮面ライダーディケイド 完結編」にて、士の尽力により復活。
他のリ・イマジネーションライダーと共にスーパーショッカーとの戦いに参戦した。

なお、ネオ生命体が操るスーパークライス要塞の相手をする際、ラウズアブゾーバーの起動に必要なカテゴリーQ(クイーン)のカプリコーンアンデッドを、
既に『ブレイドの世界』でディケイドが封印せずに撃破したにも拘わらず、ジャックフォームに強化変身しているが、
実際のところはディケイド 最強コンプリートフォームの力でキングフォームにパワーアップしている為、
アンデッドの封印状況はあまり関係ないのかもしれない。



【関連人物】




“進化”だ!失敗しても成功しても、共に働く仲間を励まし、助け合い、一緒に進化していく……。

その為に働いているんだ!

社員食堂のチーズチーフにして、通りすがりの仮面ライダー。
最初は自分を顎で使う態度に反発していたが、ゼロからやり直す事を決めた後は良好な関係を築いていった。
レギュラーのユウスケを除けばリ・イマジネーションライダーでは最も多く士と関わっており、信頼関係も厚い。
士は辰巳シンジ/仮面ライダー龍騎とも関係は良好だったので、どうやらカードライダーとは相性が良い様子。
なお、クビになったカズマに対しての行動へのユウスケの拡大解釈、及びそれに対するカズマからの感謝に戸惑った様子を見るに、
多分そこまで考えてなかった。



会社とは……社員の熾烈な生存競争で成長していく。君はその競争に負けたのだよ。

利益と成果に固執するBOARDの社長。詳細は項目参照。
鎌田と組んで人工的にアンデッドを生み出し、会社の利益を挙げようとしていた。
カリスに変身するものの、始のようにブレイドと親友関係になったりはしなかった。残念。



見苦しいな、カズマ。元エースとしてのプライドは無いのか?

演:成松慶彦

名前の由来は我らが「ダディ」こと原典『剣』における仮面ライダーギャレンの変身者・橘朔也
苗字はダイヤを連想させる「菱形」
微妙にオリジナルと声質が似ている。
当初はカズマの先輩であり、同格のダイヤのエースだったが、カリスにギャレンバックルを奪われた事で降格され、ムツキのサポートに回る事に。
カズマの凋落を見てムツキと同じく彼を見下すが、上記の発言を見るに、腑抜けていくカズマにイライラしていた所もあったのかも知れない。
最終的にはムツキ共々、最強のアンデッド・ジョーカーを生み出す為の実験材料にされ、BOARDを依願退職扱いにされてしまった。
なお、『ライダー大戦の世界』に登場した仮面ライダーギャレンは「ギャレン」としか呼ばれていない為、彼ではない可能性もある。



今からライダーシステムを奪い返しに行く。だが、お前らの力は必要無い。それを言いに来てやったんだ。

演:川原一馬

名前の由来は原典『剣』における仮面ライダーレンゲルの変身者・上城睦月から。
苗字はクラブ=クローバーから「黒葉」
眼鏡をかけた気弱な性格のクラブのK(キング)で、アンデッドサーチャーで怪人の居場所を把握し、先輩ライダー2人をサポートしていた。
だが、カズマの降格に伴い、自身はクラブのエースに昇格。レンゲルの変身資格を得て以降は慢心し、
カズマに助けてもらったにも拘わらず、傲慢な態度で彼を見下すように。
他にもカリスのプラントバイオの蔓に対してギャレンを盾にし、それを謝罪せずに顎で使うなど、かなり畜生な性格になっていった。
彼の場合は「権力」だが、強大な力に溺れ、豹変していく様はある意味、原典『剣』の睦月に近いものがあるかもしれない。
最終的にはサクヤ共々、最強のアンデッド・ジョーカーを生み出す為の実験材料にされ、BOARDを依願退職扱いになってしまった。
『ライダー大戦の世界』に登場した仮面ライダーレンゲルは「レンゲル」としか呼ばれていない為、彼ではない可能性もある。
ちなみに、演者の川原氏は『ディケイド』から3年後に『仮面ライダーフォーゼ』にて、山田竜守/アリエス・ゾディアーツ役を演じる事になるが、
何の因果か、竜守もまた睦月、及びムツキ同様、「力を得た事で増長し、傍若無人に振る舞うようになる」という点で共通している。
ちなみに天高の校長はダディ、先輩に天音ちゃんがいる。


  • アイ
  • マイ
  • ミー

はい!私達のような……それ以下の者は、『それ以下ランチ』です!

演:柊瑠美(アイ)、香山裕香(マイ)、鷲巣あやの(ミー)

士が勤める事になった社員食堂で働く若い女性達。
アイはおさげ髪、マイはふくよかな体格、ミーはボブカットで、全員がスペードの8ランク。
当初は士やカズマと折り合いが悪かったが、社食の仕事を続ける中で信頼関係を築いていった。

アイ役の柊瑠美氏は『千と千尋の神隠し』の千尋の声で有名な女優である。



遂に、始まったか……。

演:椿隆之

『ライダー大戦の世界』に現れた謎の青年。
カズマと同じくブレイドに変身する力を持つが、生身から黄金色オリハルコンエレメントを潜り抜ける事で、
最強フォームキングフォームに直接変身出来るカズマ以上の実力者。
この剣崎はカズマの事を知っているような素振りを見せていたが、カズマが消滅してしまった為、結局対面する事はなかった。



【考察】

会社での地位に固執する姿からは、一見すると原典『剣』の剣崎のような正義感は伺えないように思える。
だが、前述したように、人の命を優先させる考えは2人とも変わらない。

また、剣崎は『剣』第1話にて、組織が壊滅し、尊敬する先輩にルラギ裏切られ、自身の正義を見失っている。
同じようにカズマもまた、組織での居場所が無くなり、仲間だと思っていたサクヤとムツキに見下され、
今まで当たり前だと思っていた自分の在り方を見失った。
こう考えれば、彼ら2人は根本的に同じだと思えないだろうか?

その後、何もかも失った状態から再起し、再び仮面ライダーとして戦う姿もまた然りである。



【余談】

鈴木氏はカズマを演じるにあたって『剣』を全話視聴し、変身ポーズも剣崎のものを見て研究を重ねたという*3
後日、鈴木氏は『剣』で剣崎を演じた椿氏と街でばったり遭遇したとの事。

カズマは途中から士を「チーフ」と呼んでいるのだが、何故か二度、「チーズ!」と名前を呼び間違えている。
これを椿氏はオンドゥル語のオマージュかな?」と思ったらしい。
ちなみに、鈴木氏によると「マジでオンドゥル語を喋ろうとしたが、監督の石田秀範氏からダメ出しを食らい、唯一許されたのが『チーズ』だった」そうな。

また、偶然だろうが、鈴木氏は後に舞台・実写映画版『刀剣乱舞』の日本刀の化身の一人・三日月宗近役や、
2019年版アニメ・舞台版『どろろ』の両義腕に刀を仕込んだ少年・百鬼丸役など、(ブレイド)に縁のあるキャラを演じる事になる。




本当にそれで良いのか!?一緒に編集してきた仲間なんだろ?

カズマはどうなんだ?

ああ。俺はあいつらがいたから、追記・修正してこれたんだ。
……そうか!チーフはそれを伝える為にわざとそんな言い方を……!

えっ……?ああ…。ああ。分かればいいんだ……。



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最終更新:2024年04月09日 14:20

*1 そもそも本作のBOARD自体「アンデッドから人々を守る警備会社」である為、人命優先で行動をするのはむしろ当然ともいえる行為である。

*2 直後に「本物のブレイド=剣崎一真」が現れる。ただし剣崎自身は少し前から現れており、紅渡の存在やラストシーンに響鬼がいたことも考えると、この世界に前々から『オリジナル』はいた様子

*3 原典『剣』での剣崎の変身ポーズがキレのある動作なのに対し、カズマのそれは流れるような動作で行われるのが特徴。