鬼物語(物語シリーズ)

登録日:2012/06/06(水) 00:57:40
更新日:2022/05/27 Fri 10:07:48
所要時間:約 5 分で読めます




“誤解を解く努力をしないというのは、嘘をついているのと同じなんだよ”

きみだって、知ってたはずの嘘だった。


鬼物語とは講談社BOXから発売されている100パーセント現実味あふれる小説。
物語シリーズのセカンドシーズンの第5弾にあたる。

著者:西尾維新
イラスト:VOFAN

基本的にはファーストシーズンのように阿良々木暦が語り手だが、
途中から忍(キスショット)の400年前の昔話が交互に入る。
また忍が語り手の場合、「」の」をつけない語り方になる。


第忍話 しのぶタイム

傾物語で無事に帰ってきた阿良々木暦は八九寺真宵と出会い、家に忘れていったリュックサックを返そうとする。
そのとき真っ暗で何かわからない謎の『くらやみ』に遭遇する。
得体の知れない物に危険を感じ全速力で逃走するが自転車を呑み込まれしまう。
絶体絶命の瞬間、斧乃木余接の助けにより学習塾跡に逃げ込む。
その時忍野忍が目覚め、過去に「くらやみ」に出会ったことがあると口にする。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと呼ばれていた400年前の出来事が今語られる。


■登場人物
「・・・八九寺が寝てるってことは、何をしてもいいってことだよな・・・」
本作の主人公。高校3年生。
童女に叱られる快感を覚えた。
今作だけで幼女と童女と少女とキスをした。

「お前様がその辺の女と乳繰り合うくらいいつものことじゃし!」
本来の姿は怪異の王、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。
春休みの出来事により力が奪われ8歳の幼女の姿となり普段は暦の影の中にいる。

「阿良々木さんに乱暴されて誘拐されている最中みたいな構図になってます!」
11年前の母の日に事故で死亡して以来、怪異「迷い牛」になった少女。
彼女の存在がまた物語に関わってくる。

「鬼のお兄ちゃんの筋肉に見蕩れてしまって、どうにも考えがまとまらないや」
影縫余弦の式神で憑藻神の童女。
今度はキャラが筋肉フェチになっており暦の細マッチョの筋肉に興味津々。
「例外の方が多い規則」離脱版を使う。

怪異の専門家。忍野メメの先輩であり神原駿河の叔母。
暦が伊豆湖と連絡をとるために電話を借りようと入った家から現れた。

  • 忍野扇
12月に直江津高校に転校してきた1年生で忍野メメの姪。
忍野一族の由緒ある家業をしていると言う。
忍に『何か』と言われている。

  • 『くらやみ』
本当の名前は誰も知らず暦が便宜上つけた名前。
怪異ではなく世界の修正力そのもの。
ブラックホールのような「黒いなにか」であり、「見えない」という「認識」を「認め」られない。
人でも怪異でも呑み込んで存在を消滅させる。
物質以外でも消滅さえることが可能で暦と忍のリンクを切断した。

  • 初代怪異殺し
400年前にキスショットが出会った武士で妖怪退治を生業とする一族の末裔。
怪異殺しの刀『心渡(こころわたり)』と怪異生かしの刀『夢渡(ゆめわたり)』を所有している。



■400年前の出来事
「キスショットはヴァンパイア・ハンターから命を狙わているため南極にいた。
「太平洋に向かい大ジャンプし、日本の湖に着地しその湖を消滅させた。
「その周囲の村は日照干魃であり湖の雨を降らせたキスショットを神と崇めた。
「寝床にも食い物にも困らなく、神と呼ばれるの悪くないと思いしばらく町に滞在する。
「そして村の人々が次々と消えていく神隠しが発生した。
「初代怪異殺しがキスショットを疑いをかけやってくる。
「そのとき『くらやみ』が何の脈絡もなく、現れ二人を呑み込んだ。
「キスショットが体の3/4を呑まれた後、力を振り絞り片足で南極まで跳ぶ
「逃げ切り体を再生させ身構えるが『くらやみ』は追ってこなかった。
「キスショットは自分の体を掴む初代怪異殺しの右手首に気づく。
「とんでもない孤独感にとらわれたキスショットはその右手首の血を吸い眷属を作った。
「初代怪異殺しは『この化物が――よくも私達を謀ったな』と叫ぶ。
「その数年後、キスショットを憎悪し太陽の下に飛び出し自殺をした。



以下ネタバレ










キスショットが『くらやみ』に狙われた理由とは、
鬼であるキスショットが神を演じたからである。
『くらやみ』は怪異の道から逸れた怪異、自分を偽った怪異の存在を消し去ることが役目である。
怪異は自分を偽ってはいけない。

つまり今回『くらやみ』が標的は


八九寺真宵である


人を迷わす怪異である「迷い牛」が人を迷わさずにいること、
本来成仏しているはずなのに嘘をつき続きここにいる。

迷い牛として人を迷わし続けるか、成仏するかしか選択肢を要求される。

そして八九寺が選んだ道は


八九寺「もういいんですよ、阿良々木さん」

「阿良々木さんとたのしくおしゃべりしていたこの三ヶ月は、わたしが一人で道に迷っていた十一年間を、十分うめあわせてくれましたから」

「だからもういいんです。ありがとうございました」

「あ、そうだ。阿良々木さん。最後にあれやりましょうよ、あれ」

「噛みましたから始まる、一連の流れ」

阿良々木「・・・・なんだよ、やっぱわざとだったのかよ、あれ」

「当たり前じゃないですか。あんな噛み方する奴いませんっ」

「ね、阿良々木暦さん。そう言えば今回、一度もやってませんでしたし」

阿良々木「・・・・・・・」

「阿良々木さん、わたしへのはなむけだと思って、ここは是非」

阿良々木「・・・・わかったよ」

八九寺「ちゅっ」

「ちゅ・・・う―――うっ」

「失礼。噛みました」

「大好きでしたよ、阿良々木さん」



そうして大粒の涙を流しながら笑顔で八九寺は消えていった。





追記・修正は南極まで跳んでからお願いします

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最終更新:2022年05月27日 10:07