ダーク・シムルグ(遊戯王OCG)

登録日:2009/12/30(水) 00:23:03
更新日:2024/01/20 Sat 15:54:37
所要時間:約 6 分で読めます





ブラック・ローズ・ドラゴン「彼は死にましたよ。私が殺したのです。あの面倒な芳香剤と共にね……」


「それはどうかな?」


「!!」

強く!美しく!叫べ!!


風ッ!闇ッ!除外ッ!!


ダーク・シムルグ

効果モンスター
星7/闇属性/鳥獣族/攻2700/守1000
(1):自分の墓地から闇属性モンスター1体と風属性モンスター1体を除外して発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する場合、手札から闇属性モンスター1体と風属性モンスター1体を除外して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードの属性は「」としても扱う。
(4):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はカードをセットできない。

(以下、旧テキスト)
このカードの属性は「風」としても扱う。
自分の墓地の闇属性モンスター1体と風属性モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを手札から特殊召喚する。
手札の闇属性モンスター1体と風属性モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを自分の墓地から特殊召喚する。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手はフィールド上にカードをセットする事ができない。



Vジャンプ(2008年3月号)付属カードで登場した闇属性・鳥獣族の最上級モンスター。

大地の騎士を超える2700の攻撃力、手札あるいは墓地から自身を特殊召喚する起動効果、
自身を風属性として扱う効果と相手のセットを妨害する効果の2種類の永続効果を持つ。


風属性神鳥シムルグ闇属性の力を得た姿。通称「ダムルグ」。
「鳥の女王」とされる元ネタに恥じないふつくしさを持つ。黒くなっても神々しい。
また、召喚条件に要求される属性から、某仮面ライダー関連のネタを言われる事も少なくはない。

概要

一切の特殊召喚ができなかった神鳥シムルグとは異なり、召喚制限が無くなった。
加えて、手札又は墓地から特殊召喚する効果を持つ。
この効果はこの手の特殊召喚効果では珍しく、チェーンブロックを作る起動効果
つまり神の宣告ライオウでは無効化できず、逆に天罰では無効化される。
手札または墓地のカードを除外するのはコストで、効果を無効化されても払ったコストは戻らない。

ちなみに、手札からの特殊召喚効果の発動にハンデス効果で墓地送りにしたり、
墓地での効果発動時にD.D.クロウをチェーン発動して除外すれば不発になる。
特殊召喚モンスターではないのでもちろん通常召喚も可能である。

除外は帰還戦略と絡める事もできる。
またサイキック族と組み合わせればサイコパスで手札を瞬時に補える。
サイキック族はガスタ等数多くの風属性モンスターを擁する種族であり、
逆に闇属性のモンスターは数こそ少ないものの、その中には汎用性の高いチューナーモンスターであるクレボンスが存在している。

鳥獣族デッキとしても風属性のハーピィや闇属性のBFや墓地を肥やしつつメタにもなるD.D.クロウがいるので相性抜群。

フィールドで風属性になるのでハーピィ・レディ1の効果を受けることができる。
ハーピィ・クィーンは墓地を肥やしつつハーピィの狩場をサーチできる。ハーピィの狩場は鳥獣族の攻撃力を200上げる。
微々たる値だが、このカードの攻撃力が2800ラインを越えるのはありがたい。
自身の効果による特殊召喚以外にも、ヒステリック・パーティーで呼び出したハーピィをリリースしてアドバンス召喚する事もできる。

BFの強さも言わずもがな。
サポートカードのデルタ・クロウ-アンチ・リバースと併せて伏せカードを徹底的に抑え込むデッキも構築可能。

レベル7の鳥獣族なので忍者と忍法 変化の術を使ってデッキから特殊召喚する方法もある。
忍者モンスターには忍者義賊ゴエゴエや忍者マスターHANZOなど風属性や闇属性のものが多いため、起動効果で特殊召喚する事も難しくない。
女忍者ヤエの効果で相手のみ魔法・罠を手札に戻させつつ、風属性モンスターを墓地に送れる。
ただし、下記の暴風小僧と同じ理由でヤエちゃんの効果発動時にこのカード自身をコストにできない事は覚えておこう。


また、永続効果で風属性としても扱える効果も持つが、永続効果ゆえに場に出さないとは風属性としては扱われない。
よって、風属性のリリースを1体で賄う暴風小僧の効果をこのカードに使用する事はできないので注意。 

さらに、「風」として扱う効果ゆえA・O・J カタストルの破壊対象に引っかかってしまう。
このカードを使うデッキは闇属性も必然的に採用されるので反撃はしやすいが、このカード単体では太刀打ちできない。
同様の理由で御前試合の発動中はどの属性を選択しても真っ先に墓地に送られる。
超融合される際には、TORNADOとエスクリダオorミドラーシュとウェンディゴの好きな方を相手に融合召喚されてしまう事になる。

他のカードより多くの効果を受ける事ができるものの、それがすべてメリットとは限らないのである。


闇属性のモンスターである召喚僧サモンプリーストの効果によってレベル4の風属性チューナーを特殊召喚し、
シンクロ召喚を行う事でも特殊召喚の条件を満たす事ができる。

この方法で出せるレベル8のシンクロ先候補には、以下のカードが挙げられる。


上記の組み合わせ以外でも2種の属性を揃える手段は豊富にあるため、デッキ次第で無数の組み合わせが用意できる。
クリアウィング・シンクロ・ドラゴンなど他のレベルにも相性の良いカードは存在するため、自分のデッキに合ったものを採用していこう。

また、シンクロ召喚以外にも上記の組み合わせではランク4のエクシーズモンスターを呼び出しこのカードの召喚コストにできる。
デッキ構築を変える事で他のランクのエクシーズ召喚も可能なのは説明不要だろう。


時代の波も取り入れるとは……恐ろしい鳥……!



相手にあらゆる手段でカードをセットさせなくさせる永続効果は一見地味だが強力。

罠カードはあらかじめセットされたものを除き実質使用不可能になり、モンスターも通常召喚の際は表側攻撃表示で召喚するのみ。
カードのセットが基本戦術に含まれる【ゴーストリック】【アーティファクト】はこのカード一枚で手詰まりになってしまう事もある。
相手の月の書やマエストロークの効果はこのモンスターの前では発動さえできないため、低守備力という弱点をカバーできる。

また、魔封じの芳香と組み合わせる事で、相手は実質魔法・罠カードを両方発動できなくなる。
元々フィールドにあった魔法・罠カードは魔導戦士 ブレイカーサイクロンなどで破壊すれば良し。
さらにカウンター罠などの対策カードをセットしておけば、相手はもう何もできないだろう。
このように、構築次第では相手の戦術を大きく制限する事ができる強固なロックデッキに仕上げる事が可能。

ちなみにこの魔封じの芳香は長い間絶版カードだったが、DUEL TERMINALにて再録されている。
その後は再び絶版状態となったが、ダムルグ共々THE RARITY COLLECTIONに最新の第9期テキストで再録された。



このカードの登場時には、召喚のしやすさやデッキの幅広さ、制圧力、対応の難しさから多くの決闘者に注目された。
付録として同梱されたVジャンプもかなり早い時期に売り切れ、難民が続出した程である。

当時のカードプールではモグラ女戦士ならず者、賢者ケイローンぐらいしか上記のロックを崩せ、かつ汎用性のあるカードがなかった。

そしてそのどれもが制限カードだったりサーチが難しかったりと、対策としては過信できないものばかりだったのだ。
故にすぐ規制される、中には禁止になるだろうと言う決闘者もいたほどである。

【ダーク・シムルグ】は【ライトロード】【ダムドビート】などと共に今後の遊戯王OCGを導いていくエースデッキになると予想されていた。




だがそうならなかった。



どんなデッキにも入れられ、従来の上級モンスターを越える効果に、従来の上級モンスターよりも容易に出せる“シンクロモンスター”。
“彼ら”はそれを許さなかった。



氷結界の龍 ブリューナクには手札に戻され、
ゴヨウ・ガーディアンには殴り倒されたうえにコントロールを奪われ、
A・O・J カタストルには前述の通り葬られ、
ブラック・ローズ・ドラゴンには吹き飛ばされ、
ダーク・ダイブ・ボンバーには素通りされた。

“彼ら”の除去効果や高い攻撃性能の前では、自慢のロックもあっさり崩壊させられてしまう。
ゴヨウ・ガーディアン相手だと一方的に戦闘破壊されるだけでなくコントロールも奪われるため、逆にこちらがロックされてしまうのだ。
というか“彼ら”を始めとするモンスター効果全般が強すぎて「魔法・罠いらないんじゃね?」という考えが本格的に生まれた結果、
当時は大寒波が採用される程に、セットはおろかセットの必要がない魔法にすら頼らず戦うのが普通になってたため、
もはやその魔境にダムルグが活躍する余地は一切なかった...。
そうして圧倒的なカードパワーで立ちはだかる“彼ら”の前に、次第に決闘者たちのこのカードへの関心は消えていった。
時は流れ現在は「風属性と闇属性が主体となるデッキの切り札候補」といった評価に落ち着いている。


このカードの天敵であるゴヨウは後に禁止カードとなるが、安心はできない。
最近の環境は効果の優秀なモンスターや除去効果を持ったカードが爆発的に増えてきており、フィールドの維持が難しくなっている。
とはいえ今でもその構築の広さやカード封じの強さは変わらず、軽視して相手すると危険なモンスターである。
このカードのおかげで満足できなくなる事も。

その強さと美しさからこのカードに魅了される決闘者も多い。
上記の通りシンクロ召喚主体のデッキに組み込めるのは嬉しいところであり、その他組み合わせ次第で多彩なデッキに仕上げる事も可能である。
新たな風属性・闇属性モンスターが出てくる度に顧みられる、敗北する度に進化し続けるそんなカード。


追記・修正は風と闇を除外してからお願いします。

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最終更新:2024年01月20日 15:54
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