一条(カイジ)

登録日:2011/06/18 Sat 23:14:51
更新日:2024/02/07 Wed 16:29:01
所要時間:約 7 分で読めます





当カジノでは誰でもウェルカム…!


一条とは『カイジ』シリーズ第3章である「欲望の沼」に登場するキャラクター。
回胴黙示録カイジのCV置鮎龍太郎、回胴黙示録カイジ2のCVは遊佐浩二、TVアニメやCR等のCVは浪川大輔
実写版は伊勢谷友介。
テレビアニメ以降は一条聖也とフルネームが設定されている。

概要

最早イカサマのような高難易度から人喰いパチンコと呼ばれる「沼」を有する裏カジノの若き店長。高校卒業後何らかの理由で大学進学を諦め、帝愛グループ系列の裏カジノに7年間就職し、下働きを経て店長に昇進した努力の人。
スピンオフのイチジョウにて岡山県出身という設定が明かされた。

帝愛のNo.2である黒崎義裕からは特別な寵愛を受けているものの、会長である兵藤和尊からは「顔が気に食わん」と言う理由からか陰湿ないじめを受け続けていたらしい。

具体的に描写されているものは「会長の生足を漬けたワイン一気飲み」「トイレで頭を踏みつけられたり、四つんばいになって会長の人間椅子ごっこ」*1


人物

恐らく福本作品随一のイケメン
見ようによっては女にも見える、中性的かつ端正な顔立ちをしている。実際、登場初期の頃は身だしなみに気を使っている描写があった。

だが、そんな容姿とは裏腹に尊大で、内心では他人を見下している。表向きは穏やかな分余計タチが悪い。
自らの上司である黒崎に「ある意味では君(一条)を凌駕する」と評されてからカイジには面と向かって「野良犬」呼ばわりするなど、特に敵対心を燃やしていた。

策略のために「沼」を打っていた坂崎の姿を見て「勝利への欲求が感じられない」と判断するなど観察力に優れ、沼の設計からもうかがえるように大胆な発想力も持ち合わせている。
その一方で、傲慢な性格故に自らが製作した「沼」を絶対視しており、想定外のアクシデントが発生すると狼狽たり、カイジ達が打開策を持って訪れることを想定せず入店を許可するなど、優秀ながらも軽率かつ未熟な面が多い。
またイカサマに関してもカイジがかなりの洞察力を働かせてようやく引き出した他の面々に比べると、その辺のおっさんですらしばらく観察すれば気づくようなあからさまなものも有り、その点でもまだまだという感じが拭えない。特に他のギャラリーですら見え見えのインチキだった「ブロック」とか。

事実、兵藤会長には「おまえのやり方では下の下」と言われてしまっている。
切羽詰ってくると自らのミスを棚に上げて部下を叱責したり、TVアニメではより性格の悪役面が強調され部下の村上たちは八つ当たりされたり、リモコンを持ってきたのに話を聞かずリモコンを取り上げる描写になっている。*2

会長風に言うならば「基本はこなせても応用は出来ない男」といえる。
利根川のように歳を重ね経験を積んでいないこと、あるいはカイジほど貧窮してはおらずハングリー精神に欠けるためだろうか。
黒埼の言った「(カイジは)ある意味で一条以上」というのはこのことを言っているのかもしれない。


長らく帝愛グループに所属していた為か兵藤会長に負けず劣らずのサディストでもある。
沼の部品を壊し暴れた坂崎をカジノの従業員達にリンチさせ、計画の首謀者で裏カジノの金庫前に不法侵入したカイジに対しては「血のマニキュア」(器具を使い指の爪と肉の間に針を通す)と称される凄惨な拷問を施した。

……これを見て指の先がキュッとなった読者は多いだろう。
指の先は肉体の中でも触覚器官が集中しており、その分痛覚も敏感な部位である。
一説によると兵藤会長の行った指ギロチンよりも痛いとかなんとか……。

自らが私刑を加えた者を解放する際に隠しマイクを仕掛け、彼らの憎まれ口を肴に酒を楽しむといった陰湿な趣味も持つ(カイジたちの場合はすぐマイクに気づいたため、あまり楽しめなかったが)。
もっとも、この趣味は村上が言及していたもので一条自身が好んで行っていたかは定かでない。楽しんでいたのは確かだが。


学生の頃から成績は優秀だったようで、高校の頃の同級生へカジノに勤めていることを告げた時は「勉強できたのにな、お前」と返されている。
一方、この友人たちには席を離す間に「嫌なヤツだったから失敗して良かった」と陰口を叩かれていた。現在の傲慢な人格は高校時代からのものだったようだ。

公式スピンオフの『中間管理録トネガワ』では沼の接待パチンコが収録されている。
「設定Y」や「フェニックスシステム」などが導入され、その余りにもイージーモードっぷりに「(接待と言うのは接戦を演じつつ負けることであり子供扱いする事じゃ無い)」と、利根川に呆れられてしまった。

ちなみに、眉目秀麗なのに兵藤が「顔が気に食わん」と言っていたのも、この接待下手なところが原因なのかもしれないと思う方もいるだろうが、時系列的に会長が沼の接待を受けた時は一条はまだ店長では無い。
沼を目玉台に改造したのは一条なので会長の沼接待の時にいたかもしれないが、原作では会長は沼の接待を振り返り、当たりが出て周りが驚いていたのにご満悦な様子だったため、当時の裏カジノ店長が接待をしていた可能性もある。

トネガワの新入社員の面接ネタで「会長より顔が目立つ奴は、会長から目をつけられてしまう」という言及があるので、一条が下積みの頃から嫌われていた原因はやはり顔が目立っていたのが理由とも取れる。
というか本当に会長相手にあんな接待かましたら制裁...!どころではないだろうし。

彼主役のスピンオフ作品、上京生活録イチジョウという作品が連載した際には、同居人である村上と、「沼」のようにのめり込んでいく、東京でのフリーター生活の物語が、カジノを経営する前の話として、描かれている。



作中での活躍

編にて、一攫千金を狙う坂崎のおっちゃんの挑戦を「ブロック」をはじめとした妨害によって退ける。
その後、坂崎に加え遠藤を連れて現れたカイジと再戦。
カイジの緻密な計画、そして勝負の綾による偶然で十重二十重に組まれた妨害策を幾度も瓦解させられ、難攻不落にして自らの自信作であった「沼」を遂に攻略される。

勝負の様子を見ていた兵藤会長は激怒、発生した損害金額7億円の代償として地下帝国での強制労働1050年の罰(1000万円あたり15年)を一条へ下す。

黒服達に連行される際、カイジから「俺をここまで追い込んだのなら、這い上がって自分に報復しに来い」と激励され、「『次』は叩き潰すからそれまで待っていろ」と涙ながらのリベンジを誓った。

25歳というカイジとさして変わらぬ年齢、その手腕と頭脳、端正な容姿に隠された醜悪な本性、ただの外道に留まらぬ出世までの努力、嘗ての利根川のように意地を見せた最後、そして「破滅を賭けた勝負」という土壇場で発揮される閃き、勝利に飢える姿といった要素から「カイジのライバル」「もう一人のカイジ」などと評され、曲者揃いの『カイジ』シリーズの中でも非常に人気の高い悪役である。

地下帝国に連行されて以降、原作では出番が無い。
ファンの間では地下帝国での彼の働きぶりやカイジとの再戦を待ち望む者が多いだろう。

ちなみに、福本先生のサイン会へ行ったファン曰く「先生に一条のことを聞いたら『一条はできるやつだからもう地下から出て、別のところで働いている』らしい」とのこと。
ソースはTwitterなので真偽は定かでないが、仮に本当だとすればどうやって7億円分ものペリカを稼いだのだろうか……(どんなにやっても脱出には地下の労働員を100人として、全員の年収の64倍を稼がねばならない。一日外出券を使い地上で何らかの方法で大金を得た可能性もあるが、一日外出券は収容一年未満の者には許可が下りず、言わずもがな外出券自体も高額なので簡単には地上に出れない。)

余談だが、原作漫画では黒髪だがスロット、CR、アニメ等のメディア化によって髪や服の色は変わる。
CRやTVアニメではほぼ赤に近い茶髪。こちらもこちらで似合っている。



実写映画版

カイジ以外に唯一鉄骨渡りを成功させた者という設定。地下脱出後は帝愛の下で働き、原作のように裏カジノを経営。
人生奪回を狙うカイジ達は、尺の問題でブロックがなくなった人食いパチンコ「沼」との勝負に臨む。

鉄骨を渡る中で本性をむき出しにした仲間たちの姿から人間の善意を信じられなくなってしまっており、前述の「もう一人のカイジ」といった面が強調されている。



スピンオフ

モーニング2021年8号より一条を主役したスピンオフ「上京生活録イチジョウ」が連載開始。
舞台は一条が上京を始めた頃から始まる。

所謂意識高い系だがフリーターで、後に側近となる村上と二人暮らしをしている。
いろいろと要領の良さは発揮しているが人付き合いはやや下手。



代表的な台詞


「どうぞ・・・存分に夢を追い続けてください・・・! 我々は・・・その姿を心から・・・応援するものです・・・・・・!」

「ところがどっこい・・・!夢じゃありません・・・!現実です・・・!これが現実です・・・!」

「オレは・・・敗れるわけにはいかないんだ・・・!」

「待ってろっ・・・・・・・・!叩き潰すっ・・・・!次はっ・・・!」

「だったらもっと早く起きろって話だよな・・・・ しのごの言わずに・・!」

「積み上げること・・・・!無料配布のジェムをなるべく多く・・・・!」

「豆苗だ・・・・!」

「クク・・・・・・!露呈したな・・!お前の・・阿爺下頷・・!これこそ猿猴取月・・!甕裡醯鶏のくせに恪勤精励もしないから削足適履するんだこの舎本逐末が・・!」




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最終更新:2024年02月07日 16:29

*1 元々兵藤は自分への忠誠心を確かめるためにいじめまがいの行為を強要する趣味がある。

*2 ちなみに日常風景では一条は部下にコーヒーを淹れていたり談笑し慕われており、帝愛にしては和やかな職場場面もある。