尾獣/人柱力(NARUTO)

登録日:2010/05/17(月) 21:27:36
更新日:2024/01/30 Tue 19:33:51
所要時間:約 18 分で読めます




尾獣とは、週刊少年ジャンプで連載された漫画『NARUTO‐ナルト‐』に登場する架空の生物。



◆概要

妖魔や魔獣とも呼ばれるが、神獣と呼んでも差し支えない部分を持つ。元を辿ればエイリアン生命体だが。

計9体存在し、動物の姿をしていて巨体であることとそれぞれ一本から九本の尾を持つのが特徴。
莫大なチャクラ、しかも最強といわれる尾獣チャクラを内包しており、絶大な戦闘能力を誇る。
見た目は怪物そのものだが個々に明確な人格や理性を有しており、人語を介することも出来る。
だが人々から大きな力のみを重視され自らの意志を無視されることが多いことから、人間を嫌っている者が多い。

なお、八尾のデザインは読者考案だが、三尾と八尾の名前もウィキペディアに書かれていた妄想を作者が逆輸入した可能性がある。


◆由来

元々は「十尾」と呼ばれる最強の尾獣のチャクラが九つに分散したもの。
しかし「チャクラの化け物」「天災」扱いされることもあり、現代では元々の由来が何であるか理解していた者は極僅か。
そのため、「人柱力は化け物が人間に変身した姿」などと忍里の民に勘違いされることもしばしばあった。

千手柱間うちはマダラとの戦闘前後に何体かの捕獲に成功し、最初の五影会談で各里に分配された。
なお、当時砂隠れは風の国の僧達が一尾の捕獲に成功していたため分配権を放棄したため(代わりに木ノ葉隠れには隣接する豊かな土地、他の里には尾獣の購入金の3割を要求したことで会談が失敗しかけた)、霧隠れに三尾と六尾、岩隠れに四尾と五尾、雲隠れに二尾と八尾、当時優秀な忍を多数輩出して五大隠れ里からも恐れられていた滝隠れに七尾が分配された。

かつては里の軍事力として利用され、現在はが目的の為に捕獲活動をしている。
しかしその巨大過ぎる力を外部から制御する手段は限られており(千手柱間の木遁やうちはの写輪眼など)、後述の人柱力化を以ても不安定である。

六道仙人の元にいた頃は今よりもずっと小さく幼かった様子。九尾は正に仔狐、七尾に至っては芋虫だった。
それぞれ個々に名前を持っており、孫悟空などは自己主張が激しいが、尾獣同士では基本的に「○尾」と呼び合う。なぜか守鶴だけ例外で、「一尾」と呼ばれることは少ない。

◆人柱力

尾獣を体内に宿す者達の総称。裏切りがないよう五影の近親者から選ばれる。
尾獣達は自身の力を細かくコントロールするのは元々苦手らしく、
一般的に人柱力にする事で尾獣の力をコントロールできると言われている。
だがそれは人間側の意見でしかなく、
尾獣達はテレパシーなりで人間と意志疎通が出来、
忍術や封印術を使ったり、第三者にチャクラを分け与えたり、陰陽チャクラに分岐しても作戦を続行可能だったり、
螺旋丸の原型となる尾獣玉を全員が使用可能など、明らかに高度な知性と技術を有している。

しかし、人柱力の中でも尾獣を完璧にコントロールできるのは少数。
尾獣化だけでも難しいが、更に完璧に力を引き出すには尾獣と人柱力の対話や同調を必要とする。
ダンゾウの話では尾獣を完璧にコントロールできたのは千手柱間、うちはマダラ、橘やぐら、キラービーの4人のみらしい*1

ちなみにナルトと九喇嘛がクローズアップされるためバイアスがかかりがちだが、彼らの場合は極端な事例。尾獣の力を使いこなしていた、あるいはある程度の関係性を築いた人柱力そのものはそれなりにおり、二位ユギトやウタカタ(アニオリ)、橘やぐらは自力での人柱変化まで可能としていた。
それでも基本的には一方的に力を引き出すに留まっており、生前に尾獣と分かり合うことができたのはキラービーとナルトくらいである。
尾獣の特殊なチャクラに耐えるには体質の問題もあり、更に完全な同調を果たせるようにならない限りは、基本的に尾獣と人柱力はチャクラを奪い合う関係にある。
そのため、尾獣に負けないくらいの膨大なチャクラを会得出来る潜在性のある者以外には、人柱力は務まらない。


一方で尾獣を封印された人柱力は殆どが迫害を受けている。特に幼少期から人柱力であった場合、ナルトや分福の様に尾獣と同一視されることもあったようである。ビーも「八尾に家族を殺された憎しみがいつの間にかビーへとすり替わっていった」と言う親友に幼い頃殺されかけている。
暁のデイダラは「自分の仲間が人柱力を捕獲した時には喜んでくれる者までいた」と語っていた。
迫害によって精神性を崩した人柱力は、当然だが尾獣との対話も上手くいかなかっただろう。

管理方法も里によって異なり、情報漏洩を防ぐために里内に軟禁状態にされたりその力を恐れられて分福のように一生の大半を幽閉されることもあるが、積極的に兵器として運用されることもある。
尾獣を分配された里の中でも雲隠れの管理技術は非常に高く、本編での人柱力は2人とも里の主戦力として扱われ、里の者達からも慕われている。
砂隠れや霧隠れでも尾獣や人柱力の兵器運用を成功させているものの、砂は当初は人柱力を精神的に追い詰めることでその力を無理矢理引き出していたために頻繁に暴走が起こっており、霧も里の管理体制の悪さから、ウタカタが里抜けしたことで六尾が失われ、尾獣を完全に制御出来ていたやぐらの失踪(後に死亡)後は三尾も失っている。

また、封印術で尾獣を引き剥がされた人柱力は殆どの場合死亡するが、尾獣のチャクラがわずかでも残っていれば無事に済む。

尾獣の衣

全身から赤い泡のようなチャクラを身に纏う形態。第一部の終末の谷でナルトが変身したのがコレ。チャクラそのものが意思を持って動くため、術者の攻撃だけ見切っても回避できない場合がある。
更にそこから尾が増えていくと全身の皮膚が剥がれ落ち、高密度の尾獣チャクラを覆いつくすようになる*2。その姿はまさに”小さな尾獣そのもの”で、全身はドス黒いチャクラに身を包み、目は白目のみになる。人柱力によって姿に若干差異がある。
これを尾獣化と呼ぶ者もおり、キラービーと八尾は「バージョン2」と呼んでいる*3。この形態から尾獣最強の技・尾獣玉が使用可能になる他、尾獣の骨格を形成した骨が浮き出てくる。
尾が増えるごとにより戦闘力が上昇するが、同時に暴走する危険が高くなる。ナルトの場合は1~3本目までは意識を保っていたが、4本目になった途端完全に理性がなくなり暴走してしまった(キラービーは八尾と和解したため暴走することはない)。
金角はバージョン2になった際も理性は保てており、術者の力量次第ではコントロールできると思われる。

憑依体

現状、我愛羅のみに見られる形態。
手や足が尾獣のものに覆われ、こちらも上記の尾獣の衣と同様、小さな一尾そのものに変化する。
ただし、術者の意識は失われておらず、守鶴の意識も表層化していない。
そこからさらに進化すると「完全憑依体」と呼ばれる姿になり、一尾へと人柱変化する。

人柱変化

「尾獣化」とも言う。人柱力が尾獣のチャクラを解放し尾獣の姿へと変身すること。
まず肉体が濃いチャクラで覆われ獣のような姿になり、更にそのまま巨大化し尾獣そのものの姿になる。
制御が難しく、尾獣のチャクラをコントロール出来ないまま行うと暴走する危険がある。
また、尾獣化することで『尾獣玉』が使用可能になる。

チャクラモード

上記の尾獣化とも異なる形態。
人間の姿のまま、全身を尾獣チャクラで覆って戦闘、身体能力を大幅に向上させる。
作中で頻繁に登場するのは、全身が九尾の黄色いチャクラで覆われた、ナルトとミナトの九尾チャクラモード。
だが、これは九尾限定の力ではなく、人柱力は一定以上の実力になると各々の尾獣チャクラの属性に沿ったチャクラモードを使用出来る。
例えば四尾の場合は「熔遁チャクラモード」を使用可能。
このチャクラモードは術者の練度によって形態も変化し、その派生の一つが下記の尾獣モードである。

尾獣モード

ナルトが発動する特殊な尾獣化。通常の尾獣化は肉体そのものがチャクラで変質するのに対し、こちらはチャクラの衣が半透明の九尾の姿に変形、人柱力本体は尾獣の頭部に収納される。言ってみれば須佐能乎に近い形態であり、他の尾獣化と異なり攻撃されても直接ダメージは通らない。
また、九喇嘛は手があるため、この状態でも印を要する術が尾獣の規模で使用可能。

尾獣玉

尾獣が共通して持つ攻撃技。黒白のチャクラ(アニメでは青赤)を特定の比率で組み合わせて凝縮・高速回転させる形態変化の延長上にある技。

チャクラを集中させた巨大な黒色(アニメは通常は黒紫、十尾は赤黒や赤茶)の球体(十尾は一部が尖ったバージョンもある)を放つ。その威力は山一つを消し飛ばすほど。バージョン2から使用可能。
そのまま放つことも可能だが、一度口に含むことでチャクラ砲として高速発射したり(例→九尾の虚狗砲)、玉自体を拡散発射するなどができる。まるで荷電粒子砲だな。
アニメではレーザーやマシンガンのような発射形態、空気か衝撃波の玉のようなバージョンもある。ゲームでは、我愛羅が守鶴の頭を砂山で作って、そこから砂を含んだ?白黄のエネルギー波を発射していた。

八尾が抜けて死亡した後に穢土転生されたブルービーは、大蛇丸によって採取された八尾の細胞を培養したものを埋め込まれていた為使用を可能としていたが、金銀兄弟が使用できるのかは不明。

複数の尾獣が協力すればより巨大な玉を作ることも可能。
この技から螺旋丸が生まれた。また、尾獣玉と螺旋丸や性質変化などを組み合わせることも可能。

なお、八尾によればゲロを吐く感覚に近いらしい。

ゲームでは、大蛇丸が口寄せした八又の大蛇が似たような技を繰り出していた。


◆尾獣間のパワーバランス

九尾・九喇嘛は自身が最もチャクラ量が多いからか「尾の数が多い尾獣ほど強い」という持論を説いている他、暁の干柿鬼鮫も八尾と交戦した時に「流石9-1なだけはありますね」とその力を評している。
だが、この基準は必ずしも正しいとは限らないようで、尾の多さで九尾に次ぐ八尾は否定しているし、逆に尾の数が少ない尾獣ほど特徴的な能力を備える傾向が強い。
六尾・犀犬や四尾・孫悟空などは血継限界の性質変化と同じ力を備え、一尾・守鶴に至っては砂そのものの肉体と強力な封印術、磁遁の性質変化に呪印まで持ち合せた多芸者である。

なお、第四次忍界大戦中には陽のチャクラのみの九尾の尾獣モードが、操作されていた他の尾獣達を同時に相手取って互角以上に戦っていた。
しかし、尾獣達は互いに相当消耗した後だったため、この結果が平常時における純粋な戦闘力を示唆しているかは怪しい。

マダラに捕えられていた尾獣達も白ゼツ軍団製造でチャクラを消耗し、外道の鎖と写輪眼の力で強引に操られた尾獣達は真価を発揮出来る状態ではなかった。一方、ナルトと九尾も1000体以上に影分身して方々で強敵達と交戦した後であり、共に万全な状態とは程遠い。
ただし、九尾はチャクラモードに取られた分とは別にチャクラを自身で回復・生成させている描写があるため、九尾が初めて自発的に協力したあの戦いでは、やはり九尾自身のチャクラがそこまで消耗していなかったり新たに生成していた可能性もある。

尤も、八尾のリアクションを見るに、九尾が他の尾獣と比べて頭一つ抜けているのは間違いないだろうが…


◆作中での登場

明確に尾獣という単語が出てきたのは第一部最後の暁の会話だが、その前に一尾と九尾が登場している。

第二部では暁の尾獣狩りが本格化したことから物語に絡みはじめ、二尾・三尾・八尾が登場。
それ以外はトビの説明で一コマ出演だったが、第四次忍界大戦にて穢土転生輪廻眼の合わせ技で一尾を除く全尾獣&人柱力が総登場した。
疾風伝ではアニメオリジナルストーリーで三尾、ウタカタ、フウなどが活躍がかかれた。


◆各尾獣&人柱力

一尾:守鶴(しゅかく)

CV:岩崎ひろし

山のような体躯の狸。
本体はやたら饒舌でファンキーで、甲高い声で喋る。
性格は当初ナルトを見るや否や「いきなりぶち殺したい奴発見!」と言いながら攻撃するなどかなり危ないように思えたが、回想では同じ里の忍から酷い扱いを受けながらも自分を友と呼ぶ分福に理解を示したり、戦争編では自分を救おうとする我愛羅を気遣うなど割と人間臭い性格だったことが判明。

初代風影の時代に風の国の僧達が捕えることに成功した。
当時は九尾等複数の尾獣が忍里に捕えられずに自由にその辺を闊歩していた為、守鶴一匹を確保しているだけでも大きなアドバンテージだった。
九尾は「尾が多い程強い」という思想を持っているために最弱扱いされて虐められていたようで、「バカ狸」「クソ狐」と呼び合っており仲が悪く、裏設定で九尾と戦った事がある。
これは「BORUTO」の時期になっても相変わらず。

本編第一部の木ノ葉崩し編で短い間ながら姿を見せるものの、それ以降は直接登場せず、二部に入って早々暁によって回収されてしまう。
第四次忍界大戦時は元人柱力が健在であるため器がおらず、他の尾獣と違って魔像の中で絶賛放置中…とか言われてるうちにそのまま十尾の肥やしと化していた。
が、その後何とか外界に出ることができ、後にうずまきナルトに力を貸すことになる。
また別れてから成長を続けた我愛羅とも言葉を交わし歩み寄りを見せている。

唯一尾獣玉を出さなかったので、「尾獣玉の使えない尾獣」などというあらぬ中傷をうける可哀想な狸。
唯一アニメオリジナルにおける、キラービーの無限月読回にて、ようやく使用している場面が描かれた。最も此方はキラービーの夢の中の話のため、実際に使用可能なのかは不明。場面が描かれただけでも良しとするべきか。

「人柱力とのコミュニケーションが碌にとれずに狸寝入りの術で無理矢理守鶴の人格を出す所為で、本領発揮する機会が皆無だった」
「『風影の子だから』という理由で人柱力になった我愛羅は人柱力としての適性は高くはなく、我愛羅も守鶴もお互いが枷同然になって真価を発揮出来ずにいた」
という理由はあるのだが、大蝦蟇・ガマブン太といい勝負をしたせいで「口寄せ動物に毛の生えた程度のチャクラ兵器」等と揶揄された黒歴史を抱えている*4

先述の理由から碌に力を出せずに作中では風遁しか使用していないが、本来の力は攻撃ではなく封印術。磁遁の力を備えている他、その巨体は砂で構成されており、全身を覆う文様は全て強力な封印術を帯びた呪印。我愛羅の術と組み合わせることでその封印はより強固になる。

『BORUTO』の時期には砂隠れの砂漠地帯で過ごしているが、元人柱力の我愛羅とは精神的な繋がりがあるらしく、テレパシーで会話する場面も。

名前の由来は、分福茶釜で有名なタヌキが「守鶴」という僧に化ける伝説。
なお、かつて作中において守鶴の正体が「茶釜に封印された砂隠れの老僧の生霊」だと語られたことがあったが、後に我愛羅の先代の人柱力「分福」の存在が明かされており、そこから生じた噂であることが示唆されている。

なお、守鶴が尾獣(九尾と同じ立ち位置)と言われたのは後付けではないかと言われている。



二尾:又旅(またたび)


水墨画のような外見の猫又。眼がなんか角図と似てる。
猫舌なのに口から火を吹く。というか全身青い炎で出来ているため、飛段の呪いで負ける要素が特に無さそうなので、何故呪いを喰らったのかは謎。
一人称は(わたし)で穏やかな口調で女性的な話し方をし、ナルトのことは「君」付けで呼ぶ。
性格は獰猛だが、認めた相手には礼儀正しい。
名前の由来は、言うまでもなく植物の「マタタビ」。



三尾:磯撫(いそぶ)

CV:宗矢樹頼

とげとげ甲羅の亀。他の尾獣と違い本体が暁と戦った。暁のデイダラ、トビに捕獲される。
ごろごろポケモンの如く転がる攻撃を繰り返す描写(「影撫」という技)が多いが、敵に接触した箇所に強制的に珊瑚を生やして動きを鈍らせる「珊瑚掌」や、忍術による硬い水晶も砕く超音波攻撃、幻術の霧、大規模な水遁等かなり多才。
とくに「珊瑚掌」は、木遁と並び「生命体」を作り出せる稀有な技。

一人称は「ボク」。見掛けに反して気弱と言うか少年っぽい。
一度以上死亡しているので、子供の様な性格になったという考察もある。
名前の由来は、「磯撫(いそなで)」という西日本近海に伝わる怪魚。

他の尾獣と比べて年端もいかない性格なのだが、尾獣は人柱力が尾獣を宿したまま死亡すると"一時的に死亡する"ため、短期間の内に連続して人柱力が死亡したことから他の尾獣と比べて精神が幼いと推測することが出来る。

アニメオリジナルストーリー、"三尾出現の章"にて先行登場。とある湖にて潜伏していた所を大蛇丸の手によって制御させられそうになった。その後にナルトたちの活躍によって阻止され、再び自由になった所を暁のデイダラとトビによって捕獲、外道魔像に封印された。
この際原作では二尾と同時期に捕獲され封印されているが、アニメの展開状、二尾が封印された後に捕獲、同時期に捕獲された老紫(四尾)と共に封印されている。

捕獲の際デイダラが"人柱力ではなかった分、捕獲が容易だった"と称しているが、後述の人柱力二人(特に後者)に特に関連していた人物(トビ)の描写から、自由になった後に予め弱体化させられた上で湖に放逐されていたものと推測することが出来る。



四尾:孫悟空(そんごくう)


筋肉ムキムキのゴリラ。血継限界の熔遁で溶岩を操り、肉弾戦も八尾を投げ飛ばすなど凄まじいパワーを持つ。口からは緑青の炎を吐く。
精神世界の中でナルトと邂逅し彼を気に入る。
名前の由来は、もちろん西遊記で有名な「孫悟空」。本人は「孫悟空斉天大聖」と自称するが、もっぱら「孫」と呼ばれる。自身の名前に誇りをもっており、それを侮辱されると激怒する。

孫悟空の描写として一般的な真猿類ではなく、「こっちの悟空」が変身したことのあるゴリラ(厳密には違うが)として描かれている、下述のように人柱力の名前の元ネタが西遊記ではないほうの悟空のお話の登場人物、など笑顔ウルトラZなナルトたちの大先輩のほうの「孫悟空」のネタがある一方、伝承の方の孫悟空のフルネームである「孫悟空斉天大聖」を名乗るなど、二人の孫悟空両方からネタが引かれている。



五尾:穆王(こくおう)


イルカの頭部と馬の胴体を持つ変な動物。
尾獣の中でも特に巨体。五本の角を持ち、蒸気の力で膂力を爆発的に上げる沸遁を扱う。
ナルトが五尾の血継限界の力を使用した一回を除くと、作中での五尾は突進攻撃以外は特に行わなかった。
一人称は(わたくし)。他の尾獣と比べて比較的丁寧口調だが、ナルトの中のチャクラ分身は男性的で口調が荒々しい。
名前の由来は、周王朝の王・穆王が所持していた「穆王八駿」と言われる名馬。



六尾:犀犬(さいけん)


ネバネバした体にカエルの手足がはえたナメクジ。
原作では一コマ出演だが、アニメではオリジナルストーリーに登場。後ろ姿を一瞬だけ見せる。

溶遁でアルカリ粘液を分泌したり吐いたりする。物理的な捕縛は溶液で溶かされるので不可能に近い。ゲームだと、尾獣玉と泡を組み合わせていた。
少し訛った口調で、一人称は「オレ」。声優さんのためか声がハスキー。
名前の由来は、中国の『捜神記』に登場する巨大な犬の妖怪。



七尾:重明(ちょうめい)


空飛ぶカブトムシ。尾が羽代わりになっている。自称「ラッキーセブン」
子供の頃は七本の尾を持つでっかい芋虫だった。
つのでつくのが主な攻撃かと思いきや、鱗粉を活かして目くらましや粉塵爆発等も得意とするので多分風遁が得意技。尾獣玉螺旋丸の属性は「渦」。
原作ではなぜ五大隠れ里ではない滝隠れに分配されたのか不明だったが、アニオリで当時の滝隠れは少数精鋭で一目置かれる里だった事情故に、尾獣の中では唯一五大隠れ里以外の里に分配されたことが判明した。

名前の由来は、別名「双晴」とも呼ばれる中国の伝説上の鳥。



八尾:牛鬼(ぎゅうき)

CV:相沢まさき

蛸と牛のフュージョン。
見た目に反してノリがよく人柱力であるキラービーの保護者的存在。
固有の属性は不明だが、どうやら蛸墨を水遁と称して使っているので、水遁がそうらしい。
なつかしき六道仙人の宝具に捕えられたり、出てきて暴走して足を全て切り飛ばされたりとこいつもこいつで色々あった模様。
タコ足は切断しても再生するため、結構切り落とされる。第四次忍界大戦でビーから引き抜かれた際は、封印される間際にタコ足を落としてビーに渡し生存させる機転を見せた。

戦後はビーの中へ自らの意思で再封印された。

名前の由来は、頭が牛で首から下は鬼の胴体を持つ妖怪「牛鬼(うしおに)」。
昔は見た目どおりに獰猛だったが、今は鬼どころか結構優しい奴である。ちなみにこの「尾がタコ足」というのは、読者投稿のアイデアを作者が取り入れたもの。



九尾:九喇嘛(クラマ)


オレンジ色の体毛を持つ狐。木ノ葉の里を襲った元凶であり、四代目火影によって陰陽に分けられ、陽のチャクラがナルトの中に封印された。
深く巨大な憎悪を内包する存在であり古くから災厄として恐れられてきた。
本編以前にうちはマダラやトビの写輪眼で使役され無理矢理に木ノ葉を襲わされるなど人間の悪意に利用されてきたため、尾獣の中でもひときわ人間を嫌っている。

詳細は九喇嘛(NARUTO)の項目を参照。


十尾

最強のチャクラを持つ尾獣であり、「国造りの神」とも呼ばれ恐れられた伝説の獣。
太古から続く大筒木一族には「チャクラの実」と呼ばれている。
十本の尾と巨大な一つ眼が特に目立ち、「天目一箇神」「デイダラボッチ」等の妖怪、もしくは神としての名も持っている。
星そのものと言える存在故に膨大な自然エネルギーを秘めており、尾獣一体ずつでは比較にならない程の力を有する。
輪廻眼は元々十尾の眼であり、本来のそれは波紋模様の線上に勾玉が3つずつ浮いた輪廻写輪眼。

神代と言える過去にて、チャクラを引っこ抜かれて吸収される形で六道仙人の肉体に封印された。
肉体は枝を切られた枯れ木に手足が生えて大量の眼を備えた頭を持つ二足歩行の怪物、『外道魔像』と呼ばれる抜け殻として六道仙人が作り出した月に押し込まれている。

詳細は十尾(NARUTO)の項目を参照。


零尾

幻の十一番目の尾獣…ではない。
正体は『劇場版 NARUTO -ナルト- 疾風伝 絆 -』に登場する映画オリジナルキャラクター。
紫色の大蛇のような体躯で顔に相当する部分には「零」と刻まれた白い仮面を装着している怪物である。
人の負の感情をエネルギーとしており、ショッキングな出来事に苛まされた人間に憑依する形で具現化する。

神農の策略でアマルに憑依して顕現。
攻撃してきたサクラの腕をつかみ上げて宙に放り投げると、サクラの身体が地面に何度もバウンドするほどの勢いで殴りとばしてあっという間に倒してしまう。
ナルトも触手でとらえると九尾の力を奪おうとした。

最後は神農と一体化するも、ナルトとサスケの攻撃によって倒された。

…とこのように、「○尾」を名乗っておきながら尾獣とは全く関係ない出自となっている。
そもそも原作で十尾の存在が明らかになる前の作品で登場したキャラなので、「尾獣は十尾の分散体」という定義から外れるのも仕方ない側面はあるのだが…。

ちなみに暁に所属する干柿鬼鮫はその莫大なチャクラ量から「尾のない尾獣」と呼ばれており、ある意味零尾である。


◆余談

時間の経過や人柱力たちの活躍と共に尾獣に対する恐怖も薄れてきたのか、続編の『BORUTO‐ボルト‐』の時代にはゆるキャラ化しており、“きゅうびのクラーマ”“いちびのシュカーク”といった尾獣をモデルにした玩具も販売されている。
“はちびのギューキ”や“にびのマタタービ”といった他の尾獣の玩具もあるのか気になるところ
この事を知れば死亡した歴代の人柱力達もきっと喜んでくれるだろう。

ただし、人柱力の遺族や尾獣関連の死者や犠牲者の遺族がどう思っているのかは不明






追記・修正は尾獣と分かり合ってからお願いします。

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最終更新:2024年01月30日 19:33

*1 といっても柱間とマダラは無理矢理力でねじ伏せ、やぐらも恐らく一方的にコントロールしていたと思われるため、尾獣と完全に理解し合えた人柱力はキラービーくらい

*2 このチャクラは人柱力にとっては毒のようで、ナルトは高密度のチャクラを覆ったことで全身を蝕まれていた。しかし、キラービーのように何ともない人柱力もいるため、相互理解さえできれば問題はない模様

*3 サブちゃん先生曰く「尾獣の力を人型に抑え込んだもの」らしい

*4 ガマブン太は陰と陽に分かれていない状態の九尾を数秒とはいえ抑え込めるなど、口寄せ動物の中でも割と強い方ではあるが…

*5 ダンゾウ曰くキラービーと比肩するレベルだったようだが、言動を見るに磯撫と完全に同調できていたわけではなく、一方的にコントロールしていただけの模様

*6 仮にボルトの祖父であるミナトと同い年ぐらいだとすると享年40前後

*7 尾獣と協調した人柱力ならば幻術解除は可能なはずだが、三尾ごと幻術に囚われたのだろうか。

*8 自来也ですらペインを一時的に三体倒すのがやっとでありその後すぐに蘇生されてしまった上、当時はまだナルトは仙術をマスターしていなかった。