ARX-7 アーバレスト

登録日:2009/06/02(火) 00:07:45
更新日:2023/05/08 Mon 18:09:04
所要時間:約 6 分で読めます





フルメタル・パニック!』に登場する架空の人型兵器、アーム・スレイブの一種。主役機。
デザインは原作版が高野眞之氏、アニメ版が海老川兼武氏が担当。


ARX-7 アーバレスト

【詳細スペック】
全高:8.5m
基本重量:9.5t
最大跳躍高:不明
最高自走速度:不明
最大作戦行動時間:100時間
動力源:パラジウム・リアクター/ロス&ハンブルトン APR2500a
固定武装:AM11 12.7mmチェーンガン×2、XM18ワイヤーガン×2、テイザー×2


《基本携帯火器》
◆OTOメララ“ボクサー”57mm散弾砲
◆ロイヤルオードナンス M110対戦車ダガー
◆ジオトロン・エレクトロニクス GRAW-2単分子カッター


特記事項:ラムダ・ドライバ搭載機



【機体説明】
極秘傭兵組織〈ミスリル〉が保有する唯一のラムダ・ドライバ搭載型である白いAS。
製作者はバニ・モラウタ。

基本的なスペックはM9 ガーンズバックと大差ないが、M9C系列の試作機を元に製作されたため外見がやや異なる。
特に頭部は現行型のE系列とはメーカーが異なり、ツインアイのセンサーと口にあたる部分にハードポイントを持つ。
作中では「巻物をくわえた忍者のよう」と表され、実際口のハードポイントで武器を“くわえる”事も出来る。

カラーリングは白と黒に近い青。
色を変える事はでき、本編では一度M9カラーに塗られているが、通常の塗料ではラムダ・ドライバが発動すると剥離して元に戻ってしまう。

その印象は猛禽類を思わせる鋭いシルエットで『世界一危険な芸術品』とされる。


また本機には〈ラムダ・ドライバ〉に関係する特殊な部品が使われている。
機体の骨格に神経パターンのような物が存在し、最初に搭乗したオペレーターに最適化されるのである。
この設定は変更できないため、相良宗介の専用機となってしまった。

このような特殊な機能を持つ部品があるが、開発者は既に死亡しているためストックが限られており、
ある程度以上破損するとM9のパーツで代用しなければならない。ただし通常の部品なら普通にM9と共通の物を使用できる。


原作とアニメでデザインがかなり異なっており、
M9やコダール等はデザインが変わっただけだがアーバレストは機体構造に変化が生じている。

また原作のM9等の挿絵は途中からアニメ版デザインに変更されたが、
アーバレストは主人公機であるため最後まで原作版のままだった(色やバランス等、影響を受けてはいるが)。

《原作版》
肩に左右2枚ずつ(計4枚)の着脱式コンデンサを搭載しており、必要に応じて武装等に変更可能。
また、ラムダ・ドライバ使用時の変形ギミックはない。

《アニメ版》
アニメ化に際して海老川氏によりリメイクされたもの。
肩にコンデンサはなく、ハードポイントにもならない。
ラムダ・ドライバ使用中であることを視覚的に表現するため、背中と肩から羽の様な放熱板が展開する。
ただしアニメ三期では戦闘中は背中の放熱版のみで戦闘時終了後に追加で肩が展開している。


なお、機体名の由来は中世ヨーロッパの大石弓から。



【機体性能】
上記の通り、基本的にはM9と大差ない性能である。
しかし本機はラムダ・ドライバを搭載している関係で、駆動時間がM9よりはるかに短くなっている。

また、扱いこそラムダ・ドライバを搭載した“実験機”であるが、性能は完全に実戦を想定してある。

使用し始めた当初は宗介が〈ラムダ・ドライバ〉というあやふやな兵器――ひいてはそれを搭載したアーバレストを信用できず、
結果思うようにラムダ・ドライバを使えない不安定な戦力だったが、長編四、五巻以降は問題を解決して圧倒的な力を見せるようになる。

長編七巻にてPlan-1055 ベリアルと交戦、大破した。




ラムダ・ドライバ
アーバレストに搭載されている謎の機器。不可視の力場を発生させるもので、搭乗者の精神状態で威力が変化する。
敵〈ヴェノム〉タイプにも同様の機器を装備しているが、細部が異なる。
アーバレストは不安定だが条件次第で圧倒的能力を発揮でき、ヴェノムは安定して使える代わりに爆発力はない。



アル
アーバレストに搭載された対話型AI。
通常のM9のAIと大差ないが、やや余計な事も付け加える事があった。
だが、宗介から「開発者バニ・モラウタの死亡」という情報を得たことでフラグが立ち、やや人間味を帯び始める。

回を追う毎に人間臭さが増していき、終盤では口調だけ丁寧にしている人間みたいになっている。

アルと宗介の息が合うほどラムダ・ドライバのイメージ変換効率がよくなり、より強い力場を発生させることが出来るようになる。


ちなみにM9搭載のAIは音声入力スイッチを押していないと声に反応しないが、
フラグが立ってからのアルはスイッチを押してなくても反応する『自由会話モード』に固定され、以降変更できなくなった。
そのため宗介の何気ない独り言にまで余計な口出しをしてくる。

口出しする→怒られる→余計な事を言う→怒られる。


本来のAIは便宜上『私』と呼称しても自我はないため宗介も当初はそのつもりで扱ってきたが、『終わる~』以降は“相棒”扱いされている。



【劇中の活躍】
『戦うボーイ・ミーツ・ガール』
初めて実戦投入され、サベージ部隊を撃破し、ガウルンが搭乗するコダールを撃破する。
この戦闘でラムダ・ドライバが宗介の神経パターンに最適化された。


『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』
ペリオ諸島を制圧していたテロリストに対して強襲を仕掛け、ミストラル2と対空砲を多数撃破する。
しかしガウルンの駆るコダールiには有効打を与えることができず、最終的にダナン艦内格納庫にて決着をつける。


『終わるデイ・バイ・デイ』
前半ではクルーゾーの駆るファルケに完敗するが、
物語のクライマックスではミスタ・Kのコダールi(アニメ版ではゲイツが乗っている)を1機、コダールm(コダールc)を4機を撃破する。
このエピソードで本機のフラグがたち、アルの自由会話モードが常時機動する等、比較的自由にラムダ・ドライバを使えるようになっていく。


『つづくオン・マイ・オウン』
陣代高校で人質となった恭子を助けるため囮となる。
この時アルは宗介に対して「私を一人にしないでください」と人間味を感じさせる発言をしている。
この時点でアルは通常のAIと一線を画する存在となっている。

その後コダールmを数機撃破するが、レナード・テスタロッサの駆るPlan-1055 ベリアルに敗れ完全に大破する。
その残骸のラムダ・ドライバ・コアユニットとアルは香港のミスリル残党によって回収され、後にARX-8 レーバテインとして復活する。


フルメタル・パニック!アナザー
上記の13年前の戦いで大破した残骸が回想で登場。
ラムダ・ドライバ・コアユニットとアルはミスリル残党が回収したが、
それ以外の部分については紆余曲折を経て日本政府の手に渡ることとなり、
解析により得られた技術は後に、AS-1 ブレイズ・レイヴンに活かされることになる。

また奪取されたレイヴンから得た達哉のデータが入ったAIを元に
カエサル・プロジェクトのケントゥリアが作られている。


フルメタル・パニック! アンダカヴァ
宗介機とは別仕様の二号機が登場。原作者公認であるのと、四号機の設定から公式設定として扱われる模様。
開発者死亡後の開発となったため、アルはブラックボックス化しており、二号機以後の機体は別アプローチでラムダ・ドライバを発動させる。
二号機の場合はウィスパードをコ・パイにする事でラムダ・ドライバの発動を可能とした。
四号機も同じ仕様だが、四号機はTRPG用に自由に使うために公式設定としては扱わないとされている。



スパロボ
スーパーロボット大戦J』で初登場。
ラムダ・ドライバ補正のおかげでスーパーロボット染みた高い攻撃力を誇る。
さらに武器はENを消費しないため気軽に合体攻撃を出すことができ、ECSで分身のごとく避けられるため、
使い勝手はゲーム中トップクラスである。

弱点は
◆空を飛べない
◆武器射程短め
◆弾切れしやすい
◆ラムダ・ドライバがイベントで使えない時がある
◆合体攻撃に割く出撃枠がない

ラムダ・ドライバ発動時は武器の演出が変わり、『スーパーロボット大戦W』では単分子カッターで止どめをさすと
アニメ第3期最終回で使用したラムダ・ドライバ・ナックルの演出を見ることが出来る。

デザインはアニメ一期のものでラムダ・ドライバ発動時は肩も常時展開しており、ロボットカットインも一期のものが挿入される。
また、ボクサーからは散弾を発射する演出となっている。


第3次Z・時獄篇』では

●ECSの仕様変更(分身回避→マップ開始時にひらめき・闘志・突撃がかかる)
●機体の宇宙適性がBに
●合体攻撃がなくなった

と、今までとは使い勝手が変わった。

特にECSの仕様変更がかなり大きく、
使い勝手の良いALL武器がある為メインユニットとして初撃からクリティカルぶちかましたり、
アシスト武器で“ボクサー“が使える上、闘志がパートナーにもかかるのを利用してサブにて気力が溜まるのを待ってからメインと入れ替わったりと色々出来る。

ただし、宇宙適性がBなので要注意。

後半のイベントではアニメ3期でコダール部隊を壊滅させた技、“ラムダ・ストライク“が追加される。
トドメ演出は上記のラムダ・ドライバ・ナックルと同じである。


つづく『天獄篇』では、陸戦兵器の面目躍如と言わんばかりに陸Sに、
さらに「第3世代のASは宇宙戦も想定している」とのスパロボ独自設定を生かしてか宇宙適性もAになった(味方のM9勢も同様)。
また、ラムダ・ドライバ発動時は一部武装に専用アニメが用いられるようになり(特に単分子カッターがなかなか格好良い)、
第2話で待望の合体攻撃も追加される。…が、序盤終わり頃に原作通り永久離脱してしまう。

…と思いきや、修理されたレプリカ機という設定で、少し後にまた使えるようになる。
アルとλドライバ、λストライクは無いが(クルツ曰く「弱バージョン」)、それ以外の性能に変化はないので、
汎用性を求めるならアーバレストを、ロマンと一撃の火力を求めるならクロスボウをと、上手く使い分けよう。
なお改造値は勿論レーバテインに引き継がれるので安心。

……この世界でのブレイズ・レイヴンのフラグが折れている気がしなくもないが、気にしてはいけない。


V』では序盤から使用可能。
『TSR』までの原作を消化済なので、当初から合体攻撃もラムダ・ドライバも使用可能で即戦力となるが、永久離脱には変わりなし。
戦闘アニメも、立ち絵がボクサーを持ったものに変更されたり、単分子カッターのアニメが変更されている。


『DD』ではアニメ版一期名義での参戦だが、デザイン・武装は『Invisible Victory』版。
序章ワールド3より参戦する。


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最終更新:2023年05月08日 18:09