ガルダ級超大型輸送機

登録日:2012/02/20 (月) 10:22:17
更新日:2024/04/20 Sat 15:15:18
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安心しろ!飛沫がバリアになってくれる!







ガルダ級超大型輸送機


所属:地球連邦軍
   カラバ
   ティターンズ
   ネオ・ジオン
建造:地球連邦軍
全長:317m
全幅:524m
最大積載量:9,800t
動力:ミノフスキー核融合炉
   スクラムジェットエンジン
   熱核ジェットエンジン
武装:対空機銃
   ミサイル発射菅
   対空メガ粒子砲



概要

地球連邦軍がジオン軍ガウ攻撃空母を参考に開発した輸送機。しかしその大きさはガウを遥かに上回る、宇宙世紀シリーズでも最大級の航空機である。
なんと背中でMS同士の戦闘が行える程の大きさを誇る。
あまりの巨大さ故か半ば艦艇として扱われているらしく、指揮官は機長ではなく艦長と呼称される。

名前の由来はインド神話に登場する神鳥“ガルダ”(迦楼羅天)から。


その巨体の殆どがペイロードで占められており、最大積載量は実に9,800tと桁外れ。
参考までに実在の最大の輸送機でAn-225 ムリーヤが250t、ガンダムシリーズでも連邦軍のミデア輸送機(後期型)でやっと200t。ミデアの実に49倍である。
なにこれこわい。


サブフライトシステムの使用を前提とした数十機のモビルスーツ(MS)の運用が可能であるとされるが、さすがに限度があり、
横長のシャトルは積めるが縦長のサイコガンダムのような機体は艦底部のワイヤーマグネットアンカーで吊り下げて運ばざるを得ない。
MS母艦としての運用面でも改善が見られ、MSが余裕で出入り可能な大型ハッチが機体の前後左右に設けられ、ガウ最大の欠点であった「MSを発進させるためにわざわざ速度を落とさなければならない」ということはなくなっている。前から発進する場合もこの時代のMSはサブフライトシステムに搭乗したり変形したりしてそれなりの速度で動けるので速度を落とす必要はないのだ。

これだけの重量級でありながらミノフスキー核融合炉と計20基もの熱ジェット/スクラムジェットエンジンの併用によって航続距離に制限は無く、無補給での地球一周さえ余裕で可能である。
爆撃機ではないので爆弾槽は設けられていないが、無砲身(U.C.0096年時のガルダは開放バレル式に改装済み)・半球状の対空メガ粒子砲をはじめとする対空火器や機体前方に備わるミサイルランチャーによる空爆能力もなかなか優れており、エースでもないと迂濶に近寄ったら瞬く間に蜂の巣にされる。

ダメージコントロール能力も高いようで、ブリッジが破壊されてもサブブリッジからのコントロールも可能。
実際にメロゥドやアウドムラはブリッジが大破、または艦橋要員が全滅しても飛行し続けていた。


本来は軍だけで運用されるような単なる軍用機ではなく、常に高々度を周回飛行しながら流通や気象観測を行うなどのインフラの一部を担う国家資産であり、その真価として大規模な宇宙港を使用することなく空中でシャトルを回収・整備して再び打ち上げを行う成層圏プラットフォームとしての運用が想定されていた。
実際、全長62mのテンプテーション級シャトルやMSを乗せたシャトル用ブースターを打ち上げる様子が確認されている。
劇中でも戦闘中に打ち上げてみせたのだから大したものだ。


ここまでくると、もはや空中要塞の類に分類出来よう。


連邦軍の運用構想では、地球を地域別に六分割*1し、そのエリアに1機ずつガルダ級を配備して何時、何処からでも宇宙に上がる&地球全域の防空を担う壮大な「ガルダ防空構想」を発案した。


…筈だった。


こんな巨大で高性能な機体をそうそう簡単に調達出来る筈がなく、機数を揃えることが出来なかった為に当初の構想は立ち消えとなった。

また、あまりにも機体が大きすぎるので滑走路はジャブローなど一部の大規模な基地の物しか使用出来ず、離着陸はもっぱら海上の施設に限られてしまった。
この為、低空飛行と水上航行用のホバーノズルも搭載している。


生産された総数は資料によって違うが、結局のところ4〜5機程度であるようだ。(グリプス戦役時のみか宇宙世紀を通してかは不明)
劇中で連邦軍がカラバが奪ったガルダ級アウドムラを出来るだけ無傷で手に入れようとしている様子からもその貴重さが窺える。

『ジョニー・ライデンの帰還』では「人類の宝」とまで評され、全6機が存在する内スードリのみが喪失していることが明言されている。*2


富野由悠季氏によれば当初は東西南北の神の名を持つ4機しか存在しないつもりだったらしく、増えても6〜7機とのことである。




武装


  • 対空機銃
機体の各部に配置された対空機銃。
銃座はドーム状に張り出しており、優秀な射角を誇る。
地味に火力も高く、重装甲のリック・ディアスにも損傷を与えられる程。

対空メガ粒子砲と合わせてガルダの守りを鉄壁のものとしており、その威容はさながら天空の要塞。


  • ミサイルランチャー
各部に満遍なく配置されたミサイルランチャー。
ガルダの積載量も合わさってかなりの爆撃力を発揮する。

本来輸送機であるガルダ級にとってほぼ唯一の長射程かつ対地・対艦攻撃手段。


  • 対空メガ粒子砲
メガ粒子砲にしては珍しい無砲身のドーム型を採用しており、宇宙艦のような砲塔式に比べれば小型で射程は短いが射角は広い。
機銃と同じく機体各部に配置されており、接近する敵機を迎撃する。

U.C.0096年時のガルダは砲身があるタイプに改修されている他、新たに開放バレル型メガ粒子砲を増設している。




同型機


アウドムラ

エゥーゴがジャブローで奪ったガルダ級の内の一機。艦体色はとても軍用機とは思えないオレンジがかった赤。
名前の由来は北欧神話に登場する巨大な牛“アウズンブラ”から。

エゥーゴのメンバーがケネディから宇宙に帰った後は元ホワイトベースクルーのハヤト・コバヤシを艦長としてカラバの事実上の拠点となった。

機動戦士Ζガンダム』の作中ではホンコン・シティ沖でスードリを撃破してからもティターンズの拠点であるニューギニア基地とキリマンジャロ基地を攻略し、
首都ダカールでシャアの演説を守りきったりと縦横無尽の活躍を繰り広げた。

機動戦士ガンダムΖΖ』でも引き続きカラバの戦力として登場。
アーガマと共にネオ・ジオンに占拠されたダカールへの攻撃やコロニー落としの標的となったダブリンの市民救助を行なった。
ダカール戦ではハヤトの卓越した指揮でハマーンを翻弄したものの、
ダブリンではラカン・ダカラン率いる部隊との戦闘で戦力の殆どを失った上にハヤトが戦死、ブリッジクルー達もコロニー落下の衝撃で全滅してしまった。
クルーを失いダブリン上空をさ迷っているところをアーガマのクルー達が乗り移り、何とか難民達と共に帰還することは出来た。

その後カラバが連邦軍に編入された際にアウドムラも還ったようで、『機動戦士ガンダムUC』(小説版)にも登場した。

ゲームブック『シャアの帰還』では、カラバがロンド・ベルの下部組織として連邦軍に吸収された際にアウドムラも連邦の所有になったとされており、
チバシティの連邦軍工業基地に来たところを、基地に侵入したシャアが基地内でのMS戦の末に占拠し、
シャアに協力するエグムのメンバー達によって発進され、ノクチュルヌの襲撃に遭いつつも、サイド3モウサ跡に向かうためのシャトルの射ち上げに使用される。

ガンダム・センチネル』のラストでリョウ達を回収したガルダもそのカラーリングからアウドムラであると思われるが、リョウ視点で語られていた為に詳細は不明。*3


スードリ

エゥーゴがジャブローで奪ったガルダ級の内の一機。艦体色はいかにも軍用機といった感じの緑色。
名前の由来は北欧神話に登場する南方を司る小人“スズリ”から。

こちらはケネディでブラン・ブルターク少佐の部隊に奪還され(その際中にあったネモジムⅡも鹵獲)、それ以後は彼らがアウドムラ追撃の任に使用した。

ヒッコリーでの戦いでブラン少佐が戦死した後は副官のベン・ウッダー大尉が指揮を執ってアウドムラを追い続けたものの、
ホンコンシティの戦いでハイザック、ジムⅡ、ネモ、マリンハイザック等のほぼ全ての戦力を失った為、アウドムラに特攻を仕掛けたが失敗、爆散した。
この時ベンは一人で特攻を試みるつもりで総員に退艦命令を出したが、彼を慕う7人の将校達も残留を希望し、スードリと運命を共にしている。

新訳Ζ』1ではジャブローからそのままアウドムラと別れてケネディに向かったが、劇場版2では特に説明もなくブラン隊の乗機となっていた。


メロゥド

キリマンジャロ基地を攻略し、ダカールへ向かうアウドムラを追撃したジェリドが指揮を執った艦。艦体色は青みのある灰色と部分的に赤。
やる気満々なジェリドに比べて明らかに士気が低いクルーが印象深い。

「ぶつけろ」ってよ?

正気とは思えんな。

『Ζガンダム』第38話の戦闘ではアウドムラとミサイルの撃ち合いを展開したが、アムロディジェにメインブリッジを潰された為追撃を断念。
第3艦橋が生きていた為に墜落だけは免れた。

『機動戦士ガンダムΖΖ』でネオ・ジオンに強奪され、ラカンが指揮を執ったガルダ級はその色からこのメロゥドではないかと言われている。

特にその後については触れられていないが、『ジョニ帰』のゴップの台詞を見るに連邦に奪回されたかして健在であると思われる。


ガルダ

ガルダ級1番機。以前から存在だけは語られていたが、『機動戦士ガンダムUC』にてようやく登場した。
艦体色は灰白色。

ビスト財団が捕らえたミネバ・ラオ・ザビを宇宙に上げる為のシャトル中継基地として登場したのだが、
ミネバ奪還の為に潜入したジンネマンの破壊工作と機上で戦うユニコーンガンダムバンシィの影響で撃沈した。
一方、アニメ版では破損しつつも撃沈は免れたようである。

また、『ジョニー・ライデンの帰還』ではゴップ議長の元で「ミナレット」探索に参加していたのもこのガルダである。


ガーウィッシュ

『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場。
艦長はレイラ・ビアス大佐。
地上編でのベルフ達の母艦としてオールズモビルと戦った。


フリーデン

『SDガンダム GGENERATION CROSS DRIVE』に登場。
本作でのジャミルはカラバのメンバーである為、陸上戦艦フリーデンの代わりとして登場した。


アルバトロス

『機動戦士Zガンダム ユーロ・サーカス』に登場。
ダブリンを基地とするアイルランド空軍第7飛行隊所属。


アイアンギア

ModelGraphicx掲載の『Ζプラスという「類い稀なる物語」』に登場。
アナハイム・エレクトロニクス社キャリフォルニア事業部の可変MSプレゼンテーションである
「Ζプラス戦爆連合~WAVE RIDER FLEAT」にデモンストレーション用のΖプラスA1型を1機貸し出したらしい。


ハービィ

ホビージャパン掲載のフォトストーリー『ジオンの星 MOBIL SUIT in ACTION』に登場。
ティターンズ所属らしい。


ブラバゾン

漫画『機動戦士ガンダム ジオンの再興』に登場。



この他、『新訳Ζ』でブランとベンの部隊がスードリの代わりに運用したガルダも存在する。*4




ゲームでのガルダ級


Gジェネギレンの野望シリーズでは地上専用母艦でも最高クラスの性能を誇り、活躍が見込める場合が多い。
特に野望シリーズの集大成、アクシズの脅威系では「ガルダの脅威」的な性能。
  • 同時期のMSを正面から蚊トンボのように叩き落とせる、長射程大火力の機関砲
  • 高機動かつ恐ろしい燃費の良さ
  • 忘れそうになるが多くのMSを運べる輸送役
と、連邦軍地上戦の超兵器。MS縛りでもやると、もはや主力量産機として航空戦に駆り出される。

一方、スーパーロボット大戦シリーズではアウドムラとスードリが参戦していたがゲームの仕様上対空火器は効果を発揮出来ず、基本的にHPが多いだけ。
プレイヤー側で使える時も大気圏内専用ということもあってか、スポット参戦か中継ぎの立ち位置だったり、NPCどまりである。

しかし『Z』では“ガルダ級”の名で登場。
登場しない空母タケミカヅチの代わりにトダカが副官となり、認め合った軍人同士、ベンとトダカで特攻するという漢らしいイベントが用意された。

BX』『V』では『UC』仕様のガルダが登場。
『V』では設定を反映してか交戦数は少なめで、HPは多めの敵戦艦系ユニット。
中にはエンペラージュリオ一世が登場しない都合でジュリオが乗ってくることも。

『BX』ではOVA版5巻を反映して戦闘マップに昇格。激突するユニコーンや相転移誘導弾によりあわや撃沈しかけた。
そのステージでは飛行中のガルダの上でバンシィやカトンボ、ゴーストと渡り合うことになるが、
マクロス・クォーターゴラオンが1マスのみのユニットとして戦えるせいで、めちゃくちゃデカいことに定評がある。
…乗っていたマーサのオーラ力でハイパー化でもしたんだろうか。*5






追記・修正はガルダ構想にのっとりお願いします。

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最終更新:2024年04月20日 15:15

*1 第1エリア:アジア・西太平洋、第2エリア:欧州・北米東部、第3エリア:北米西部・西太平洋、第4エリア:豪州・南太平洋、第5エリア:アフリカ・インド洋、第6エリア:南米・南太平洋

*2 スードリの損失に関してティターンズにケチを付けていた

*3 本作ではガルダ〜メロゥドまでの4機に加えて増産されていると記されている。

*4 劇場版1ではケープケネディの戦闘が無い為の登場。劇場版2ではいつの間にかスードリに乗っていたのでその後の動向は不明。

*5 ハイパー化は冗談交じり…だが、同面では小型機なバッタにマクロス・クォーターでマクロスアタックを仕掛けることができたり、AGE-3やゴーグで甲板が心配になるような戦闘シーンをおっぱじめれたり、シナリオ上では触れられないが受難とカオスに満ちている。