黒雪姫/ブラック・ロータス

登録日:2012/01/21(土) 01:24:31
更新日:2022/11/16 Wed 08:54:59
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もっと先へ……《加速》したくはないか、少年。


ライトノベルアクセル・ワールド』のメインヒロイン。



◆概要

梅郷中学校に通う中学生。主人公・有田春雪(以下ハルユキ)の上級生で、生徒会副会長を務める才媛。

腰まで伸ばした黒い髪が特徴で、その可憐な美貌から《黒雪姫》の異名を持つ。本名は作中ではいまだ不詳。身分証明書すら偽造(改竄)しており*1、とにかく黒雪姫で通している。
ただし兼ねてからの親友である楓子は「サッちゃん」、楓子の友人のは「サッちん」、同じく友人のあきらは「サッチ」と呼んでいる。
また後に母の実家が大手企業を経営する「神邑(かむら)」家と判明。そして26巻で、ついに本名が「黒羽早雪」と判明した。

沈着冷静、非常に大人びたクールな性格で、常に達観しているような話し方をする。その一方、ハルユキに近づく他の女子に嫉妬しやきもちを焼く姿は年相応のもの。
恋愛関係で怒った際には「極冷気クロユキスマイル」(ハルユキ命名)なる氷のような微笑が飛び出す。
その愛情はかなり強く、生徒会副会長の職権を乱用してハルユキと二人きりになる機会を作るほど。

自分からはストレートに好意を表現しているが、ハルユキの言葉を深読みして赤面することも。

中学内のローカルネットワークでは黒い揚羽蝶をモチーフにしたアバターを使用。現実の身体をほぼ完璧に再現し、黒いドレスを身にまとっている。
ところがこのドレス、胸元と背中が大きく開いている扇情的なデザイン。繰り返すが黒雪姫は中学生である。教師は誰も注意しないのだろうか…

才色兼備な少女である黒雪姫だが、その正体は加速世界にて《軍団(レギオン)》を率いる《純色の七王》の一人、黒の王ブラック・ロータスである。
かつてはレギオン《ネガ・ネビュラス》の長として、親友にして好敵手である六人の王たちと切磋琢磨していた。

しかしレベル10になるためのサドンデスルールと、加速世界を創出した人間に会えるというレベル10の特典を知らされてからは、《領土不可侵条約》を結び加速世界を停滞させようとする他の六人に対し、ただ一人だけ全面戦争を主張する。

全ては加速世界とブレイン・バーストの存在意義を知りたいがゆえだった。
七人での会議の中、和平を説く《赤の王》レッド・ライダーを不意打ちで殺した黒雪姫は、乱戦で他の王の撃破を狙ったが失敗に終わる。

以降は加速世界最大の裏切り者として刺客に襲われ続けたため、レギオンを解散し加速世界から身を退いていた。
またその後自省し振り返った際、「自分にレッドライダーへの不信を吹き込んだ姉が黒幕では?」という疑念に至り、
BBの「親」でもある姉こと「白のレギオン」のリーダー「ホワイト・コスモス*2を問い詰めるも、ガチ勝負に至る前の会話だけで格の違いを思い知らされやむなく引き下がる羽目に。

追跡の手から2年間逃げ延び続けていたが、些細なミスから正体不明の敵《シアン・パイル》の標的となってしまう。
徐々に自分を追いつめてゆくパイルを撃退するため、仲間を欲する黒雪姫がハルユキを見出したことから『アクセル・ワールド』の物語は始まる……


◆デュエルアバター:ブラック・ロータス(Black Lotus)



加速世界での姿。加速世界に7人しか存在しない《Lv.9er》。人形のように細いボディと、蓮の花に似たアーマースカートを持つが、最大の特徴はその四肢。
両腕脚とも鋭い長剣となっており、触れただけであらゆる物体を斬り裂く凄まじい切れ味を誇る。一部のプレイヤーからは《絶対切断(ワールド・エンド)》の異名で呼ばれるほど。
普段はホバー能力で足(剣)先を地面から少し浮かせて移動するが、ひとたびその脚が地を蹴れば破壊不能のはずのステージの地面が絹漉し豆腐の如くあっさり切れる。
本人はこの外見を気に入っていないらしく「醜悪の極み」と評したが、ハルユキに「綺麗」だと告げられてからは気に入っている。

単純な接近戦では無類の強さを持つものの、剣の腹にあたる手足の側面は脆いという弱点もある。
しかし相手の格闘攻撃に対して放つカウンター技《柔法》を黒雪姫自身が会得しているため、実質的にはほぼ隙がない。

高いレベルと長年に渡る黒雪姫の経験によって、並々ならぬ戦闘能力を有している。
だがその一方、過去のある辛い経験を映像として敵に見せられた際に戦意喪失して動けなくなるなど、メンタル面にはやや弱い部分もある。


◆技一覧
  • 宣告・連撃による死(デス・バイ・バラージング)
 レベル4必殺技。脚の剣による突きを秒間100発×3秒間繰り出し、刺突の弾幕を張る。

  • 宣告・貫通による死(デス・バイ・ピアーシング)
 レベル5必殺技。腕の剣による強烈な突き攻撃。

  • 宣告・抱擁による死(デス・バイ・エンブレイシング)
 レベル8必殺技。相手を抱き締め、両腕の剣で切断する。リーチは短いがその威力は圧倒的で、同じレベル9の「赤の王」さえも一撃で首を刎ねることが可能。

  • 奪命撃(ヴォーパル・ストライク)
 《心意》と呼ばれるシステムによって編み出した技。エネルギーを真紅の槍として撃ち出す。射程距離は数十メートル。

  • 星光連流撃(スターバースト・ストリーム)
 心意技。両腕の剣による16連続攻撃。単なる斬撃ではなく、これも長い射程距離を持つ技である。
 某社長の嫁とは関係ないし、ましてや某黒の剣士とは関係ない。多分。

  • 終決之剣(ターミネート・ソード)
 正確には技ではなく常時発動型のアビリティ。先述の「触れるだけであらゆる物体を斬り裂く四肢の剣」の異常な切れ味の正体。このアビリティにより、ブラック・ロータスの四肢の剣は常時最大攻撃力を保有している。
 要するに、刀剣に限らずあらゆる近接武器は構えて振ったり突いたりしなければ本来の威力を発揮しないのだが、このアビリティによって静止状態でも「思いっきり剣を振ったり突いたり」した時とほぼ同等の切れ味、攻撃力を常に刃に帯びさせられるのである。
 結果、最小の動作で最大の攻撃力を発揮できるため隙が異常に少なくなるうえに、ただ刃を立ててガードしただけで敵の武装・四肢はスパスパ斬れてしまうというとってもおっかない状態になるのだ。

  • 《オーバードライブ》
 心意技…に片足を突っ込んだ、システム的に設定されていないオリジナルスキル。
 アバターカラーが《純色の黒》という「何色でもない(あるいは全ての色を内包していることを利用しているのかもしれない)」特性を利用し、自身のアバター性能のステータスを変化させられる。発動中は装甲の継ぎ目からモードカラーと同じ光が漏れる。
 遠隔特化の《モード・レッド》、近接特化の《モード・ブルー》、防御特化の《モード・グリーン》の3つのモードを習得している。
 名前の元ネタであるMagic the GatheringBlack Lotusの効果のオマージュかもしれない。

◆余談
  • 小学生の時に「子供の癇癪を遥かに超える」ほどの事件を家庭内で起こし、家族とはほぼ絶縁状態にある。現在は住宅街で一人暮らし。
    顧問弁護士を名乗る人物が保護者として監督役をやっているだけであり、事故で危篤状態に陥った際も家族は姿を現さなかった。
  • 使用する技やキャラクターのカラー、時代設定などから同作者のSAOシリーズの主人公・キリトの娘ではないかという説があったが、「二作品は明確にリンクするものではない」と作者自身によって半ば否定されている。*3
    これに関しては元《四元素(エレメンツ)》の一人で師匠でもある《グラファイト・エッジ》のバトルスタイルが《二刀流》であったり、必殺技が《バーチカル・スクエア》《スラント》という名前だったり、突然突拍子もない行動を取ったりとこっちの方が余程キリトっぽいので、そっちから伝達した可能性もある。
  • その一方、誕生日がSAOのメインヒロイン・アスナと同じ9月30日であり、しかも意図的にその日に誕生するよう「調整」されているなど、一概に2人と関係がないとは言い切れなくなっている。
  • そしてSAOのweb版にはない完全新作、《ユナイタル・リング》編に新規登場した「神邑家の人間」が彼女の様な姿と彼女の姉を思わせる言動であり、さらに謎は深まっている。


  • 【もっ先】
『アクセル・ワールド』のトレーディングカードが発売された際、公式サイト内で見つかった脱字から生まれた呼び名。

作中でハルユキに対して初めてかけた言葉(項目冒頭)が、

「もっ先へ……加速したくはないか、少年」

となっていたのである。
これがウケ、いつの間にやら一部の読者の間で「もっ先」の渾名が定着した。先輩と掛けて「もっ先輩」と呼ばれることもある。
響きが若干似ているような気がするが、決してモッピーではない。



もっと先へ……追記・修正したくはないか、Wiki籠り。

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最終更新:2022年11月16日 08:54

*1 師匠からもらったハッキングプログラム《SSSオーダー》によるもので、本人のハッキング技術そのものは言うほど高くない。…少なくとも、作中の登場人物準拠では。

*2 26巻にて本名は「黒羽苑珠」と判明している。

*3 その割にはグラフの回想にキリトらしき人物が描かれていたり、二作品のコラボゲーが出たりしているが。