神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア

登録日:2011/09/21 Wed 05:40:50
更新日:2024/01/27 Sat 21:29:08
所要時間:約 4 分で読めます




ゆゆうじょうパパワー!





「神代學園幻光録(かみよりがくえんげんこうろく) クル・ヌ・ギ・ア」とは、2008年10月9日に発売されたプレイステーション2ソフトのこと。
発売・開発元共にアイディアファクトリー。通称:ヌギャー。
タイトルの「クル・ヌ・ギア」とはシュメール神話で「二度と戻ってこれない地」を意味する。
要するに死後の世界を指す言葉。


  • 目次


あらすじ

神代(かみよ)町。星型のメインストリートが特徴的な街。
神代町では、若い女性が次々と行方をくらます怪事件が多発していた。
主人公の妹も姿を消してしまい、街を探しまわる主人公とその友人・航(わたる)。
その最中、妖魔と呼ばれる正体不明の怪物に襲われる。
その時、主人公たちを救ってくれたのが、「マサク・マヴディル」という組織だった。

概要

上記のあらすじに出てくる単語の傾向から勘の良い方なら察するかもしれないが、
ぶっちゃけてしまうとこのゲーム、かなり厨二病テイストが強いストーリーであり、設定や登場人物にもそういった要素が満載である。
それでも面白いのならば良いが、肝心の内容はつまらないのでどうしようもない。
よって、世間的には発売当時から現在まで一貫してクソゲーであると評価されている。

クソゲーはクソゲーでも例えば『メジャーWii パーフェクトクローザー』のような笑えるものならまだ良いが、
本作はストーリーもつまらなければゲーム部分もつまらない「笑えないクソゲー」のため、プレイしているとかなりのストレスと眠気に襲われること請け合い。



問題点

ストーリー

  • そもそもタイトルに「學園」とあるのに学園モノでない。
  • ストーリーが常人には理解不可能。新出単語の説明が長すぎたり、逆に全く無かったりなせいで意味合いが頭に入ってこない。
  • つまらない茶番で本筋のストーリーが埋もれる。というかゲームのほとんどが茶番。
  • 主人公がほとんど喋らない。百歩譲ってそれだけなら理解の余地もあるが、他のキャラが前面に出過ぎているせいで結果的に主人公が空気になってしまっている。
    酷いものだと、瀕死の主人公を放っておいて戦闘や議論を行うという、「いいからさっさと助けろ」とツッコみたくなる場面も。
  • ときどき一枚絵が挿入されるが、場面のチョイスがおかしく肝心なところでは入らないので状況が伝わってこない。シリアスなシーンも基本的にテキストのみで済ませている。


戦闘

  • 戦闘がショボい。対象へのちょっとしたエフェクトと「バン!」「ドン!」などの簡単なSEだけ。
    のけぞりなどの動きも一切無い…というか、PS2のゲームなのにSFCのRPGみたいな戦闘画面。この仕様もつまらなさを助長させている。
    嘘みたいだろ…『ペルソナ4』と同年発売のゲームなんだぜ…これ…
  • 相手を行動不能にする状態異常、麻痺がほとんどの敵に効くうえ、効果永続。
    麻痺させれば勝ち確定のため、中盤から超ヌルゲー。ボス、ラスボスにも効くので実質ただ堅いだけのサンドバッグと化す。
  • BGMの幅が狭い。ザコ戦、ボス戦のBGMが全て同じ。ラスボス戦のみBGMが違う。ザコ・ボス戦BGMは30秒ぐらいでループする。
  • 敵の数が少ない。その割にボスの種類がやたら多い。


システム

  • ショップの品揃えがおかしい。 ラーメン店「ラーメン吃吃(きつきつ)」が装備品や回復アイテムまで売っている。
  • 一部選択肢がおかしく、明らかに 「喜/怒/哀/楽」で答えようのない質問を振られる。「どうですか?」に対して「喜怒哀楽」でどう答えろと言うのか。
  • ルビの振り方が厨二病丸出しでイタい。台本(リブレット)、栄光(ヘラクレス)、皇帝龍(ドラゴンエンペラー)など。
  • 必殺技のネーミングもイタい。「友情パワー」、「魅惑的殺人(チャーミング・マダー)」、「疾走する光線(セイルド・レイ)」など。
    そして一部の必殺技の掛け声が壮絶にズレる。「ゆゆうじょうパパワー!」*1
  • 全く必要ないデータ、好感度。最高まで上げてもEDに変わりはない。
  • 一応フルボイスだが、女子高校生の声がババァだったり、男児の声がオッサンだったりとミスキャストが散見される。棒読みも多い。
  • フラグ管理がキチンと出来ていないため、見ず知らずのキャラにいきなり顔見知りっぽく話し掛けられたり、初出の話を「前にも話したと思うけど…」と言いながら話されたりする。
    極めつけに、仲間に入るフラグ管理も適当なのか、仲間にした覚えのないキャラがしれっと仲間入りしてたりする。


その他

  • ルビ・技名のみならず、キャラクター名のセンスもおかしい。美男子キャラが「日本円」と名づけられたのが最たる例(“ヒノモト マドカ”という読みはおかしくないのだが)。
  • わんきょく(歪曲)などの細かい誤字・読み間違えが目立つ。公式サイトのキャラクター紹介にも誤字がある。
  • 大正時代の教室に蛍光灯があったり(蛍光灯が日本で初めて作られたのは昭和14年)、
    人見知りのキャラがいつの間にか人見知りを克服したりと時代考証や設定が滅茶苦茶。キャラの呼び名や送り仮名も統一されていない。
  • ペルソナ』、『真・女神転生』などといった他企業の良作品を一部パクっている。


グラフィックは『KOTY(クソゲーオブザイヤー)』で語られる『クソゲー7英雄』の中では良い方。
だがストーリー、戦闘、システムなどといった他の重要要素が終わっているため、クソゲーオブザイヤー2008にノミネートされてしまった。
クソゲーには良BGMが多いと言われるが、これはBGMも微妙。フリーズもちらほら。
これだけの問題点を抱えながらも次点止まり。まあ大賞やジャンラインはレベルが違ったので仕方が無い。



余談

KOTYの大賞は逃したとはいえ、酷いクソゲーであることに変わりはない。
あまりのクソさに同メーカー作品の信者(被害者)「冥界住人」にすら見捨てられ、本家wikiでは、
Q.「このゲームは面白いですか?」
A.「買うな」
と切り捨てられている上、本来ならこの後に「俺は買うが」と続くのが「冥界住人」のお決まりなのだが、
本作に限ってはそう続かないどころか「買おうか迷っている奴は本当にやめとけ」と逆に念押しされるだけでなく、
「どうしても金をドブに捨てたいなら実際に捨てろ。時間の浪費がないだけそっちの方が建設的だ」とまで言われている。







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最終更新:2024年01月27日 21:29

*1 例外こそあるものの、ゲームのボイスというのは基本的に1人ずつ別撮りなので、これは声優の演技力ではなくスタッフの手抜きの方が問題である。実際この手のクソゲーの例に漏れず声優陣は非常に豪華で演技力も高い