対抗呪文/Counterspell(MtG)

登録日:2009/05/26 Tue 19:36:54
更新日:2024/04/21 Sun 16:27:59
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どうせお粗末な呪文だったんだろうさ。
――熟達の魔術師、アーテイ


対抗呪文とは、マジック:ザ・ギャザリング(通称MtG)のカード。


カードの効果
《対抗呪文/Counterspell》(青)(青)
インスタント
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。


解説

TCGにおいて初めて「呪文の効果を発揮させず墓地に送る」効果――カウンター」の概念を生み出した由緒あるカード。

基本的に相手を選ばない(MtGでは「カードをプレイする」と「呪文を使う」が限りなくイコール)ので、

例え手札を残らず叩き落とす《精神錯乱》だろうが、
例え戦場のクリーチャーを吹き飛ばす《神の怒り》だろうが、
例え戦場のクリーチャーと墓地のクリーチャーを全て入れ換える《生ける屍》だろうが、
例え100万ダメージを与える無限マナからの《猛火》だろうが、

全て青2マナと手札1枚で消えていくというまさに恐怖の一枚。

パーマネントの場合もし一度通っても、青お得意のバウンス(パーマネントを手札に戻す呪文や能力)で一回戻して再展開時に打ち消す、という手段もあるので油断できない。

その優秀さから青が含まれるデッキには当然のように4積みされ、「島が2枚アンタップ(青2マナがある)で、手札が1枚以上ある状態」というだけでブラフが成立するほど。

このカードの評価

MTG初心者のトラウマメーカーであり、「青使いは汚い」という思い込みを植え付けた元凶の一つ。

このカードの影響で、コントロール重視の青が濃いデッキは「パーミッション」と呼ばれるように。*1
また、パーミッション特化のデッキは「ドロー・ゴー」とも呼ばれる。*2
日本人のマジックプレイヤーには青使いが多いと言われ、かなり多用されていた。その分、苦しんだ対戦相手も多い。
日本での愛称は「カンスペ」

その強さ、汎用性の高さから「最強のカード」候補に挙げられることも少なくない。
同時に最強カード候補に《島》を入れさせたカードの1つでもある。

使用上の注意

弱点を挙げるなら「色の拘束が強い」ことと「打ち消されない呪文」「呪文ではない能力」に弱いこと。
「色の拘束が強い」ことは、青単色にはあまり影響しないが、2色3色になるとよく使う青2マナを残さなければならないのは辛いことが多い。
対抗呪文に限った話ではないが確定カウンターはシンボルが複数の場合が多い。また不確定でも追加効果がある場合にはシンボルが増える場合がある。
ソーサリーのドローソースを使うのか、それとも構えるのかを判断するのはなかなかに上級者の技である。
あまりに青2マナを構えるのが辛い場合は《マナ漏出》や《差し戻し》、《記憶の欠落》など、打ち消しに条件が入るが色拘束の薄いカードが採用されることもある。

「打ち消されない」については
  • カード自体に記載されているケース(「~は打ち消されない」)
  • キーワード能力である「刹那(この呪文がスタック上にある限り、呪文を唱えたりマナ能力以外の起動型能力を起動できない)」
の2パターンがある。
これらについては対処不能であり仕方がない部分もある……というか「~は打ち消されない」については完全にカウンター対策のテキストである。
とはいえ「打ち消すわけではないが、呪文の対象を変えたり呪文を追放するカードや能力」があれば対処可能である。
また刹那に関しても「誘発型能力で呪文を打ち消す置物」ならば打ち消すことができる。《相殺》で刹那呪文を打ち消されて涙をのんだプレイヤーは数知れず。
そしてあくまで打ち消せるのは「呪文」に限るため、
  • 「呪文を唱えたときに誘発する能力(ストームとかストームとかストーム、後エルドラージ)」
  • 「墓地や手札から起動する能力」
には何もすることが出来ない。これに対応するためには《もみ消し》などの限られたカードを使うしか無く、パーミッション戦略の天敵と言える。

弱点ではないが、打ち消す呪文を間違えると(特にコンボデッキ相手には)途端に不利になることが多い。
「~は通す、~は消す」といった相手のデッキ把握力と、マストカウンターを正確に打ち消すプレイングスキルが問われる1枚でもある。*3
何でもかんでもカウンターしてたら手札が切れた、などというのは青使いとしては未熟もいいところである。

現在の対抗呪文の立ち位置

第8版でスタンダードから外され、スタンダード・リーガルなセットではそれ以降の再録もない。
人気が高くまた畏怖の対象でもあったため、スタンダード落ちを悲しむ人(青使い)と喜ぶ人(非青使い)に大きく分かれたとか。
そのことからも、多くのプレイヤーに希望と絶望を与えた名カードであると言えるだろう。

なお、代わりとして第10版以降に《取り消し》というまったく同じ効果のカードが収録された。ただしコストが(1)(青)(青)と無色1マナ分重くなっている。
その後はこちらが定期的に再録されており、スタンダードにおける打ち消し呪文の基準値となっている。
こちらは重いためか、あまり重用されない。一方で《雲散霧消》や《魔術師の反駁》といった取り消しと同コストでおまけ付きあるいは《対抗呪文》と同コストになる呪文も定期的に登場しており、それらはデッキによってしばしば採用される。

モダンでは、2021年のモダンホライゾン2発売まで、《対抗呪文》は使うことができなかった。
《否認》《本質の散乱》《払拭》などのようにマナコストや色拘束が軽い代わりに打ち消せる対象が少ないものや、《マナ漏出》《論理の結び目》《卑下》などのような不確定カウンターを始めとして多種多様なものが使われていた。
ちなみにこの中で最もよく見られる《マナ漏出》は(1)(青)であり色拘束を除けば《対抗呪文》とコストが一緒。その為、「島2枚と手札」のブラフは成立するし、色拘束の薄さで《対抗呪文》では困難な多色デッキでの使用もなされていた。
モダンホライゾン2に《対抗呪文》が再録された今、これからの環境での打ち消しがどうなっていくのかが注目される。

レガシー以下のエターナル環境では現役。とはいえ(青)(青)は重 いとされてフル投入されることはあまりない。ヴィンテージなら上位互換の《マナ吸収》の存在も大きい。
《意志の力》に代表されるピッチカウンターや上述したおまけ付きカウンター等に混ざって一部のデッキで1、2枚採用されることは結構ある。

コモンで収録されているためPauper*4でも使用可能。
青系デッキでは「まず《対抗呪文》4枚」から構築されることが多く、現在も活躍をしている。
今《対抗呪文》が一番活躍しているフォーマットだろう。

ちなみにMTGアリーナにおいては、ミスティカルアーカイブに採用された縁で実装こそされているものの、ヒストリックでは実装前から禁止カードに指定されてしまった。とはいえ、強力なカードで環境が壊れないようにするための規制なので仕方ない側面はある。その割には下記にもある《記憶の欠落》をそのまま放流して環境が青く染まってしまったのだが
ヒストリック・ブロールでは使用可能だが、アーカイブ収録が神話レアのためWCがネックとなるか。

と、スタンダードから退場してかなり経つが、現在でもモダン以下の環境やカジュアルプレイで青の対戦相手に悲鳴と敗北を絶賛提供中である。


確定カウンターの亜種(ほんの一例)

原初のカウンターカードであるため、上記「取り消し」のような亜種が多いのも特徴の一つ。

条件付きノーコスト版

意志の力
(3)(青)(青)
手札の青のカード1枚を追放し、1点のライフを支払うとマナを払わずに唱えられる。
英語名の「Force of Will」の方が馴染み深いかもしれない。
その性能から、最強の打ち消しとも。エターナルの青ではほぼ必須カード。
マナが伸びてきた時に普通に5マナ払って唱えられることもある。たまに《全知》でもノーコストになる。
"へたくそ。"

《巻き直し》
(2)(青)(青)
成立すると土地を4枚アンタップで、実質ノーコスト。
悪名高き「フリースペル」の一族だがコンボに使いにくい為か許されている。
ドミナリアで似たようなカードが出た。
"もう一度やろうか……。"

《妨害》
(2)(青)(青)
自分の島を3枚手札に戻すとノーコスト。
本来打ち消せないリセット呪文である《抹消》に対して代替コストで唱えて島を3枚守るという動きが有名。

《撃退》
(2)(青)(青)
手札の《島》1枚とその他のカード1枚を捨てるとノーコスト。
上記《意志の力》の調整版で、英名も《Foil》と《Force of Will》を意識させる名称。
だが捨てるカードが2枚かつ1枚が《島》限定になっても強い。
因みにFoilのFoil(キラ加工)カードも存在します。

《否定の契約》
(0)
(0)である、間違ってない。
その代わり次の自ターンアップキープに(3)(青)(青)払わないと強制敗北。
次のアップキープが来る前に相手を殺せば問題ないコンボデッキのお供に使われる。
後は唱えた呪文が相手にもコピーされる《集団意識》を使ってから「自分の適当な呪文を打ち消す→相手アップキープに敗北能力が誘発→相手のデッキが青くないと契約コストが払えないので即死」
というコンボデッキにも使われる。僕と契約しようよ
後に殿堂入りするプレーヤーがこれを使われた後に「契約コスト支払ってないから負けるけど良いの?」と正々堂々すぎるプレイングをしたことでも有名。
しかも「一人言い忘れて勝ち扱いになってしまったのを本気で悔やんだ」という聖人っぷり。*5

追加効果付与版

《マナ吸収》
(青)(青)
次の自分のメインフェイズに打ち消したマナ・コスト分(◇)マナ(無色マナ)が追加される。
長らく英語版しか存在しなかったため「Mana Drain」「マナドレ」の方が通りがよいかもしれない。
ぱっと見パワーカードの《対抗呪文》のさらなる完全上位互換という意味不明な性能だが、
もちろん裏がありマナバーンがあった頃のルールでは下手にでかい呪文を打ち消すとマナが使い切れなくて大ダメージを食らったりした。
が、基本セット2010の大規模ルール変更でマナバーンが消滅し正真正銘の完全上位互換に。
レガシーでは勿論禁止。ヴィンテージでは0~1マナのカードがうようよしてて、このカードですらテンポが取れないので《精神的つまづき》と《意思の力》が優先されるが、コントロールには普通に入っている準常位組。
裏技として自分の呪文を自分で打ち消して、次ターンの第一メインに打ち消した分のマナを使って高マナ呪文で止めを刺す荒業のパターンも。
雑誌では「今こんなカードを作ったら開発者は全員バスに轢かれるね」などと物騒だがあながち間違いじゃないかもなコメントを付けられていたが、デザインされた当初はマナバーンの存在やら青の不遇などで作られただけの理由は一応あった。《露天鉱床》が普通にいたし。
いやまあそれでも当時から強いことに変わりはなかったんですがね。

《放逐》
(2)(青)(青)
一枚ドロー付き。手札を消耗しないが望んだカードが得られる保証はない。
カード・アドバンテージ的には得をするので今では統率者戦などで見られる。

《謎めいた命令》
(1)(青)(青)(青)
カウンター、ドロー、バウンス、タップから何を使うか2つ選べるいいとこどりカード。
だいたいはカウンター+αで使用される。とにかく重いのと色拘束が強すぎるのが欠点。
カウンター+バウンスで使用、自分の《永遠の証人》を戻して次のターン再び唱えて、墓地の《謎めいた命令》を回収、
永遠にカウンターし続ける【ヤソコン】の一つ、【エターナルコマンド】のキーカード。

《雲散霧消》
(1)(青)(青)
打ち消したカードを追放する(墓地利用させない)。
登場はかなり古めだが、《取り消し》だと弱すぎるためか再録されることが多く、墓地利用を対策したい環境では強力。
ゲートウォッチの誓いでは同コストで無色として扱われる欠色版の《虚空の粉砕》も登場。実質8枚投入することも可能。
"持って生まれたものでないなら、それはお前に不要なものだ。 "

《最後の言葉》
(2)(青)(青)
打ち消せない打ち消し。対青最終兵器。
ただし打ち消し呪文を打ち消すのには向かない*6。どうしても打ち消したい時に使おう。
後に上位互換が出た。
フレイバーテキストがすごい有名。
"いつか、誰かが私を打ち負かすだろう。 だがそれは今日ではないし、お前にでもない。"

《精神壊しの罠》
(2)(青)(青)
このターン、相手が3つ以上の呪文を唱えていた場合ノ―コストで唱えられる。
望む数の呪文を対象にして、それを全て追放する。
「打ち消されない」呪文のカウンターが出来る数少ないカード。
ストーム呪文対策として有名なカード。通常の打ち消しでは意味が薄いストーム呪文だが、コピーも含めてすべて追放すれば実質的な打ち消しとして機能する。
厳密には打ち消しとは言えないが、《最後の言葉》の「いつか、誰か」の答えの一つとも取れるフレイバー。
"人生は迷路だ。 行き止まりの一つがこれだ"

《即時却下》
(2)(青)(青)
スタックに乗ったすべての呪文を追放し、すべての能力を打ち消す。
スタックに乗るものなら「打ち消されない」呪文でも本来打ち消しにくい能力でもお構いなしに対策可能。
これもストーム対策として使えるが、特化したカードには劣る。
その代わり使えるタイミングが多く融通がききやすい。

《時間停止》
(4)(青)(青)
ターンを終了する。
ルール的にスタック上の呪文が全て追放されることから、一応打ち消しと同じ効果がある。
カウンターにしては重い上に、解決後このカード自体も追放されるので使い回せないのには注意。

《不許可》
(1)(青)(青)
起動型能力、誘発型能力も打ち消せる。
つまりスタック上に乗る能力であれば何でも打ち消せる。
調整版《対抗呪文》である《取り消し》と同じコストながら完全上位互換。
"「お前の炎を消す程度、造作もない。」――遵法長、バラル"

《魔術師の反駁》
(1)(青)(青)
《取り消し》の上位互換その2。
種族がウィザードのクリーチャーをコントロールしているならコストが(1)減り、《対抗呪文》そのものとなる。
同じセットには同じ条件で稲妻になる《魔術師の稲妻》も収録されており、一種のファンサービスとなっている他、両者はイラストの光景とフレーバーテキストも繋がっている。
「魔法の研究は、最初の魔道士が稲妻を放つ方法を見出した時に始まった。」
― 反復の学部長、ナバン
「もう一人の魔道士は稲妻破を霧消させることを学んだ。脅威と対応。これによって魔法の研究は進歩してきたのだ。」
― 反復の学部長、ナバン


《襲来の予測》
(1)(青)(青)
(2)をあらかじめ支払って裏向きで追放する(予顕)ことで、(1)(青)で唱えられる《取り消(ry。
合計のマナコストこそ重くなるが、2マナ立てるだけで打ち消しを構えられるのと色拘束が弱くなるため中々便利。
こいつのせいで青いデッキ相手に予顕されたカードと2マナがあると、それだけで打ち消しを警戒しなければならない羽目に。
"ありきたりだな。"

《洗い落とし》
(青)
普通に唱えると手札以外から唱えられた呪文にしか使えないが、(1)(青)(青)で唱えるとテキストが短くなって(切除されて)《取り消し》になる。
スタンダードではフラッシュバックや予顕などに対抗するためのカードであるが、統率者戦では1マナで統率者を打ち消せるので極めて強力。
"「海に引き取られんことを」
――「いい厄介払いだ」の、ネファリア流の言い回し"

不確定カウンター(一例)

また、この《対抗呪文》のように、対象の条件等を選ばずに「打ち消す」ものを確定カウンターといい、
「~マナ払えないなら打ち消す」「対象が~なら打ち消す」など、条件のあるものは
「不確定カウンター」という。

対象制限系

《霊魂放逐》
(1)(青)
クリーチャーのみを打ち消す。
同効果のカードに《まやかしの召喚》、《急襲》、《本質の散乱》が存在する。
カード名とフレーバー((魂に働きかけるのは黒の領分
で、魂を持たないという理由で《恐怖》で破壊できないアーティファクト・クリーチャーを打ち消せてしまうのはイメージに反する))の兼ね合いもあり、2022年現在は同型再版の《本質の散乱》が定番枠となっている。

《否認》
(1)(青)
コストが安くマナ拘束も緩いが、クリーチャーは打ち消せない。プレインズウォーカーも打ち消せるのが嬉しい。
上記のカードと対になっているが、登場は結構遅く、最初に登場した同効果のカードは
分割カードの《悪意+敵意》の《悪意》(3)(青)が初登場であった。
ちなみにポータル系列には上記の《まやかしの召喚》と対になるソーサリー専門の《消力》がある*7

《払拭》
(青)
インスタントのみを打ち消す。
マナコストが最小だが、インスタント以外には意味がない。
…がそのインスタントにやばい代物があれば一転して有力な打ち消しに早変わり。

《否定の力》
(1)(青)(青)
相手ターンのみ手札の青のカードを追放することでマナを払わずに唱えられる。ただしクリーチャー呪文は対象外。
《意志の力》の調整版であるが、それでも十分強い。
「相手ターンのみピッチコストで唱えられる」という点がミソで、ピッチコスト持ち打ち消し呪文の問題である「同名カードで打ち消し合う」という不毛な状況が起こらないようになっている。

《断れない提案》
(青)
呪文貫きの効果を逆にしたようなクリーチャー以外対象の打ち消し。
無条件で打ち消せるが、対価として宝物トークン2個を相手に献上する。土地が伸びきった長期戦でこそ活躍する。
また、自分の唱えた呪文を打ち消すことでマナ加速にも使える。

コスト制限系

《呪文破》
(X)(青)
コストX点の呪文を打ち消す。
「コスト制限系」のスタンダード呪文。
ちなみに点数のみが対象なのでキッカー等の追加コストは0とみなされる。

《撹乱する群れ》
(X)(青)(青)
打ち消し対象と「同コスト」の青のカードを追放するとマナコストを支払わずに唱えられる。
神河謀叛の群れシリーズの青のカードである。

《精神的つまづき》
(青/Φ)
マナの代わりに2点ライフペイでも唱えられる、1マナ限定の打ち消し。
ほぼノーコストで相手の序盤のテンポを崩せるパワーカード。これがある環境では「1マナは不利」というとんでもないセオリーを生み出した。
モダンは制定と同時に禁止、レガシーは上記の《意志の力》とのコンビで青が止められなくなったので禁止。
ヴィンテージは低マナカードだらけのせいでつまづきの影響をモロに受けてしまい、最終的にどのデッキも「つまづき対策につまづきフル投入」という思考に至るようになり制限行き。

追加コスト要求系

魔力消沈
(X)(青)
呪文使用者がX点支払わなければ打ち消し、その後マナ産出能力を持つすべての土地をタップ。Xの値を大きくすれば、「手札破壊を打ち消させてから本命を通す」という相手の目的を崩すことができる(インスタントだと対応して唱えられるけど)
「追加コスト要求系」のスタンダード。

《論理の結び目》
(X)(青)(青)
探査*8が付いている。上記の「魔力消沈」の亜種で呪文使用者がX点支払わなければ打ち消し。

《マナ漏出》
(1)(青)
上記の《魔力消沈》の亜種で相手が(3)支払わない限り打ち消し。
序盤~中盤はほぼ確定カウンター、終盤でもテンポを取るなり(フォーマット次第だが)《意志の力》の弾にするなりと汎用性は割と高い。
《サファイアの大メダル》の恩恵を受けられるという意味では対抗呪文よりも優先して採用される場合も。
モダンでも定番の打ち消しだったが、現在は《対抗呪文》のモダン入りで一線を退いている。

《目くらまし》
(1)(青)
相手が(1)払えないと打ち消し。島を1枚手札に戻せばノーコストになる。
とにかくノーコストカウンターというだけでかなり強く、払わせるマナが《マナ漏出》より少なくなっているが使用率はかなり高い。ギリギリのマナでやりくりするデッキにはすごい刺さる。
《不毛の大地》《もみ消し》などの土地拘束手段と併用されると非常に強力なカードと化す。

《呪文貫き》
(青)
否認が1マナ軽くなった代わりにコスト要求系になった。(2)支払わない限り打ち消し。
対象制限とコスト要求を兼ねた打ち消しカード。
貴重な1マナカウンターなのがウリであり、使える環境の多さも相まってよく見る呪文。

《魔力の乱れ》
(青)
こちらは呪文の種類を問わないが要求コストは(1)である。

《シルムガルの嘲笑》
(青)(青)
対戦相手が(1)支払わない限り、あらゆる呪文を打ち消せる。
自分がドラゴンをコントロールしているか手札から公開したならば、代わりに無条件で呪文を打ち消す。
同時に強力なコントロール用ドラゴンが多数登場したため、完全カウンターの条件はかなり緩い。青ダブルシンボルのマナコストといい、まさに帰ってきた《対抗呪文》。
青使いに数年ぶりの歓喜を、それ以外に数年ぶりのプレッシャーを思い出させた、タルキール・ブロックでの青黒ドラゴンコントロールの切り札。

《神秘の論争》
(2)(青)
相手が(3)払えないと打ち消し。
青の呪文を対象にすると(青)で唱えられる、さしずめ青い紅蓮破。打ち消しに対する防御はもちろんのこと、通常のコストで打ち消しても決して弱くはない。
登場した環境では《時を解す者、テフェリー》だの《王冠泥棒、オーコ》だのと確定打ち消しが間に合わないのに通すとゲームが終わる青いカードが跋扈していたため、サイド向けデザインにもかかわらずメイン常連である。
"哀れな迷える魔道師よ、足は地についていても、手は届かない。そうだろう?"

《旋風のごとき否定》
(2)(青)
スタック上の対戦相手の全ての呪文や能力を、それぞれに対して相手が(4)支払わない限り打ち消す。
サイクリングとサイクリング誘発型能力をまとめて打ち消したり、ストーム呪文をまとめて吹き飛ばしたりと色々便利。
普通に不許可として使っても、(4)要求の確実性は高く、しかもシングルシンボルであることも強力。
"だめだ、だめだ、それもだめだ。"

一時しのぎ系

《記憶の欠落》
(1)(青)
呪文を打ち消し、ライブラリーの一番上に戻す。
「一時しのぎ系」のスタンダード呪文。
脅威を消すのでは無く遅らせる呪文であり、これまでのカウンターとは毛色が違う。
"おお、良心なら持っていたとも。だが、残念。どこかに置き忘れてしまったらしい。
――チャンドラー"

《差し戻し》
(1)(青)
打ち消した呪文をオーナーの手札に戻し、1ドロー。
カウンター合戦になった時に自分の生き残らせたい呪文に撃つことで一方的にアドバンテージを取るというプレイングも存在した。
状況に応じてテンポアドバンテージをもたらす汎用性により様々なデッキに4積みされた。
また自分のストーム呪文に対して唱え、再使用することで、ストーム数が足りなくても無理矢理足らせるプレイングも存在する。
"まぁ、少なくとも腕のひらひらとか呪文のぶつくさとかは印象的だったかな。"

《ゼロ除算》
(2)(青)
マナコストが1以上のパーマネントか呪文をバウンスし履修を行う。
一見すると差し戻しの亜種に見えるが、よく読むと《精神壊しの罠》と同じ打ち消さない打ち消し呪文であることがわかる。あらゆる打ち消しを禁止する《溺神の信奉者、リーア》の存在下でも実質的な打ち消し呪文として使用できる。
履修もアドバンテージを失わないだけでなく、その場その場で必要な呪文をサイドボードから持ってこられる為、キャントリップより有用なことが多い。
この呪文を採用した青系コントロールにより低速デッキが絶滅したため、その名の通りにスタンダードでは禁止となった。

混色、他色カウンター(一例)

また少数ではあるが他の色を混ぜた混色系、条件が厳しいが他の色でもカウンター呪文は存在する。

混色

《蝕み》
(青)(青)(黒)
対抗呪文+打ち消された呪文の使用者に3点ダメージ。
デュエルファイター刃」では使われた相手プレイヤーが色々な悶えっぷりを見せており、特に女性プレイヤー達は読者コーナーでツッコミが入った程の良い反応である。漫画版『デュエル・マスターズ』にてMtG編の名勝負と名高い邪藩牛次郎戦におけるフィニッシャーとしても有名。
「天才ならわかるよな、3ひく3の答えが。」

《吸収》
(青)(青)(白)
《対抗呪文》+使ったプレイヤーは3点のライフを得る。
初登場時は《蝕み》と対だったが、そこから19年ぶりに再録された際は下記の《イオン化》の対になっている。

《窒息の旋風》
(1)(青)(青)(赤)
対抗呪文+相手のクリーチャー1体に3点ダメージ。
相手側に呪文とクリーチャーの両方が居ないと唱えられないが、揃っているのならば立ち消え難いというメリットでもある。

《神秘の蛇》
(1)(青)(青)(緑)
対抗呪文+2/2クリーチャー。
特性上、瞬速持ちクリーチャーとしても使用可能。
打ち消しは強制なのでスタック処理等で望まない呪文を打ち消してしまう事も。
フレーバーテキストに反してイラストでは既に気づかれているようにしか見えない。
リメイク的存在に《エリマキ神秘家》が存在する。
"シューシューいうあいつの声があんたの耳に届く前に、あんたの肉にあいつの牙が突き刺さっているよ。"

《ドロマーの魔除け》
(白)(青)(黒)
モードの一つが《対抗呪文》。
残りは軽量除去とライフ回復だが、これらを状況に応じて使い分けられるので結構使いやすい。

《心理的打撃》
(1)(青)(黒)
《対抗呪文》+消された方は2枚ライブラリーを削る。
《ドロマーの魔除け》に続く、他の条件なく2枚目の(青)(青)を要求されない確定カウンター。

《対抗変転》
(青)(青)(赤)
(赤)のぶん色拘束は強いが打ち消されない打ち消しで、対象は自分のコントロールしていない呪文。超過コスト(1)(青)(青)(赤)を支払えば自分のコントロールしていない全ての呪文が対象となり、ストームや続唱をまとめて消し飛ばすことができる。

《イオン化》
(1)(赤)(青)
《蝕み》のダメージが2点に落ちたバージョン。
ダメージこそ下がったが色拘束が緩くなった分使い勝手は上がっている。

《復活したアーテイ》
(2)(青)(黒)
《神秘の蛇》系の打ち消しクリーチャーで、呪文だけでなく能力も打ち消せ、加えて《貪欲なチュパカブラ》のようにクリーチャーかプレインズウォーカーを破壊することを選んでもよい。ただしどちらを選んでも1枚ドローの補填を与えてしまう。
代償こそ小さくないが、少なくとも目下最大の脅威を確実に取り除ける。

他色

《赤霊破》《紅蓮破》
(赤)
パーマネント破壊か対象呪文の打ち消し。ただし青に限る。
色対策カードの一つであり、青の絡まないカウンターの中では最高峰の性能。
なお色が青になり、対象が赤になった《青霊破》《水流破》もある。
ちなみにそれぞれ微妙に挙動が異なるので使用時は注意。

《溶岩操作》
(1)(赤)
インスタントかソーサリーを「対戦相手がこのカードから4ダメージを受ける事を選ばなければ」打ち消す。

《衰亡の加護》
(1)(黒)
クリーチャー呪文を打ち消す。ただし3点のライフを払わなければならない。
同様にパーマネント除去のバリエーション的な形での他色の打ち消しカードが数枚存在しているが、初期の産物であるため現代マジックで登場することは無い。

《不愉快の拒絶》
(白)
自分のコントロールするパーマネントを対象にとる呪文を打ち消す。
異なる歴史をたどったMtGの世界が描かれ、打ち消しの役割が白に移った「次元の混乱」に収録されたカードであり、それ故か青の絡まないカウンターにしては優秀な1枚。

《ティボルトの計略》
(1)(赤)
《対抗呪文》の後、打ち消された呪文のコントローラーは山札のランダムな呪文を唱えられる。
打ち消しの皮を被ったぶっ壊れ踏み倒しカード。
続唱とのコンボで高確率でエムラクールを投げたり、スタンダードでも成功率は落ちるものの根本原理→ウギンで相手は死ぬ。
通称ティボルトガチャ。
一応打ち消しなので、相手の代用が効かないコンボパーツを落とすこともできる。なんだこいつ。

《歪める嘆き》
(1)(◇)
3つのモードの1つとしてソーサリーを打ち消せる無色呪文。
無色マナが必要となり対象はソーサリーだけではあるものの、青を入れない統率者でも使えるカウンター。他のモードもあるのでカウンターにこだわらなくても腐らない。

余談

アラーラブロック「コンフラックス」においては
対抗突風/Countersquall (青)(黒)
インスタント
クリーチャーでない呪文1つを対象とし、それを打ち消す。それのコントローラーは2点のライフを失う。

という類似品が登場。英字のつづりを見れば意識して似せているのが分かる。
性能は「《否認》+2点ダメージ」とかなり違ってたりするものの、現在でもこのようなカードが作られていることから《対抗呪文》がいかに愛されているかが分かるというものだ。

また、かつて漫画「デュエル・マスターズ」がマジックを題材にしていた頃にも登場している。

1回目は難波金太郎が使用。勝舞の《怨恨》を打ち消しフィニッシュを封じた……様に見えたが、それは《対抗呪文》を誘発させるための囮。
勝舞は第2のフィニッシュ手段として《ヴィーアシーノの殺し屋》を握っており、読み違えた金太郎はそれを封じ切れず敗北を喫した。
2回目は青使いの牛次郎が使用し、勝舞が放った必殺の《ハルマゲドン》をあっさり無効化するという恐ろしさを見せ付けた。
3回目は同じデュエルで主人公の切札勝舞が使用。これを皮切りに《ウルザの激怒》をめぐる熾烈なカウンター合戦を繰り広げた。
勝舞が使うのは意外だろうが、この時期の勝舞はなかなかの策士として描かれており、二手三手を読んだプレイングが得意だった。
なお、この時の対戦はヴァンガード戦*9で行われており、勝舞はヴァンガードに選んだ《ミリー》の持つ、基本土地から好きな色マナを産み出せる力で簡単に青マナ2つを捻出することが可能だった。

『LORD of VERMILIONⅡ』では、ジェイス・ベレレンの特殊技として登場
相手プレイヤーのアルティメットスペルを封印する効果を持ち、タイミングを計って使えば相手の逆転の手を潰す事が出来る。
最近では新システム降魔も妨害出来るので、少し需要が増えているとか。

あらゆるカードゲームに置いて、カウンターの概念を生み出した歴史的なカードである。



追記、修正    
  "―――それだけ?"

――無名の青使い 

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最終更新:2024年04月21日 16:27

*1 パーミッションとは“許可”の意。対戦相手は「これ通りますか?」といちいち許可をもらわなければならないので。

*2 カウンターを構えつつエンドカードを出すデッキは「カードを引いて(ドロー)土地出してターンエンド(ゴー)」を繰り返すため

*3 敵の戦略上通してはいけないカードや《強迫》のようなビーピングハンデスカードに対して、「カウンターせねばならない」「カウンターしない意味のないカード」として青使いの間では「マストカウンター」と呼ぶ

*4 コモンでの収録経験のあるカードのみで構築して戦うフォーマット

*5 誘発能力の管理は使用したプレイヤーの責任なので、指摘されずに負けてしまっても本人のミスである。それをあえて指摘したところに人柄の良さが現れている。

*6 スタックルールの都合、呪文A→《対抗呪文》→《最後の言葉》と進んだ場合、《最後の言葉》だけを解決、《対抗呪文》が打ち消され、スタックが呪文Aだけになった後に改めて呪文Aに向けて《対抗呪文》を唱える事が出来るため。

*7 ポータル系列はクリーチャーとソーサリーと基本地形のみで構成されているため。当然これ及び《まやかしの召喚》もソーサリーだが、カード内の説明で相手の呪文に対応してのみプレイできるとされ実質的にインスタントとしてプレイできる

*8 呪文を唱える段階で墓地にあるカードを1枚追放するごとにマナコストを(1)支払える能力。

*9 漫画ではバンガード表記