(MTG)

登録日:2012/07/26 (木) 00:38:42
更新日:2024/01/28 Sun 01:27:06
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※項目名をミスったわけではありません。


(1)(青)
クリーチャー―多相の戦士
(1)このカードのカード名はあなたが選んだ名前になる。この能力はいつでも、どこでも使用出来る。
1/1


MtGのジョークエキスパンション、アンヒンジドに収録されたカード。
何と名前が無い。

好きな名前に変更出来るため、名前を参照するカードと組み合わせるといいだろう。
当然ながら、名前の短さトップである。
ちなみにフレイバーテキストも変えられる(まあ変える能力もフレイバーテキストなので友達とは相談のこと)。


両極端てレベルじゃねーぞ!



名前を好きに変えられるという点での(ネタ的)アドバンテージは計り知れない。

たった数マナ払うだけでエムラクールでもセラの天使でもジェイスでも法務官でも何でも場に出せる!!

「出したい・使いたいクリーチャーがいるけどマナコストやら敵の妨害のせいで召喚ができない」というのでお困りのあなたは是非採用してみてはどうだろうか



効果?使えませんが何か?
そもそも公式戦では使えない?え?何?聞こえない
さらに、このカードの能力はいつでも、どこでも使うことができるので、トレードの際に相手が欲しがっているどんなカードにもなることができる。
もちろん(ゲーム外なのに)マナを支払う必要があるし、払ったとしても相手がトレードを受けてくれるかは別問題だが。

また、よそのカードゲームのモンスターも当然指定できる。あんなカードやこんなカード、もう今は使えないそのカードまで名乗れる!作品と世代を超えたクロスオーバーを今ここに!!

往年のキャラクターの名前だって指定できるぜ!!たった数マナであんな主人公やこんな兄貴、そんな美少女を自在に操れるのだ!胸が熱くなるぜ!!

いやいやそれだけではない、実在の人物だって名乗れる!!あんな(ry


若干戦略的なことについて言及すると、相手の好きな人物やキャラクター名を指定すれば、無敵の壁になるかも知れないしならないかも知れない。

また、暗号を名前にして宣言することで近くの組織の仲間に情報を伝えることができるため、スパイ活動にも活用できるだろう。諜報活動を行っていらっしゃるスパイの皆様には必携のアイテムである。

まあ、対戦相手の名前はトラブルを招くかもしれないので控えた方が無難だが。

真面目に言えば、名前を参照するカードとは組み合わせられる。
「墓地にある~というカードの枚数」を参照するような呪文の効果を水増ししたり、「~というカードを生贄にささげる」というようなカードとも相性はいい。
まあ素直にそのカードを使った方がいい気もするが。





…現在の裁定は残念ながら「MtGに実在しないカードにはなれない」である、そうしないとNow I Know My ABC'sと2枚コンボになってしまうしね。

○余談

  • 表記が表記なので検索が非常にしづらい。検索する価値ないじゃんって奴はドラコ爆発な

  • 表記には苦心している所が多く、サイトによっては_(アンダーバー)を活用したりと様々な工夫が見られる




(1)(青)
クリーチャー_多相の戦士
(1) : このカードのカード名はあなたが追記・修正した名前になる。この能力はいつでも、どこでも使用出来る。
1/1

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……というのが、2011年からほとんど編集されていないこの項目の概要である。
ただしぶっちゃけ現在はおろか、当時のルールからしても間違いだらけ。いくらアニヲタwikiとはいえ、さすがに誤りを書きっぱなしにするのはよろしくない。
現在のルールどころか、この項目が作られた2011年のルールですらかなり間違ったことばかりが書いてあったことにご留意いただきたい。



まずこのカードだが、ジョークセットで登場したので公式大会で使うことはできない。カードの外観から通称「銀枠」と呼ばれるものである。
カード名が存在しないため、すべてのトレーディングカードゲームにおいて名前が最短である。しかしそれでは不便なので、基本的には空欄を示すために《_____》(アンダーバー5つ。さらに日本語では各種システムと不具合を起こさないように全角のアンダーバーが用いられることが多い。)と表現される。
実物のカードを見ると分かるが、カード名の部分にはアンケートやテストの記名欄のようにアンダーバーが敷かれている。

このカードは1マナを支払うことで、カード名を変更する起動型能力を持っている。さらにフレーバー・テキストでは「フレーバー・テキストを任意のものに変更する」というテキストが書かれている。
フレーバー・テキストがルールに含まれるかどうかという点はさておき*1、2マナ1/1と極めて貧相なスタッツ。《さまようもの》よりも貧弱なので、このカード名(とフレーバー・テキスト)の変更能力がこのカードの本体ということになる。
また、手札や墓地はもちろん、ライブラリーの中や追放領域でも能力を起動することができる。サイドボードで起動するのはさすがに不可能である。

しかしカード名を変更できるカードというのは、それ単体では意味がない。まったく同じテキストのカードの名前が《ラノワールのエルフ》でも《エルフの神秘家》でも、実際に使っている際にはさほど問題を起こさないのと同じである。
他のカードゲームで言えば、遊戯王なら《剣闘獣アンダル》も《ブラッド・ヴォルス》も攻撃力が1900の通常モンスターという意味では運用はまったく変わらない。しかしアンダルが一時期トーナメントシーンでも用いられたのは、他の剣闘獣がそのカード名を指定するからである。
つまりカード名を変更するカードというのは、他のカードによって参照されて初めて意味を持つと言っていい。そのため実際のゲームにおける運用上は「このカードの名前は○○としても扱う」というテキストとあまり変わらなかったりする。
だがMTGにおいては後述するように、カード名を指定するカードはそんなに強くないのだ*2。だからこのカードの能力もさっぱり強くない。

「たった数マナ払うだけでエムラクールでもセラの天使でもジェイスでも法務官でも何でも場に出せる!!」などとはいうが、あれらが強力な高額カードだった理由はルール・テキストが強いからである。
ルール・テキストが「名前を変更する」としか書かれていないこのカードでそんなことをしてもぶっちゃけ対戦相手からすれば「……え、だから何?」で終わる。
これじゃ幼稚園児のごっこ遊びと大差ないし、どうしても使いたいならプロクシを使用することに了解を取った方がよほど平和だろう。そして現在ならMTGAなどでデッキの理想形が簡単に作れる。
仮にもいい歳して物心ついた小金持ちがやるゲームなのだ、何もこんなさもしいことをする必要はまったくない。


カード名は何でも指定可能、つまり何にでもなれるようなことが書かれているが、指定できるカード名にも制限がある
2011年の時点で「MTGに存在するカード名である必要がある」というルールがきっちり制定されている。*3
《セラの天使》や《スランの医師、ヨーグモス》《生ける卒論、オクタヴィア》などにはもちろん、《列聖の武将 関羽》《Zangief, the Red Cyclone》なんてものになることはできる。
クリーチャーに限定されていないので、非クリーチャーである《対抗呪文》《プロパガンダ》《ダンジョンの入口》、それどころか《君たちは酒場で出会った》《窓を叩く》《お前はもう死んでいる》なんてわけのわからない名前になったりもできる。

しかし他のカードゲームのカード、例えば《伝説の禁断 ドキンダムX》だの《白魔導士ピケル》だのになることはできないため、夢のクロスオーバーは実現しない。当然だが「孫悟空」や「ソリッド・スネーク」になることもできない。関羽やザンギエフになれるのはあくまでもMTGにそういう名前のカードがあるからなので、カード化していない「水鏡先生」や「豪鬼」になることもできない。
もう少し言ってしまうと、「コラボレーション・カード」のカード名は「カード名はフレーバー・テキストとして扱う」というルールがあるため、その下に小さく書いてある本来のカード名を使わなければならない。
つまり《大怪獣、ゴジラ》《ドラキュラ伯爵》《Hadoken》のようなカード名になることはできないため、意外とクロスオーバー先は狭かったりする。


一方でフレーバー・テキストを変えることができる能力はそこそこ強力であり、アンヒンジドに多いフレーバー・テキストを参照するカードと強いシナジーを形成する。
さらに「コラボレーション・カードのカード名はフレーバー・テキストとして扱う」というルールに適用できると解釈すれば、「自分をゴジラだと思い込んでいる《さまようもの》」のような奇妙な遊び方もできる。
ただそれにしたって、強弱云々を除いてもぶっちゃけあまり盛り上がるカードではない。
トレーディングカードゲームのカードは結局本物のイラストと挙動が面白いから人気が出るのであり、名前が面白いだけではさほど盛り上がらないのだ。


さて、この手の「カード名変更系のカード」あるいは「すべてのカード名指定で参照できるカード」というのは、他のTCGではかなり夢を持たれる1枚である。
本項目のコメント欄にも書かれているが、このような夢を語るためのカードといった位置づけである。もしあのゲームにこの《_____》が存在していたらどうなるだろう?


ガンダムウォーの《名無し》(トロワ・バートン)は任意の名前になることができるという能力を持っており、このカードとほとんど変わらない動きをする。
こちらはくだらない思考実験から真面目なデッキに至るまで多用されたカードであり、プレイヤーの間で非常に好まれた。
一例としてシャア専用○○に名称がシャア・アズナブルのカードを乗せると、専用機のセットという特殊な状態を作り出せる。この専用機のセットを成り立たせるためのジョーカーとして用いることができるというもので、
この専用機のセットを5つ作ることで特殊勝利できる《華麗なる勝利》というクソカードの条件を満たすために好んで用いられた。
さらに男女どころか人間以外のどんな名前にでもなれるため《アルベオ・ピピニーデン》だの《ラクス・クライン》だの《ローラ・ローラ》だの《ハロ》だのになれることはもちろん、名称を「月」にして「月が出ているのでガンダムXの範囲兵器を打てる」ようにするなどとにかく字面が面白い話がたくさん出てくる。月は出ているかってそういう意味じゃないと思う
ゲーム性とも強く合致したこのカードは、おそらくTCGの長い歴史の中で、この手のカードの中で最も面白い挙動をしたと言えるだろう。


やはり人口的にもゲーム性でも遊戯王の話題が盛り上がる。
コメント欄では《E・HERO プリズマー》に喩えられていたが、ターン1回制限がない上にクリーチャー(=モンスター)以外の名前にもなれるため、もっといろんなことができる*4。もちろん手札で《沼地の魔神王》のような役割も果たす。
コメント欄ではエクゾディアパーツの水増しが提案されているが、他にも《ワイトキング》の攻撃力を上げたりという素朴な使い方に加え、《黒魔術のカーテン》で特殊召喚してから《青眼の究極龍》と化して《アルティメット・バースト》をぶっぱなしたり、《未来融合-フューチャー・フュージョン》で墓地に送った後に《ヒステリック・パーティー》で釣りあげて《進化する翼》を使って《ハネクリボーLv10》を出すなど本当にやりたい放題できる。
カード名に非常に深く依存したゲーム性である以上、上述のトロワのように「俺の名前が月なのでサテライトキャノンが撃てる」を超えるレベルの運用ができたりもするので、暇があるなら色々考えてみるといいだろう。面白いものが見つかったらこの項目に追記でもしておけば、この項目も盛り上がってくれることだろう。
そして地味な利点?としてフレーバー・テキストを変えられるというものもある。
クリスタルパワーを最適化し、戦闘力に変えて戦うジェムナイトの上級戦士。その高い攻撃力で敵を圧倒するぞ。
しかし、その最適化には限界を感じる事も多く、仲間たちとの結束を大切にしている。
あたりを適当なモンスターにつけて遊ぶ大喜利なんかにも使えるかもしれない。

さて、カード名指定絡みで実際にできた話だが、《ヒーロー・マスク》で《E・HERO フェザーマン》になることで《フェザー・ショット》による複数回攻撃が可能になる。
攻撃回数を増やすことができるため、攻撃に関連した効果を発動する際の思考実験で出てくるものである。
これは実際に《究極封印神エクゾディオス》の特殊勝利を狙う際に用いられたギミックであり、《拡散する波動》を使うよりも現実的だとして話題になった。

他にもカード名を《E・HERO ネオス》にしたなんらかの融合モンスターに《コンタクト・アウト》を使うことでデッキから強力な素材モンスターを特殊召喚するというギミックが提案されたこともあった。
例えば《F・G・D》に使えばデッキからドラゴン族モンスター5体を特殊召喚できるのではないか、というものだが、こちらはすぐに「できません」と裁定が下ってしまった。
現在では当たり前のことだが、このコンボが提案された頃はまだ「融合モンスターは特殊な例を除いて、素材のカード名をちゃんと指定する」のが当たり前だった時代であり、《F・G・D》や《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の方が特例だったということも関係している。つまり《千年竜》などでできるのなら《F・G・D》でもできるはず、という理屈で考案されたのである。
現在の「融合モンスターの素材のカード名に関するルール」の母体となった一件でもある。どんなルールにも、背後にはそれが問題になった一件があるということだ。
「遊戯王オンライン」という公式ソフトではこの裁定反映が遅れたため、《E-HERO ダーク・ガイア》から帝を2体出すというギミックが当時の電波デッキとしてちょっとした話題を呼んだ。


デュエル・マスターズでは《超法無敵宇宙合金武闘鼓笛魔槍絶頂百仙閻魔神拳銃極太陽友情暴剣R・M・G チーム・エグザイル~カツドンと仲間たち~》というカードが役割的に近いかもしれない。
一見単なる「めちゃくちゃ長いカード名」に過ぎないのだが、他のカードによるカード名指定で参照することができる。カード名変更系はこのカードの運用の延長線上にあるものだと考えておけばいいだろう。
あるいは《究極男》《超越男》などの男シリーズなんかも、見方によっては近いと言えるかもしれない。
このカードは「ライブラリーで起動できる」という部分以外はルール的にさほどおかしな挙動を示すカードではないので、そのうちブラックボックスパックあたりでカード化するのではないだろうか。


ポケモンカードなら……メタモンあたりでそのうち実装されるんじゃない?(投げやり)


しかし一方でMTGプレイヤーからの反応はあまり芳しいものではない。
名前を変更するカードは他のカードによって参照することで初めて意味を持つのだが、カード名を参照するカード自体がそもそもほとんど存在しないため。
さらにそのうちの半数程度が特殊なドラフトだとか初心者用デッキだとかで用いられる……つまり真面目な対戦環境では使用に耐えないため、実際にこのカードとプラスのシナジーをもたらすカードは本当にわずかな枚数しか存在しない。
名称を指定するカードには《蓄積した知識》《戦隊の鷹》《うねる歩哨》のように活躍した例はあるのだが、それらはいずれも自身と同名のカードを参照するというもの。2マナ1/1で事実上のバニラにすぎない上に一部のカードのカウント水増ししかしてくれないカードを入れる余裕のあるデッキというのもそう多くはない。
せいぜい《戦隊の鷹》《名高い武器職人》《高山の犬師》《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》*5あたりで手札に引っ張れる手札コストという役周りが関の山だろう。……サーチするカードが青になるから《意志の力》*6系のコストにできるので、存外悪いギミックではないだろうが。
ただそもそもMTGは黒枠*7の時点でキテレツなことをやるのが当然というゲームなので、このカードは「名前が一番短いカード!」という話題以外ではあまり出てくることはない。カード名を変えられたところで「だから何?」で終わってしまうし、銀枠の話というのはものすごく人を選ぶのである。
さらに一時期はカード名の話になると必ずこのカードを例外に挙げる指摘があったため、人によっては割とうんざりしているカードだったりする。特にMTG wikiでは一時期、カード名にわずかでも絡んでいるカードがあると必ず引き合いに出されており、3度目の銀枠セット「Unstable」が登場する前は「MTG wikiのくだらない記述がまた増えそうだ」なんて暗い話題が盛り上がったりもした。
そして非常に検索しにくい。「名無し MTG」で検索しても、MTGについてまとめた5ちゃんねるのまとめブログがヒットしてしまうし、アンダーバーは検索エンジンに対応していない。

さらに12年後には黒枠で《スパイ道具》というカードが登場してしまう。
こちらは「装備したクリーチャーは、MTGで登場した伝説ではないすべてのクリーチャーの名前を持つ*8」というもの。
本来は特殊なドラフトにおいてカード名をあらかじめ指名しておくカードとのシナジーを目論んで作られたものだが、他にも同名のカードが戦場に出せなくなる《独占市場》との組み合わせなどでちょっとしたコンボができる。しかしあまりにもニッチなので、これでも使われない。
もちろん銀枠のカードとの相性も抜群。《Wordmail》をエンチャントすると万単位のPT修整を受けたり、《Now I Know My ABC's》の特殊勝利条件を即座に満たせたりとやりたい放題できるので、こういう銀枠解禁ルールではこぞって採用されるのだそうな。
つまり話題性においても銀枠勝負においても使用率においても上位互換が登場してしまったため、もはやこのカードが顧みられることはほとんどなくなってしまったのだ。


ただしこのカードには、いまだに「黒枠として使用したい」という強い需要が存在している。それがこちらのカード。

Korlash, Heir to Blackblade / 黒き剣の継承者コーラシュ (2)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー — ゾンビ(Zombie) 戦士(Warrior)
黒き剣の継承者コーラシュのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたがコントロールする沼(Swamp)の数に等しい。
(1)(黒):黒き剣の継承者コーラシュを再生する。
壮大 ― 他の《黒き剣の継承者コーラシュ/Korlash, Heir to Blackblade》という名前のカードを1枚捨てる:あなたのライブラリーから沼カードを最大2枚まで探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後ライブラリーを切り直す。

/*


このカードが登場した「未来予知(2007)」当時はまだ統率者戦という遊び方がまったく流行っていなかった(そもそも登場して間もなかった)こと、現在とはレジェンド・ルールが異なることに留意してほしい。
伝説のクリーチャーがゲーム的にデメリットでしかないということに開発陣が挑んだカードで、2枚目以降が手札に腐ってしまうことを緩和する「壮大」という能力を持っている。
この「壮大」能力こそがカードの本領であり、使えた時は気が狂うほど気持ちがいいのだが、MTGは同名のカードをデッキに4枚までしか入れられない。つまりどうしても「壮大」を使うチャンスが巡ってこないことが多いのだ。
そもそもこの能力を持つカードはすべてレアなので、カジュアル勢が4枚集めるには資産的な負担が大きい。「壮大」をもっと気軽に使いたい、つまり「壮大」だけに使える専用のジョーカーが欲しい、という需要は昔から根強かった。
この《_____》はその問題点を完璧に解決してくれる上に、他のカードで悪用することが現実的ではないのでバランス的にも優れているというわけだ。

しかし伝説のクリーチャーはその後、統率者戦という遊び方が流行したことで公式にテコ入れされたこと、レジェンド・ルールが変更されて2枚目以降が腐りにくくなったことから、「壮大」はすっかり時代と逆行する能力になってしまった。
かつてはエクステンデッドで《サマイトの守護者オリス》を用いたデッキ「オリスチャント」が公式記事にフィーチャーされ*9、レガシーでも黒単コントロールにおいて《黒き剣の継承者コーラシュ》が用いられたこともあったのだが、
今となっては伝説のクリーチャーはセットの花形。《タズリ将軍》→《団結の標、タズリ》のように同一人物の2枚目、3枚目のカード化も当たり前になっている。レジェンド・ルールとの付き合い方がすっかり変わったこの令和の時代に、「壮大」を持つクリーチャーが返り咲くことはなさそうだ。


また、後に銀枠においてこのカードにしかできない用途をもたらすカードも登場した。

Princess Twilight Sparkle (白)(青)
伝説のクリーチャー — Alicorn
飛行
あなたがコントロールしている他のAlicornと馬(Horse)とペガサス(Pegasus)とポニー(Pony)とユニコーン(Unicorn)は+1/+1の修整を受ける。
(白)(青)(黒)(赤)(緑):あなたが《Applejack》と《Fluttershy》と《Pinkie Pie》と《Rainbow Dash》と《Rarity》をコントロールしている場合、すべてのポニーはこのゲームに勝利する。
2/2

マイリトルポニーのコラボカードで、主要ポニー6人を揃えることで満たせる特殊ポニー勝利条件を有している。
しかし、このコラボでカード化されたのは他にはラリティ(とナイトメアムーン)だけで、他4人は見登場。この4人が実際に発売されるまでこの能力は使用できないように見える。
ここで声がかかるのが《_____》。4枚並べてそれぞれアップルジャック、フラッターシャイ、ピンキーパイ、レインボーダッシュを名乗ることで、先んじて条件を満たすことができる。
そして《スパイ道具》は伝説のクリーチャーの名前を含まないため、たぶん伝説であろうこれらの代用には使えない。
ところで「すべてのポニーはこのゲームに勝利する。」ってどういう意味なのかって?知らないよ。


つまり実はこのカード、何でもできそうに見えて実はできることが結構限定的だということ。
案外面白いことができるわけでもなく、夢は見られるが現実は味気ない。
皮肉にもMTGにおいては「名前ではなく中身が大事」ということを強く教えてくれるというカードだったというわけだ。
もしあなたの好きなゲームにこのカードがあったら、なんて思考実験にぜひ使ってみてほしい。きっとその方が盛り上がる。
コメント欄でも遊戯王の話が盛り上がってるし、多分それが正しい使い方だろう。


{1}:この項目は、あなたが望んだ内容になる。(この能力はルール文じゃなくて項目末尾の追記修正の要望文なので機能しない(ってかそもそも注釈文もそうだし、まあわかってくれ)。)



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最終更新:2024年01月28日 01:27

*1 フレーバー・テキストの能力も有効であるという裁定が出ているが、実は現物の文章を読むと完全に自己矛盾を起こしている。たいていのコミュニティでは使用できるとされている。

*2 他のゲームにおいてカード名を参照するような状況においては、主に「クリーチャー・タイプ(部族、種族)」や「特殊タイプ」を参照される。さらに「サイドボードを含めすべての領域ですべてのクリーチャー・タイプとして扱う」という能力もある。つまりカード名にこだわる理由はあまりない。

*3 後述の理由により、「ルール文章に存在する未登場のMTGのカード」は指定可能。

*4 これじゃやりたい放題じゃないか、と言うなかれ。MTGではマナ・コストがかかるので結局1ターンに使える回数が限られているし、そもそも後述するように別にMTGじゃさほど強くない。そもそもゲーム性がまったく違うものを持ち込むのなら問題が起きて当たり前。バランス云々ではなく「もしもそういうカードがあったら」程度に考えておいていただきたい。

*5 いずれもライブラリーから特定のカード名のカードを手札に加えるというもの。

*6 マナの代わりに青のカードを追放することで唱えられる打ち消し呪文。この手の呪文だと頭一つ抜けて強いため、MTGでは「青いことは手札コストになるので強い」という風潮がある。

*7 ジョークカードなどを用いない通常のMTGの対戦のこと。ジョークカードは周りの枠が銀色になっており、これに対応した呼称。

*8 「伝説ではない」という部分は、装備先のクリーチャーが伝説のクリーチャーだとルール的に面倒なことが起きてしまうのを未然に防ぐため。

*9 ちなみにこのデッキは制作者本人が「めちゃくちゃ弱かった」と自省している。ギミックを形成する部分すべてが《罰する火》に弱かったことに気づけなかったそうである。