岡崎汐

登録日:2013/02/04(日)
更新日:2023/11/07 Tue 16:31:05
所要時間:約 8 分で読めます




「…こまだ」



岡崎(おかざき)(うしお)とはkeyのゲーム、及び同作品のアニメ『CLANNAD』の登場人物の一人。
CV:こおろぎさとみ


存在自体がネタバレのようなものなので、以下全て重大なネタバレを含むものとする。
















主人公である岡崎朋也とヒロインの古河渚との間に生まれた女の子。
しかし、詳しい事情は割愛させて頂くが渚は出産時にある理由で非常に衰弱しきっており汐を産むのと引き換えに息を引き取ってしまう。
以来、朋也は最愛の人である渚を亡くしたショックにより塞ぎ込んでしまい、汐の面倒は5年もの間渚の両親である古河夫妻が見続けていた。


そして五年が経ったある日、渚の母親である古河早苗の提案により汐も含めて4人で旅行に行こうと提案。消極的ながらも朋也はこれを了承する。
しかし、これは早苗さんの策略であり彼女と夫である秋生は行方をくらまし、朋也と汐を二人きりで旅行に行かせようとしていた。

顔は古河家のものを色濃く継いでいるが特徴であるアホ毛は存在しない。
早苗の事を「早苗さん」、秋生のことを「アッキー」と呼ぶ(秋生がおじいちゃんと呼ばれるのを嫌がったため)。
再会当初は朋也自身、汐のことをぞんざいに扱っていたのもあってとても大人しい控えめな性格であった。
渚の死のショックから立ち直れずにいる朋也にも怯えるような態度で接している。
渚の死後、五年という長い年月の流れは朋也の傷を癒すことは無かったばかりか、忘れ形見である娘との間に溝まで作ってしまっていた。


しかしそんな中でも汐は楽しみにしていた旅行へ行きたいと朋也にせがみ、仕方なく朋也は汐を連れて二人きりでの旅行を始める。
電車の中でも上の空で、騒ぐ他の家族に怒鳴り散らしたりなど渚との触れ合いで丸くなったかつての朋也の面影はどこにもなかった…


そして早苗さんの地図を頼りに最後の目的地である花畑に辿り着く。
汐は道中朋也に買ってもらったロボットの玩具を片手に元気良く花畑を駆け回るも、持っていたロボットを落としてしまう。
必死に探す汐にここにいるよう釘を刺した後、朋也は丘へと向かい自身の祖母と再会。
そして自分の父である直幸のことを聞かされる。
それによって朋也は直幸が自分を育てるために必死だったこと。
そして汐を見捨てている今の自分が直幸と同じになってしまっているのに気づかされる。


汐はその間も懸命にロボットを探し続ける。全てを知った朋也は汐と対面。無くしたロボットが見つからないかもしれないと汐に話すと…

「あれ…ひとつだけだから…」

「えらんでくれて…かってくれたものだから…」

「はじめて…パパが…」


朋也にしてみれば騒ぐ汐を大人しくさせるための本当に些細な買い物だったのかもしれない。
しかし汐にとってそのロボットは、自分の大切なパパが初めて自分に買ってくれた大切なプレゼントであったのだ。
五年間もほったらかしにしていたというのに自分の事を未だに父親と思ってくれていた汐の言葉に朋也は嬉しさと後悔の交じった表情を浮かべる。
朋也は汐に対しこれからは側にいていいかを尋ね、汐もいてほしいと答える。そして…

「もう…がまんしなくてもいい…?」

「さなえさん…いってた…」

「ないていいのは…おトイレか…パパのむねのなかだって」


今まで朋也の代わりに汐の面倒を見てきた早苗さん。しかし彼女は育ての親であっても本当の親ではない。
故に、自分の胸で泣くのを許さなかったのだろう。汐が本当に泣くべき場所を知っていたから…





汐は朋也に抱かれるまま五年分の寂しさ全部を吐き出すようにして大きな声で泣き始める。
朋也も今まで汐のことを見てやらなかったことをひたすらに後悔し汐に謝り続ける。
今まですれ違っていた二人がようやく本当の親子に慣れた瞬間である。


…かなり説明臭くなってしまったが、この一連のイベントはCLANNAD全編を通しても特に評価が高い。
アニメでは演出・声優の好演もあり更にパワーアップしている。


そしてこのイベント後、汐は元来の明るさを取り戻し笑顔も積極的に見せるようになる。
朋也も朋也で仕事で忙しい中懸命に時間を作り、少しでも多くの時間を汐と共に過ごそうと努力する。
汐は古河夫妻に育てられたおかげで明るく素直な良い子に育っている。
秋生の影響で野球もしており項目冒頭の駒田のモノマネなども秋生が仕込んだものである。
(ちなみにアニメでは他に江川のモノマネとかも教えていた)


そして稚拙な言い回しかもしれないが可愛い。とにかく可愛い。誰が何と言おうと可愛い。大事な(ry
渚譲りのほんわかした癒し系フェイスにこおろぎさとみによるロリボイス…これで可愛いと思えない方が無理がある。
アニメで風子の持ってきたヒトデパンを食べた時にも

「いただきますっ」


「ハムッ…」


「おいしい!」


…こんな天使のような笑みを向けられた日にゃあ、風子じゃなくてもお持ち帰りもしたくなりますよ、ええそうですとも。
朋也が断固として阻止するだろうけどな!
朋也も和解後は親バカを発揮し汐の仕草一つ一つに顔を綻ばせ、汐が自分の事を褒めるとニヤニヤしてしまう程である。
渚を亡くして以来、失われた幸せな時間を取り戻した二人の姿を見てプレイヤーもほっと胸を撫で下ろしたことであろう…



以下、悲劇のネタバレ
















「おしっこ…ひとりでできなかった…」


幸せを手にしたのも束の間、汐はある日突然高熱を出して寝込んでしまう。その原因は渚の病と同じもので全くの不明であった。
渚の死後から暗いイベントが続き、ようやく明るくなってきたと安心していたプレイヤーを再び恐怖のどん底へと叩き込んだのである。


そして汐の熱が下がらないまま長い月日が経つ。どうすることも出来ずに呆然とする朋也は、せめて汐が望んでいることをしてやりたいと思い、
雪が降る街の中、熱を出したままの汐を引き連れて二人の和解のきっかけとなった旅行へともう一度行くことにしたのである。
(よく「医者に連れていけ」みたいな批判が挙がるが病気直後に渚と同じ先生に診てもらっているシーンがあるし、
 原因不明で匙を投げられているのでこの指摘は間違いである)

おぶってやろうか?という朋也の言葉を拒み、自分の足で一歩一歩踏みしめるように歩いていく汐…だが…




道中で遂に汐は倒れてしまう。
既に目も見えなくなっているほどに弱ってしまった汐に朋也は今は真夜中で電車の中だと優しく教えてやる。そして…


「パパ…だいすき…」

「ああ…パパも…汐が大好きだ…!」





その一言を最後に汐の腕が力なく垂れ下がり事切れてしまう…
一体朋也が何をしたというのだろう。好きだった夢が閉ざされ、愛する人間に先立たれ、ようやくわかりあえた娘すらも消えてしまうというのか…
そのあまりの仕打ちと救いの無い展開に、プレイヤー(または視聴者)の気持ちと朋也の叫びがリンクにしたに違いない。


「嫌だ…こんなのは嫌だ…!」

「渚…汐を助けてくれ…渚ぁ!」

「誰か…誰か汐を…!」




そして絶望の中、朋也もまた吹雪の中へと倒れ込んでしまい、そのまま動かなくなる。
泣きゲーとして有名なkeyではあるが、ここまでの展開を見せる作品はそうないだろう。


以下、最後のネタバレ




















本編で手に入る光の玉。これは街の人達の幸せの象徴である。
そして渚と汐の謎の病気の正体は、二人は街と密接にリンクしており、
街に何か大きな変化が(建設工事や吹雪など)起こるとその痛みによって二人の体にも異変が起こる、というものであった。
街と街の人は繋がっている。街は大きな家族、だんご大家族のようなもの。
そして街の人達の幸せである光が多く集まれば、自ずと街にも幸せが溢れることになる。
その時、街と密接に繋がっている渚と汐は…



汐の悲劇を乗り越え、あきらめずに光の玉を集め続け、そしてもう一度迎える汐の誕生の瞬間。
その時、全ての苦労が報われたプレイヤーの喜びは計り知れない物だったと信じたい。
朋也にとって光の玉を集める旅は決して徒労などではなく彼自身が強くなる為にはきっと必要なことだった筈。
そうして強くなった朋也と彼と共に強くなった渚がずっと側にいれば、汐もきっと強くて立派な優しい子に育つことだろう…



本編では描かれなかったが外伝ではその後の様子も描かれており、父親譲りの身体能力を兼ね備えた活発な子に成長している。なお髪型は成長後は長髪にしている模様。
その影響か二次創作においても母親より元気で明るい性格付けをされることが多く、高校生になった汐を描く物も多く存在する。






追記・修正は自分の街と家族を愛している方がお願いします。

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最終更新:2023年11月07日 16:31