ゴヨウ・ガーディアン(遊戯王OCG)

登録日:2009/12/27(日) 09:07:34
更新日:2024/04/07 Sun 21:35:35
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集いし願いが、新たに輝く星となる。光さす道となれ!
シンクロ召喚!飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン

逆巻け、我が復讐の黒炎!
シンクロ召喚!来い、メンタルスフィア・デーモン!

集いし闇が、全てを飲み込む沼となる!
深き闇より現れろ、シンクロ召喚!
行け、ダーク・エンド・ドラゴン!

七星集い、現るるは時刻む双剣!その剣を抜き我が敵の光を断て!
顕現せよ!X-セイバー ウルベルム

世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!
シンクロ召喚!
愛と正義の使者、ダーク・ダイブ・ボンバー!


ハーイ!チャーン!
バブーン!
ニャーニャー!



「あ、ゴヨウしますね^ ^」(´・ω・`)




艱難辛苦のりこえて、見せてやろうか男意気!
シンクロ召喚!

出会え、ゴヨウ・ガーディアン!

ゴヨウ・ガーディアン/Goyo Guardian
シンクロ・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/ATK 2800/DEF 2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
そのモンスターを自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する事ができる。


●目次

【概要】

第6期最初のパックである「THE DUELIST GENESIS」で登場した星6・地属性・戦士族のシンクロモンスター。
5D'sの劇中では禁止カード扱いであり、セキュリティの人間のみが使用できるという設定がある。
通称は赤き権力。

モチーフは江戸時代の岡っ引きであり、縄の付いた十手を持っている。
歌舞伎役者のような姿をしており、顔の隈どりが特徴だが、岡っ引きとは直接関係ないような気がする。


【解説】

何といっても、星6で攻撃力2800という規格外の高いステータスを持つ。
このレベルの代表格であるは2400、通常モンスターまで見ても上限値は《フロストザウルス》の2600、同レベルシンクロモンスターで効果がないガイアナイトでさえ2600と考えると恐ろしい。
星6のシンクロモンスターでは今でも最大の攻撃力を誇る。
これにより発生したガイアナイトさんの不遇問題は置いておくとしても明らかにバランスブレイカーであり、当時のコナミは何故こいつをデメリットなしの2800なんて攻撃力に設定してしまったのだろうか・・・・・・

だが、真に恐るべきは、戦闘破壊したモンスターを墓地から自分のフィールドへ特殊召喚する効果である。
これは先ほどの高い攻撃力と非常に噛み合っており、かなり広い範囲のモンスターを射程内に収めている。
つまり、攻守2800未満の弱小モンスターはいつ奪われてもおかしくないのである。…って2800未満って範囲広すぎだろ!

下級や上級は言わずもがな、
ブラック・マジシャン」「真紅眼の黒竜」「スタダ」など、最上級であってもこのラインに届かないモンスターは多い。

同系統のモンスターと比べ攻撃力・召喚しやすさから多くのモンスターを戦闘破壊&奪取可能
しかも、攻撃力を上げるなり相手のを下げるなりすれば攻守2800以上のモンスターを奪うことも可能。
当時は戦闘補助からシンクロ召喚の妨害まで幅広い用途で使え、大流行していた《月の書》(制限カードではあったが)や、他には《エネミーコントローラー》*1を使用し守備表示にすれば殴り倒せていた。
例えば《青眼の白龍》や《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の様に、攻撃力2800以上であっても守備力も2800以上のモンスターはそう多くはない。
ゴヨウを倒せる打点をもつモンスターですら時として寝返ってしまうのだからたまったものではない。

寝取られたモンスターが守備表示なのでまだ安心とか言っとる場合じゃない。
メインフェイズ2で効果を使われるなり、次のターンには攻撃表示に変更するなりして、元の持ち主に牙を向けるのである。

ちなみに、全く同じ効果を持つモンスターに「ジャッカルの霊騎士」がいるのだが、
そちらは星5の上級モンスターで攻撃力は1700
いささか自重しすぎな感はあるが、本来コントロール奪取はこれくらいの性能だったのである。
しかもあちらはデッキから引いた上で場に出すためにリリース要員などを用意しないといけない上級モンスター。
それに対しゴヨウはチューナーと非チューナーの下級2体を並べれば、状況に応じていつでも出せるシンクロモンスターなので使いやすさにも雲泥の差がある。


星6のシンクロモンスターでは青きバウンス「氷結界の龍 ブリューナク」と並ぶ必須カードだった。
攻撃力2800未満ならばゴヨウで奪い、それ以上なら「ブリューナク」でバウンスすればよい。
ヘルメット被った猫」や「ゾンビキャリア」の存在もあってかなり簡単にシンクロできた。
このブリューナクとのコンビも厄介で、「戦闘を介する効果なら「ミラーフォース」「次元幽閉」辺りで除去れば大丈夫」などと油断していると、先にブリューナクが露払い*2を行い後からゴヨウが登場、なんて事も珍しくはない光景だった。


その出しやすさと2800という高い攻撃力、モンスター奪取の効果により遊戯王OCGの環境を激変させた。
2800未満のモンスターを撃破できるだけでなく、そのモンスターを丸ごと逆利用できるのだ。
例えば「ダーク・クリエイター」を奪えばDEF3000の壁となるだけでなく、強力な蘇生効果も利用できる。

このモンスターの登場により、特に「相手にのみ」何かするカードの扱いには要注意となった。
その権力の前にゴヨウされ、環境から消えたり力を抑えられたりしたモンスターは数知れず。
相手のみカードのセットを封じる「ダーク・シムルグ」を奪われると特に悲惨な目に遭うため、
シンクロ環境当時は採用率は激減していた。
かの「DDB」を使う際、シンクロしたターンに決着をつけることを要求されたのは死者蘇生よりもこのカードの存在が大きいだろう。
強いて言うなら「冥府の使者ゴーズ」から特殊召喚される「カイエントークン」ならば攻守共に2800となるため、小さくないダメージと引き換えにではあるが一応単体で対抗策となりえた(勿論返しのターンでゴヨウを処理できなければゴーズがゴヨウされるが)。

しかも、一旦墓地を経由し、特殊召喚するのは隠れた利点でもある。
なんと、「ダークエンド」はステータスが全快するし、「ガイザレス」の特殊召喚時の除去効果もしっかり発動する。

さらにはリリース制限等も無いので、毒にも薬にもならないような下級を奪った場合もメイン2にシンクロ素材なりアドバンス召喚なりで利用できる。
まさに至れりつくせりのモンスターだった。


環境を一変させるほどの攻撃力から、現役時代のエクストラデッキ投入率はほぼ100%で、複数枚採用が一般化していた。
「轟龍」や「ゴギガ・ガガギゴ」などATK2800以上のモンスターはそれだけで一定の評価が得られるほど。

またステータスとは別に、ゴヨウで戦闘破壊されるATK2800未満のモンスターであっても墓地から特殊召喚できない方が評価が高いという風潮まで生み出していた。
そのため、蘇生できない属性融合が重視される場合もあった。
「アニメでは融合HEROが蘇生できてたのに…」悔しがっていた決闘者もこの時だけはこの違いに感謝していただろう。
特にこのカードが登場した環境では「死者蘇生」が制限カードに復帰していたため、メタとしても活躍していた。
攻撃力2800のモンスターは数あれど、明確にこのラインを築いたのは間違いなくゴヨウ。

かわいいモンスターたちが権力に屈し、寝取られる姿は笑いが止まらねえ。
ブラック・マジシャン・ガール」も「霊使い」も「ピケル」&「クラン」も「ダルク」もその他お前らの嫁も皆ゴヨウの強さにメロメロである。

……ガイアナイトさんが泣いている……


【規制、そして……】

ブリューナク」と共に初めてシンクロモンスターとして09/03/01にて制限カードに指定される。
エクストラデッキから出てくるのであまり影響はなかったのだが、とりあえず目先の1体を潰せばそれ以上は出されないので安心感があった。

その後も、レベル6のシンクロモンスターの鉄板として多くのデッキで採用されていたのだが、
遊戯王ZEXALへの移行の直前、2011年3月に 禁止カード となった。
シンクロ召喚をパワーダウンさせ、エクシーズ召喚を流行らせる下地を作るという意味合いもあるのだろう。
散々他のモンスターをゴヨウしてきたこいつだったが、まさかゴヨウされる側になるとは思わなかったはず。


なお、これほどの能力を持ち合わせておきながら値段は安く、スターダストの半分以下もザラだった。
ジャックのように予め収録されていたわけではないが再録が早く、デュエルターミナルやアクセラレーションガイド(デュエルターミナルの攻略本のようなもの)で再録されていた。
特に後者は漫画よりは高いとはいえ、買えば確実に手に入るため財布に優しかった。

おそらくは子供受けするようなヒロイックなイラストではなかったためでもあったからだろう。



ただこのカードのおかげで攻撃力は低くとも効果が鬼畜なモンスターの繁栄を防止していたのではという意見もある。
また、後々ブリュも禁止されてしまい、星6シンクロで強気に出して行けるシンクロが無くなってしまったのを嘆く人も多い。
もっとも今ならビヒーマスとかヴァルカンがあるけど。

今後は復帰の動向が気になる所だろう。

「なんてこと言うと思ったか!お前はまだまだだ!!」
















【その後……】


なんとついに 無制限に 復帰しました。 海外で だけど。

これには海外と日本では禁止・制限カードの内容が大幅に異なるという事情がある。

まず、「羽根帚」と「大嵐」がどちらも禁止カードのため、出しても罠で除去されやすい。
また、シンクロデッキの切り札である「トリシューラ」、相手のモンスターを奪える「死者蘇生」も禁止カードのため、シンクロデッキの強化の一環という見方もある。

一方で、あの「ブラック・ホール」が準制限「サンボル」が制限のため、ゴヨウできても返しのターンで全滅する危険性も大きい。

要するに、日本とはまるで環境が異なるのだ。
あれ、日本よりも魔境じゃね?



そして…



長い投獄の果てに、ついにゴヨウも帰ってきた。
2017年1月を以てついに日本でも制限復帰。「召喚制限-エクストラ・ネット」で一緒に捕まったサウサクに続いてシャバに戻ってきた。
当然だがエラッタはされている。その内容はというと、

ゴヨウ・ガーディアン/Goyo Guardian
シンクロ・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/ATK 2800/DEF 2000
地属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに守備表示で特殊召喚する。

チューナーに地属性縛りがついた以外は変化なし。
そりゃ、前例を見るにステータスには手を加えられないので至極当然だが、これで2800のゴヨウラインが帰ってきたことになる。

ただ、チューナーが地属性限定になったことで、以前のようにどんなデッキでも入れられる汎用シンクロではなくなっている。
地属性のチューナーを擁する「ナチュル」「X-セイバー」「スクラップ」ならば自然に採用できるだろう。
レベル5の特殊召喚が容易なデッキならば、「バルブ」を使えば出しやすい。

依然として出せれば強力なモンスターではあるが、やはり現役の頃と比べると環境の変化は大きい。
素材がないと全力が出せないエクシーズや、墓地に行かないのでゴヨウできないペンデュラムを使うデッキも多く、あまり役に立たない場面もしばしば。
また、フリーチェーンの除去、耐性、カウンター効果を持つなど、ゴヨウに負けないくらいの凶悪なモンスターも増えている。
そもそもが「戦闘を介する時点で遅い」と言われる魔境であるし。
そのような凶悪な新顔が幅を利かせる現在では、かつてのような暴走ぶりが発揮できるかは怪しいところ。

実際、新マスタールールの施行と、守備表示にならない=ゴヨウできないリンクモンスターの登場に伴い、相対的な評価はさらに低下。
2017年4月には準制限、7月にはついに無制限に緩和されている。
2020年4月に前者は解消されたが、後者が相変わらずひっかかる。


【アニメでの活躍】

5D'sにおいて

初登場は遊戯王5D's第三話の牛尾哲VS不動遊星(二戦目)で牛尾さんが使用。
セキュリティより新たに支給されたデッキのエースとして使用。
(第一話の「モンタージュ・ドラゴン」や「手錠龍(ワッパー・ドラゴン)」が入ったデッキも支給品だが、内容が異なるようだ)

その高い攻撃力で遊星の「ジャンク・ウォリアー」をゴヨウするも、「ニトロ・ウォリアー」に吹っ飛ばされる。
ちなみに、この時はステータスはOCGと同じだが効果は少し異なる。

戦闘する必要があるのは一緒だが
  • 墓地に送る必要がないので除外デッキ相手でも効果発動する
  • 特殊召喚できないモンスターも奪える
  • 特殊召喚時に発動する効果を使用できない
  • コントロール奪取耐性のあるモンスターには効かない
という違いがある。

牛尾VS遊星(三戦目)でも登場し

むふふふ!!ビリビリ来るぜ!シンクロ召喚!!ゴヨウ・ガーディアン!!
ゴヨウ・ガーディアンでヒール・ウェーバーを攻撃!ゴヨウ・ラリアット!!
ゴヨウ・ガーディアンのモンスター効果。
戦闘破壊を無効にすることで、そのモンスターを自分のフィールドに守備表示で持ってこれる!
ウェルカ~~ム、ヒール・ウェーバーちゃ~~ん!!
ヒール・ウェーバーのモンスター効果!
ひゃは~~~!!よみがえるよみがえる~~!!

と、やたらハイテンションな様子で使用されていた。
だが、結局は絆☆パワーを得た「ターボ・ウォリアー」に破壊された。
その後も、牛尾のデュエルで登場するが噛ませになっている。
現実では恐ろしく強力なモンスターがアニメだとやられ役になるというのはよくある現象である。

また、ゴーストの機皇帝には逆ゴヨウされたまま敗北し、牛尾さんVS十六夜アキでは遂にデッキが変わっていて登場せず…とどうもアニメでの活躍はイマイチ。

元々牛尾さんのデッキではないからなのか、残念ながらシンクロ前口上はなかった。
攻撃名は「ゴヨウ・ラリアット」
「ラリアット」とはプロレス技として有名だが、本来は投げ縄のことである。


・アニメARC-V

ここではセキュリティがシンクロ次元編にて再登場。
なんと今作では「ゴヨウ」がテーマ化されており、他のゴヨウシンクロや、「ゴヨウ」の融合モンスターまで登場する。
ガーディアン本人もセキュリティの使用カードとして健在な姿を見せており、まさかの決闘者自体をリアル御用していた。
ただしこの頃はOCGにおいてエラッタ前で禁止カードであったためデュエルでの登場はなく、もっぱらリアル御用専門であった。
ゴヨウ2体がかりでようやく御用される人も大概アレだったが。

そして、ゴヨウの後輩たちも結構アレである。(チェイサーはそこまででもないが)


【ゲームにおいて】

DUEL TERMINALで牛尾さんが使用。
手錠龍とこのカードをスキャンすることで「ゴヨウ・チェイサーズ」が使用可能。
書籍付属のゴヨウをスキャンし、スピードデュエルでゴヨウ・ガーディアンをシンクロ召喚すると「御用」の文字が登場。

TAG FORCE4では牛尾さんだけでなくほとんどのセキュリティ隊員のエクストラデッキにこのカードが入っている。
アニメでセキュリティが制限カードを枚数制限なく自由に使える描写があったためか、
制限カードであるにもかかわらず複数積み、中には三積みしている者もいるので注意。
もしかしたらアニメではこのカードも初登場時から使用制限があったのかもしれない

TAG FORCE3の三沢大地さんもやったのでここが初めてというわけではない。

遊戯王デュエルリンクスでは牛尾さんのエースカードとして召喚ムービー付きで登場。夜のハイウェイを駆け抜ける姿がイカす。
入手方法が限られているため、基本的にはスキルでガーディアンをデッキに入れられる牛尾さんを使う事になる。
「セキュリティにしか使えない」という設定の再現なのだろう。


深黒の落とし穴という罠カードでは、ゴヨウ・ガーディアンが嵌まって暗闇に落ちている。禁止行きを表したのだろうか?



ウェルカ~~ム、
追記・修正ちゃ~~ん
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ひゃはー!!
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最終更新:2024年04月07日 21:35

*1 さすがに月の書より汎用性・採用率は劣るが、シンクロ環境下においてコストにしやすいモンスターも増えてきたためコントロール奪取効果も目論んで採用率はそれなりに上がっていた

*2 当時の起動効果のルールにより、シンクロ召喚自体を無効にしないとブリューナクの効果発動はできてしまう