悪のウルトラマン一覧

登録日:2012/04/02 Mon 23:57:01
更新日:2024/03/19 Tue 01:40:38
所要時間:約 4 分で読めます





闇の巨人、または悪のウルトラマンとは、長いウルトラマンシリーズの歴史の中で何度か登場する偽ウルトラマン、もしくは似せのウルトラマンのカテゴリーの一つ。



【概要】

ウルトラマンの姿や能力をコピーしたロボットや生命体(いわゆるにせウルトラマン)とは異なり、オリジナルとして存在する闇のウルトラマンを指す。

昭和シリーズには(漫画作品や変身できない悪のウルトラ族を除き)このようなキャラクターは登場しておらず、シリーズとしては比較的新しいジャンルでもある。
「ヒーローVSヒーロー」という構図が本格的に取り入れられた平成仮面ライダーシリーズの影響があると思われがちだが、実際はこっちが先である。

先に断っておくが、人身事故の類は除外する。


【一覧】

■ネオフロンティアスペース

闇の巨人

映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』に登場。
かつて超古代文明を破壊し、超古代の戦士達を数多く葬り、世界を滅ぼした4体の巨人。
ウルトラマンティガ』TV本編には後述のイーヴィルティガが登場しているが、あちらが変身者の影響で暴走した「光の巨人」であるのに対し、こちらは闇の力を用いる「闇の巨人」であるという差異がある。
カラータイマーの色は通常時は青。
元々は超古代の闇の危機を救った光の力によって変身した「光の巨人」であったが、心に潜む「闇」により闇の巨人へと変貌した。
しかし、ユザレと彼女の誘いに応じて再度「光の巨人」へと転じたウルトラマンティガにより、3人の巨人はルルイエに3000万年もの間、封印されることとなった。

  • 剛力戦士ダーラム
ティガ パワータイプに相当する屈強な肉体に鎧を纏った巨人。
パワフルな格闘戦を得意とする。

  • 俊敏戦士ヒュドラ
ティガ スカイタイプに相当する細身で鎧を纏った巨人。スピーディーな空中殺法が得意。

  • 愛憎戦士カミーラ
闇の巨人のサブリーダー。
ダーラム、ヒュドラを超える闇の力を持ち、氷の技を繰り出す
古代のティガダークとは恋人同士であり、封印されてなお彼に愛情を向けている。

  • ティガダーク
闇の巨人のリーダー格である最強戦士。
ティガのかつての姿であり、その姿は全体的に黒く染まっている。相手の攻撃を自分の力に転化する力を持つ。
カミーラ達と共に破壊の限りを尽くしていたが、ユザレの説得で考えを改め、光の巨人の姿を取り戻してかつての仲間と敵対。
彼らを倒しきる事は出来なかったが、ルルイエに封印する事には成功し、世界の滅亡を救った。
その後は戦闘用の肉体を石像として光のピラミッドに封じ、その肉体と融合できる因子を一部の人間達に仕込んだ後、光(魂)となった自身は同じように戦闘用の肉体と分離した仲間達と共に宇宙へと帰っていった。

前述の通り、元々は他の3人同様光の巨人だったが、心の闇に支配されて一時的に闇に堕ちたとされている。
つまり、「光→闇(ここまで古代)→光→闇→光」と意外とめんどくさい道を歩んでいるウルトラ戦士だったりする。

なお、『THE FINAL ODYSSEY』でティガダークへと変身したマドカ・ダイゴは心が「光」のままだったため、ティガダークの闇の力を上手く扱えず、劇中では闇の巨人達との戦いで苦戦を強いられていたが、
リーダーだけあって本来のティガダークは他の3人とは一線を画す実力者であり、もしもティガダークの力を十全に扱えたのであれば、苦戦する事はなかったと思われる。

◆F計画

ウルトラマンの力を地球防衛の兵器に使用とした計画。ティガの復活の頃から計画が進められ、闇の巨人復活を機に一度凍結される。
しかしタカ派勢力により再始動し、『ウルトラマンダイナ』の時代で遂に完成したものの、エネルギーの制御ができず最終的に失敗に終わった。

あまり項目に関係ないようであるが、上記の闇の巨人復活の原因であったり、後述のダークザギの誕生経緯に近しいものがある等、無関係とは言えない繋がりがある。
光の本質を見誤った計画の行き着く先は破滅……ザギか超古代文明の闇の巨人であるのだろう。

かつて超古代文明を守っていた光の巨人の一人。精神はティガ同様、宇宙に去っていったと思われる。
残された石像(肉体)を発見した科学者マサキ・ケイゴが同化した事で復活するも、彼の心が力に飲まれてしまい、ただ暴れるだけの存在になってしまった。
テレビシリーズで初となる悪に堕ちたウルトラマンであり、変身者であるマサキもウルトラマンの力を悪事に利用した数少ない地球人でもある。
上記の通り厳密にはティガとは別人であり、イーヴィルティガという名前も便宜上「ティガによく似た悪の存在だから」という意味合いでつけられたようなものである。

ちなみにウルトラシリーズ全体において、悪の地球人が変身する純粋なウルトラマンは今のところ登場していない。

破壊された巨人像やイーヴィルティガなどを基に、人類を守る兵器として誕生した人造ウルトラマン。
ウルトラマンダイナと同等の力を持つが、人の心を持たないため、動作は機械的。
エネルギー切れで機能停止したところをスフィアに憑依されてしまい、ゼルガノイドへと変貌を遂げてしまった。


■『ウルトラマンネクサス』の世界

ウルティノイド

一連の元凶であるダークザギと、彼が駒として利用する闇の巨人の総称。カラータイマーの色は黒。
あらゆる方法でウルトラマンネクサスと視聴者を追い込んでいく。

始まりのウルティノイド。
ある異星文明が生み出した人造ウルトラマンであり、明確なデザイン元を持つため、本来はにせウルトラマンに相当する存在だが、
自我を持って暴走し、独自の進化の果てに闇の巨人に成り果てた。

地球で最初に現れた闇の巨人。

2番目に現れた闇の巨人。

3番目に現れた闇の巨人。


M78ワールド


M78星雲・光の国で生まれた暗黒のウルトラ戦士。
かつて光の存在として活躍した実力者だったが、様々な要因が重なった末に闇に堕ちて現在に至る。
ちなみににせウルトラマン系列(ウルトラマンシャドーやカオスウルトラマンを含む)以外の悪のウルトラマンで唯一名前に「ウルトラマン」とついていたためか、
シリーズ初かつ唯一の悪のウルトラマンとされていたが、トレギアの登場により唯一ではなくなった。

ベリアルと同じく光の国で生まれた悪のウルトラマンにして、ウルトラマンタロウの元親友。
光と闇の真理を探求した結果、闇に堕ちたとされている。
「光も闇も等しく虚無」と語るが、タロウの光に隠しきれないコンプレックスを垣間見せる。

親友フルハシ・シゲルに「地球人より地球の事が好きな大馬鹿野郎」と言わしめたウルトラ戦士。
人類が先住知的生命体ノンマルトから地球を奪い取った侵略者であるという事実を知ってもなお、「大馬鹿」故にノンマルトを押しのけんとする人類の味方を続け、重罪人となった。

悪のウルトラマンとしては珍しく闇に堕ちたわけではなく、自分の信念に従って戦っていたら結果的に悪の道に進んでいたという、一風変わった存在。
なお、これは『平成ウルトラセブン』での話であり、『ウルトラマンメビウス』など「正史」の世界では正義の味方を続けている。
とはいえ、『ウルトラマンレオ』において地球とウルトラの星が衝突しそうになった際、苦渋の決断としてウルトラの星を爆破する決意を一度は固めるなど*1、他の戦士と比べても地球への愛情は強く描写されている。


アナザースペース


  • カイザーベリアル
前述のベリアルが別次元のアナザースペースに漂着し、皇帝となった姿。
ベリアル銀河帝国軍と呼ばれる強大な戦力を率いる。


■『ウルトラマンギンガ』の宇宙


  • ウルトラマンダーク(SD)、ウルトラセブンダーク(SD)
ダークダミースパークによってダークライブされたウルトラマンとセブンの闇に変化した姿。
立場的には前述のイーヴィルティガポジション。
ネオフロンティアスペースのウルトラマンと同じく、ウルトラマンでさえも立場上は道具であったために人の心の闇で誕生した。
ウルトラマンのケンカ殺法とスタイリッシュ八つ裂き光輪がなかなかかっこいい。


■『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』の宇宙

闇の巨人

「闇の一族」と呼ばれる種族に属する巨人達。
宇宙を闇の世界に創り変える事を目的に、それを可能とする高エネルギー体「エタニティコア」を狙って超古代の地球を侵略していた。

闇の巨人のリーダー格。
氷で出来たバトン「カルミラバトン」や鞭「カルミラウィップ」を武器とする闇の巨人の紅一点。

屈強な肉体を誇る闘士。
闇に属し、ウルトラマントリガーや地球人と敵対しているものの、正々堂々とした戦いを好み、
護るべきものを持つ地球人の強さを認めて時には怪獣から庇うなど、悪とは言い切れない側面も持つ。

スピードと策略を得意とする策士。
常に敬語口調で喋るが、本性は同胞を含めた他者を見下し、いたぶる事を好む粗暴な性格。

闇の巨人のサブリーダーにしてトリガーのかつての姿。
寡黙な性格かつカルミラに従順で、3人からも一目置かれていた。
未来から訪れた自身に芽生えた光から誕生した存在=マナカ ケンゴと邂逅した事で心に光が芽生え、闇の巨人を離反。
残された闇はリシュリア星人イグニスに継承され、正義のために使われている。

◆影の巨人

超古代人ザビルがトリガーの光をエンシェントスパークレンスにコピーして変身した、もう一人のトリガー。


■外伝作品に登場する悪のウルトラマン


  • ウルトラマンジャック
漫画『ウルトラ兄弟物語』のエピソードの一つ「ウルトラ一族の大反乱」に登場するウルトラの父の兄。帰マンとは別人。
ウルトラマンキングが自分ではなく弟を大隊長に推薦した事で宇宙警備隊を離脱、「新宇宙警備隊」を結成するのだが……

同じく『ウルトラ兄弟物語』に編入された、漫画版『ウルトラマン80』を出典とする悪のウルトラマン。
光の国を追放された身、怪獣軍団を率いるなどといった設定から、「後のベリアルの元ネタでは」という指摘がある。

  • W87星人
同じく『ウルトラ兄弟物語』の「ウルトラ大戦争」の敵。
厳密にいえばウルトラの星ことM78星に数億年前に存在した双子星の兄弟種族だが、やがてM78星と対立し、悪として追放された。
黒い体にウルトラ戦士と同等の姿と能力、反プラズマバリヤーなどのプラズマエネルギーを無力化する技術を持つが、
唯一W87星人にはない合体技「ウルトラピラミッド」からの「グレートM87」光線で一掃され、生き残ったセブン似の最強の男もセブンとの一騎打ちに敗れ、開放されたネオバトルシップのプラズマ超破壊砲で母艦を破壊されて滅亡した。

  • ウルトラダークキラー
『ぱちんこウルトラマンタロウ 戦え!!ウルトラ6兄弟』に登場。
ウルトラ兄弟によって倒された怪獣や宇宙人の怨念から生み出された闇の超人。
それ自体はジャンボキング以来の定番である合体怪獣ではお馴染みの出自だが、ヤプールやジュダといった悪役の手駒というパターンの多い合体怪獣と異なり、自我も知性も有するあたり頭一つ抜ける存在。
闇堕ちではなく闇から生まれた純粋な悪のウルトラマンは史上初となる。

体色は灰色に近く、カラータイマーを始めとした各部位は紫色に禍々しく輝いている。
プロテクターやウルトラホーン、そして両腕にあるアイスラッガーは肥大化しており、ダークキラーの暗黒の体を外骨格として覆っている。
ウルトラ兄弟の技と同威力の技を持ち、身長53mのタロウよりも大きい66mの巨人で、パワー面でも彼を圧倒するチート戦士。

ウルトラマンゼロが主役の『ぱちんこウルトラバトル烈伝 戦えゼロ!若き最強戦士』にて復活。
ゼロのラッシュを余裕で受ける強さを見せるも、「ゼロツインシュート」との撃ち合いに負けて撃破される。
しかしその後、第二形態のダークキラーマイトダークキラーシャドウという2体に分裂して復活。
巧みなコンビネーションでゼロを追い込むも、ギリギリのところで攻撃を躱され、「ワイドゼロショット」を受けてまとめて撃破された。

ところがこれで終わりではなく、最終形態ダークキラーデルタとなってゼロに最後の勝負を挑む。
圧倒的な力でゼロを追い詰めるも、「ファイナルウルティメイトゼロ」を受けて爆散した。
だがその後すぐに復活、ゼロは絶体絶命の状態に追い込まれるも、ダイナとウルトラマンコスモスが増援として現れゼロと融合。
ウルトラマンサーガには及ばず、今度こそ完全撃破された。

その後スーツが作られ、2017年のウルトラマンフェスティバルに登場。
そして2019年の『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』で念願(?)の映像媒体にも登場した。

  • ウルトラマンレオダーク、アストラダーク
『ウルトラマンレジェンドステージ 第二部』に登場したレオ兄弟の偽者で、赤く光る眼以外は本物と同一の姿。
ナックル星人グレイが地球へ向かうゼロを足止めするためにダークスパークの力で召喚した。「テレビにも劇場スペシャルにも出てこなかった私のオリジナルよ」
師匠達の姿をした相手に戸惑うゼロを苦戦させるも、ベリアルが「自分以外の奴がゼロをいたぶるのが気に入らない」とゼロに加勢した事で逆転された。

  • 光の国のウルトラマン達
小説『ウルトラマンデュアル』に登場するウルトラマン達。
彼らは他者から生命を奪う強大な能力を行使し、宇宙の覇権を握ろうと侵略を繰り返しており、不死の存在である宇宙警備隊「不落の翼」と長い戦いを繰り広げていた。
しかし、戦い続ける中で劣勢にも屈することなく正義を貫く「不落の翼」に感化されていき、やがて継承戦へと趣きを変えた戦いに勝利し、宇宙警備隊の座を引き継いでいる。

  • ウルトラセイントティア
上述の経緯から、『デュアル』の世界のウルトラマンは戒めとして「生命を奪う能力」を放棄し戦士として進化しており、
原種の能力を保つ者は「万が一、戦士が悪に堕ちるようなことがあった場合」にしか能力を行使してはならない抑止力のような存在なのだが、
彼女はサラマンドラから生命を奪ってしまい、その咎に地球の領土を侵略した罪*2、宇宙人に対して暴力を働いた罪*3を併せて有罪となり、光の国から追放された。

  • ブリッジ
ティアの兄で、彼女の追放に反対して有罪となり、幽閉された。


追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ウルトラマン
  • ウルトラシリーズ
  • 円谷プロ
  • 悪トラマン
  • 闇の巨人
  • F計画
  • 力に溺れた者達
  • 悪役
  • ダークヒーロー
  • 平成ウルトラマン
  • ウルトラ怪獣
  • ウルトラマンティガ
  • ウルトラマンダイナ
  • ウルトラマンネクサス
  • 長谷川圭一
  • 一覧項目
  • 帰ってくれウルトラマン
  • ウルトラシリーズの○○項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月19日 01:40

*1 事件自体はウルトラマンレオアストラの活躍により事なきを得ている。

*2 戦えないティアと侵略宇宙人の生き残りが地球に不時着し、どちらの援軍が先に到着するかで地球の命運が決まる状況で、「侵略宇宙人が勝った場合、地球人が光の国を支援していたら心象が悪くなる」と地球人代表と密かに協議しての措置。

*3 人質に取られており、抵抗しなければウルトラマンが勝てるかは怪しかった。