VF-19 エクスカリバー

登録日:2010/03/25(木) 21:15:25
更新日:2024/04/03 Wed 16:44:51
所要時間:約 7 分で読めます




マクロスシリーズに登場する可変戦闘機
マクロスプラスの主役機の一つ『YF-19』の正式採用型。


主要スペック

ペットネーム:エクスカリバー
設計:新星インダストリー
全長:ファイター:18.47m
全幅:ファイター:14.87m(主翼展開時)
全高:ファイター:3.94m(主脚含まず)
重量:8,750kg(YF-19)、8,620kg(S型)、8,550kg(F型)、8,400kg(C型)
推力:主機:56,500kg×2(YF-19)、67,500kg×2
最高速度:高度1万m:マッハ5.1+(19改はマッハ5.5+)
     高度3万m:マッハ21.0+(19改はマッハ25.0+)
ノーマル仕様のまま衛星軌道上に進出可能
航続距離:20光年(フォールドブースター使用時)
推進機関:主機:新星/P&W/RR熱核バーストタービン×2
FF2200(YF-19初期型)、FF2500E(YF-19)、FF2550J(S型)、FF2550F(F型)
副機:P&W高機動バーニアスラスター
   HMM-6J(YF-19)、HMM-7(S型、F型)、HMM-6R(C型)
装甲材質:エネルギー転換装甲SWGAシステム一式

武装
  • マウラーREB-30G対空レーザー機銃(S / C型×2、F型×1)
  • マウラーREB-23半固定レーザー機銃×2(腰部装備)
  • マイクロミサイル×24(内装式標準兵装、他の兵装パックに交換可能)
  • 中距離ミサイル×6 他多数
  • ハワードGU-15 ガトリングガンポッド×1
  • 固定式機関砲×2(YF-19/A型/E型 胸部装備・劇中で排莢しているためおそらく実弾式)

防御装備
  • 左腕防弾シールド×1
  • ピンポイントバリアシステム一式
  • アクティブステルスシステム一式


概要

AVF(Advanced Variable Fighter:次世代全領域可変戦闘機)開発計画である「スーパー・ノヴァ計画(Project Super Nova)」に基づき開発された、新統合軍の主力可変戦闘機。
開発主任は当時17歳の天才技師ヤン・ノイマン。

AVF計画のコンセプト「少数精鋭による敵拠点ピンポイント攻略」に対応するための基本スペックである次世代型熱核バーストタービンエンジン、単独フォールド能力、ピンポイントバリアを備えた上で、従来技術を更に煮詰めることによって開発された。

これは最新技術を多用したYF-21(後のVF-22 シュトゥルムフォーゲルⅡ)とは真逆の発想。
このためYF-21より信頼性と完成度は高く、コストも比較的安価なものとなり、これらが最終的に採用を勝ち取る大きな要因となった。


外見上の最大の特徴は、大気圏内での機動に優れる前進翼を採用している点。
可変機構も備えているため、従来の後退翼やデルタ翼にすることも可能。
また、主翼を完全に折り畳み偏向ノズルだけで姿勢制御する高速移動形態も有りプラス劇中ではフォールド移動中に披露している。
一部の型にはカナード前翼も装備されている。

この他にもアクティブ空力制御装置(VFC)など、大気圏内での空力運動性能を極限まで追求した設計となっている。
これらによって名機VF-11 サンダーボルトに匹敵する汎用性とそれを遥かに上回るハイスペックを得ることに成功した。






が、






“機体の性能にパイロットの身体がついていけない”という本末転倒な事態が発生。
加えて、高性能機故に反乱に使用された場合大きな脅威となると判断した新統合政府の思惑から主力機認定されながら普及しなかった。

また、無人戦闘機ゴーストが改良され本格投入されるに伴い、早々に主力機の座をVF-171 ナイトメアプラスに明け渡すことになる。
その結果VF-171はマクロスF及びマクロスΔでいわゆる"やられ役"の任を背負ってしまっている。
ヴァジュラや空中騎士団にボコボコ落とされるVF-19系を見なくて済んだのは本機のファンにとっては良かったと言えるかも知れない


バリエーション

  • YF-19
テスト機。
“じゃじゃ馬”の異名を持ち、腕自慢のテストパイロットをあの世or病院送りにし続けていた恐ろしい機体。
イサム・アルヴァ・ダイソンがテストパイロットに着任すると評価は一転し、凄まじいまでの運動性能を発揮した。*1
 一号機から三号機まで存在しており、イサムが駆ったのは二号機。一号機は二度目の飛行で大破、パイロットは死亡している。三号機は模造試験用。
その凄さを端的に表現するなら、「エデンから地球へフォールドして無数の防衛システムを突破し、SDF-1 マクロスにタッチダウンを決めた機体」

  • A型
特殊部隊用先行量産型。
パーツ選別などの改良を加えているものの、ぶっちゃけYF-19そのまま。
あまりの高性能故に輸出規制が掛けられており、新統合政府本部直下の組織以外では殆ど見られない。
最も違うのはバイザー内のカメラアイを排し、レール可動式センサーになっているところ。
特殊部隊「VF-Xレイヴンズ」所属機体が有名。

  • F型
一般量産型。S型と共にブレイザーバルキリーの通称を持つ。
エンジン換装、空力デバイスの撤廃などで宇宙戦重視の仕様に。
翼も可変機構を無くしてデルタ翼に近い形状になり、安定性が増してピーキーさは抑えられている。
マクロス7劇中ではエメラルドフォースの隊員が使用。

  • S型
F型の指揮官機仕様。
慣例に倣って頭部レーザー機銃を増設。
『7』劇中ではエメラルドフォース隊長のドッカー大尉が使用。
なお、スパロボではエメラルドフォースが結成されずドッカーがダイヤモンドフォースにずっといるため、
隊長機であるS型は金竜orガムリンorフォッカーの専用機になってしまい、執拗なまでにドッカーが原作の愛機に乗れない事でも知られる。*2

  • P型
導入評価試機。
ゾラ星パトロール隊に一機だけ配備された機体。パトロール隊の操縦技術向上のため配備されたものの、スペックがA型と同レベルだったため誰も乗れなかった。装備はパトロール隊のものに準拠している。
マクロス ダイナマイト7にてローレンスが考案した歌エネルギー変換型小型スピーカーシステムが装備され、熱気バサラが強引にレンタルした。

  • E型
量産機としてのVF-19の最終形。
A型と同様、新統合政府によって移民船団・移民惑星への輸出が規制されている。

  • E/MF型
E型をもとにA型へ外見、性能などを近づけた特殊仕様のカスタムメイド、ワンオフ機。
天才美(少)女アイシャ・ブランシェットちゃん御用達のピンクのVF-19。カッコ位置は正しい。
彼女好みに改造されているが、それにしたってE型からA型へと先祖返りさせるとは天才過ぎである。

  • EF型
E型のモンキーモデル(性能低下版)。ペットネームはカリバーン。
E型を入手できなかった移民船団にて、新星インダストリー・フロンティア支社とLAI技研の共同開発という建前で製作された。
S.M.Sフロンティア支社仕様の機体はEX-ギアのプロトタイプが導入されている。

  • ACTIVE NOTHUNG
ペットネームはノートゥング。
EF型をもとに制作されたバリエーション。逆進翼を持たず、YF-21に採用されたOTM自由変形素材が使われているハイブリッドモデル。生産数は極少数。
YF-21とVF-19のミックスとも言える異色のVF-19。
しかしBDI(脳波コントロールシステム)を使用することなく可変翼をコントロールするため、ハイエンドAIの支援とEXギアを併用、さらにチェルシー・スカーレットのような熟練パイロットの手腕を必要としているため、A型とはまた別の意味で乗り手を選ぶ機体となってしまっている。
バンキッシュレースにて実戦データを収集していたのも次世代可変戦闘機開発のためのデータ収集であった。
従来のVF-19とは一線を画す頭部、脚部エンジン、装甲形状、SMSの機体であるため、ガンポッドは従来品と違い、VF-25と同一のものを使用するなど、相違点が非常に多いバリエーション機体。
ちなみにノートゥングは北欧神話のジークフリートが持つ巨人殺しの剣の名前である。

  • EF/A型
通称:エクスカリバー・アドバンス イサムスペシャル
S.M.Sに転属したイサムはYF-19直系の量産型であるVF-19Aを所望したが輸出規制のため却下され、パーツだけでもとヤンに頼み込むがこれも却下。
代替案として提示されたEF型にS.M.S技術部とヤン・ノイマン研究室で魔改造を施す「VF-19ADVANCEプロジェクト」によって誕生した機体。予備機合わせて2機のみの生産。
ヤンのプライベートプランという形のため予算が確保しきれず、イサムが私費を投じて完成にこぎつけた。
補助AIや空戦プログラムはYF-19から引き継がれており、そのピーキーな操縦性を再現している。
スペックはVF-19系最高峰で何とYF-29 デュランダルに匹敵する程だが、あまりのイカレ具合故にイサム以外では扱えない。

熱気バサラスペシャル
通称:ファイヤーバルキリー
ご存じ7の主役機にして、“本当の意味で”歌で戦争を終結させた真紅のバルキリー。
YF-19やA型と同様のピーキーなチューニングに加え、バサラの卓越した操縦技術に沿った様々な改良を施されたスペシャル機。
ギター式操縦桿を装備しており、演奏しながらの操縦が可能。
敵機にスピーカーポッドを撃ち込むことで、宇宙空間でも敵パイロットに歌を聴かせることができる。
元軍属のレイ・ラブロックが軍とのコネを利用して入手し、バサラに与えた代物。バサラ本人は知らされていなかったが、
マクロス7船団におけるVF-19の性能評価試験と歌エネルギーを戦闘に利用する「プロジェクトM(ミンメイ)」の実験機としての役割を兼ねており、
極秘に軍の全面バックアップとデータ収集を受けていた。 
原型機の具体的言及は無いがYF-19やそれ以外の固有型名の有る19系列とも異なる為一部のファンの間では「現状欠番となっているB型からD型のいずれかが原型機では?」と目されている。

  • 改レプリカ
通称:ウィンドバルキリー
『マクロスE』に搭乗したバサラを師と慕うエルマが搭乗するファイアーバルキリーのレプリカモデル。
ファイアーバルキリーの赤に代わり緑色になっており、エルマはウィンドバルキリーと呼称している。
スピーカーポッドも研究用にレプリカが搭載されている。


追加装備

  • フォールドブースター
VF-22と共用のAVF規格の物。ファイター形態の機体上部に接続され、片道分の使用後はパージされる。

  • ガンポッドΓ
巨大スピーカー内蔵弾と大型ランチャーから成る対艦用スピーカーポッド。

  • スーパーパック
所謂ファストパック。
YF-19、A型用とF・S型用が存在。

  • VF-19改用ドラマ版ファストパック
ドラマ『リン・ミンメイ物語』に一条輝役で出演することになったバサラにあわせて、ファイヤーバルキリーに装着された張りぼて。
後退翼状態でこれを装着することで、VF-1 バルキリーっぽく見せていた。

  • YF-19用陸戦パック
スーパー・ノヴァ計画時に登場したバトロイド専用陸戦オプション。
内蔵火器で標的機のデストロイド・モンスターを一撃で破壊した。

  • サウンドブースター
歌エネルギーをサウンドエナジーに変換、歌ビームを発射する。バトロイド形態で背中に背負う形で装備。
使用するには10万チバソングの歌エネルギーが必要とされるが、バサラは余裕で20万を超える。

  • アドバンスパック
EF/A用の改造ファストパック。
メインブースターにはVF-25用スーパーパックのものが流用されている。


ゲームでの活躍


  • マクロスVF-X2
VF-19A型がスカイブルーのカラーリングで登場。
VF-22と並ぶ最高性能の機体であり、最高速ではミサイルを振り切るほどの速度を見せる。
それでいて低速時の旋回性能も全機体中最高レベルなので、低速旋回して敵に機首を向けミサイルをばら撒いた後最高速で逃げる一撃離脱戦法がシンプルに強い。
…が、キーやスティックを少しでも入れると他機体よりも過敏に大きく動くという操縦性の悪さもキチンと再現されている。

  • アナザーセンチュリーズエピソード3
YF-19が比較的序盤から加入。ファストパック装着版の加入も早め。
主兵装のガトリングガンポッドの使い勝手がよく各種ミサイルもマルチロックで便利。
何より変形を活かした移動力の高さで、あちこち移動させられることの多い本作のステージでは活躍しやすい。
ただし限界突破後はライバルのYF-21がゲーム側のシステムの都合も有ってぶっ壊れるのであちらの方が強い。

  • マクロスアルティメットフロンティア
YF-19とVF-19Aのファストパック版が最強格の一角。マイクロミサイル、連射ミサイル共に命中率が非常に高く、エース級のボスやゴーストX9相手に適当に撃ってもガリガリ削ってくれる。
またノーマルSPAの格闘コンボが威力・命中率・無敵時間どれをとっても優秀なので、ファストパックをリスクの低いTYPE-A*3で使っていける。
VF-19改ファイアーバルキリーも使用可能。こちらはなんと歌で戦う。

  • マクロス30
YF-19が通常機とイサム機で分岐。基本性能はイサム機の方が若干高いが入手時期の関係で1周目は育てづらい。また通常版はカラーリングの変更が可能。
VF-19もA型(レイヴンズ仕様)、F型、S型、E/MF型が登場する。
説明文では「高すぎる機動性を抑え」と明記されているにもかかわらず、VF-19Fの方がYF-19やVF-19Aよりも基本性能が高い。*4
ただしF型とS型はファストパックを装着できない為総合力では劣る。E型はどちらかといえばこちらの系列なのだが、アイシャちゃんの魔改造によりA型相当になったE/MFはファストパック装着可能。
1周目は中盤で自動入手するYF-19通常版か、直後に簡単な納品サブクエストで入手可能なVF-19Aを使うことになるだろうか。
一方でYF-21系列はYF-21→VF-22→VF-22Sと順当に基本性能を上げながら全機ファストパック共用なので、VF-171EXやVF-25系列までの繋ぎならこちらの方を使う人が多いかも知れない。
前作で驚異の命中率を見せた各種ミサイルが鳴りを潜め、ランク3解放後は数多くのバルキリーの中に埋もれてしまいがちなのが残念。
ファストパックで追加される長距離ハイマニューバミサイルもターゲットの周囲をぐるぐる回る光景ばかり目にする。当たれば強いのだけど。
VF-19改ファイアーバルキリーも前作に引き続き登場するが、自機としても僚機としても2周目以降専用。



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最終更新:2024年04月03日 16:44

*1 ただし、イサムも本番前のシミュレータでは死亡判定を受けていた

*2 やろうと思えばドッカーをS型に乗せ換える事はできるが、合体攻撃が使えないので実用性が薄い。

*3 TYPE-Bはファストパック版のSPAに差し替わる代わりにHP低下で自動パージされてしまう

*4 何なら後に登場するVF-171が全てを上回る。この辺りはRPG化した以上やむなしか