垣根帝督

登録日:2009/09/11 Fri 10:41:52
更新日:2024/03/19 Tue 18:43:58
所要時間:約 7 分で読めます






俺の『未元物質(ダークマター)』に、その常識は通用しねえ




とある魔術の禁書目録』の登場人物。

CV:松風雅也


概要

学園都市で7人しかいない超能力者の第二位。
学園都市の裏組織・スクールのリーダーにして、アレイスターの計画(プラン)における第二候補(スペアプラン)

悪役ではあるが、基本的に一般人には手を出さず、敵でも小物なら見逃すこともあるが、自分の邪魔をするのなら一般人であっても一切容赦しない冷酷な一面もある。
それでも暗部の人間のなかではマシな方だが、一方通行からは「チンピラ」「三下」と酷評されている。
ただし状況から見て浜面仕上(レベル0)麦野沈利(レベル5)をタイマンでぶっ倒したと思われる事に気付いた際はそれまで完全に小物とみなしていた浜面を素で再評価する
その小物が自分の予想を覆した事に変にプライドを傷つける事もない器の大きさも持っている。

学園都市の第二位だけあって頭脳の方もなかなかに明晰らしく、作中でも素粒子工学研究所を襲撃、その成果物「ピンセット」を活用してアレイスターの極秘通信網「滞空回線(アンダーライン)」から情報を得て戦略を練っている。

能力

能力は『未元物質(ダークマター)』。
「この世に存在しない新しい物質」を作りだし、既存の物理法則を塗り替える。

この能力で生成されるのは、物理学で存在が予言される暗黒物質(ダークマター)とは異なり、「理論上存在し得ない」異世界の物質。
未元物質それ自体はもちろん、「未元物質と相互作用した既存の物質」もまた通常の物理法則から逸脱した挙動を示すため、工業上の利用価値が非常に高い。
第二位の序列も納得と言ったところ。

戦闘においては、未元物質で形成される六枚の天使の様な翼で戦う。
飛行はもちろん、打撃・斬撃・烈風・翼の分解による防御、更には太陽光を「未元物質」に回折させることで通常の物理法則を逸脱させ殺人光線に変える…など、戦法の幅は非常に広い。
また、翼を展開せず麦野沈利に完全勝利できたり、見えない自立兵器「オジギソウ」の群れを一掃できたりと、素の戦闘能力も高い。

当人の性格や行動に似合わないメルヘンチックさには自覚もあるようだが、それでもこの形態を変えないということは「自分だけの現実」的に自然とそうなってしまうのだろうか。
「子供にウケそうなヴィジュアルの能力」とからかわれた際にはブチキレているため、開き直っているわけではないらしい。


活躍


暗部編: メルヘン天使

旧約十五巻、いわゆる「暗部編」でのボスキャラとして登場。
目的は学園都市統括理事長・アレイスターへの「直接交渉権」を得ること。
その手段として彼の計画(プラン)における第二候補(スペアプラン)から第一候補(メインプラン)となることを画策、現在第一候補である一方通行を潰しにかかった。

一応は同格の組織である「メンバー」のリーダー・博士や「アイテム」のリーダーにして超能力者・麦野を歯牙にもかけず完勝。
一方通行に対しても、一度は「反射」を打ち破り能力によるダメージを与えるという快挙を成し遂げた。
…が、直後にあっさり『未元物質』を解析され効かなくなる。
そして第一位と第二位の絶対的な差、「悪党」(笑)としての生き様を見せられ、完全敗北を喫した。

この直後、悪あがきとして黄泉川愛穂を襲ったことが一方通行の逆鱗に触れ、「黒翼」の発現を促してしまう。
これを見たことで「未元物質」に関する何らかの理解を深め新たな覚醒を遂げるも、結局は一方通行に虐殺された。

その後の旧約: 冷蔵庫/工場長

虐殺された、と書いたが、その身体は学園都市によって回収され無理やり蘇生され、「生かされている」。
前述したとおり「未元物質」の工業的利用価値は非常に高いため、相当な無理をしてでも「未元物質」の使い手を生かしておく価値がある。
…とはいえ、能力さえ出ればいいため、脳を三つに切り分けられ、冷蔵庫よりでかい生命維持装置に繋がれた挙げ句、能力を出す為だけの実験体となっているらしい。
その姿はあの麦のんすらドン引きする程。

製造に彼の能力を利用した「この世の法則に従わない装備」はEqu.Darkmatterと呼ばれ、第三次世界大戦(のどさくさに紛れた浜面抹殺)などに実戦投入されている。

新約「グレムリン」編: カブトムシ

のっけから一方通行が『自分には常識が通じない、というのは、実は何の自慢にもならないのではないか』などと垣根を全否定するような思索にふけっている。
ていとくん可哀想…

などといっていたら新約4巻で復活。
人体を「未元物質」で形作れるようになり、欠損した臓器を「未元物質」で繋ぎ合わせることにより自由を取り戻した。

さらには自分の身体と能力との境が曖昧になったことによって、手足を動かすのと同じような感覚で未元物質を操れるようになった模様。
この修復能力を応用し、自分の複製を無限に創造する能力を獲得した。
この複製は脳までも複製されており、全ての個体が『未元物質』を実装している。
更に肉体と能力の境が曖昧になった影響で垣根の意識は『未元物質』を通して全ての複製に分配されており、ひとつのネットワークを形成している。
既に脳が超能力を発揮しているのか、超能力が脳を作り出して維持しているのかもわからない状態になっているため、本来の肉体と呼べるものも存在しなくなっている。

つまりすべての複製が全滅しない限り決して死なず、一体でも残っていればそこから無限に増殖・再生を繰り返すのである。なにこのチート。

また、自分の複製だけでなく昆虫型メカを作り出す事も可能で、本編では偵察用トンボメカやカブトムシ型空中戦車を複数機作り出している。
これらは高度な自律判断機能を持っているが、それ故に命令の解釈に各機の間で齟齬が発生する事がある。
そうなると、敵味方の識別や優先破壊順位がブレて、最悪同士討ちにまで発展してしまう。

新約6巻にてフロイライン=クロイトゥーネを確保するために出撃するが、「関係ねぇ」と一方通行を襲撃。
その不死性と、妹達を模した複製を作り出すというゲスい戦法で一方通行を追い詰め、加勢した麦野も圧倒し、勝利は時間の問題だと思われた。




実はこの能力には致命的な弱点が存在する。
垣根の精神はネットワークの中に不均質に散らばっており、それをそれぞれの複製が取得しているのだが、
それは垣根の精神の一部分だけを集中的に引き継ぐ可能性があるということでもある。

要するに今現在「垣根帝督」というネットワークが起こしている行動に対し、反逆する個体を生み出してしまう危険性があるということ。
本来であれば、複製は垣根帝督の分体であるため、それに対して反抗するという論理的矛盾によって結局ネットワークに従うことになる。
しかし唯一の例外として、その反逆者が「自分こそが垣根帝督である」と定義した場合、その個体にネットワークを奪われることになる。
この例外が起こる可能性を持つ存在は、複製だけでなく前述した自律判断機能を持つメカ達も含まれる。


そしてフレメアと打ち止めを守ることを選択したカブトムシ05によってネットワークを掌握されたことで垣根の肉体は崩壊を始め、一方通行によって完全に砕かれた。

垣根帝督は、自分の中の「誰かを守ろうとする善の心」に負けたのだ。

その結果、現在はカブトムシ05が垣根として存在しており、困った誰かを助けるためのヒーローとして都市伝説と化した。
普段はフレメアのランドセルにつけられた防犯ストラップ(物理戦闘力あり)として、淫獣マスコットキャラの立ち位置に収まっている。


……とまぁ、なんとも形容しがたい道を歩んでしまっており、そのせいか現在では作中でもトップクラスのネタキャラとして読者に愛されている。

ちなみに愛称はカブトムシ・白垣根。


新約オティヌス編: バレーボール

その後垣根の脳を含むいくつかの内臓*1はグレムリンに回収された。
これを素材として「全体論の超能力者」を生み出すつもりらしいが…

そこは細胞さえあれば残りを「未元物質」で創って復活できる第二位、なんと内臓からも華麗な復活を果たし「グレムリン」総帥に喧嘩を売り始める。
この復活した垣根は「最初に第二位の力をもたらした」とあり、15巻の時に最も近い性格の個体と思われる。

自身を道具として利用されそうになったことにブチギレ、グレムリンの本拠地(仮)である「船の墓場(サルガッソー)」を破壊する勢いでキロ単位の「翼」を展開するが…
オティヌスあっさり砕かれ、屈服した揚句バレーボール程の塊に圧縮され未元物質を利用されるという散々な目に合う。
流石に異世界の片鱗を覗く程度の「翼」では、「魔神」候補であるオティヌスには野望の規模も戦闘力も勝てなかった。








よお。確か追記したのは、十二歳の冬っつったよな…

もう一度ここで修正しろコラ(・・・・・・・・・・・・・)

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最終更新:2024年03月19日 18:43

*1 未元物質で作られたものではなく、生身のもの