幻想殺し/イマジンブレイカー

登録日:2011/06/22(水) 03:41:42
更新日:2022/03/15 Tue 12:47:41
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「幻想殺し/イマジンブレイカー」とは、『とある魔術の禁書目録』の主人公、上条当麻の右手に宿る特殊な能力の名称。

『魔術・超能力・神様の奇跡などの異能の力を問答無用で無効化する』という能力であり、魔術にも超能力にも分類されない謎の異能力として描かれている。
また、「電磁加速したメダルの速度」など異能によって発生した直接的な作用そのものも無効化する。


作中で最強レベルの超能力である御坂美琴の電撃や、一方通行のベクトル操作すら無効化するという、
限定的ではあるがもはやある意味でチートレベルの性能を誇り、数々の超能力や魔術を無効化して事件の解決に一役買っている。




しかし弱点も存在する。というか実際には弱点だらけである。


まず効果範囲が右手首より先のみであること。

右手首より先が異能に触れればチート能力が発動するのだが、
触れなければ能力の恩恵は受けられない為に無効化などしたい場合にはある程度近付かないといけないし、
不意打ちで後ろから異能をぶつけられたりした場合には無効化できない(これの場合は上条さん本人が持つ『前兆の感知』である程度は防げる)。

但し例外もあり、テレポーテーション等の身体の一部ではなく全身に作用する能力は、右手も効果範囲に入る為無効化される。
テレパスなど脳に直接干渉する能力の場合は右手でその能力の根源や頭に触れるまでは有効である。


二つ目の弱点は『その異能の力で間接的に起きた現象は無効化出来ない』こと。

例を挙げると、超能力で発生させた火は無効化出来るのだが、その火が原因で起こった火災は無効化出来ない。

異能で作り出された火なら異能を無効化すれば存在が抹消できるが、
異能が作用したとはいえ『現実に発生した』火は異能で出来たものではないので、無効化しても存在は抹消できないのである。

前述の速度の件とバッティングするが、「魔法によって発生した火の熱で周囲に発生した火」は自然現象ということで適用外と考えられる。
おそらく、ワンステップを挟むことで機能しなくなるのだろう。他の例にこの理屈が通用するかは微妙だが。

また『異能の力なら問答無用で無効化する』といっても瞬間的な作用量に限界があるようで、
インデックスの竜王の殺息(ドラゴンブレス)や一方通行の黒い翼のように、
相手の力があまりに大きい場合には処理が間に合わず力負けしてしまう模様。

ただしそれに対しては受け止めずに受け流すことである程度は対処できるようになった。



弊害としては『不幸になる』ということも挙げられる。

インデックス曰く、右手の力が神様の加護や運命の赤い糸も無効化しているから、らしい。なので、よく「不幸だ」と呟いたり叫んだりしている。
ただ赤い糸を無効化しているというのは上条さんのフラグ建て能力のせいで説得力は皆無。あと限定的にやたら幸運になる。
逆に、あれだけフラグを立てておきながら誰ともろくに進展しないことが幻想殺しの影響なのかもしれない。


錬金術師アウレオルス=イザード戦で右腕を斬り落とされた際には、
その傷口から「竜王の顎/ドラゴンストライク」という異能らしきドラゴンの頭が顕現し、アウレオルスを恐怖・戦意喪失させた。

ただ、それが本当に「竜王の顎/ドラゴンストライク」だったのかは不明で、アウレオルス撃破後は右腕も治っていた為に謎になっている。
作中では『幻想殺しを恐れたアウレオルスの見た錯覚ではないか』とも言われていた。

ところが『とある科学の超電磁砲』10巻にて右腕が吹き飛びまさかの再登場をはたす。
しかも八匹に増加した挙句、すべてデザインが違う。
この際、いろいろな意味で規格外の削板軍覇でさえ「自爆技で抑え込めるかもしれない」と言わしめた力を一方的に捕食した。
そのため上記の錯覚説は完全に否定されることとなった。

また、よくサービスシーンの発生源となったりもする。(主にインデックス等の魔術サイドのシスター)

ちなみにアニメ版の幻想殺しの際になる効果音は非常に心地良い(『とある魔術の禁書目録Ⅲ』では大人の事情で変更されてしまっていたが)。
ピュキーン


ネタとして、上条さんが決め手としてこの能力を使う際に必ずと言っていいほど発する『その幻想をぶち殺す!』も、
「幻想殺し」の代名詞とされており、勝てると確信した瞬間に大逆転を喰らう、自分に好意を持ってくれていると思っていた異性に恋人がいた等、
幻想をぶち殺されたことをこの台詞を略した「そげぶ」を引用し、「そげぶされた」と称することがある。また本人はゲンコロとも略したことがある。

後半はとある心境の理由で「その幻想をぶち壊す」と変わっていたが、最終決戦で再び『その幻想をぶち殺す』に戻っている。



原作22巻において、上条当麻は幻想殺しを右腕ごと失った。

だが体から、聖人すらも圧倒した「神の右席右方のフィアンマすら驚愕させる程の『見えない何か』が発現される。
結局それは上条当麻が幻想殺しを取り戻すことで霧散するが、その際切り落とされた右腕は一瞬で再生したことから、
幻想殺しが単なる「異能を打ち消す力」ではない事が明らかになる。(というよりは幻想殺しはその力のほんの一面でしかない可能性が高い)

これはアレイスターや風斬の言葉からも裏付けされている。


そもそも超能力なのか魔術なのか、その境なのかすらよくわかっていない。
アレイスター曰く「幻想殺し」は単なる「異能の力を打ち消す右手」ではないらしく、「神浄」というキーワードを残している。


そしてオッレルスによって語られたその正体は、「すべての魔術師たちの願いと怯えが集約したもの」とのこと。

魔術とは極めれば世界を自由に歪められる力だが、歪めてしまった後に起きるかもしれない弊害は予測できず、
元に戻そうとしても歪んでしまった世界では元の形を思い出すことができないかもしれない。
だが、その影響を一切受けないものがあるならば、それを元にして元の世界を思い出すことができるかもしれない。
そんな世界のバックアップとも言うべき「基準点」こそが幻想殺しの正体。

…………らしい。
あくまでこれはオッレルスや魔神達の主観によるものだがオティヌスが幻想殺しを用いて世界を直したことや、理想送りの存在などから世界の基準点というのは間違いではないようだ。

類似した力は過去にも確認されているらしいが、幻想殺しがそれらと同一のものなのか、そもそも何故そんなものが発生しているのかは不明。
この説が正しいのであれば、異能でありながら命や地脈に幻想殺しが干渉できない理由にもなる。

ついでにいえば上条さんの本当の超能力もやはり不明である。



…だが、上里翔流の「理想送り(ワールドリジェクター)」と衝突した際、「幻想殺しが吹き飛ぶが、直後上里に重傷を負わせる破壊が発生し、幻想殺しも即復元」という予想外の事態が発生。
フィアンマ戦で垣間見えた『見えない何か』と思しきそれは、だがオティヌスとの初邂逅の際あっさり握りつぶされた(そしてその時も即時右手が再生)時より強化されており、「前とは違う」と上条に恐怖を感じさせた。




新約18巻において、かつて世界最大の魔術結社「黄金」が所持していた究極の追儺霊装「ブライスロードの秘宝」が先代の幻想殺しである事が明かされ、
アレイスターが幻想殺しが後に上条に宿る事を予知しそのために学園都市を建設した事がわかるが、右手の謎の力については触れられなかった。

新約22巻において右手が切断された際には竜とも透明な何かとも違う赤黒い魚卵のようなものが出てきた。
この力は最早上条に抑えきれないほどになってしまったらしい。

新約22巻リバースでは切断された右手を中心に、さながら垣根から独立した未元物質のように、もう一人の上条が現われ幻想殺しの力が持っていかれる。
が、このもう一人の上条の正体は幻想殺しではないとのこと。ちなみに彼の本性はショッキングピンクとエメラルドカラー色のドラゴンで、ある存在からは「神浄の討魔」とも例えられている。
一方右手を無くした元の上条からは、なぜかスカイブルーとレモンイエロー色で竜型の外殻にも変形する「腕」が生え、同巻ラストで何とか幻想殺しが戻るとともに収まっている。

またこのような異質な力はオティヌスが世界を直した時には存在しなかった。

詳細についてはまだ作中では語られていないが、今作の最大の謎であり、やはり物語の根幹に関わるものだと推測されている。
なおオティヌスやコロンゾンが言うには魔術だけでなく科学の視点からでないと正体はわからないらしい。
またアレイスターは幻想殺しやその奥にあるものの正体について知っているらしい。



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最終更新:2022年03月15日 12:47