ジョジョの奇妙な冒険(格闘ゲーム)

登録日:2012/01/03(火) 16:20:42
更新日:2024/01/18 Thu 22:57:26
所要時間:約 10 分で読めます




目次

●概要

格闘ゲーム版ジョジョの奇妙な冒険とは、1998年にカプコンより発売された、
ジョジョ第三部「スターダストクルセイダーズ」を題材としたアーケード用格闘ゲーム。
翌99年9月にアッパーバージョンの『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産』を発売。
同年10月にPS版、11月にDC版が発売され、2012年8月にPS3/Xbox360向けにチューニングした『未来への遺産HDver』がDL販売された。

基本的なシステムは『ヴァンパイア』等を踏襲しているが、最大の特徴が原作でもおなじみのスタンドモード。
スタンドモード時は技性能が変化し、スタンドラッシュ(チェーンコンボ)等も可能。
逆に本体時の一部動作が使用不可能になるというデメリットもある。
また、ガード時はライフの代わりにスタンドゲージが消耗される。
このゲージはスタンドモード発動時に被弾することによっても減少し、
ゼロになると石仮面が割れる演出と共にスタンドが解除され、所謂ガードクラッシュ状態になる。

また、花京院典明や呪いのデ一ボなど一部キャラのみスタンドの遠隔操作が可能で、本体から離れて戦うことも可能。
ただしこの間に本体が被弾するとダメージが増加してしまう。

また、タンデムアタックという特殊技もある。
これはタンデム発動時にコマンドを先行入力しておき、スタンドと共に攻撃するものか、
スタンドゲージが尽きるまでラッシュの二種。

こうした性質から、全体的にスタンドモードを持たないキャラクターは不利な傾向にある。
しかし元々ジョジョラーが多いカプコン製作だけあり、格ゲーながら原作再現性が非常に高く、
現在でもジョジョゲーといえばコレという人が多い。

演出面もカプコンのジョジョ好きっぷりが遺憾なく発揮されており、
超必殺技でKOした際にはKOされた側の顔カットインが入るという演出があるのだが、これは殆どが原作で大きなダメージを負ったシーンが元。
承太郎やジョセフはDIOからナイフ投げを受けたシーン。アヴドゥルはホル・ホースに頭を撃たれたシーンと言った具合。
なお原作で1コマも顔の出ていないミドラーは山岸由花子をベースに描かれている。
各キャラのストーリーはそのキャラにとってのグッドエンドとなる展開が多く、
例を上げるならアヴドゥルやイギーもプレイヤーキャラならヴァニラ・アイス戦で死亡することはない。
花京院は結局死亡するけど
逆に悪役側はジョースター一行の始末に成功するので原作視点では間違いなくバッドエンドである。

●移植・アッパーバージョン

◆未来への遺産

プレイアブルキャラクターを追加した調整版。ボイスの新録や新技の追加もあり。
…ってあの鳥ホントに調整したのかよ。
DCにチャレンジモードを追加して移植されたが、PS版で好評だったスーパーストーリーモードが無いのが惜しまれる。
初期版も同時収録。ロードも短くプレイ自体は非常に快適。

◆PS版

初期版をベースに未来への遺産のキャラクターの追加がされたが、
元がCPSIII基板なのでPS版では演出関係はかなり劣化している。特に解り易いのはスタンドの色数。
追加技が無かったり、コンボが仕様上一部変わったりしている。
その代わり、物語は端折ってるが様々なミニゲームを盛り込み、ボリューム豊富なスーパーストーリーモード等が追加がされた。
初期版・未来への遺産で登場しないキャラクターはこちらで補完されている。家出少女まで出る。

◆HD ver.

アーケード版「未来への遺産」の移植。したがってスーパーストーリーモードはやっぱり消失している。
余談だが、PS3版のサイトには「スーパーストーリーモードを楽しめるPS版もオススメ!」と本当に書かれている。今更どうやって買えというんだ。
キャラの防御力を均一にするというかなり強引なバランス調整が行われており、
その結果あの鳥が人並の防御力を備えもはや無敵となっている。無敵のペット・ショップで何とかしてくださいよぉー!


●プレイアブルキャラクター

空条承太郎
声がドラマCDと同じ梁田清之
主役ながら波動昇竜キャラではない。(飛び道具代わりにスタプラを突進させるスタンドオフでのマッハオラはある。)
崩し辛い部分はあるが判定は強力で逆に牽制を潰せてしまい、
火力が全体的に強力な上に必殺技のスターフィンガー(流星星刺)で引き寄せて揺さぶらせたり、原作さながらの爆発力で大暴れできる。
時止めは第四部以降表記の「スタープラチナ・ザ・ワールド」。DIOの時止めよりゲージ消耗が早い。なお使えるカラーの中には4部っぽい白コートもある。

ジョセフ・ジョースター
陰者の紫と波紋を使った当身技やコマンド投げ持ち。策士らしいトリッキータイプ。
刺し込むまでが辛いが、刺さればそこから一気にコンボを決められる。
リードされると辛い要素が多目なのは要注意。
ゲージは波紋疾走よりリサリサに振ったほうがいい。性能的にもコマンド難易度的にも…。
アレッシーのスタンド攻撃を受けたという設定で誇り高き血統ジョセフ(第二部版)もあるが、
スタンドモードが無い為全体的に不利。防御面の不安も相変わらず。っつーかお前赤石どこから持ってきた。
2部ジョセフはファンサービス的に出演したためか原作再現が凝っており、
警官やナチスに使ったコーラの栓を飛ばす技、ワムウに使ったアメリカンクラッカーや鉄球ボウガンが使用可能。
この鉄球ボウガン(アイアンボーガン)は強ボタンで入力すると
「後ろに発射した弾が背景を通って、敵の後ろから時間差で飛んでくる」というコロッセオ戦を再現した動きとなる。
また自分自身とイギーを除いたジョースター一行を相手に挑発すると相手の言いたい事を先に言う十八番をやってくれるのだが、
セリフが「おまえの次のセリフは~」ではなく「次にお前は~」になっている。これはゲーム中のテンポを優先したためだろう。
なお、このゲームでジョセフのじじいを演じた大川透は後のテレビアニメ版ジョジョシリーズでナレーションを担当することになりましたとさ。ジャンジャン!

残念ながらDIOやヴァニラ・アイスに波紋技を当てても特別な演出があったりはしない。
とはいえ自身のストーリーモードのエンディングではDIOへのトドメを波紋で行う上に、
相手の言いたい事を先に言うあのシーンをDIO相手に行うという原作ファンには粋な真似をしてくれる。
なお全キャラで2名のジョセフだけがレバー後ろ2回入力がステップではなく、押しっぱなしで移動距離を変化させられるようになっている。逃げるんだよォ!

花京院典明
やたら長いリーチに高性能対空のレバー入れ攻撃等、非常に牽制技が優れている。結界絡みコンボも強烈。ダイヤ2位。
ただし覚えることが多く、使いこなすのは大変。
性能微調整された「恐怖を乗り越えた花京院」が後に追加されたが、恐怖を乗り越えたくせに弱体化した。
ちなみにEDでは両バージョン共に死ぬ。あァァァんまりだァァアァ!
恐怖を乗り越えた方は原作通りの流れでDIOに殺されてしまい、通常版はDIOを倒せるのだが帰りの飛行機で死んでしまう。
(DIOにとどめを刺すシーンでエメラルドスプラッシュを撃ってる最中にDIOの投げたナイフが花京院に命中している。)
死亡フラグは回避できなかったようだ。

ジャン=ピエール・ポルナレフ
崩し・牽制共に強いがスパコンのクセがやや強い。切り返しと削り用と割り切った方がいいか。起き攻めが弱いのも難点。
未来への遺産ではまさかのレクイエム化が追加。「未来で会おう!イタリアで…」という5部を意識させる勝ちセリフも追加された。
(無印稼働当初は5部が連載中だった。)便所の災難は無し。
必殺技のコマンドが↓ため↑や←ため→なのは怨敵のJ・ガイルに絡めたネタであると同時に、
原作のスピードを再現しつつ格ゲーとしてのバランスを取るためだとされている。

モハメド・アヴドゥル
こっちが波動昇竜担当。必殺技が飛び道具2種類・無敵対空・打撃投げと戦う距離を選ばない。
スタンドモード時の攻撃判定が強力かつ火力も上々。どちらかというと防戦向けでカツカツ攻めるタイプ。
上級者クラスなら遠距離から一方的に攻められる。アンクアヴは喧嘩の元なので止めましょう。鳥以外は。
エンディングは今後の運勢を占うべく2枚のタロットカードから1つをプレイヤーが選ぶというものなのだが、
2分の1の確率で世界のタロットを引いてしまい、何故か生きていたDIOが背後に居るというなかなかにゾッとする代物。

イギー
スタンド発動前と後で当たり判定の差が凄まじい。(愚者がデカイので)
全体的に高火力で、ラッシュから繋げられるコンボは強烈。

呪いのデーボ
スタンドが遠隔操作型という関係上、スタンドモード時はぶっぱスパコン→乙なことも…。
逆に本体時は人形を一時的に動かしてタンデム無しでも挟撃が可能だったりする。
全体的にヒット数は多目。スタンドクラッシュにでもどうぞ。
未来への遺産では全体的に隙が少なくなった。人形と本体を同時に動かす格ゲーキャラの元祖と言われている。
またCPU操作の際はラウンドを取られるまでは、ほとんど攻撃せずスタンドモードにすらならない。
が、ラウンドを取られると急に攻撃的になってスタンドも使ってくるという原作を思わせる動きをしてくる。

チャカ
原作同様、相手の技を当て身で取ることで三回まで「覚える」ことができる。
覚えた後、同じ技をガードすると頭上にアヌビス神のイメージが出現。この間に技を出すとガード硬直をキャンセルして反撃することが可能。
手数は多く、本体モード時の機動力はかなりのもので意外にスピーディーに動くことができるが、
得物持ちの割に火力が低いのと、意外にリーチのある技が少ないのが難点。

ミドラー
原作では本体は承太郎に敗れた後で2ページ程度出てくるのみだった。
本作のために荒木自身によってリデザインされたが、服装は原作と全然違ったジプシー風のグンバツの美女になっている。後にこの格好でフィギュア化された。
火力単価は高いが攻防双方の性能にやや難があり、相手の行動を先読みして潰していくタイプ。
彼女のエンディングはDIOに血を捧げるというもの。一見バッドエンドだが本人には本望なのだろう。

アレッシー
原作同様、セト神で相手を子供化させてボコる(この時に限りが使用可能)のが基本。しかし未来への遺産で子供化時間が短縮されてしまった。
スタンドモード時のラッシュは無いが、どの距離でも比較的対応力が高い。
座高が低い為、一部の攻撃をしゃがみだけで避けれたりする。
ちなみに子供化は某ブリス並に小ネタが多い。

DIO
ボスキャラクターのクセに意外と性能が低めだったが、未来への遺産で上方修正された。ついでにズキュンする技も追加。
崩しが弱く、受けに回るとかなり不利な要素が多いのが難点。DIO様らしく主導権を握って押し切ってしまいたいところ。

邪悪の化身ディオ!(影で顔が隠れている貴様見ているな版)は比較的使い易いが、スタンドモードが無い為上位陣には通用し辛い。
一方、時止めは2ゲージから使用可能。(承太郎・DIOは3ゲージから)
ドラマCDの影響を受けてるのか、第三部で使用しなかった空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)がどちらも実装されている。気化冷凍法?知らんがな。

承太郎もそうだが、時止めの演出はOVAを意識したものだと思われる。

●未来への遺産・PS版の追加キャラクター

ホル・ホース
一人STG野郎1。かつては強キャラだったが現在は対策研究が進んで下の方。
必殺技でのハングドマン絡みのコンボが強力かつ生命線だが、上手い人にはまず刺さらない。またスタンドモードが無いのも痛い。
ボインゴと組んだホル・ホースも登場し、細かく性能が変わってるが結果的に弱体化。
ちなみにCVは安原義人。どの媒体でも中の人に恵まれる野郎ではある。

ペット・ショップ
説明いるか?この鳥の壊れ方。

マライア
足がグンバツの女。
一人STG2。スタンドボタンで出現させたバステト女神によるスタンド攻撃を当て続けると必殺技が高性能化するのが特徴。
ホル・ホースと共に猛威を振るったが現在はダイヤ最下層。
それなりに強い通常技と起き攻めで頑張るしか…。

アヌビス二刀流ポルナレフ
せっかく二刀流になったのに弱体化。ポルポルは元よりチャカよりも弱い。
スタンドモード無しってどういうことですかァーッ!?

ヴァニラ・アイス
元はCPU専用キャラクターだったが、プレイアブルキャラクターに昇格。
アーケードモードでジョースター一行を使用した場合はCPU専用性能で登場。
通常技がやたら高性能な上にタンデムも非常に強力。必殺技関係はかなりクセが強いが、慣れてしまえば強キャラ。
初期版でのCVは岸祐二だったが、未来への遺産からはドラマCDで花京院を演じた速水奨が担当。
ただし一部技で岸祐二ボイスを発する。
正直、主君のDIOより強い。
ちなみにDIOかヴァニラ・アイスが選択されていると、
日光の差すステージは出てこない(対戦モードでステージの選べる家庭用版でも日光の差すステージは選べない)という設定になっている。

ラバーソール
ニセ花京院。お前も原作準拠なら常時スタンドモードだろ。
原作同様承太郎よりもでかい為喰らい判定が大きく、ラッシュが利かないのも痛い。

カーン
お前も常時スt(ry
ダメージ単価は高いがコンボが続かず、全体的に大振りで隙が大きい。
その割りに受けに回ると弱いという問題だらけのキャラクター。
ダイヤはマライアよりマシ程度。

●CPU専用キャラクター

ンドゥール
アクションゲーム風中ボス。PS版収録資料では本人が戦う構想もあったことがうかがえる。

死神13
特定条件化で登場する中ボス。普通にスタンドは使える。
負けてもゲームオーバーにならない。

ダニエル・J・ダービー
コンティニュー担当。NOを選ぶとコインにされてゲームオーバー。
無論、主君のDIOであっても容赦ない。
この時コインにされた際の顔は全員分用意されており、かなり作り込まれている。
スーパーストーリーモードにも登場。ポルナレフやジョセフが勝ってしまうif展開も存在し、三回連続で敗北する様はまさしく哀れである。



追記・修正するのはおれの『スタンド』だッー!!


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最終更新:2024年01月18日 22:57