SIREN:New Translation

登録日:2010/03/01 (月) 22:54:07
更新日:2024/04/12 Fri 13:55:29
所要時間:約 7 分で読めます






息することさえ、恐怖



『SIREN:New Translation』は、SCEから発売されたPS3用ホラーアクションゲーム。
12PS2用ゲームとしてリリースされていた『SIREN』シリーズの一作である。


【あらすじ】

2007年、日本のとある廃村に取材に来ていたアメリカのTVクルーは誰もいないはずの村で人を生贄とする儀式を目撃する。
その儀式は突然乱入してきた少年によって邪魔され生贄は逃げ出してしまう。

0:00、赤い海からサイレンが鳴り響き、消えたはずの村が蘇る…


【概要】

シナリオは『SIREN』をベースとしており、「New Translation(新訳)」の通り、『1』のリメイク作品。
ゲームシステムは『2』のものが改良されており、更に新要素が盛り込まれている。

  • 登場人物のほとんどが外国人
海外市場を意識したのか、一部を除き登場人物のほとんどがアメリカ人。
もちろん会話も英語で行われることがほとんどなため、ムービーシーンでは基本的に字幕が入る。

  • 登場クリーチャーのモチーフの変更
SIREN』『SIREN2』で登場するクリーチャーは、半屍人以外は海産物がモチーフとなっていたが、
『NT』の登場クリーチャーは、こちらも海外市場の意識のためか、海外では忌避する人が多いという昆虫がモチーフとなっている。
また、前2作の屍人は元人間ということからかそこまで人間離れした姿の者はいなかったが、今作では割と人間離れした姿の屍人が多い。

  • チャプター制の導入
網目のように各ステージが繋がるリンクナビゲーターではなくなり、一本道で話が進んでいく。
また、チャプターの最初と最後には海外ドラマっぽいこれまでのあらすじと次回予告のムービーが入る。

  • 視界ジャックの新機能
同時に複数の視界ジャックを表示させたり、視界ジャックしながら行動できるように。

  • 攻撃手段の増加
前2作までは素手では戦えず、拾える武器も基本的には日用品ばかりであったが、
本作では子供であるベラを除く登場人物の全員が素手で攻撃できるばかりでなく、銃器の類をよく拾える上、それなりに弾の数も多い。
そのため、屍人を逐一全滅させて進むといった荒業が(ベラや一部のイベントでしか倒せない敵を除けば)可能となっている。

  • フェイタルムーブ
特定の条件を満たすとムービー風な演出が挿入されて敵を即死させる。
一部のプレイヤーからは某箱庭ゲームからとってヒートアクションと呼ばれている。


ソフト発売に先駆けて1日に1エピソードずつ先行ダウンロード販売された。
そして、同時期に羽生蛇村に来ていて巻き込まれた日本のTVクルーの動画「エピソード0」も公式サイトで公開された(現在は終了)。



【登場人物】

  • Howard Wright ハワード・ライト
東京のインターナショナルスクールに通う高校生。
自分のブログのメールに届いた奇妙なメッセージに興味を持ち、羽生蛇村にやってきて巻き込まれた…というか首を突っ込んだ。
絶望的な状況に置かれながらも諦めず、美耶古を励ましたりベラを気遣ったりと同行者にも気を遣える優しい青年。
カタコトのかわいい日本語をよく使うが、英語では結構容赦ない。

  • 美耶古 みやこ
生贄にされようとしていた美少女。
美耶ではなく美耶
ループ前はツンだが、ループ後はデレデレ。
胸元にほくろがある。
『SIREN』の神代美耶子と演じる俳優が同じであり、役割もほとんど同じだが、盲目ではない。


  • Sam Monroe サム・モンロー
文化人類学者。大学で教鞭も取っているが、講義はあまり人気がない様子。
オカルト番組に箔をつけるための学者としてクルーに参加していた。
妻とは離婚しており、娘のことでもめた時はテレビアンテナを投げつけた。
ある意味、真の黒幕。

  • Melissa Gale メリッサ・ゲイル
米国ケーブルテレビ局のレポーター。
サムとは夫婦だったが、数年前に離婚しており、仕事のために離れて暮らす娘を案じている。
ベラには優しい母として接するが、離婚したこともあってサムとの関係は複雑。
年齢は詐称していない。

  • Bella Monroe ベラ・モンロー
サムとメリッサの娘。
両親の離婚後は祖母のもとで暮らしていたが、半年前に祖母が亡くなったためサムと同居しており、日本に連れられて来ることに。
前作の幼女二人のポジションだが、彼女たちが天使に見えるくらいすごくかわいくない幼女。
2つのおさげが特徴だが、後に8本に増えたりする。
ダアアデイィィイィィマアアミイィィイィィ

  • Sol Jackson ソル・ジャクソン
TVクルーのディレクター兼カメラマン。
黒人、ハゲ、メガネ、(TVクルーの中では)陽気、と死亡フラグを立てまくりで、ご期待にもれずいきなり屍人化。
屍人化してからはロリコンストーカーに。
地域住民にもよく馴染んでいる意外とコミュ力高い奴。
ちなみに生前はメリッサに気があったらしくキモい妄想デートプランを書いたりしてる。
give me smileゥゥゥゥゥ〜♪

  • Amana アマナ
ハワードの前に現れた村の求道女。
羽生蛇村には似つかわしくない、英語を話す西洋人の女性。前作のあの人より数倍胡散臭い。
いきなり危機的状況に陥ったハワードを優しく導くが、前作、特に『1』の記憶があるプレイヤーには全然信用されず、
ハワードと同行するステージでは、そんなプレイヤーが操作するハワードにいきなり殴りかかられたりすることも。

  • 犀賀省悟 さいがせいご
村の犀賀医院の院長。村の暗部を司り、儀式では祭司として執り行おうとしていた。
とにかく寡黙でクールな渋い人。高いところが好き。外国人であるアマナと接する必要があるためか、英語も堪能。
ループなどの自分が置かれている現状を察しているっぽいが、察しが良すぎてプレイヤーからすると電波にしか見えない行動を取ることも。
宮田と違って幸江に含むところはなく、時折彼女への愛情を覗かせるが、それはそれとして彼女の屍人に襲われたら躊躇なく攻撃するリアリスト。
ちなみに中の人は宮田の中の人と仲良しで、イベントには宮田がネイルハンマー持ってやってくるらしい。

  • 河辺幸江 こうべゆきえ
犀賀医院に勤めていたナース。
犀贄の付き人として儀式で殺されたが、例に漏れず復活
生前は犀賀と恋人関係にあり、その彼に殺されたという『1』で見たような顛末だが、私怨ではなく儀式のために殺された点が異なり、
屍人化した自分を見ても犀賀は「しつこい女」とか言わないばかりか、未だに愛情を持っているような様子を見せる。
ただ、幸江も幸江でかなり愛情が深いタイプだったようで、ストーカー行為などもしていたらしい。
双子の姉妹がいたような気がしたが、そんなことはなかったぜ!
演じているのは初代カーリー渚の人。


  • 嶋田習次 しまだしゅうじ
村の警察官。
パトカーをドリフトさせて近隣の住民を皆殺しにして、通りすがりの外人にも発砲する不良警官。
外人のせいで腹に穴があいたので腹が減ってしょうがない。はにゅうめんが無くなっても台所を漁るほど。
アル中ではない。
登場回数が石田より多いので、カウントすると最終的に警視総監を超える特進を果たす。


  • 人型屍人
言わずとしれた屍人。
年寄り率多し。
よく独り言を喋る。

  • 蜘蛛屍人
『1』では男性の屍人しかこの形態にならなかったが、本作では男女共にこの形態になっている。
ブリッジ反り返った異様なシルエットは『1』と同じだが、下半身の一部が蜘蛛の腹めいた球体に変化している違いも。
単体ならそれほどでもないが、数がいるとけっこうウザい。
特にロリコンソルに感化されてあっちこっちからベラを襲おうとする奴らにはキレそうになる。
なお、男女共に蜘蛛屍人化する影響か、『1』で女性の屍人のみ変化していた犬屍人は本作には登場しない。

  • 羽根屍人
『1』では銃での遠距離攻撃が主体だったが、本作では打撃攻撃主体。
目からも羽根が生えてます。
食堂の壁に張り付いた奴を狙撃すると面白い落ち方をする。

  • 怪力屍人
首と腹がえらくぶにぶにでかくなった屍人。元が人とは思えない。
力が強く、掴まると大抵即死。
でかいポストを投げてきたりする。
体も頑丈でなかなか倒れず、倒してもすぐ復活する。
見た目に反して声は赤ん坊みたいに甲高い。
通称コロネちゃん、マツコ屍人。

  • 頭脳屍人
蜘蛛、羽根、怪力を操っている屍人(ただし今回は操られていても自我はある)。
まんじゅうだったり、ぶら下がっていたり、ドラえもんだったり、蜂を頭に乗せてたり、蛾だったりするが大抵非力。
前回と同じく倒すと周りの屍人がしばらく行動不能になる。

  • タモリ屍人
要所要所で現れるグラサンをかけたおっさん屍人。
なかなかに強い。

  • 蚕子 かいこ
例のごとく昔に羽生蛇村に落ちてきて食われた
例のごとく繭のような不完全な形で復活
例のごとく医者のせいで瀕死になり、いんふぇるのに逃げ込む羽目に。
例のごとく求道女の命で虫のパーツの集合体のような完全体になるが、「Go to hell!!」と殺られる。
背景が万華鏡のように変わる目に悪いステージな上バラバラに飛び散っては再結合を繰り返す姿は以前のラスボスと違った意味でキモい








PS3での新作ともあり期待は高かったが、

  • 前作が全32ステージ&ほとんどに第2条件付きなのに対し、今作は24ステージとボリュームダウン。
    アーカイブの数も半減。武器アーカイブが追加されたが拾うだけで簡単に取得できる上、2のトロフィーや釘バットのような隠し武器もない。ついでに言うとコンプリートしても特に何もない。

  • シナリオがほとんど1作目の焼き直しなので先が読めてしまう上、1作目を知っている前提になっている節があり、全体的に説明不足。
    しかし以前のシリーズでは意図的に曖昧にされていたような設定は説明されるため、考察する楽しみは薄れてしまっている。

  • 目的地や目標を丁寧に教えてくれるだけでなく、前述したように屍人を逐一全滅させながら進むゴリ押しも通用してしまうため、難易度は無印、「2」と比べるとかなり低い。

  • シナリオに関係のないオブジェを調べても特に何もないため、探索の楽しみは前作・前々作と比べると薄い。「恋の三角海域」など、一部面白いものもないわけではないのだが…

  • メインキャラクターの大半が外国人であるため、日本人のプレイヤーは感情移入しづらい。

  • フェイタルムーブがスタイリッシュすぎて恐怖感を損なう。

  • 視界ジャックがめんどくさい。

など、ファンからは不評。

特にボリュームの少なさは問題で、慣れたファンならクリアだけに限れば攻略サイトなしでも約12時間ほどでクリアできてしまうほど。
それなのに中古でも3000円くらいするのでシリーズ中でも明らかにコストパフォーマンスが悪い。
「先行ダウンロード販売されていた頃が一番盛り上がっていた」との声もある。

決してクソゲーではないが全体的にがっかり感が漂うものとなってしまった…残念。
もっとも裏を返せばシリーズ一初心者向けなのだろうが…

なお、本ゲームと同じく『SIREN』をベースにしたリメイク作品(リブート作品)に当たる漫画『SIREN ReBIRTH』が2018年に連載されている。



〜はにゅうめん〜

はにゅうめんの起源は、1950年代に三隅地方をM6.0の地震が襲った際、
創始者、甘塩太郎宅で茹でかけの素麺の鍋に苺ジャムの瓶が落ちたのが始まりとされている。
復興の際の炊き出しで、甘塩生来の貧乏性からそのまま被災者に振舞われた元祖はにゅうめんは大いに評判を呼び、やがて羽生蛇随一の名産となるまで親しまれた。
醤油とジャムのハーモニーが醸し出す独特の甘い匂いが惹き付けるのは羽生蛇の人々のみにとどまらず、「鍋に三日三晩昆虫の群れが絶える事が無かった」という逸話が残っている。

ま た イ チ ゴ ジ ャ ム か



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