ヘルガー

登録日:2012/05/12(土) 01:30:02
更新日:2024/03/02 Sat 20:43:50
所要時間:約 5 分で読めます





怒ったときに 口から 噴き出す 炎には 毒素も 混じっていて やけどになると いつまでも うずく。


ポケットモンスターシリーズに金・銀から登場するポケモン

■データ


全国図鑑No.229
分類:ダークポケモン
英語名:Houndoom
高さ:1.4m
重さ:35.0kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂50♀50

タイプ:あく/ほのお

特性:はやおき(ねむり状態から通常の半分のターンで回復する)
  /もらいび(ほのお技を受けるとそのダメージと効果を無効化し、交換するまでほのお技の威力が1.5倍になる)
隠れ特性:きんちょうかん(相手はきのみが食べられなくなる)

HP:75
攻撃:90
防御:50
特攻:110
特防:80
素早さ:95
合計:500

努力値:特攻+2

デルビルがレベル24でヘルガーに進化



■概要


その容姿を一言で表すなら、地獄の番犬
肋骨のような胴体の模様、曲がった角は悪魔を連想させ、本気で怒った際に口から吐く炎は毒素を含み、火傷を負うと傷口はいつまでも疼く。
また、ヘルガーの遠吠えは「地獄から死神が呼ぶ」と例えられるほど恐ろしく、それを聞いたポケモンは一目散に住処に逃げ帰るという。
ツノが一番大きく反り返っているヘルガーが群れのリーダーとなる。♂と♀でツノの大きさが異なり、ツノが大きい方が♂である。

悪・炎という初の組み合わせ、洗練された格好良さ、そして金銀当時の強さに心を奪われたプレイヤーは数知れず。

外見のモデルはドイツ原産の犬種「ドーベルマン」からか。ドーベルマンが番犬として用いられることと地獄の番犬であるケルベロスからモチーフを取ったのだろう。*1


■ゲームでのヘルガー


金銀とHGSSではロケット団幹部のアポロ四天王カリンの切り札である。ポケモンGOではGOロケット団リーダー シエラの切り札となった。
強化後はドンカラスブラッキーに切り札のポジションを譲った。
速攻型なので生半可なレベルや弱点持ちなら返り討ちにあう。
しかし、弱点が多めで耐久が低いので「なみのり」か「じしん」連打でなんとかなる。

ジョウト制覇後カントー地方の草むらで夜のみ進化前のデルビルが出現する。
レベルアップで覚える「かみくだく」と「かえんほうしゃ」で大半の相手に等倍以上のダメージを通せる。
火力と素早さ、成長の早さ等を考慮すると本作の悪タイプの中では比較的旅パ向き。
ただ、あくまで「他の悪ポケに比べて」の話で、登場が遅い割にレベルが低いのは辛い。
ジョウトで手に入ればブラッキーの「だましうち」で我慢する必要はなかったのに

その後ダイパまではストーリーで遭遇することはなかったが、プラチナではポニータ共々貴重な炎なので結構役に立つ。
シンオウ四天王の一人であるオーバ(プラチナ)やギンガ団アカギ(プラチナ)、チャレンジモード時のギーマ、強化後のカツラも使用。

その後のシリーズでは、第五世代でブラック限定で大量発生により9番道路、第六世代ではX限定で通常で10番道路に出現する。
それぞれ対となるポケモンが別バージョンで出現しており、ブラックだと同じ悪タイプのポチエナ、Xだと同じくメガシンカするラクライが入手できる。

なお、ポケモンスタジアム金銀のジムリーダーの城で、途中乱入してくるロケット団の幹部も使用してくるが、これがなかなか手強い。
日本晴れからの「かえんほうしゃ」や「ソーラービーム」、そしてタイプ一致の「かみくだく」を持つという強力なアタッカーである。更に裏では炎技が「だいもんじ」になっており非常に厄介。
こちらのポケモンを次々に葬っていくので、ジムリーダーの城においては鬼門の一つとも言われている。

ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパールの場合、たんけんセット入手直後の時点で地下大洞窟「マグマの空洞」の個体を加入させることができる。最速バッジ1個時点で加入となるが、その時でもレベル16から20の進化後のポケモンが加入と時期を考えれば破格のスペック。


■対戦でのヘルガー


SMガオガエンが登場するまでは固有タイプだった悪と炎の複合タイプ

高い特攻とそこそこ高い攻撃・素早さと、典型的なほのおタイプ型の配分。
一方あくタイプらしく耐久はかなり低め。
さらに悪と炎の組み合わせは半減が少なく攻撃面でなかなか優秀。

あくタイプの特殊アタッカーという都合上ソーナンスも安定して狩ることができる。
今ではサザンドラ等の強力なライバルも増えたが、フェアリー技が等倍で済むのは大きな利点。

金銀当時はあく技は特殊依存だったので、最も高威力であく技を使いこなせるポケモンだった。
また、当時では珍しい「ソーラービーム」を覚えるほのおタイプでもあった。
…ただ耐久偏重のバランスだった金銀世代においてその低い耐久が響きいまいち力を発揮出来なかった。
一応ヘラクロスよりも速いこらきし使いだったがマイナー気味。
それがVC版環境では努力値振りの浸透によって耐久を活かしやすくなり(第二世代までは全ステータスに努力値を全振りすることが可能)、レベル55ねむねご型を中心にそこそこ使われるようになった。
元々ゲンガーとフーディンの主力技の内「サイコキネシス」「ほのおのパンチ」「かみなりパンチ」に耐性を持っている上に、「おいうち」で彼ら(彼女ら)に対して狩り漏らしをせずに済む。実機版当時から何だかんだ00カップ決勝大会にもエントリー実績があるため、ポテンシャル自体は当時から備わっていたと言える。


RSEFRLGではカイオーガキングドラといったみずタイプが無双していたため、他の炎同様なかなか厳しい立場であった。


DPtでは特殊・物理依存の仕様変更があったものの、「あくのはどう」の追加で火力は変わらず。
むしろ先制物理技の「ふいうち」習得により、高めの攻撃を活かせるようになった。
また、低耐久と相性がいい「きあいのタスキ」の追加も追い風。「カウンター」や「きしかいせい」を搭載しても使える。
苦手な水は減ったが、強力なドラゴンや格闘の追加でどっこいか。特にガブリアスゴウカザルが辛い。
DP期当時オフ勢の間でめざ氷万能論が唱えられ、ガブリアス対策としてめざ氷厳選した副産物のめざ氷親が多くのオフ勢のコミュニティ内で流通したため、めざ氷が滅茶苦茶流行した。

BWでは「ニトロチャージ」が追加された位で目立った強化は少ないが、新ポケであるシャンデラに極めて有利。
シャンデラの一致技の炎霊は勿論、サブも軒並み半減以下、相手がスカーフでも巻いていない限り先手もとれる。
また、シャンデラの弱点補完に組まれることが多いナットレイに対しても「ねっぷう」なり「だいもんじ」なり「オーバーヒート」なりで一瞬で消し炭に出来る。

悪・炎の複合タイプにより攻撃範囲はかなり広い。
サブウェポンとしては晴れの影響下や「クサZ」を持った状態なら水・地・岩の対策ができる「ソーラービーム」が有用。
弱点でこそないが、フェアリーに有効な「ヘドロばくだん」も選択肢に入る。
めざめるパワー」を使う場合は、仮想的やパーティ構成に応じて氷・格闘・電気・草等から選ぶと良い。
変化技としては「わるだくみ」等の積み技や「おにび」、晴れパ以外でなら「ソーラービーム」等の補助として「にほんばれ」という選択肢も有る。
また、晴れパでも天候が永続しない第六世代以降では緊急時の「にほんばれ」始動役にもなれる。

特性はメガシンカの有無に関わらず受け出しの機会を増やせる「もらいび」の採用率が圧倒的。
メガシンカすると特攻の上昇効果は消滅するが、それでもタイムラグがネックの「はやおき」や効果の発動機会が少ない「きんちょうかん」よりも評価は高い。

余談だが、ダークポケモンや地獄の使いと言われている癖に晴れ下で強かったり、第1特性が「はやおき」だったりと昼型の印象が強い。
下記のメガシンカ形態もよりその傾向が強まっている。


■メガヘルガー


メガシンカで 全身が 発熱。 激しい 炎の 息吹を 噴き出し 相手を 炭に 変える。

  • 種族値
HP:75
攻撃:90
防御:90
特攻:140
特防:90
素早さ:115
合計:600

サンパワー(天候が「ひざしがつよい」の時、毎ターンHPが1/8減るが、代わりに特攻が1.5倍になる)


第6世代ではメガシンカを習得。身体を覆う骨の模様がより禍々しくなった。
能力上昇は防御に+40・特攻に+30・特防に+10・素早さに+20。
何故か一番多く上昇値が振られたのは防御だが、耐久のあるあくタイプのアタッカーと言うのは意外と貴重。
素早さも115とあくタイプとしてもほのおタイプとしても相当高い数値まで跳ね上がった。

特性は「サンパワー」。ダークポケモンだよなコイツ…
この特性を持つポケモンでは最も特攻が高く、なおかつ最速。
太陽神リザードンを使っていた人ならば、どれだけ強力な特性かご存知だろう。
加えて第6世代は物理環境。特殊耐久はおなざりにされがちなのでこれが思いの外ぶっ刺さる。生半可な相手は地獄の業火で焼かれてしまうだろう。
欠点はあまり高いものではないHPが磨り減っていく事でせっかく大幅上昇した物理耐久が実質無意味になってしまう。
また天候特性も5ターンしか持たない為長く火力を確保できないのも難点。
同じ晴れパのメガシンカ枠では「ひでり」により自力で晴れ状態にでき、火力でも勝るメガリザードンYに出番を奪われてしまいがち。
その他の「ひでり」持ちであるキュウコンコータスはメガヘルガーの補助として使えるものの、同じほのおタイプなので岩・地面が一貫するのが難点。
また天候始動役と併用することで十中八九メガシンカ型だと当たりをつけられるため、襷やスカーフを警戒されず攻撃される点にも注意。
逆に敢えて組ませることでミスリードを誘う手もなくはないが。
「わるだくみ」を覚えるのでいっそ特性をかなぐり捨てて積みアタッカーにしてもいいかもしれない。

その特性の都合上、専用構築でその力を発揮する。
読まれやすいものの、一度決めてしまえば相手も簡単には止められなくなる。
さらにGSルールでは永続天候のゲンシグラードンがおり、ゲンシカイキ故にメガ枠を取らず、なおかつ物理・特殊で分けられる為好相性。
え、GSルールだと炎の通りが悪いだって?知らね。


■アニメでのヘルガー


バンギラスのようにハンターと言った悪役のポケモンとして登場することが多い。
一方でライバルキャラが使用することもあり、良くも悪くも実力のあるトレーナーが使っているイメージがある(オーキド博士のポケモン講座でもトレーナーの力量に左右されると解説が行われた)。

悪役としては劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇の冒頭でハンターがセレビィを追跡するのに使っていた。DP編で登場したデンジオーバが幼少期に戦った密猟者が所持。 XY編ではパキラ の切り札としてメガヘルガーが登場している。
ただし後者2人はのちに改心し、密猟者は足を洗ったのちナギサシティで喫茶店を経営しており、デンジとオーバの知己となっており、パキラはフレア団の事件解決に協力後に自首している。

悪役以外ではホウエン地方のハヅキが使用。
カビゴンの「はかいこうせん」を「カウンター」ではね返して破る。
続いてベイリーフと戦うも「つるのムチ」で口を塞がれる荒技に翻弄され、「のしかかり」をくらって倒された。

AG編ではキナギタウンのポケモンコーディネーター・トシキが所持。
ロケット団に捕まったピカチュウとユキワラシを助けるのに協力する。コンテストではシャドーボールとスピードスターのコンボで1次審査を通過するが、2次審査でハルカのエネコに敗れた。

とりわけ有名な個体としてアニメ初登場時の優しい性格のヘルガーが登場しており、お使い帰りにロケット団によってサトシ達からはぐれたカスミトゲピーの面倒を見ていた(ちなみにこの回はライコウの初登場回でもあったりする) 。


ポケットモンスターSPECIALでのヘルガー一族


こちらでも大概が悪役の手持ちとして登場。
まずは第3章にて仮面の男の手持ちとしてデルビルが、ロケット団幹部(カーツ)の手持ちとしてヘルガーが登場。
どちらも「ほえる」を用いてトレーナーの動きを封殺する戦術を得意とする。
仮面の男の手持ちの中では一段劣るものの中々の強敵であり、ジムリーダーすらそれを正面から打ち破ることはできなかった。

第9章ではロケット団幹部アポロの手持ちとして登場。だがやってることはチャクラの首を尻尾で絞めたり、プレートをシルバーに奪われたラムダの首を尻尾で絞めて制裁したりとやたら首締めが目立つ。バトルの出番は無いため全体的に地味。

この他にも、ギンガ団フレア団の科学者モミジ等がヘルガーを使って図鑑所有者たちに牙を剥いた。


しかし、ポケスペにおけるヘルガーの中で最も悪質と言えるのは、第4章でのマツブサのヘルガーであろう。
最終盤まで出番がないにもかかわらず、その所業は悪の組織のポケモンの中でも悪質さが際立ち、


と、アオギリのドククラゲ共々凄惨な最終決戦の構築に寄与した。
なお、ルビー・サファイアのホウエン図鑑にヘルガーは載っておらず、当然ゲームのマツブサもヘルガーは使わない。


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最終更新:2024年03月02日 20:43

*1 英名を見るにヘルハウンドも含まれているかもしれない