グレムリン(とある魔術の禁書目録)

登録日:2011/08/18(木) 19:59:40
更新日:2021/05/03 Mon 22:02:20
所要時間:約 13 分で読めます




※注意
この項目はとある魔術の禁書目録新約二巻の多大なネタバレを含んでおります。

















「Welcomehome,hero(おかえりなさい ヒーロー)」



とある魔術の禁書目録』に登場する魔術組織。
初登場は新約二巻。新約一巻で「奴ら」と呼ばれていた存在の正体である。


第三次世界大戦から産まれた謎の魔術組織で「戦争の勝者たる科学サイドに牙を向く存在」らしい。

その名前の由来は機械の誤作動や不具合を誘発させる妖精「グレムリン」。
機械という概念が産まれてから発生した「新世代の魔術(オカルト)」であり、科学と魔術の争いから産まれた彼らを象徴する名前と言える。


魔術組織とは言ったものの、その技術には科学サイドの物を応用したような物も見られる等、実際は単純な魔術や科学の枠にとらわれない組織らしく、
言うなれば科学サイドとも魔術サイドとも違う「第三勢力」。


新勢力だけあってその行動はなかなかぶっ飛んでおり、
  • 上条当麻の捜索or自分達の存在を知る者に対する挨拶の為だけに墜落すれば世界規模の災害を引き起こす巨大なラジオゾンデ要塞をためらいなく使う。
  • 自身の体を「トールの鉄槌」の力を振るうために立方体や展開図のような物体に「魔改造」した魔術師を使ってあの神裂火織と互角に渡り合う。
等、なかなか常軌を逸している。



新訳三巻にて、本格的に活動を開始。
ハワイを舞台に上条さん一行と激戦を繰り広げた。
この際、幻想殺しで対処仕切れない術式を駆使する魔術師を対上条さん用戦力として投入してきた。
また、彼女達の用いる術式や言動から、グレムリンの構成メンバーは「第三次世界大戦の敗戦国の出身者」が占めていると見られる。


以下、構成メンバー

「灰被り姫」に準えた術式を用いる魔術師。
周囲の人間の足を「強制的にガラスの靴のサイズに矯正」する他、自らをシンデレラに準える事であらゆる攻撃を回避可能。
だが、術式の弱点をバードウェイに突かれ敗北。


  • サローニャ=A=イリヴィカ
ロシア出身の魔術師。
レーシーと呼ばれる「ロシアの森、及びその飛び地を支配し、そこに住む住人を支配する」術式を用いる。
典型的なロシア人で、第三次世界大戦の勝利者として君臨する学園都市を叩くべく行動する。
子供を操ってその親族を脅迫する等、外道な戦術を駆使するが、上条さんに術式の要を見破られ敗北した。


以下、更なるネタバレ














実は、投入されていたメンバーは臨時雇用された「新人」。
事を起こすに当たって、予想される損害を嫌ったグレムリンが雇った「捨て駒」に過ぎなかった。
彼らのハワイでの目的は「キラウェア火山の噴火」に過ぎず、その目的は未だ不明。
新訳四巻では、ハワイでの騒動がきっかけで学園都市から離反した協力機関が設立した「サイエンスガーディアン」の協力者として、今まで不明だった正規メンバーが登場。
学園都市の刺客相手に激戦を繰り広げた。


新約5巻にてオッレルスの言からグレムリンは現段階においては、
学園都市という巨大すぎる科学サイドの象徴に対しそれと対抗するだけの力を欲するためにオティヌスを強化することを目的に動いているとのこと。
そのためにグレムリンはオティヌスの我が儘を叶えるための組織へと変貌してしまっている。
新約8巻では正規メンバーの戦闘要員が一気に登場した。いずれも怪物ぞろいである。

新約10巻で正規メンバーの態度や発言から「魔神に尽くすその見返りに自分では叶えられない願いを叶えてもらう」ための組織であることが判明。
上記の科学サイドの台頭が許せないという願いも「オティヌスでなければ叶えられない願い」の一つでしかない。
そのため「オティヌスが完全になったにも関わらず報酬も払わず逃げ出した」と思ったオティヌスとトールを除くグレムリンの正規メンバーは怒り心頭に達し、
オティヌスを殺すべく行動を開始する。

余談だがグレムリンの正規メンバーは百名から数百名とかなり多い。
後方支援担当も含めてだがサンドリヲンやサローニャなどの扱いから見るに後方支援であっても魔術的な意味で必要不可欠だと思われる。
上記のラジオゾンデ要塞やサルガッソーの仕掛けなど大きすぎる仕掛けを使っているのである意味当然かもしれないが


以下、正規メンバー

グレムリンのリーダー的存在。格好が物凄い痴女。
魔神でありその名に恥じぬ力の持ち主だが、魔神としての性質として成功と失敗の確率が50%ずつに分かれているという厄介な性質を持つ。
それらの問題を解決して完璧な魔神になることを目的としている。
新約8巻にてその目的を果たして完璧な魔神と化して世界を滅ぼした。


北欧神話にその名を伝えられる「黒小人(ドヴェルク)」の一人で、黄金製の工具を用いて他者の形を「組み換える」術式を得意とする。
見た目は可愛らしいが、その美的センスはブッ飛んでいる。


  • 投擲の槌(ミョルニル)
マリアンに付き従うドラム缶少女。その異形ははマリアンに改造された結果だが、マリアンにはとても懐いている模様。
異形揃いのグレムリンの中でも特に異形の魔術師でグレムリンの中で最も早く作中でその力の片鱗を見せつけた。
その力は音速を超えた高速戦闘を行える聖人・神裂火織相手に立ち回ったが自身の性質の弱点を突かれ撤退する。
魔術師としての能力はトールの伝承通りの雷撃で縦横の大きさが20kmに及ぶラジオゾンデ要塞を3分の1吹き飛ばすほどの威力を放てる。
また、全能トールの性質も持っており、魔術サイドの力なら大体のことに通じ彼女一人のために戦争が起きかねないほど。


  • ウートガルザロキ
他者の五感を別の物にすり替える術式を用いる幻覚使い。
術式に準備が必要な都合上直接戦闘は苦手な上、同じ(科学系の)幻覚使いの木原乱数にフルボッコされ、
何とか逆襲した直後にツンツン頭の正義の味方にそげぶされ退場(これも実は幻覚だった)と、何気に不遇。



  • シギン
術式かどうかは不明だが、「100%当たる助言」でメンバーのサポートを行う。
が、その重要性故真っ先にチアガール忍者に襲撃され、あっさりマリアンの情報をゲロった。
その失態は粛清レベルであり、今後彼女がまともな姿で再登場する可能性は皆無に近い……正直、手裏に始末されていた方がマシだったかも。


  • ベルシ
白いコートに白いヘルメットという出で立ちの変人だが、拳のみでファイブオーバーの群れ相手に無双する実力の持ち主。
マリアンからは仲間としてかなり信頼されていた模様。
「致命傷を無効化する術式」を用いる。
木原一族の一人・木原病理とは何らかの因縁がある様子。
実は彼も木原一族出身。本名、木原加群。
マリアンとは古い付き合いで、グレムリン入りしたのも彼女に誘われたから。
グレムリンが科学に精通しているのも彼の存在があってこそ。


グレムリンの直接戦闘担当、オティヌスに次ぐ力を持ったグレムリンのナンバー2。
容姿は金髪ロングの少女のような印象を受ける少年。男の娘。そんな見た目だが性格は漢。
前述のぶっ飛んだ行動を取るグレムリンのメンバーの中では比較的まともな感性を持ち、
グレムリンの行動に憤慨し後にオッレルスに取引を持ちかける形でグレムリンを裏切る。
トールの名の通り雷光の溶断ブレードを主体とした戦闘を行う。雷神だけでなく全能としてのトールの顔を持ち、その能力で上条当麻を一蹴した。


  • フレイヤ
妊婦。大学生ギリギリの見た目で胎児を利用した魔術を使う。
実際の本体は意識を失った母親の体を乗っ取っている胎児。意識を失った母親を助けるためにオティヌスの魔神としての力を求めてグレムリンに参列。
新約で初めて大活躍をしたインデックスによって魔神でしか解決出来ないと思われていた自分たちの問題が解消された。
その後、母体は雲川鞠亜に保護される。


  • ロキ
老人。だっちゅ。
グレムリン内にスパイや裏切り者が入り込んでいると睨みマリアンの手帳を書き換えオッレルスの協力を得た連合軍を振り回した。
その際、偽のグレムリンのアジトへと侵攻していた騎士団長ウィリアム・オルウェル、キャーリサを、
アジトごと吹っ飛ばす爆発で対応するなどロキの名に恥じぬ策士。


  • ヨルムンガンド
日本を焚き付けるために戦闘機を飛ばしていたロシア軍の妨害の為に駆けつけた少年の魔術師。
上空1万メートルの戦闘機の上でも全く動じずに活動でき、ヨルムンガンドの性質として一万メートル先の目標にも届く致死性の光線を放つことが出来る。
新約8巻においては戦闘機を墜落させるのを妨害しに来たステイルとの戦闘に入った。


  • ヘル 
ツギハギだらけの肌と血まみれのドレスという異様ないでたちの少女。
死者の残留情報から死因を取り出し、既存の武器に組み込んで死因を入れ替える魔術を使う*1
アメリカ海軍の補給ルートを潰そうとするが、護衛として詰めていたシルビアとブリュンヒルドと交戦する。…聖人が二人がかりで挑むに相応しい化物である。


  • フェンリル
周囲の力を飲み込む「溝」を作り、敵を攻撃する魔術を使う青年。アラスカのレーダー基地を襲撃し、オリアナと交戦する。


追記・修正お願いします。
















「やぁ諸君。やっと見つけたぞ『グレムリン』」

新約10巻最終章にて上記のグレムリンとは異なる「真のグレムリン」が登場。

誰にも認知・干渉できない位相に存在し、上条当麻の方向性を歪ませないためにオティヌスを妖精として復活させたもの達。

メンバーの詳細は不明だが名称だけなら「ネフテュス」という女性の名前だけが判明している。
その他にはオティヌスを妖精として復活させたリーダー格と思われる木乃伊のような老人の「僧正」、
「キメラちゃん」「娘々(にゃんにゃん)」「ゾンビ少女」と呼ばれる人物が確認されている。

「グレムリン」の真の意味は「科学と魔術を融合させた勢力」ではなく「あらゆる魔神が平等に参加できることを目的とした魔術結社」である。
つまり真のグレムリンは皆オティヌスと同様に"魔神"ということになる。(厳密には違うようだが)
その目的の詳細は不明だが「幻想殺し」に関わることであると思われ、上条当麻の行く先を気にしていた。
10巻最後にて少ししか出番が無かったが、作中で猛威を振るったオティヌスを不完全な魔神と見下し格下扱いするなど相当なインパクトを残した。

オティヌスの件の事後処理を行った後解散しようとしたところアレイスター・クロウリーによって誰にも干渉できない世界から実在する世界に引きずり出された。
その後、僧正がアレイスターの根幹に当たる部分を指摘しエイワスを失敗作扱いしたことでアレイスターの怒りに触れ、
アレイスターと『真・グレムリン』の戦闘に入った。

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最終更新:2021年05月03日 22:02

*1 例 包丁で凍死させる、拳銃で焼死させる