悪の教典

登録日:2012/10/06(土) 07:28:43
更新日:2024/01/25 Thu 17:24:18
所要時間:約 20 分で読めます




人気者の英語教師が、

生徒40人、

皆殺し。



Lesson of the evil。


悪の教典とは、『新世界より』や『黒い家』で有名なホラー作家・貴志祐介による小説。ジャンルはサイコサスペンス。

発売してすぐ話題となり、「このミステリーがすごい!」と「週刊文春ミステリーベスト10」の2つで1位を獲得した。


この本を読んだタレントの優香は、「今年ナンバー1、すでに来年もナンバー1の衝撃」と評している。

ただし後半の怒濤の展開は読者から賛否両論である。


ハードカバー版(全2巻)、ノベルス版(全1巻)、文庫版(全2巻)の3つがあるが、
ハードカバー版には短編の「秘密」と「アクノキョウテン」が収録されていないので注意。

また、主演:伊藤英明×監督:三池崇史のタッグで映画化され、2012年11月10日に全国ロードショー。映倫区分は堂々のR15+指定
漫画版もあるよ!


【あらすじ】
「うちの学校には怪物がいる」
晨光学院町田高校の英語教師・蓮実聖司(はすみせいじ)は、沢山の生徒達から慕われている。
いじめや恐喝、集団カンニングにモンスターペアレント。
学校内で起こる数々の問題に正面から立ち向かい解決していく蓮実は、同僚の教師や保護者からも厚い信頼を寄せられていた。
非の打ち所がない人気者の教師。しかし、彼は自分に不都合な人間を次々に殺害していくサイコパスだった……!!


【登場人物】
◎蓮実聖司
演:伊藤英明
本作の主人公。
頭脳明晰、スポーツ万能、おまけにハンサム。
英語科の他に生活指導も担任する教育熱心な高校教師。
アメリカの大企業に勤めていた為流暢な英語を操る。ジョークも混じえた生徒を飽きさせない授業は生徒間の評価も高い。
生徒達からは親しみを込めて「ハスミン」と呼ばれ、周囲から絶大な信頼を寄せられている。

しかし彼の本性は、他人への共感能力が欠落したサイコパス(反社会性人格障害)であり、
幼少期から現在にかけて、自分に不利益をもたらす人間を徹底的に排除してきた冷酷漢。
幼少期にトラウマがあってこうなったわけではないのでたちが悪く、まさに「人の皮を被った怪物」と言える外道である。
端麗な容姿とテクニックを活用して女子生徒を落とすことも積極的に行っており、(前任の学校などで)既に何人もの女子生徒を篭絡している。
まさにそれなんて(ry な先生だが、落とした相手をペットと同列に考えているなどやはり鬼畜教師(ただし相手にはそんな素振りを見せない)。

教員になったのも、「自分の理想の王国を創る」という歪んだ目的の為であり、
彼が学級担任を務める二年四組に容姿の優れた女子生徒が集まっているのはそれ故だが、
その代償として、本来なら組分けの際に分散される「問題児」の生徒を蓮実が自身の組にどんどん引き取った結果、
二年四組は問題児と美少女が集中する歪な学級となっている。

教師を務める裏で「邪魔者」と判断した者を排除し、着々と自分の王国を築き上げていった蓮実であったが、
文化祭の前夜、自分の秘密に近づいたある生徒を殺害したことがきっかけで危機的状況に陥る。
その状況を打破するため、文化祭の準備で校内に残っていた自分のクラスの生徒全員を、他の人物の犯行に見せかけて皆殺しにする計画を実行する。

上機嫌になると『三文オペラ』の「モリタート」を口笛で吹く癖がある。



◎片桐怜花
演:二階堂ふみ
蓮実が担任する2年4組の生徒で、引っ込み思案な美少女。人間の心を感じ取るエンパス能力(共感能力)の持ち主。
友人の雄一郎や圭介とよくカラオケに行く。
エンパス能力によって他人の本音が感じ取れてしまうことから、基本的には学校や教師を信用していない。
蓮実の奥に潜む闇を感じ取っていた為、常に蓮実に対して底知れぬ恐怖心を抱いていた。
文化祭前夜、クラスメイトたちを襲った惨劇の犯人が蓮実だと真っ先に疑うが……。


◎夏越雄一郎
演:浅香航大
2年4組の男子生徒。
自己主張をあまりしない温厚な人物。
熱狂的な阪神ファンだが、なぜかノベルス版と文庫版ではヤクルトファンになっている。
文化祭前夜、怜花とともに真っ先に蓮実のことを疑った。

◎早水圭介
演:染谷将太
2年1組の男子生徒で頭の回転が早い自信家。
親友の雄一郎とともに怜花に想いを寄せている。
集団カンニングの首謀者であったが、携帯機器を使ったカンニングを何者かに妨害されたことで蓮実に対する不信感を強めていく。
学校の各所に配置されていた盗聴器の存在に気付くが……。


◎安原美彌
演:水野絵梨奈
2年4組の女子生徒で、蓮実に籠絡されることになる美少女。
気の強い性格で、怜花とはあまり仲が良くない。
柴原に脅されていたが、蓮実によって救われ、それ以降、蓮実との肉体関係に溺れていくことになる。

◎小野寺楓子
演:夏居瑠奈
2年4組の女子生徒で、蓮実信者の一人。
怜花の中学時代からの親友だが、性格は真逆。

◎蓼沼将大
演:KENTA
2年4組の男子生徒で、二年生のボス的存在。
ボクシング経験者の不良でクラスからは孤立気味。
蓮実の策略により退学処分となるが、文化祭前夜にバンドメンバーから誘われたことで学校に潜入する。

◎前島雅彦
演:林遣都
2年4組の男子生徒で、女性的な見た目をしている。
内向的な性格の美術部員……まるで某アニメの年上好きのようなスペックである。
美術教師と恋愛関係にあり、それをネタに蓼沼から恐喝されていた。因みに美術教師は男である。

◎阿部美咲
演:小島藤子
2年4組の女子生徒で、蓮実親衛隊のリーダー格。
文化祭前夜、怜花達の警告を無視して蓮実の指示に従ってしまう。

◎山口卓馬
演:岸田タツヤ
2年4組の生徒で、長身のラガーマン。
明るい好青年で男子のリーダー的存在。腐れ縁の蓼沼とは犬猿の仲であり、楓子とは密かに惹かれ合っている。
文化祭前夜、惨劇に襲われた彼は救助を求めて鳴瀬修平らと共に校舎からの脱出を試みる。
そして、重傷を負った友人を「AED」で懸命に救おうとするが……。

◎有馬 透
演:磯村洋祐
サッカー部所属。大のイベント好きで、自他ともに認めるお調子者だが状況に応じて判断している。
イジメっ子、イジメられっ子に偏見なく自然に接することができる生徒。

◎伊佐田 直樹
演:宮里駿
野球部所属。基本的に慎重かつ堅実な性格。
独特な錆びた声が特徴の少年。
成績はそこそこなものの、学校に潜在的に不満を抱いており、早水圭介の集団カンニングに参加した。
タバコはマイルドセブンを愛用。

◎泉 哲也
演:武田一馬
軽音楽部所属。長身痩躯、彫りの深い顔たちのミュージシャン然とした風貌の生徒。
年の離れた兄の影響で幼少期から洋楽(特にドリーム・シアター)に傾倒しており、
蓼沼将大たちとコピーバンド「ドレッド・シアター」を組んでいる。
担当のリードギターの実力は賞賛を浴びる程、高い評価を受けている。
蓼沼の数少ない理解者でプロのミュージシャンを目指している。芹沢理沙子に好意を抱いている。

◎加藤 拓人
演:荒井敦史
サッカー部所属。蓼沼将大の子分だが、蓼沼や佐々木涼太のようなあからさまな不良として振る舞うのは抵抗がある。
明るい性格で男子の輪の中心人物。

◎木下 聡
演:中島広稀
水泳部所属。山口卓馬のグループに所属。
女子受けが良く、一年生時は相当モテたものの好みが細かすぎる為、恋人はいない。
伊佐田同様、現状への不満から早水圭介の集団カンニングに参加した。

◎佐々木 涼太
演:鈴木龍之介
蓼沼将大の子分で彼に次いで喧嘩は強い。加藤同様につるんではいるが、心底では蓼沼を嫌っている。
蓼沼の退学後、山口卓馬のグループと行動を共にするようなった。将来は家業の土建屋を継ぐものだと本人は思っている。
小学校時代に少林寺拳法を習っていたため、運動神経は良い。

◎塩見 大輔
演:横山涼
夏越雄一郎曰く「意識のある間は」常に受験勉強をしているが、渡会健吾や去来川舞には及ばず学年中位をキープしている。
中学時代は卓球で都大会の常連だった。五部刈り頭に額縁眼鏡という絶滅危惧種な風貌。

◎鈴木 章
演:竹内寿
テニス部所属。場の空気を読まず無神経な発言をするために、クラスでは浮いた存在の生徒。
有馬透とは気の合う友人。

◎高木 翔
演:西井幸人
アーチェリー部のキャプテンで将来有望のエース。
インターハイの団体戦では準優勝、個人戦では優勝するほどの実力を持つ。
高校入学からアーチェリー一筋だが、行事にも積極的に参加。男女ともに好意的に接している。
一年生の時に同じクラスだった白井さとみとは互いに好意を寄せている。
惨劇の夜に偶然アーチェリー用具一式を所持していたことから、反撃を試みる。
実は隠れたヒーロー願望の持ち主。

◎田尻 幸夫
演:藤原薫
一年生の時、蓼沼将大にイジメられていた目立たない生徒の一人。
着任して間もない蓮実が加害者を説得して問題を解決した事から、彼に全幅の信頼を寄せている。
アイドルやアニメに関心が強く、B級アイドルのヒットしなかった曲を最後まで歌い切ると願いが叶うというジンクスを信じている。
また、自分自身を存在価値のない人間だと思い込んでおり、パニックに陥るとしばしば現実逃避する。
惨劇の夜、阿部美咲が率いるグループと行動を共にするが、クラスメイト全員が虐殺されても自分だけは生き残りたいと願っていた。

◎坪内 匠
演:堀越光貴
小学校、中学校共に友人も多く、入学直後は積極的で目立つ存在だったものの、蓼沼将大に目を付けられイジメられていた生徒。
イジメのトラウマによる恐怖心から不登校気味で、進級してからも保健室登校が続く。

◎中村 尚志(なかむら ひさし)
演:米本来輝
実家が地元の電気屋で本人も電気オタク。基本的に争いを好まない平和主義者。
学校行事では必ずESSや片桐怜花といった美人の女子生徒ばかりを映したビデオ撮影をしており、女子生徒の大半から顰蹙を買っている。
柏原亜里に好意を抱いている。 惨劇の夜、渡会健吾の指揮するグループで電気に関する知識を駆使して反撃を試みる。

◎鳴瀬 修平(なるせ しゅうへい)
演:永瀬匡
バスケットボール部所属。実父の鳴瀬明男は日本で五指に入る大手法律事務所の弁護士。
教師に対して反抗的で、授業中に暴力を振るった体育教師の園田を訴えようとした。他校の女子に人気があり、合コンに頻繁に参加している。
片桐怜花、早水圭介、夏越雄一郎とは一年生時に同じクラスだった。
山口卓馬や伊佐田直樹、木下聡たちと仲が良い。

◎松本 弘
演:工藤阿須加
テニス部所属。クラス委員で単純で分かりやすい性格な上、優柔不断。
「何事もそれなりに」がモットーで交友関係は広く浅い。学校に内心不信感を抱く生徒の一人。
集団カンニングに参加している。家族仲は良く、かなりのゲーマー。

◎脇村 肇
演:秋山遊楽
写真部所属。内気で気弱な性格の持ち主。
内臓疾患で体重が90kg以上あることを理由にクラス内でもイジメの標的となっている。
また、真面目な生徒からも都合のいい使いっ走り扱いをされている。
ただ本人はイジメられているとは考えていないようで、その地位に安住している。
動物の飼育と読書、写真撮影が趣味。実家ではペットのハムスターを飼育している。

◎渡会 健吾
演:尾関陸
渾名は「こぶた」。一年生時から不動の学年トップの座を守っており、進学先に東京大学を希望。
小太りの体躯に似合わない他人を見下す様な鋭い目が特徴。
頭の回転は速いものの、自己顕示欲が強く狡猾、嫌味な態度からクラス内での人望は皆無に等しい。
可愛い女の子に目がなく、柏原亜里に好意を抱く。蓮実に対する信仰者達を含め同級生の大半を見下しているが、夏越雄一郎の実力は密かに認めている。
惨劇の夜には三つのグループに分かれた生徒たちのうち、一つのグループの指導的立場に立つ。
3階に籠城するが、手段を選ばないやり方から夏越雄一郎と口論になる。

◎去来川 舞
演:林さくら
ESS部員で蓮実自慢の美少女コレクションの1人。 常に学年10位をキープしている才色兼備の女生徒。
聡明かつ冷静、明るく努力家な少女。大人びた言動で周囲の暴走を制止することも多い。
小野寺楓子や片桐怜花とは親しく修学旅行先のホテルのルームメイト。

◎牛尾 まどか
演:神崎れな
ESS部員で蓮実自慢の美少女コレクションの1人。おっとりした癒し系の美少女。
かなりの読書通で2歳上の姉の所有している本と合わせて実家の蔵書量は膨大。少女漫画が特に好き。
学習塾に週3日は通っており、成績は上位に位置する。

◎柏原 亜里
演:秋月成美
ESS部員で蓮実自慢の美少女コレクションの1人。
黒髪のセミロングヘアに色白の肌の「ミス晨光町田」と言われている学年一の美少女。
自身も美貌は自覚している様で学内ではアイドル的人気を誇るが、決して高飛車には振る舞わない。
人当たりのいい性格の持ち主で滅多に怒らない。小野寺楓子や高橋柚香と仲がいい。

◎清田 梨奈
演:藤井武美
バドミントン部所属。真面目なものの内気で押しに弱い。
父親の清田勝史はモンスターペアレントで、親子関係は悪く、梨奈がクラス中から無視されていると学校に訴えるが、
それは本人の意思ではなく、父親の一方的な独断での可能性が高い。蓮実はただのストレス解消と考えていた。
後に自宅が蓮実の放火による火災で全焼、父親が焼死した事件が切っ掛けで、同級生と打ち解けるほど明るい性格に変貌した。

◎久保田 菜々
演:山本愛莉
剣道部所属で大会優勝候補の一人。剣道二段。
冷静沈着だが大多数の生徒同様、蓮実に従順。剣道部以外にも男女共に友人は多い。

◎佐藤 真優
演:綾乃美花
映画版ではESS所属。蓮実親衛隊の1人だが、阿部美咲と三田彩音ら血の気の多い他生徒に比べて、
幾分かは穏やかな性格の持ち主だが、結構大雑把な一面もある。家族関係は良好。

◎白井 さとみ
演:松岡茉優
剣道部所属で大会優勝候補の一人。剣道二段。
奈々とは親友同士で蓮実信奉者の一人。
勇猛果敢で比較的真面目で積極的な生徒の部類に入る。高木翔とは両想い。

◎芹沢 理沙子
演:塚田帆南
軽音楽部所属。コピーバンド「ドレッドシアター」の紅一点でキーボード(シンセサイザー)担当。
中学生の時に吹奏楽部の女子グループでガールズバンドを結成していた。
蓼沼将大の数少ない理解者の一人で、泉哲也に好意を抱いている。

◎高橋 柚香
演:菅野莉央
バレーボール部所属。ポニーテールと特徴的な声の持ち主。
しっかり者で健気な少女で男女共に人気がある。授業態度も真面目で問題の少ない生徒。
芹沢理沙子の友人でバンドメンバーとも親しく、蓼沼将大とは互いに好意を抱く。
バンドメンバーを始め、二人の思いを知る者たちは成就させようとしている。

◎塚原 悠希
演:山崎紘菜
バスケットボール部所属。クラスの女子の中では一番太った体型。
目立たない男子生徒とも気さくに話す寛容な性格。
亜里や林美穂とは友人、片桐怜花とも親しい。実家は美容院で、文化祭の催し物のためにマネキンを提供した。
将来は理容師を目指して、専門学校への進学を希望している。
蓮実の隠れファンで英語を必死に勉強しているが、成績は良くない。

◎永井 あゆみ
演:伊藤沙莉
ダンス同好会所属で放送委員。 声がハスキーボイスで特徴的である。
縮毛矯正したセミロングヘアと小柄な体型の女子生徒。噂やゴシップの類が多い芸能リポーター的な存在で口は極めて軽い。
支離滅裂な一面もあるが、クラス内の情報通で重宝されている。
また、誰にでも自然に接することができる生徒だが、蓮実にとっては「その他大勢の生徒」の一人に過ぎない。
文化祭の準備中に、蓮実と安原美彌の関係を偶然知ってしまい、惨劇の夜の引き金を引いてしまうこととなった。

◎林 美穂
演:藤本七海
水泳部所属。クラスでも行動派でかなり気が強い。
男子生徒に特に口うるさく、何かしら不平不満を抱えている。
修学旅行を含むイベントでは実行委員に選ばれることが多く、本人も満更でもない。

◎星田 亜衣
演:岸井ゆきの
片桐怜花以上に内気で引っ込み思案、精神面も彼女以上に脆い。
クラス内でも滅多に発言しない女生徒で平和主義者だが、時たま核心を突く発言もある。
清田梨奈と仲が良く、自身の母親と三人で外食に行く程に親密。
お菓子作りが趣味で、将来はパティシエを希望している。
惨劇の夜、渡会健吾が指揮するグループに留まるが、度重なる悲劇に精神が極限状態まで追いつめられる。

◎三田 彩音(みた あやね)
演:山谷花純
映画版ではESS所属。蓮実親衛隊の1人で学校や休日でグループと行動を共にすることが多い。
蓮実に気に入られようと常に媚びているものの勉強は苦手で、本人も勉強に対する努力よりもテレビや友達付き合いの方が優先事項な様子。

◎横田 沙織
演:三浦透子
バドミントン部所属。IDとパスワードが必要な学校裏サイトを運営している、暗く目立たないパソコンオタクの女子生徒。
安原美彌同様に親衛隊に近く、保身目的で美彌の子分をやっている。
物理が得意。実は他校在籍の彼氏がいるが、知る者はいない。

◎吉田 桃子
演:兼尾瑞穂
テニス部所属。陰のある幼顔と豊満な胸を持つ女生徒。
目立つことを好まず、授業中でも挙手及び発言は滅多なことではしない。
交友関係は狭く深い為、グループ内でも友人と言えるのは数人。
内気なところが共感できるのか、片桐怜花とは比較的親しい間柄で交流がある。
妹とは喧嘩も多いが仲は良い。ゲームにはまっている。
体育教師の柴原と何らかの事情で肉体関係にあるが、彼女の言動から察するに脅迫されるなど不本意な形で強要されている模様。


◎真田俊平
数学教師。生徒からの人気は蓮実に次ぐ、爽やかな熱血教師。
蓮見の策略で飲酒運転及び轢き逃げの罪を被せられる。

◎水落聡子
演:中越典子
清楚な雰囲気のスクールカウンセラー。真田から好意を抱かれているが彼の片思い。
蓮実は彼女を篭絡しようと考えているようだが、あまり関係を進められていない。

◎田浦潤子
演:高岡早紀(序章)、小島聖(映画本編)
フィクションでは典型、現実ではまず存在しないようなエロ養護教諭。
既婚者だが欲求不満の為、蓮実や一部の生徒と肉体関係を持っている。

◎柴原徹朗
演:山田孝之
体育教師兼生活指導部教員。
下劣な変態チンピラ教師で、生徒や同僚から嫌われている。
女子生徒に手を出すことにもまったく抵抗感を持っておらず、脅迫などの手段で強姦するなど手口も下衆。
映画ではドラムが得意だったり、生徒にジュース代を渡す等、粋な一面を見せる等、何気に映画化の際に得をしている。

◎釣井正信
演:吹越満
50代の冴えない数学教師で、常に陰鬱なオーラを纏っている。痰が絡んだ覇気の欠片も見当たらない関西弁が特徴。
その風貌と言動から生徒にはかなりナメられており、彼の授業はほぼ学級崩壊しているが、
その実、蓮実が学校内で最も警戒している人物であり、怜花も彼から底知れぬ恐怖を感じ取って距離を置いている。
映画版では物理科の教師でアマチュア無線部の顧問となっており、2年1組の担任も務めている。
さらに、蓮実と頻繁に接触する水落に彼の危険性を知らせる等、原作よりも良心的な性格に変更されており、
柴原同様、映画化によって得をした人物。なお、何故か映画版では関西弁ではなく標準語で話す。

◎久米剛毅
演:平岳大
美術教師兼同性愛者。
生徒と恋愛関係にあることをネタに蓮実から脅迫されることとなる。
蓮実曰く「ゲイ術家」。

◎猫山崇
生物科の専任教師。
二枚目俳優のような整った顔立ちだが、小動物の骨格標本作りを趣味としていること、
声と態度が不気味なことから、生徒からは「猫祟り」と呼ばれる。
度々蓮実に殺害されかけるも、知らないうちに難を逃れている運の良い人。

◎堂島 智津子
演:池谷のぶえ
国語科の教師。
偏狭なまでにジェンダー教育に熱心で、ヒステリックな言動が目立つ。
理事長の遠縁に当たる人物で、その言動もあって周囲からは敬遠されている。
蓮実を目の敵にしており、中傷ビラを校内で印刷していたほどであったが、
彼の謀略により車に撥ねられて重傷を負い、職場復帰の道を絶たれた。


◎熊谷信二郎
蓮実の中学時代の恩師。
蓮実の本質を見抜き、涙ながらに「他人の痛みを理解してほしい」と訴えかけるも病死した。
恐らく蓮実に殺されたと思われる。

◎蓮実の両親
息子の本性に気づくも、その会話を盗聴していた蓮実によって殺害される。
2人の死は強盗事件として扱われた。

◎石田憂実
蓮実の中学時代の同級生。
学習障害の為勉強はできないが、鋭い感受性を持っていて蓮実の本質を見抜き、度々蓮実にお節介を焼いていた。
蓮実は基本的に自身の本質を見抜いた者を排除(殺害)していたのだが、彼女だけは例外で、
「人間の感情を知る家庭教師」として、危害を加えることなく在学中ずっと彼女のお節介に付き合い続けた。
中学卒業後は工場に就職するが、職場の先輩からパワハラや性的暴行を受け、それを苦に自殺している。

蓮実の過去に関わる人物の中では、特に彼の人生に影響を及ぼした人物であり、
蓮実が上述の通り本性を悟られても殺さないどころか、憂実当人から自分を殺すよう頼まれてもなお殺害を躊躇している。
また、憂実が自殺した後にその真相を知り、「共感能力を試すためのテスト」と称して件の先輩を殺害している他、
美彌に無意識に憂実を重ねている描写もある。

と、原作においては蓮実にとって重要なキーパーソンとして描かれるが、映画には登場しない。
そのため、当然ながら蓮実が美彌に憂実を重ねる描写も無く、彼女が関わる場面で蓮実が原作よりも冷酷に見える弊害(?)も出ている。

◎クレイ・チェンバース
演:JAB
蓮実のハーバード大学在学時期の同級生。
長身痩躯の快楽殺人鬼で、蓮実に操られる形で犯行を重ねるものの、蓮実と彼の殺人の目的に大きな相違があったため、
最終的には蓮実にガソリンをかけられ自殺として隠蔽される形で殺害される。
蓮実曰く「間抜けな男だったが、数少ない友人」と言えた存在で、蓮実は彼によって銃器類の扱いを学んでいる。

映画版がR15+指定にされた原因の7割は、蓮実とコイツのせい。
目玉を舌に乗せてから咀嚼するシーンがあったため、カニバリズムの気もあったようだ。

◎園部祥子
以前蓮実が勤務していた学校の生徒。
蓮実の本性に気づいた為、自殺に見せ掛け殺害された。

◎フギン・ムニン
毎朝、蓮実の家の庭に来て睡眠を妨害するカラス。
名前の由来は北欧神話に登場する主神・オーディンの眷属から。


以下、結末に関するネタバレ。未見の人は注意






あまりにも悲惨な現場にそぐわない冷静な態度を取る蓮実を疑う刑事もいたが、如何せん証拠がない。

生徒全員を抹殺した蓮実は、それが久米の犯行であるかのように偽装していたのだ。

しかし……!

校長室で事情聴取を受けていた蓮実の前に現れたのは、殺したはずの片桐怜花と夏越雄一郎だった。
2人は死体を利用することで生き延びていたのだ。

怜花と雄一郎の糾弾にも、蓮実は怯まず「2人は犯人の顔を見ていない」と主張する。

しかし、天は蓮実を許さなかった。

保健室から戻ってきた刑事が持っていたのは、山口卓馬が使用したAED。
AEDには使用中に周囲を録音する機能がある。

そこには、蓮実が生徒を惨殺する様子が生々しく残されていた。

たった一人の生徒の友達を救いたいという純粋な行為が、蓮実の悪魔の計画を打ち砕いたのだ。
(なお、映画版ではこれが変更され、蓮実が放った銃の衝撃でAEDが作動した、という「偶然」の形になっている)

追い詰められた蓮実。しかし、彼は罪を認めたものの、こう口走った。

「全部神の意志だったんだ。4組の生徒は悪魔に取り憑かれていた」

蓮実は、既に次のゲームを始めていた。精神障害を装うことで、極刑を免れようとしたのだ。

蓮実は優秀な弁護団を結成し、自分が死刑にならない為のあらゆる手段を講じるだろう。

もし死刑を免れて精神病院にでも入れられたら、この男は必ず逃げ出して生き残った者達を殺しにくる。
怜花にはそんな確信があった。

雄一郎は激昂して蓮実の態度を詰るが、蓮実はそれにまったく取り合わなかった。
自分の生徒たちの楽しい文化祭前夜を地獄に変えた男は、口笛を吹きながら連行されていったのだった。

漫画版では事件の後日談が描かれ、結局蓮実は自分が雇った弁護団で禁固二十五年の刑を勝ち取り、
さらに蓮実は刑務所から脱獄、もしくは仮釈放されたことが示唆されている。
檻から解き放たれた怪物は、さらなる惨劇を引き起こすのか、それは怪物にしかわからない…。

ちなみに、現実の法運用では、これだけの人数を殺害してしまえば、心神喪失関連の極刑逃れ主張はどう足掻こうが通ることはなく絶望的。
明治時代ではあるが、広島護送死刑囚脱獄事件で一人が逃げ切った前例があるだけに、
裁判を受けるよりも脱獄の方がまだ助かる可能性があると言っても過言ではないほど。

ラストに『TO BE CONTINUED』(続く)と出ているが、監督の三池崇史が原作やパンフレットでも続編を作りたいと語っているためであり、
原作者の貴志祐介もパンフレットにて続きを書きたいと語っている。

AKB48の大島優子は本作の試写会に出席した際、途中で衝撃さから退場している。

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最終更新:2024年01月25日 17:24