阪急電車(小説)

登録日:2011/04/07(木) 06:37:21
更新日:2022/11/28 Mon 20:30:20
所要時間:約 4 分で読めます





片道わずか15分。
そのとき、物語が動き出す。



阪急電車は幻冬社より刊行された有川浩著作の小説。

実在する路線である阪急今津線を舞台に電車に乗り合わせた乗客達の触れ合いを描いたヒューマンストーリー。

小説誌「パピルス」にて連載された一話完結型の連作ショートストーリーになっている。
阪急今津線の各駅にスポットを当てた往復合わせて全16話構成で一話完結ではあるが、
各話は往復それぞれで連続した話になっていて駅毎に登場人物が順次入れ代わる。


〇各駅での登場人物とストーリー

●宝塚駅
  • 征史
読書好きの会社員。図書館に通うために今津線を使用している。
  • ユキ
征史が通う図書館で征史の借りたい本をよく先取りする女性。

たまたま電車で一緒になった征史とユキが電車から見える中洲に造られた〔生〕の字をきっかけに距離を縮めるお話。

●宝塚南口駅
  • 翔子
婚約した恋人を同僚の友人にNTRれた女性。登場回数が多く主人公的な立ち位置。

彼女が元恋人とそれを奪った女に呪いをかけた帰りの少し悲しいお話。

●逆瀬川駅
  • 時江
非常に肝のすわったしっかり者のおばあちゃん。孫の面倒を見るために電車に乗り翔子と出会う。
  • 亜美
時江の孫の幼女。電車で出会った翔子の格好を見て悪気無く傷つけてしまう。

南口駅から引き続き翔子が登場し彼女が呪いの討ち入りについて語るお話。

この辺りから各登場人物が関係性を強めていく。

●小林駅
逆瀬川で時江の勧めで電車を降りた翔子が登場。

彼女が人の暖かさや心意気に触れ、自身の気持ちを解きほぐしけじめをつける事を考えるお話。

●仁川駅
  • ミサ
彼氏と一緒に電車に乗り翔子の格好を見て彼氏と喧嘩になってしまう。登場回数が多く翔子と同じく主人公的立ち位置。
  • カツヤ
ミサの彼氏。短気で気に入らないことがあると場所も弁えずに怒鳴り散らす。

カツヤがミサに怒鳴り散らす所を目の当たりにした時江がミサに忠告しミサがカツヤと別れる事を考えるお話。

●甲東園駅
  • 悦子
年上の彼氏と付き合っている女子高生。電車内で彼氏のアホっぷりを暴露する。

仁川に引き続きミサが登場。
悦子が披露する彼氏のアホ話を聞き、その幸せそうな様子を見てカツヤと別れる事を決意するお話。

●門戸厄神駅
  • 圭一
パンク系ファッションを好む軍オタ大学生。
  • 美帆
圭一が乗っていた電車に乗車してきた圭一と同じ大学の女子大生。

恋愛経験の無い二人の出会いのお話。青春してます。今作の糖分担当。

●西宮北口駅
とりあえずの終着駅ということで今までの登場人物がざっと出てくるまとめ的なお話。

此処までが往路で一日のストーリーとして描かれている。
「パピルス」に連載されたのはこの往路までで以下の復路は単行本書き下ろし。

〇復路のストーリー
往路のストーリーから半年程経った頃のストーリーになっている。
※復路なので駅は往路とは真逆に描かれている。

●西宮北口駅
ミサと翔子が登場するが主にミサについて描かれる。

常識知らずな行動をするおばさん軍団に出会い、過去の自分を思い出す。そしてカツヤとの別れが語られる。
新しい恋を見つけ再出発するミサのお話。

●門戸厄神駅
  • 伊藤康江
常識知らずなおばさん軍団の一員。だが本人はあまり一緒に居たくないと思っている。
ミサと康江の触れ合いについて描かれる。
気が弱く流されて付き合っていた康江がミサと会話し自身の考えを変えるお話。

●甲東園駅
悦子が登場。自身の進路と彼氏との関係にやきもきするお話。青春です。

●仁川駅
圭一と美帆が登場。
二人の初々しいバカップルの様子が描かれている。やっぱり青春してます。一番の糖分補給ポイント。

●小林駅
翔子とミサが登場。此処は翔子がメインのお話。彼女の討ち入りが終わった後の生活が描かれている。
  • ××さん
クラスメイトから嫌がらせを受ける小学生の女の子。嫌がらせを理解し気丈に振る舞う。

翔子が初々しいバカップルや小さな強い女の子を見て新しい生活に弾みをつけるお話。

ミサと翔子二人の主人公が合流し人生の機微をお互いに味わうお話でもある。

●逆瀬川駅
時江と亜美、征史とユキそして常識知らずなおばさん軍団が再登場。

おばさん軍団が時江にこてんぱんにされるお話。ばあちゃんは強し。

●宝塚南口駅
征史とユキが登場。青春した結果付き合い始めた二人の様子が描かれる。

大人の青春と作者の地元愛が見られるお話。

●宝塚駅
征史とユキが引き続き登場。

冒頭の〔生〕の字について語られるお話。
ちなみにこの〔生〕の字のオブジェは実在する物だったりする。


電車は人数分の人生を乗せて、
どこまでもは続かない線路を走っていく

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最終更新:2022年11月28日 20:30