ガス人間第一号

登録日:2011/06/03(金) 21:09:02
更新日:2021/09/22 Wed 19:41:28
所要時間:約 5 分で読めます




『ガス人間第一号』とは、モクモクの実の能力者、海軍大佐(現中将)「白猟のスモーカー」と海賊麦わらのルフィ」の命をかけた追いかけっこをもとにしたアクション超大作である―――

「見つけたぞ、麦わら!『ホワイト・ブロー』!!」











……

………




   *   *
 *   + うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *

本当は下の通り↓



ガス人間第一号

1960年12月11日公開
上映時間 91分


【概要】


東宝特撮映画といえば、怪獣ものを思い浮かべる人も多いだろうが、実際はそれだけではない。戦記ものや怪奇ホラーだってある。

本作は『美女と液体人間』・『電送人間』に続く、「変身人間シリーズ」第3弾である。科学の暴走が産んだミュータント「ガス人間」の恐怖と悲哀を描いている。

ドライアイスや作画合成やフィルム逆回転など様々な手法を駆使したガス人間の表現は、CGの無い時代とは思えないほどリアルである。
特に周りの温度で動き方まで変化するドライアイスの煙を操るのはかなり難しいらしく、東宝の技術の高さが窺える。

怪獣やヒーローものもいいが、たまにはこういった大人向けの作品に触れてみるのもいかがだろうか?損はしないはずである。

ちなみに、タイトルの「第」の字は本来なら略語であるが、携帯の漢字変換機能の限界により、この項目では「第」の字を代用している。



【ストーリー】

全く手掛かりを残さず警察を翻弄する、姿なき連続強盗犯。犯人(?)は捕まったものの奪われた金は見つからず、捜査は難航する。
そんな中捜査線上に浮上したのは、落ち目の日本舞踊の家元、藤千代であった。事件と時同じくして急に羽振りがよくなった藤千代が犯人と関係あると睨んだ警察は藤千代を逮捕する。
すると真犯人を名乗る水野という男が現れた。彼の犯行の手口とは?



【登場人物】

◆岡本賢治(演:三橋達也)
警視庁捜査一課警部補。強盗犯を追い、藤千代の屋敷に辿り着く。

◆甲野京子(演:佐田契子)
岡本の婚約者の記者。記事のネタをゲットすべく岡本の捜査についていく。

◆田端警部(演:田島義文)
岡本の上司。捜査の指揮を執る。

◆春日藤千代(演:八千草薫)
没落した日舞春日流の家元。急に羽振りがよくなったことから疑われ、盗まれたものと同じ紙幣を所持していたため、逮捕される。

◆猫背の老人鼓師(演:左卜全)
藤千代に献身的に仕える老人。

◆佐野久伍(演:村上冬樹)
人類を改良し宇宙旅行を実現すべく人体実験を繰り返した生物学者。一連の事件は大体こいつのせい。

◆水野(演:土屋嘉男)
パイロット志願の図書館の事務員。自分が連続銀行強盗犯の犯人だと言うが…
演じる土屋氏は「怪獣大戦争」のX星人統制官や、「地球防衛軍」のミステリアン首領などでも有名。特に後者は宇宙人のモノマネでお馴染みの話し方の元祖である。




以下ネタバレ





佐野博士は航空自衛隊の落伍者の若者を何人も実験台に人体実験を繰り返したが、失敗の連続だった。そんな中、次の実験として目をつけられたのが水野だった。
博士に騙され、肉体改造装置の中で謎の放射線を10日間浴び続けた水野は、体をガスに変えることができる「ガス人間」になってしまった。
佐野博士は本来、とある放射線を照射することで宇宙空間でも耐えうる耐圧能力を付与するはずであったが…



「ガス人間第一号の誕生だ」



ガス人間 水野

肉体は細胞から変質しており、いかなる衝撃にも高熱にも耐えるガス状の体となっており、胸に手を当てて心臓の鼓動を確認しながら精神統一することで、自在にガス人間に変身する。

いかなる隙間からも出入りし、銃弾も効かず、ガスで相手を窒息死させてしまう能力を持つ水野を拘束する手段はなく、岡本達警察も手の打ちようがなかった。

水野が犯行を重ねた理由、それは想いを寄せる藤千代の新作舞踊の発表会を開かせ、零落する春日流を再興させることであった。

水野の好きにさせるという案も出たが、「ガス人間の被害にあった」と偽り、利益を得ようとする銀行が出てくるなど、ガス人間により社会が混乱しはじめていた。
最早、ガス人間=水野を抹殺するしかないのか…


そして、自らの愛のために暴走する水野とそれに悩む藤千代、その先に待つものは―――最後は涙腺崩壊ものである。


【余談】


海外では人気が高く、英語吹替作家による続編「フランケンシュタイン対ガス人間」のプロットまで書かれた。
今でも数年に1回は、土屋嘉男の元に海外の脚本家からガス人間を主役にした脚本案が送られてくるらしい。

世界各国で公開されたらしく、土屋嘉男がドイツに行った際にもガス人間を演じた男として映画好きに知られていた。

紆余曲折の末『キングコング対フランケンシュタイン(ボツ企画)』、上記の続編、『フランケンシュタイン対ゴジラ』を経て『フランケンシュタイン対地底怪獣』に繋がった。
特撮ネタ満載のRPGワイルドアームズシリーズの敵のガスノイド1stの元ネタである。
ちなみに音楽は『ウルトラマン』の宮内國郎が担当しており、本作で使用された楽曲が、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』でいくつか使用されている。

例 メインタイトルの楽曲が「撃つなアラシ」でアラシがザラガスへの攻撃を躊躇うシーンで使用されたり、ラストシーンのBGMがウルトラマンに敗れた怪獣ジラースが死ぬシーンや「小さな英雄」でハヤタに殴られたことでイデが自分の使命を思い出して再生ドラコを倒すシーンで使用された等々。

【DVD】

オーコメは八千草薫女史である。主演の三橋氏、土屋氏とは以前から顔見知りであった。
また、ほとんど室内はほとんどセットで撮影されていたとのこと。
本多監督はやはり優しい方だったらしい。

余談になるが八千草薫女史は26歳の時に谷口千吉氏45歳という歳の差婚をしている。谷口氏がうらやましい。さらに谷口氏は3度目の結婚だが亡くなるまで連れ添った。

また、谷口氏は本多氏、黒澤明氏と助監督時代からの友人である。




「おい、俺の項目に何をした!」

「ゆ、許してくれ。今回は成功するはずだったんだ」

「『今回は?』他の項目も全消ししたのか!?どれだけの項目を犠牲にした!?」

「許してくれ、許してくれ…」




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最終更新:2021年09月22日 19:41