CATHERINE -キャサリン-

登録日:2011/02/21(月) 22:51:55
更新日:2024/03/17 Sun 14:30:57
所要時間:約 5 分で読めます




眠れば悪夢。
目醒めれば修羅場。


CATHERINE-キャサリン-』とは、2011年にアトラスから発売されたアクションアドベンチャーゲーム。
対応ハードはPS3Xbox360

2019年に追加キャラ・追加要素ありのリメイク『キャサリン・フルボディ』も発売された。
『フルボディ』の対応ハードはPS4PSVitaSwitch*1

+ 目次


【概要】


『浮気』をテーマにした異色のアドベンチャーゲーム。
登場人物は20~30代の男女が中心となっており、アダルティな雰囲気が特徴となっている。
キャスト陣もベテラン声優が名を連ねており、色気のある大人の演技を味わえる。

『ペルソナ』シリーズの開発チームが携わったことや同社初のHD対応ゲームということで注目されていた。
オシャレに振り切ったUIデザインなどに、ペルソナシリーズ譲りのセンスの良さが見られる。

エロティックなゲームと思われがちだが、CERO判定は意外にもC区分(15歳以上対象)。
いわゆる朝チュンなどドキッとするシーンもないでもないが、本作は決してエロをメインに打ち出しているわけではなく、色っぽい要素はアダルティな雰囲気を出すための小道具的な使い方・演出に留めている。
むしろエロ要素を期待すると肩透かしをくらう可能性があるので、“エロティックなムードを楽しむゲーム”程度に思っておくのが良いだろう。

詳細は後述するが、本作のアクションパートはパズルゲーム的な側面を持ち合わせておりかなり難易度が高く、発売当時はその難しさで話題になった。
『フルボディ』では難易度選択で“Safety”という選択肢が新たに増えており、パズルゲームが苦手なプレイヤーでもアクションパートで詰まることなく気軽にストーリーを追えるようになっている。
とはいえストーリーそのものは修羅場も多く、気軽な内容ではないが。


【あらすじ】


32歳の冴えない男・ヴィンセントは、長年付き合っている恋人のキャサリンから結婚を仄めかされるも、独身の自由さを愛するが故に返答に詰まっていた。
キャサリンと結婚すべきか、気楽な独身のままで居続けるべきか。
悩みに暮れる彼の前に、ある夜、一人の美女が現れる。
謎の美女と意気投合したヴィンセントは、夜遅くまで二人で酒を飲み、語らうのだった。

次の日、ベッドで目覚めてふと隣を見ると───裸ですやすやと眠る、昨日の美女の姿が。
ヴィンセントは、酒の勢いで彼女と肉体関係を持ってしまったことを察し、後悔する。

美女の名は───キャサリン

その日から、ヴィンセントは毎夜、不思議な夢を見るようになる。
羊と化した自分が何かから逃げるように箱の塔をよじ登る、妙に現実感のある夢。
同じ頃、『見ると死ぬ夢』の噂が街中で流行り出し、それを証明するかのように衰弱死していく男性が次々に発見されニュースとなる。
果たして、不思議な夢の正体とは? ヴィンセントは生き残れるのか?

そして何より───ヴィンセントは、どちらのキャサリンを選ぶのか?


【登場人物】


  • ヴィンセント・ブルックス
CV:山寺宏一
主人公。32歳のしがないSE。
真面目で優しいが、優柔不断でヘタレ。恋人のキャサリンから結婚を迫られているも、答えを決めかねている。

  • キャサリン/Catherine
CV:沢城みゆき
22歳、正体不明の美女。
金髪で扇情的な容姿をしており、少女のようなあどけなさを持ちながら若さに合わない垢抜けた感じも持っている。

  • キャサリン/Katherine
CV:三石琴乃
32歳、ヴィンセントの恋人。
彼とは高校生の時に同級生で、同窓会を機に付き合い始めた。
ある理由から真剣に結婚を考え始める。

  • リン
CV:平野綾
『フルボディ』の追加キャラにして「3人目のキャサリン」。
名前以外の記憶を失っており、何者かに追われていたところをヴィンセントに助けられた。
ピアノを弾けるがお世辞にも上手いとまでは言えない。
しかし、夢の世界ではこれが思わぬ形でヴィンセントたちを助けることに。

  • ジョニー
CV:子安武人
ヴィンセントの友人その1。
結婚は運命の相手とすると決めているロマンチスト。イケメン。

  • オーランド
CV:平田広明
ヴィンセントの友人その2。
ヴィンセントの同僚でもある。バツイチ。

  • トビー
CV:谷山紀章
ヴィンセントの友人その3。
ジョニーの同僚(後輩)で、青いツナギを着ている。
四人組の中では一番若い。エリカに惚れている。

  • エリカ
CV:皆川純子
バー『ストレイシープ』のウェイトレス。
ヴィンセントとは幼なじみ。耳年増。

  • マスター
CV:若本規夫
バー『ストレイシープ』のマスター。
名言をよく語っていて、エリカにはうざがられている。

  • 石田☆ルウ
CV:皆川純子
本作のストーリーテラー。
本編には一切関わらない……と思いきや、本作を隅々まで極めると驚愕の正体が判明する……?

その他、バーで出会う人々については以下の項目も参照のこと。
バーで出会う羊達(キャサリン)


【ゲームシステム】


アドベンチャーパートである現実世界と、アクションパートである夢の世界を往復してストーリーが進行する。

アドベンチャーパート

友人や恋人との会話を行うパート。
この時の内容で後の展開が変わることも。

昼は仕事中や休日に二股をなんとか隠そうとするヴィンセントが描かれ、彼を襲う様々な修羅場を味わえる。
時間帯が夜になると、バー『ストレイシープ』に友人らと集まり酒を飲みながら語らう場面へ。
友人らと意見を交わしたり、マスターや他の客と語り合いながら、人生について色々考えさせられることになる。

昼パートはほとんどムービーシーンで、彼女や友人との会話の中で選択肢を選べる程度だが、夜パートはプレイヤーがヴィンセントを操作可能で、バーの店内で自由に行動することができる。

バーを出るとヴィンセントは自宅に帰り、ベッドで就寝。
夢の世界へと入り込み、アクションパートへ移行する。


アクションパート

ヴィンセントが毎夜見る夢の世界の中で、プレイヤーは彼を操作して、無数のブロックが積まれた高い高い塔をひたすら登っていく。
塔の頂上にあるゴールまでたどり着けばステージクリア。

足元のブロックは次々に落下していくため、ゆっくり考えている時間はない。
ヴィンセントが落下しないよう、足場を見つけて素早く上へ登らなければならない……が、登りやすい足場が毎回用意されているわけではない。
プレイヤーは近くのブロックを押したり引いたりしながら足場を作り、上への道を自ら開拓していく必要があり、パズルゲーム的な要素が組み込まれている。

各ステージのギミックとして、様々な種類のブロックが用意されている。
  • 押したり引いたりするのに時間がかかる重いブロック
  • 上に乗ると砕けてしまうひび割れたブロック
  • 上に乗るとトゲが出て串刺しになる罠ブロック
  • つるつる滑る性質がある氷ブロック
等々。プレイヤーは各ブロックの特性も考慮して道を作る必要がある。

一夜ごとに2~3ステージほど用意されており、ステージの合間には休憩場所がある。
ここではヴィンセント以外にも同じ悪夢を見ている人々(羊)が集まっており、彼らに話しかけることで互いの事情を知れたり、塔攻略のための様々なテクニックが学べるなど情報収集を行うことができる。

なお、各夜の最終ステージではボスキャラクターが待ち構えており、下から迫るボスの攻撃を避けながらゴールを目指すこととなる。

各夜の最終ステージを見事クリアすれば無事に朝を迎えることができ、再びアドベンチャーパートへ。


難易度について

高難度のゲームに定評があるアトラスらしく、本作の難易度は鬼畜なものとなっている。
クリアできずに挫折してしまったプレイヤーも多かったようで、PS3版は発売から1ヶ月後に“難易度を緩和する追加パッチファイル”を公式が無料配布する事態に発展した。

なぜこんな難しくなったのかというと、本作は独特な仕様のパズルアクションである(=他のゲームの経験があまり活きない独自のゲーム性を持っている)にもかかわらず、開発スタッフが本作のゲームシステムに慣れすぎて感覚が麻痺してしまい、高難易度に疑問を持たなかったことが原因らしい。スタッフェ…
スタッフ曰く、本作は難易度イージーで普通のゲームのノーマルくらいと思ってもらえれば良いとのこと。

+ 以下、鬼畜難易度の一例
  • 「このステージはもう覚えたぜ!」→「あれ、さっきと配置が違う…」 あ べ し 
  • 「どっちからでも行けるか…ならこっちだ!」→行き止まり た わ ば 
  • ぶら下がり時の操作が狂うor昇る時に間違えて○ボタン(放す)を押す→Love is over… 
  • 「よし、ここを動かせばゴールに…あれ、ブロックが無い」→ア ト ラ ス の 罠
  • 「よし、ここを動かせばゴールに…あれ、ブロックが崩れ(ry」→遥か下で正しい手順を踏んでいないと箱がずれて落ちる

『フルボディ』においては新ステージ・新ギミックが追加された一方で難易度には更に緩和が入っており、難易度選択の際に「Safety」を選ぶと凄まじく優しくなるため、誰でもエンディングに到達できるようになった。
当時挫折した人もこれを機に再挑戦し、ヴィンセントの結末を見届けてみよう。


【余談】


  • 結婚と浮気に悩むヴィンセントを通して、『結婚とは何か?』『男女の関係とは何か?』をテーマにして問いかけているため、全体的に雰囲気がビターで重い。
    少なくとも少年少女がキャッキャウフフするような爽やかな恋愛模様とは一線を画している。
    • 『フルボディ』では時勢や価値観の変化に合わせてか、同性同士の恋愛について言及するシーンも追加された。

  • ペルソナ3ポータブル(2009年発売)において、ヴィンセントに似た人物が出演している。
    • 彼はキャサリンの内容を思わせる台詞を言うが、これは一種の予告であり、この人物がヴィンセントと同一人物というわけではない。
    • ヴィンセントと違い、この男には顔に黒子がある。

  • 本作のCMや、ゲーム内のナレーションとして使われている棒読みの声は機械音声『ショウ君』である。
    • テレ東の番組『モヤモヤさまぁ~ず2』でも使われているので、そちらで耳にしたことがある人も多いであろう。
    • ストレイシープでヴィンセントがお酒を注文する度に、ショウ君がお酒にまつわる蘊蓄を語ってくれるため、本作をプレイするとお酒にちょっと詳しくなれる。




【第1問】です。
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  凧            凧

 するべき        されないべき



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最終更新:2024年03月17日 14:30

*1 Switch版のみ、発売は2020年と1年遅い。