真崎杏子

登録日:2009/10/30(金) 23:27:06
更新日:2024/01/10 Wed 20:15:02
所要時間:約 6 分で読めます





真崎杏子とは、遊☆戯☆王武藤遊戯の幼馴染で、ヒロインだった人である。

CV:かかずゆみ(東映版)、齊藤真紀(遊戯王DM)
読みは「まざき あんず」だが、東映版のみ「まさき」と呼ばれている。


初登場は第1話。
16歳にしてバスト80センチ台という巨乳をアピールしたが、読者の反応は今ひとつ。
当時としては大きかったかもしれないが……明らかにボールとして書かれている。

遊戯から片思いされているが、本人は遊戯を弟のような守るべき存在として考えており、いじめられっ子の遊戯を心配して世話を焼く。
連載初期の闇遊戯が闇のゲームで悪人を裁いていた頃は学園ものとしての面が強く、ヒロインとして出番もそれなりに多かった。
脱獄犯に人質にされたのを正体不明の彼=もう一人の遊戯に助けてもらい恋心を抱く、遊戯とデートしながら闇遊戯との間で揺れる姿は正にヒロインである。
なお、脱獄犯に人質にされた際には、闇遊戯が「よくもオレの大切な杏子を酷い目に遭わせたな」と初期には珍しくマジギレする台詞があった。

ところが遊戯王がカードバトル主体になるにつれて、デュエリストではない彼女は影がどんどん薄くなり、「空気ヒロイン」の名を欲しいがままにしてしまう。
ちなみに作者曰く、デュエリストではない一般の常識人としての視点から、同じく空気扱いされる本田ヒロトとともに遊戯を支える重要なキャラとのこと。

また、原作初期のスカートめくりによるパンモロや拘束されたうえでのパイモミはよくオカズに使われている。
インチキ占い師の孤蔵乃に胸を揉まれてしまった事があり、彼女は遊戯王で唯一胸を揉まれたキャラクターである。遊戯にとっては耐え難いことだったかもしれない。
一方で、校則違反のバイトをしている事を「ちくったら殺す」城之内克也にケチャップで脅しをかけるなど、悪女としての片鱗を垣間見せていた。
余談だがこのケチャップをかけたハンバーガーセットがコラボカフェで出されたが、「殺す」の部分は流石にオミットされた。
パワプロアプリでは完全再現されたが。

ちなみに東映版では、学園編が中心で獏良との決戦までで終わっている事もあり、空気にならずしっかりヒロインをしている。
原作で一発キャラだった野坂ミホがレギュラー昇格しているが、あざと可愛く天然ボケで華奢なミホに対し、
杏子はグラマー体型でサッパリした常識人のツッコミ役として対比される。
仕草がいちいち色っぽい。


彼女が空気ヒロインへと転落するきっかけになったのは、じーちゃんの存在であった。
彼は遊戯をおびき出すために度々人質として誘拐され、「王子様が助けに行くお姫様」というヒロインの役割を見事に務め上げたのだ。
(例によってじーちゃんがさらわれたことで)物語はカードゲームを中心とする決闘者の王国編に入る。
杏子はデュエリストでもないのになぜかついてきたが、爆乳お姉様兼デュエリスト・孔雀舞の登場により一層空気と化すのだった。

※ただしアニメオリジナルでは一応杏子もデュエルをしたことはある。
一方でDUEL TERMINALでは杏子はデュエリストとしては参戦しておらず、あくまでアシスタントキャラ。
デュエルを完遂させたことがなく自分のデッキも持ってないモクバはデュエリストとして参戦しているのに……
ちなみにデュエリストではないカーリー渚も一緒にアシスタントとして採用されている辺り、人気があればターミナルには出られる


そしてバトルシティ編で、決定打となるキャラクターが出てくる。

バトルシティ編のパンドラ戦にて、爆乳の上に半乳剥き出しの全体的に際どい服、更に金髪ロングの魔法少女と完璧すぎるスペックのブラック・マジシャン・ガールが登場。

完全にカードゲーム漫画となった本作で、主人公の新たなカードとして颯爽と登場した彼女に多くの読者やデュエリスト達は魅了され、
全国の無垢な少年デュエリスト達はおろか、俺達のプチモスまでも究極完全態・グレート・モスへと進化させた。

アニメオリジナルであるドーマ編では完璧にBMGにヒロインの座を奪われており、記憶編ではBMGの前世的存在であるマナが登場。
しかもアニメではアテムの幼馴染設定が追加され、大幅に出番が増加される始末。

なお、BMGのカードはバリエーションが4枚もあることからもその人気が窺い知れる。

さらに、病弱でも健気な城之内の妹・静香、弟を救うため絶望な状況でも奔走し、
何でも受け止めてくれるマリクの姉・イシズという女キャラが続々登場し、存在感をどんどん薄めていく。

とはいえ彼女自身も、遊戯の親友の中で闇遊戯の魂が古代エジプトの王の魂であることを最初に知った人物であったり、
その時に名前が失われていることを知り記憶編で重要なアイテムとなったカルトゥーシュのペンダントを闇遊戯に渡すなど活躍がないわけではない。

しかしデュエリストではないため、デュエル中は背景になってしまう*1

恋愛面でも結局自分の思いを闇遊戯に伝えることができず、記憶と名前を取り戻した闇遊戯は冥界に帰ってしまう。
恋愛よりも友情を重視する作風で、なおかつ途中からカードゲーム漫画に路線変更したあおりをもろに受けてしまった不遇な人物と言えるだろう。



???「だが、奴は弾けた……」







それは………








『ネタバレ』






彼女はアニメDMで次回予告のナレーションを担当していた。
物語の名有りキャラクターが予告を行うことはよくあることだが、その内容が問題だった。

この手の予告では次回の内容をあらすじだけ説明し、視聴者をハラハラさせた状態で終わることが多いのだが、次の話の重要な部分まで語ってしまうことが頻繁にあった

つまりネタバレが多いのである。

予告のあまりのネタバレ具合に、全国の視聴者の安堵や笑い、あるいは困惑や絶望などを誘っていた。


城之内VS羽蛾戦において、
羽蛾が遊戯王史上召喚が最も困難と言われる究極完全態・グレート・モスの特殊召喚に成功した所で次回へ続く、となったのだが…

杏子「どうやって倒すの?そうか!サイコロカードね!

というセリフと共に、次回予告でやられるシーンまで映される究極完全態グレート・モス……

羽蛾は涙目となり、視聴者は盛大にずっこけるという、放送テロまがいの暴挙となってしまった。

それに止まらず城之内VS.マリク戦において、ラーの翼神竜の攻撃を受けて精神崩壊寸前の城之内に対し、次回予告で

やめて!ラーの翼神竜の特殊能力で、ギルフォード・ザ・ライトニングを焼き払われたら、
闇のゲームでモンスターと繋がってる城之内の精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないで城之内!
あんたが今ここで倒れたら、舞さんや遊戯との約束はどうなっちゃうの?
ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、マリクに勝てるんだから!

次回、


デュエルスタンバイ!

と言い切ってしまった。

これは数ある次回予告の中でも特に視聴者に与えたインパクトが大きく、伝説となっている。

遊戯王DMのサブタイトルにはそれ自体が結末や打開策を明示しているストレートなものがしばしば見られ、読み上げるだけでネタバレになるということも多かった。

そして、語りの部分は気持ちを込めてしゃべるが、サブタイトルの部分は落ち着いて読み上げるというスタイルであったことも思わぬ作用を生み出した。

口では仲間の心配をしているが、仲間の敗北や死を示すサブタイトルは淡々と言い切ってしまう酷薄な女というネタが生み出されてしまったのである。

特にこの「城之内 死す」の場合、あまりにも直球なサブタイトルによって「仲間として城之内を応援する杏子」と「サブタイトルを視聴者に告げるナレーターとしての杏子」のギャップが凄まじいものとなり、期待させておいて、一気に落とすの最たるものとなってしまっていた。

この事からアニメファンの間ではネタバレ魔としてある意味大人気である。*2

が、全国のどれだけの視聴者が彼女に泣かされたのか、想像に余りある。


以下ネタバレ例


レアハンター達の反撃で、再びピンチに陥る遊戯と海馬くん。
ああ!あの海馬くんがブルーアイズを犠牲にしてまで、遊戯に攻撃を託した!
でも遊戯は海馬くんが復讐心を消せない限り、攻撃できないって言うの。
真の勝機を見極めろって、まさか、最後の切り札に海馬くんのあのカードを……?

次回「オベリスクの巨神兵」デュエルスタンバイ!

視聴者「あのカード→《オベリスクの巨神兵》ね、ハイハイ。」

トラップモンスターの猛攻で、城之内絶体絶命の大ピンチ!
もう打つ手は残ってないの? このままサレンダーしちゃうなんて、城之内らしくないよ。
勝ち続けたデュエリストは敗れた者達の夢も一緒に背負ってる。
舞さんのその言葉に再び立ち上がる城之内。
そうよ、あんたに敗れた絽場くんや梶木くん達のためにも頑張らなきゃ!

次回「受け継ぎしカード サイコショッカー反撃!」デュエルスタンバイ!

視聴者「なんだ《人造人間-サイコ・ショッカー》で逆転するのか……」

城之内が勝ったから、BIG5も残りあと二人。
でも、追い詰められてデュエル経験の無い静香ちゃんを狙ったりしないかしら?
やっぱり!静香ちゃんがデュエルを始めちゃってる!
え?御伽くんと本田も一緒なの?三対一で一見有利な対戦だけど、本田は素人同然だし本当に大丈夫?

次回「男の花道 本田玉砕」デュエルスタンバイ!

視聴者「大丈夫じゃねーだろ!!」

バトルシティ編ではなんと闇遊戯にシカトされるシーンがいくつかある。

例えば

杏子「遊戯!海馬くん本当にこのまま勝てそう?…遊戯?」
闇遊戯「…」←腕組みしながらシカト

杏子「もうやめて!遊戯ぃ~」←ドーマ編だけどね

さらにペンギン・ナイトメアとのデュエルでは

表遊戯「このままじゃ杏子が…」
アテム「大丈夫だ、俺は信じている!ブラック・マジシャン・ガールの力を!」

と言われる始末…



なお、遊戯王デュエルモンスターズの世界観を色濃く残す遊戯王デュエルモンスターズGXにおいて、

遊戯…重要なキーマンとして第一話に登場、二度の登場に加えて間接的に重要な役割を何度か担った。
城之内…ペガサスが五指に入るデュエリストとしてその名を挙げる。また最終回にも顔だけ登場。ちなみに顔芸してる。
海馬…アカデミアのオーナーとして相変わらずやりたい放題。
BMG…精霊となって決闘したりロリ化したカードエクスクルーダーを主人公が使用したりする。
本田…筋肉ムキムキになりプロフェッサー・コブラとして、女装してエコーして第三期で大活躍。
御伽…彼の志を受け継ぐ空気キャラが登場。名前は確か……えーと………三沢

と、遊戯王デュエルモンスターズのメインキャラはだいたい重要ポジションを与えられているのに彼女は何もない。ひでぇ。ヒロインに受け継がれたものは「遊戯王ヒロインの胸のでかさ」これだけ。
後ろ2人にも結構酷いことを書いている気がするが気のせいである。


…とまぁ散々ひどい扱いを受けた杏子だが、遊戯王Rでは晴れて捕われのヒロインとしてペガサスの魂を入れる依り代にされかけた。
JKの体で蘇ったペガサスを想像するとものすごくシュールである。
凡骨のツッコミ役としてそれなりに出番を得た本田ともども、Rは空気キャラに優しい漫画であった。
御伽は犠牲になったのだ…


原作の続編、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』にも登場。
ほぼ声優活動を休止している齊藤真紀氏が復帰し、当時と全く変わらない声を出していた。
遊戯と毎朝待ち合わせをしたり、「卒業後にアメリカに行きダンサーになる」という夢を改めて語ったり
髪をポニーテールにしたお洒落をしたりと、後半の遊戯王から消えていった「日常」の描写に貢献した。
そしてラストは夢を叶えるためにアメリカへと旅立つ(原作者高橋和希先生によりかねてより明言されていた描写が本作にてついに描かれた形となる)。


デュエル関連

原作では王国編冒頭、城之内を相手にデュエルをしていたのみ。カードも「神の息吹」だけ
アニメでは二度ほど実際にデュエルに挑むシーンがあったが、王国編での舞戦は終始圧倒され、ハーピィ・レディを倒されたことで舞が投了して終わり。

一方乃亜編のエロペンギンこと対オオタキ戦ではマジシャン・ガールをデッキマスターに選んだものの肝心のブラック・マジシャンを投入しない、
強欲な壺をなぜか温存したうえ、ファイヤー・ソーサラーの手札コストにすると言った致命的ミスを連発したものの、
デッキマスター能力で引き込んだ「賢者の宝石」で勝利をもぎ取った。

デュエリストとしてはお世辞にも強いとは言えないが、ゲーム作品ではそれなりに出番がある。
主に乃亞編での使用デッキを元ネタとした、ブラマジガールをエースに据えた魔法使い族メインの【装備ビート】を使用。
最強カードバトル!ではマハー・ヴァイロ+魔導士の力のコンボで一気に打点を上げてくるため、印象よりもかなり強い。
デュエルリンクスではお世辞にも強いとはいえないが、一方で所持スキルは自ターンの戦闘ダメージを0にする「聖なる守護」やライフコストを1回だけ踏み倒す「ライフコスト0」、初期手札を1枚増やす「デュエル・スタンバイ」と優秀なものが揃っているため対戦ではそれなりに見かけるキャラである。
また、BMGは遊戯でなく杏子からしか入手できない。
DSOD版の杏子はウィッチクラフトとマジシャンガールを組み合わせたデッキを使用している。また各種マジシャンガールにボイスがある。

なお声優の齊藤真紀氏は2006年以降は声優活動をほぼ活動休止しているが、杏子の声だけは演じ続けている。

使用モンスターに魔法使い族が多いのは、原作のTRPG編で魔術師アンズに扮した影響と思われる。



ついき・しゅうせいしなかったら殺す(ケチャップ文字で)



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最終更新:2024年01月10日 20:15

*1 ここでいう背景というのはさすがにネタであり、本当にただ描かれているだけの存在という意味ではない。敵の行動に驚いたり、読者や視聴者への説明・補足を行う脇役という扱いである。地味ではあるがバトルものにおいては戦闘を盛り上げるために欠かせない存在なのは言うまでもない。

*2 次回予告の内容は脚本家が作っているので、結果としてそうなっただけである。杏子は別に口が軽かったり薄情な人物というわけではない。