ヴォルデモート卿

登録日:2009/06/28 Sun 23:03:44
更新日:2024/04/09 Tue 23:28:24
所要時間:約 20 分で読めます


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71歳 Dark Lord Tom Marvolo Riddle→I am Lord Voldemort(俺様はヴォルデモート卿だ) Who-Must-Not-Be-Named You-Know-Who えなりかずき ご主人様 だいたいこいつのせい アナグラム アバダ・ケダブラ エゴイスト サラザール・スリザリンの継承者 ザオリク ザラキ スリザリン トム トム・マールヴォロ・リドル トム・リドル ニワトコの杖 ネタバレ項目 ハリーの不幸の元凶 ハリー・ポッター ペベレル ホグワーツ始まって以来、最高の秀才 ラスボス レイフ・ファインズ ヴォルデモート ヴォルデモート卿 人面 人面疽 人面瘡 例のあの人 俺様 俺様野郎 元はイケメン 分霊箱 利己的 力こそ正義 半純血 名前を言ってはいけないあの人 宿敵 快楽殺人 我が君 暴君 最凶最悪 本名だと誰かわからない人 死からの飛翔 殺人鬼 江原正士 演者の怪演 狂人 狡猾 監督生 石田彰 福山潤 秀才 秘密の部屋 継承者 自滅 親の仇 選民思想 闇の帝王 闇の魔法使い 闇堕ち 面白おじさん 首席 魔法使い



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演者:
 ◆成人時代
  リチャード・ブレマー→レイフ・ファインズ(炎のゴブレット以降)
  吹き替えはいずれも江原正士

 ◆幼少~学生時代
  クリスチャン・コールソン(秘密の部屋/吹き替えは石田彰)
  →フランク・ディレ(謎のプリンス/吹き替えは福山潤)とヒーロー・ファインズ・ティフィン(11歳/小林翼)

 ◆ゲーム「秘密の部屋」
  えなりかずき ※トム・リドルの声を担当

【概要】

「死の瞬間まで俺様を見ていろ!! その目から光が消えるのを見たいのだ!!」
映画版「炎のゴブレット」より

ハリー・ポッターシリーズラスボス
史上最凶最悪にして最も残忍な魔法使い「ヴォルデモート卿」(Lord Vordemort)。

純血主義とマグル排除を掲げて活動し、英国魔法界を大混乱に陥れた。
闇の帝王」とも称され、その悪行の凄まじさは、前代に猛威を奮った“闇の魔法使い”ゲラート・グリンデルバルドの所業を人々が忘れかけてしまったほど。
それ故に名前を口にすることすら憚られ、作中では専ら「名前を言ってはいけないあの人」「例のあの人」(He-Who-Must-Not-Be-Named/You-Know-Who)などと呼ばれる。
部下たちさえも「闇の帝王」「我が君」「ご主人さま」とその名を呼ばない。
一方で、反ヴォルデモート筆頭アルバス・ダンブルドアは「隠語で呼ぶと個人と恐怖が同化してしまう」という考えの元、構わずヴォルデモートと呼び、不死鳥の騎士団団員たちの一部もそれに倣っている。ヴォルデモートと名前で呼ぶことは闇の帝王に対して抵抗の意志を示す象徴と言えるだろう。

物語開始時点では主人公ハリー・ポッターによって犬畜生以下までに弱体化されているが、4巻にて復活を果たす。
ダンブルドア曰く、赤ん坊ハリーに撃退される前の「あの人」は、「不滅、或いは他の誰も到達できぬ程に不滅に近かった」らしい。


彼が率いる闇の魔法使い達は『死喰い人(デス・イーター)』と呼ばれる。残虐性ならば主に勝るとも劣らないが、大半は良い見せ場がない。
遥か年下のガキ共にフルボッコにされる始末である。


アルバス・ダンブルドアを超える作中最強の存在のはずだが、その実力は読者から疑問視されていた。
何故なら、劇中で使用する魔法の大半が許されざる呪文だからである。
他の魔法も使用しているものの、どのような効果を発揮するのか描写されているものは少なく、重要な局面でも最後の最後まで「アバダ・ケダブラ」オンリー。
地形や距離等の状況に応じて他の魔法と使い分ければ、余裕でハリーをブチ殺せたはずなのに……。

まあ、作中の限りでも、半端者が使うと制御出来ずに自滅する『悪霊の火』をも無言で撃てたり、
尋常ではない魔力がいるらしい許されざる呪文を連発したり、ニワトコの杖の所有権を得られていないにもかかわらず数十、数百人の魔法使いが束になっても崩せない障壁を一人で軽々破壊してる以上、
桁外れの魔力をお持ちなのは間違いない。
アバダ・ケダブラオンリーなのはこの呪文に対抗呪文が存在しない=普通の呪文で対抗手段がないというあり得ないレベルのチート性能があるからでもある。
いちいち戦術を思案するのが面倒だからイオナズンを連打して雑魚掃除を雑にする心境と推測されるが、そもそものこの術を通常攻撃のように使えるこの人がおかしいだけである。


そして、余りにも残念な描写が多い故か、作者から作品完結後にフォローを入れられた。
本来、箒等の魔法具の類を一切用いずに空を飛べる上位1%*1の中でも頂点に位置する魔法使いであり、この作品の世界観における有史以来最強の魔法使い四傑の1人。
その力は作中でもまだ発展途上で、限定条件下なら因果律にすら干渉*2でき、魔法の法則自体を捻じ曲げる鬼才の持ち主である。
決闘した際に優位に立ってヴォルデモートを追い払うことに成功したダンブルドアにしても、正統な持ち主が使えばその力を段違いに引き上げるニワトコの杖(エルダーワンド)の恩恵に預かって、辛うじてやや優勢に持ち込めていたのが実情である。
ダンブルドアは自身とのヴォルデモートの間の歴然たる地力の差を痛感し、強い焦りを覚えた程だった。

ゲラート・グリンデルバルドが後の作品において映像技術の進歩から「(ニワトコの杖を使用していることも相まって)ヴォルデモートより強いのではないか?」というファンからの疑問も作者は否定しており、
ヴォルデモートこそが魔法界史上最強にして最悪の魔法使いであると太鼓判を押されるくらいの別格の才能を持っていたことは確かのようだ。

自身の敗北に対して臆病な割に自信過剰という慢心的な気質から来る、おつむが足りてないと疑う程の愚行の数々が全てを台無しにしているのかも知れない。

映画ではずっとハリーとタイマンだったが、
原作小説ではミネルバ・マクゴナガルホラス・スラグホーンキングズリー・シャックルボルトの3人の優秀な魔法使いを相手に1人で戦ったりしている。
さらにベラトリックス・レストレンジが倒されたことでブチ切れ、すぐに3人をぶっ飛ばして一蹴しハリーの方へ行ってしまった。



以下、ネタバレ















本名「トム・マールヴォロ・リドル」(Tom Marvolo Riddle)。

ホグワーツ創設者である四人の偉大な魔法使いの1人『サラザール・スリザリン』の末裔であり、
その血筋故に蛇語を話すことができる蛇語使い(パーセル・マウス)である。
母方のその血を誇りに思っているのと同時に、父方のマグルの血にはコンプレックスと憎悪を抱いている。

また、旧い純血家系“ペベレル”の末裔(次男の直系)でもある。
因みにポッター家もペベレルの末裔の一つ(三男の直系)なので、ハリーとは遠い親戚関係ということになる。

父はマグルのトム・リドル・シニア、母は魔女のメローピー・ゴーント。
トムに恋したメローピーは、愛の妙薬(惚れ薬)を使ってトムを自分に惚れさせて駆け落ちし、身籠る。
この辺りでトムの心を魔法で操作することに罪悪感を覚え薬の使用をやめたが、その途端トムはメローピーとお腹の中の子を捨てて実家へ帰ってしまった*3らしい(ダンブルドアによる推測)。
そのショックからメローピーは魔法を使うこともままならなくなり、困窮の末にマグルの孤児院に駆け込み、出産の1時間後に彼女は亡くなった。
これが1926年の大晦日のことで、この時生まれたのがトム・マールヴォロ・リドル、後のヴォルデモート卿である。
トムは父の名前、マールヴォロはメローピーの父(即ち母方の祖父)の名前である。

孤児院で育った幼い頃から自分の「力」には気付いており、同じ孤児院の子供にそれを用いて暴力をふるったり、物を巻き上げたりしていた。
11歳の夏、ダンブルドアの訪問により自身が魔法使いであると知り、ホグワーツ魔法魔術学校へ入学する。

学生時代にはホグワーツ始まって以来の秀才と謳われ、ダンブルドアを除く教授陣や仲間内からは絶大な信頼を得ていた。
本人にとっても創始者であるスリザリンの末裔であるというプライドや、自身の居場所と言える初めての場所というのもあってホグワーツへの愛着はけっこうなものがある様子。
在学中に「秘密の部屋」や「必要の部屋」といったホグワーツの秘密についても研究をしており、秘密の部屋に住むバジリスクを使ってマートルを殺害している。
この一件は巨人の血を引き危険生物に興味を抱いていたルビウス・ハグリッドになすりつけられ、彼は退学に追いこまれた*4
しかしダンブルドアだけはトムを不審に思い、監視の目をさらに強めたことでホグワーツではこれ以上のことはできなかった。
この頃から既に魔法界支配の為の計画を練り始めており、母を捨てた父と父方の祖父母は在学中に殺害している。
同時に母方の祖先が代々受け継いできた、ペベレルの指輪も所有するようになった。
レイブンクロー寮のゴースト「灰色のレディ」の正体を暴き、その秘宝の場所を聞き出したのも在学中のこと*5


……とまあいろいろ画策していたのだが、
  • 秘密の部屋はともかく「必要の部屋」は「歴史上自分しか見つけられなかった」「この先この部屋を見つけられる者はいない」と誤認する
    • 実際には千年間で多くの生徒や教師が、見られたくないものをたくさん放り込んできた。山のような物品があるのは大勢が利用していた証拠である。つまりちょっと気付けば分かること
  • 自らが指に填めていたペベレルの指輪が、死の秘宝の一つ・蘇りの石だということにまったく気付かない
など、「誰も自分に並び立てない」という傲慢やうぬぼれから、変なミスも重ねている。


元々は端正な顔立ちの超絶イケメンだったが、殺人を犯したり、危険な変身を繰り返す内に頭髪は全て抜け落ち、鼻は低く潰れた蛇のような凶悪な顔へと変貌していった。

なお、「ヴォルデモート卿」の名前は本名のアナグラム。

TOM MARVOLO RIDDLE
 ↓
I AM LORD VOLDEMORT
(俺様はヴォルデモート卿だ)

となる。
彼は自分の名も過去も捨てたのだ。



以下、重大なネタバレ















最凶の闇の魔術分霊箱(ホークラックス)によって魂を7分割している。
この魔術を発動させるには「最も残虐な行為」=殺人を行う必要がある。それ故に文字通り「胸が張り裂ける」ならぬ「魂が引き裂かれる」のである。
そしてそんな呪文を何度も使った為、もはや人にあらざる邪悪な生き物として、あの蛇のような気持ち悪い顔になった。上記の「危険な変身」とはこの副作用(?)の事。
(もっとも、父親の家系に似た自分のハンサム顔は嫌いで、蛇には愛着を抱いていたので、むしろ本人的にはこの変貌は結果オーライだったらしい)
例え以前のように体が死んでも分霊箱がどれか1つでも無事なら魂が残ったまま=死に切らない為、
6つの分霊箱全てを破壊した上で本体を殺さなければ、“本当の意味で”殺すことができない。
極端に言えば、その辺に落ちている石を分霊箱にして大海原のど真ん中に投げ込めば、分霊箱の発見が実質不可能になるため、絶対に死ななくなる
……のだが、ヴォルデモートは自分の魂を預ける分霊箱はそれに相応しいものである必要があるという考えのもと、魔法界にとって由緒ある物を集めてそれを分霊箱にしていた。
まあ、誰だって自分の魂をそこらのゴミや石ころに収めたくはないだろう。
また分霊箱が無事かどうかを確認する必要が生じた場合、海底の石ころ一つとすると却って不安になってしまう。
他作品でもよく「命を共有しているものと本体を全く同時に倒さなければ即座に復活してしまう」という敵キャラがいるが、分霊箱はそこまで都合の良いものではない。
分霊箱の場合はあくまで「死後の世界に行くことがない」だけであって、肉体を滅ぼされれば霊体だけになってしまう。

余談だが、文字通り魂を分割する*6ので、本来ならば精々分霊箱を1つか2つ用意するのが限界。
これだけ大量に分霊箱を用意出来たのはそれだけ彼が異常なまでに突出した力量の持ち主である証である。
また大量分割を行ったのも、「最も強い魔法数字は7」という発想から「魂を7つに分ける」ことにこだわったため。

とはいえ分割しまくればその分メリットばかりという訳でもなく、弱体化なり魔法的な代物に対して鈍感になってしまったり、色々とデメリットも伴う。
特筆するべきものとして「もしも分霊箱を一つでも破壊されると魂が欠けた状態=魂が不完全な状態になってしまい、その状態で本来の死を迎えると現世に留まることはおろか死後の世界に行くことも出来ず、現世と死後の世界の中間を苦痛とともに未来永劫彷徨わなければならない」という恐るべき代償がある。

分霊箱を破壊するには、「バジリスクの毒」や「悪霊の火」といった強力な魔法物質、あるいはその性質を宿した武器が必要。
また、「死の呪文」でも破壊できる可能性があるという。

◆分霊箱一覧
 ○日記帳(学生時代の私物)
 ○ペベレルの指輪(母の実家に伝わる指輪。「純血」の象徴)
 ○サラザール・スリザリンのロケット(母の形見)
 ○ヘルガ・ハッフルパフのカップ
 ○ロウェナ・レイブンクローの髪飾り
 ○ナギニ(ペットの毒蛇、雌)
 ○???

ホグワーツ創設者に縁の品を積極的に集め、分霊箱にしていた。
「本体を含め7つ」に分割したので、分霊箱は6つしかない、はずだが…?



【各巻での活躍(ネタバレ注意)】













◆1巻『賢者の石』

「このありさまを見ろ。ただの影と霞にすぎない……だれかの体を借りて、はじめて形になることができる……」

幽体の様な存在になり、アルバニアの森に隠れ住んでいた。たまたま出会ったクィリナス・クィレルを調教して配下に。
その後は彼の体に憑きユニコーンの血を飲みながら命を留め、自分の肉体を取り戻す為、
ホグワーツに隠された“賢者の石”を奪おうと暗躍。
ラストでハリーと戦うが、ハリーの身に宿る守護呪文によってクィレルの肉体が崩壊したため、敗走を余儀なくされる。


◆2巻『秘密の部屋』

「サラザール・スリザリンの継承者ヴォルデモート卿の力と、ダンブルドアがくれた精一杯の武器を手にした有名なハリー・ポッターと、お手合わせ願おうか」

分霊箱の1つである日記帳が登場。中の魂がジニー・ウィーズリーを操って“スリザリンの継承者”を演じさせる。
日記帳の中の存在を本物にしようとするが、終盤のハリーとの戦いで日記帳をバジリスクの牙に貫かれて消滅。
ハリーはこの時点で、期せずして分霊箱をぶっ壊していたのである。


◆3巻『アズカバンの囚人』

直接は登場せず。


◆4巻『炎のゴブレット』

「俺様が家族の歴史を物語るとは……なんと俺様も感傷的になったものよ……」

バーテミウス・クラウチ・ジュニアを暗躍させてハリーを目の前まで連れてこさせた。
セドリック・ディゴリーワームテールに殺させ、ハリーの血を用いたワームテールの儀式魔法によって復活。
かつての敗北はハリーの実力によるものではないことを証明する為に決闘すると言い始めるが、
ハリーの杖と自分の杖が兄弟杖であったため互いに放った魔法が正常に作用せず、まんまと逃げられる。


◆5巻『不死鳥の騎士団』

「死より酷なことは何もないぞ、ダンブルドア!」
「お前は大いに間違っておる。死よりも酷いことがあるのを理解できんのが、まさに、昔からのお前の弱点よのう――」

復活後初めて公衆に姿を晒す。
ハリーを倒すためのヒントを得ようと予言の全文を手に入れようとするが、当事者でないと取り出せないと知りハリーが神秘部に行くよう仕向ける。
しかし回収に向かった部下が手間取っている間にハリーと奇しくもネビルが予言の記録を破壊。
仕方なく自らハリーを殺しに魔法省に姿を現すが、ダンブルドアが参戦したことで彼と一騎打ちとなる。
激しく戦うが決定打を打ち込めず、最終的に撤退。この際に魔法省の役人たちに顔を見られ、復活が公認された。

原作と映画ではハリーにしたことが違う。
原作:ハリーの身体を乗っ取りハリーに負けを認めさせる。が、ハリーの純粋さに魂がボロボロのヴォルデモートは耐え切れず退却。
映画:ハリーに開心術をするが、閉心術で追い出される。


◆6巻『謎のプリンス』

セブルス・スネイプドラコ・マルフォイを使って暗躍。
ホグワーツに大量の死喰い人を送り込み、遂に天敵ダンブルドアの殺害に成功する。
またダンブルドアの調査により、学生時代の数々の暗躍も回想として触れられる。


◆7巻『死の秘宝』

「以前には理解していなかったことが、いまはわかる。ポッターの息の根を止めるのは、俺様でなければならぬ。そうしてやる」

騎士団のエース、アラスター・ムーディをブチ殺す、魔法大臣ルーファス・スクリムジョールを倒して魔法省を支配する等序盤から全開。「自身の名を口にする人間を索敵する」魔法を使用する等狡猾な一面も。

4巻での一件で自分の杖が信用ならなくなり、最強の杖と謳われる「死の秘宝」の1つ「ニワトコの杖」を探し求める。
そして杖を手に入れ、一度はハリーに死の呪文を浴びせるが、血の守りのおかげで死なずにすんだハリーとホグワーツの最終決戦で再び対峙。
アバダ・ケダブラを放つが、ハリーの放った武装解除呪文(エクスペリアームス)に当たって自身に跳ね返り、死亡。
享年71歳。
死後、彼の魂は生前の行いによって、あの世に行くことも幽霊となって現世に残ることも出来ず、永遠にあの世と現世の間を彷徨うこととなった。
その魂の欠片が末期の自分の顔を持つ瘦せ衰えた赤ん坊*7という姿になっており、ダンブルドアには「救えぬもの」と形容された。



分霊箱一覧の???に当てはまるのは実はハリー・ポッター。
赤ん坊だったハリーを殺そうとして呪文が跳ね返った時、力と体を失って不安定だった魂が壊れ、その一部がハリーに取り憑いていた。
つまりハリーは意図せずして作られた7番目の分霊箱になっていたという事。
これはヴォルデモート自身も気づいていなかったことである。

もともと、分霊術は多用すると本体の魂が小さくなってしまうため、たくさん作ると本人が貧弱になってしまうデメリットがある。
実際、本体の魂は大人の姿を保てないほどに損なわれ、弱り切っている。
ヴォルデモートは「『7』こそもっとも強い数字*8」として、6つの分霊箱+自分で魂を7つに分けることで、不死性を高めるとともに脆弱さを補うパワーアップを期待していたのだが、
実際にはハリーを含めて魂が『8』分割してしまったため、かえって自分自身のパワーダウンを引き起こすことになってしまった*9*10


また、武装解除呪文でアバダ・ケダブラが跳ね返ったのは、ニワトコの杖の所有権がヴォルデモートではなくハリーにあった為。

所有権を手に入れる為、杖の所有者であるダンブルドアを抹殺したスネイプを殺したが、
スネイプが殺す前にマルフォイがダンブルドアを武装解除し、7巻中にハリーがマルフォイから杖(ニワトコの杖ではない)を奪っている
この時ニワトコの杖は、「マルフォイがダンブルドアに勝利した」「マルフォイはハリーに敗北した」とそれぞれ認識。
つまり、所有権はダンブルドア→マルフォイ→ハリーと移動していた。

そのためニワトコの杖ではハリーに害を与えることができず、最初にハリーに死の呪文をかけた時にも、
「ハリーには一切害を与えないまま、ハリーに取り付いている自分の魂だけを死の呪文とニワトコの杖のコンボで完全破壊する
という大チョンボを自覚しないままやらかしただけだったという悲劇。
とはいえ、ダンブルドアにとっても杖がマルフォイを主人と認定するのは予想外の事態だったため、ハリーはヴォルデモートの魂と共にそのまま殺される可能性が極めて高いと判断していた。
ハリーが生存出来たのは、ヴォルデモートが取り込んだハリーの血に宿るリリーの守りと、杖に関する奇跡的な幸運が重なった結果である。

なお、2巻でバジリスクに噛まれた時にヴォルデモートの魂が破壊されなかったのは「分霊箱は修復不可能な程に破壊する(つまり生き物の場合は殺す)必要があるから」と作者は回答している。指輪を壊しても機能していた蘇りの石については「ダンブルドアが上手くやったからヒビで済んだ」(意訳)とのこと。辻褄合わせとか言わない。


手下のスネイプにすら劣るハリーと彼の力量差は、よしんばハリーにニワトコの杖をくれてやっても埋まりはしない。
ヴェルデモートはその辺に転がってる杖でも使うか、最悪素手でも大した問題は無く勝利出来た*11。ハリーの援軍が駆けつける心配もない状況だったので尚更である。
しかし、確実に勝つ為に最強の杖に拘り過ぎた為に、杖は「よりにもよって自分を使って主人(ハリー)に歯向かおうとする、この不届きな蛇面の妨害をする」という裁定を下し、最強どころか逆に、対ハリー戦においてはこの上無く弱体化してしまっていた。

そして最後の決闘にて、事前にハリーが忠告したのだが、彼は聞く耳もたず攻撃。そして分霊箱も全滅しているため完全に死亡した。
要するに自滅同然。
力に溺れた者の末路にはふさわしいかもしれない。


分霊箱を作った当人は分霊箱に近付けばすぐに分かるので、本来ならハリーが分霊箱状態になってると気付けたのだが、あまりにも大量に分霊箱を作ったせいで感知できなくなっていた
おまけに、リリーの保護を克服してハリーに触れられるようにするために以前ハリーの血を取り込んだことで、ハリーと自分の間に繋がりがある原因が分からない状態になってしまった。
つまるところ、自分が不利になるための要素を一心不乱にかき集め、ひたすら墓穴を掘り続けていたことになる。


ただし、この母親の愛情から来るリリーの保護をヴォルデモート自身が取り込んだことで、
ヴォルデモートが仮に死の間際にでも自分の行いを悔いて改心することがあれば、その加護の恩恵に与って復活することも可能だった。と作者は言及している。

ダンブルドアはその辺を見越して、彼が真っ当な魔法使いになれるチャンスが出来たと喜びもした。
が、結局墓穴を掘り続けた人間は、自ら棺桶も作って自らの意志ですっぽり墓に収まってしまった。



本当に最後のネタバレ












中の人はすげぇイケメン。
このメイクでスタッフとおどけた写真を撮ってたりもする。
飛行機のトイレで客室乗務員とヤッちまったりする夜の帝王。


【余談】

「名前を言ってはいけないあの人」という呼び方が日本人のツボにはまり、アンタッチャブルな存在を指す言葉として
「名前を言ってはいけないあの○○」というスラングが使われるようになった。

  • 名前を言ってはいけないあのネズミ
 ご存じ世界一有名なネズミのキャラクター。小学生の図画工作にまでケチをつけるほど、著作権に厳しいことで知られ、
 いつしか名前を呼ぶことさえ著作権に障り、うかつに口にしようものなら莫大なパテントを要求されると冗談交じりに言われるようになった。
 なお、前述の小学生云々の下りは事実ではあるが、その背景には色々あるので、詳しくは個人で調べられたし。

  • 名前を言ってはいけないあの選手
聖域とか言われるスラングの別称。
プロスポーツ、特にチームスポーツの世界で年単位の長期に渡り実力に見合わないレギュラー起用をされる選手がこうも呼ばれたりする。
プロは宣伝力の世界なので、その選手の貢献度や人気が非常に高いことの証左でもある。
こうしたスラングが発生すること自体、現在ファンがその選手よりも他の選手の起用と台頭を求めていることを求めている証左でもあったりするのだが…

  • 名前を言ってはいけないあの事件
 アニヲタwikiの場合はこれとかこれ
 アイマスPの場合はこっち









+ 本当に本当に最後のネタバレ
◆第8巻『呪いの子』
なんと、をこさえていた。
相手はベラトリックス・レストレンジ
「部下のロドルファスの嫁を寝取った」というよりロドルファス、ベラトリックス双方が自らの意思で差し出したようなものだろう。

本作ではヴォルデモートの娘がハリーの息子アルバスを利用してヴォルデモートの復活を画策しており、アルバスたちが過去に遡って歴史を改変してしまった結果、ハリーがヴォルデモートに負け、魔法界の帝王として魔法界を支配している時間軸が発生。
最終的には再度過去へと遡り過去改変を更に過去改変してなかった事にする事でその世界線は閉じられたが、黒幕を追ってハリーとアルバスたちがゴドリックの谷の事件の日まで遡った事でハリーたちはヴォルデモートがハリーの両親を殺害するその瞬間を再度目に焼きつけることとなった。

余談だが、ベラトリックスがロドルファスと結婚したのは純血を保つためであり、彼をさほど愛してはいなかったが、ヴォルデモートの事は心の底から愛していた。
だが、当のヴォルデモートが一番愛している、または愛に近い感情を持っているのはペットのナギニであると明かされており、ベラトリックスについては忠実な部下であるとは考えているが愛しているわけではない
(そもそもヴォルデモートは愛とは何かを根本的に理解できない)。
またほぼ不死の生物であるヴォルデモートは子を残す必要性もないため、実際にどのような経緯でベラトリックスとの間に娘が誕生したのかは謎である。

























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ん!? またまちがったかな……


アバダ・ケダブラ


うわっ

うわああ

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最終更新:2024年04月09日 23:28

*1 映画内では演出の都合により他の死喰い人もこの魔法を低速でなら扱える他、原作最終盤においてもスネイプが窓から逃亡した際には箒無しで飛翔したかのような描写があり、マクゴナガルもスネイプがその術をヴォルデモートから学んだものと推測している

*2 ダンブルドアの意向により「闇の魔術に対する防衛術」の教師に採用されなかった際、それから何十年にも及ぶ呪いを教科そのものにかけたことで、その後採用された教師が毎年一年以内に退職する羽目になるような不幸に見舞われたのも、そうした因果律への干渉の一端と言えるかもしれない

*3 酷い仕打ちに思えるが、トム・シニアにとっては「それなりに長い間自意識を奪われていた上に、好きでもなんでもない女と関係を持たされた挙句、子供までできている」という恐怖しかない状況である。それで愛情が芽生えるかというと…。

*4 ハグリッドも当時すでに魔法生物関連で定期的に問題を起こして教職員から厳重注意を受けていた上、「取引禁止品目Aクラス」の人食い蜘蛛「アクロマンチュラ」を密輸・アラゴグと名付けて飼育するなど、叩けばいくらでも埃が出る身であったのも災いした……というか、アラゴグを育てただけでも十分退学の理由にはなったのでは……

*5 直接発見はホグワーツ卒業後。

*6 分割の尺度は文字通り半分割なのか、削り取った少量なのかは不明。

*7 映画では血みどろの白い赤ん坊として表現されている。

*8 西洋において数字の7は完全な数字とされており、7つセットの縁起物は多い。ウィザーティング・ワールドでも例外ではない…というか、実際に7つ一揃いのものは数による魔力補正が掛かり強大な力を発揮する模様。

*9 末広がりの「八」や「八卦」「八方(東西南北全方位)丸く収まる」などの言葉があるように、日本や中国で数字の8は全てを顕すという意を込めた縁起の良い数だが、西洋においては数字の8は「邪な何かを含む不吉な数」である。タコがデビルフィッシュと呼ばれる理由の1つ。ウィザーティング・ワールドでも「蛇足故の弱体化・完全性の崩壊」を引き起こすらしい。

*10 実はヴォルデモートの魂が7分割され、本体含めてそれら全てが健在だったタイミングは劇中で一度もない。時間軸としてはハリーが6つ目の分霊箱なのだが、そのタイミングで本体が倒されている。復活前に日記が破壊されているのでいくら復活しても7の恩恵は受けられないし、弱体化を約束する8つ目の分霊箱(ナギニ)を作ってしまったのは自分である。

*11 強力だったり、専門の訓練を積んだ魔法使いであれば、杖無しでも自在に魔法を扱える。