マリア様がみてる

登録日：2012/06/03(日) 11:13:41
更新日：2024/04/25 Thu 11:26:33NEW!
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「ごきげんよう」

さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。

著:今野緒雪
イラスト:ひびき玲音
レーベル:コバルト文庫

既刊39冊、以下続刊？
ファンからの略称はマリみて。
お嬢様学校・私立リリアン女学園を舞台とした少女小説。
本来女子小中学生向けなのだが、少女だけでなく男性からも支持を集める。むしろ読者の8割は男性。

戦前の「エス」小説の影響を強く受けた作風が特徴で、思春期の少女たちの間に育まれる尊敬、友情、親愛といった感情を、淡い恋愛のように描く群像劇。
00年代以降の「百合」ジャンル人気の火付け役とされるが、あくまでエスが下地にあるため、ヒロインの1人が男性と交際するなど昨今の「百合萌え」的な作品群とは異なる点が多い。

漫画化、ドラマCD化、アニメ化もしている。
アニメは4期まで存在するが、原作のひとまずの完結（祥子の卒業）まではアニメ化されていない。

ん？　『実写化』？　『出来』？

気にするな。

あらすじ

私立リリアン女学園に通うごく普通の高校一年生、福沢祐巳。
ある朝、「紅薔薇のつぼみ」であるあこがれの先輩・小笠原祥子にタイの乱れを直された事をきっかけに、
祥子が祐巳を自分の「妹」にすると言い始め……。

用語解説

私立リリアン女学園
東京武蔵野にあるカトリックのお嬢様学校。幼稚舎から大学（院）まであるエスカレーター式。創立明治34年と歴史が古く、長い伝統と歴史を持つ。
基本的に三人称はファーストネームで、上級生は「さま」、同級生は「さん」、下級生には「さん」「ちゃん」をつけて呼ぶ。親しい間柄なら呼び捨てもする。

山百合会
高等部の生徒会。幹部は薔薇さまと呼ばれる三人の生徒会長*1と、その妹たち。「薔薇の館」と呼ばれる小さな洋館を生徒会室として使用している。

姉妹（スール）制度
本作品の一番の特徴。
すべての上級生が本当の姉妹のように下級生を導くリリアン女学園において、上級生が下級生にロザリオを渡すことで成立する1対1のステディな関係。
ロザリオの授受をした2人を「姉妹」と呼び、上級生を姉(グラン・スール)下級生を妹(プティ・スール)と呼ぶ。
中等部から高等部に上がる際、校則が緩くなるため、生徒自らが律していくべし、という理念に基づいて発祥した制度であり、ゆえに高等部限定。
学年さえ離れていればOKなので、1年と3年の姉妹もいれば、留年した友人と姉妹になる者もいる。
姉は「お姉さま」と呼ばれ、妹は名前を呼び捨てにされるのが基本。
ちなみに姉妹以外では同級生なら「～さん」、上級生なら「～様」とつけるのが基本。

薔薇さま
山百合会幹部（生徒会長）の事。紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)、白薔薇さま(ロサ・ギガンティア)、黄薔薇さま(ロサ・フェティダ)の三人。
え、ロサ・カニーナ？気にするな。
才色兼備の優等生で、全校生徒のあこがれの的。一応選挙で決められるが、実質的には薔薇さまの妹による世襲。
薔薇さまの妹のことを「つぼみ」(アン・ブゥトン)と呼び、そのまた妹は「つぼみの妹」(アン・ブゥトン　プティ・スール)と呼ばれる。
例:「紅薔薇のつぼみの妹」(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン　プティ・スール)

登場人物紹介（ネタバレ注意）

※学年は祐巳が二年生の時のもの

紅薔薇ファミリー
福沢祐巳(ふくざわゆみ)　2年生
CV:植田佳奈
本作の主人公。タヌキ顔にツインテール髪がトレードマーク。
ごく普通の庶民派リリアン生だったが、祥子の妹となったことをきっかけに、山百合会の活動等を通してたくましくどっしり成長する。
幼稚舎からリリアン育ちで、近くの男子校・花寺学院に通う年子で同学年の弟がいる。

小笠原祥子(おがさわらさちこ)　3年生
CV:伊藤美紀
祐巳のお姉さま。初登場時は紅薔薇のつぼみ、祐巳が二年になったときは紅薔薇さま。小笠原財閥の一人娘で本物のお嬢様。長い黒髪の美少女。
当初はことあるごとにヒステリーを起こすキツイ性格だったが、祐巳と姉妹になってからはだんだんと落ち着きとあたたかさが増した。
父と祖父が妾を囲っていたことに加え、アニメでは省略されたが柏木優にこっぴどい失恋をしたのがトドメとなり潔癖症で男性恐怖症となっている。

水野蓉子(みずのようこ)　卒業生
CV:篠原恵美
祥子のお姉さまで、祐巳にとってはおばあちゃま。才色兼備で大人受けもよい優等生の完璧超人だが、おちゃめな一面もある。
聖、江利子と親友。卒業後は外部の大学の法学部に進学。

松平瞳子(まつだいらとうこ)　1年生
CV:釘宮理恵
祐巳の一学年下の生徒。物語終盤で祐巳の妹となる。「ドリル」と例えられる古風な縦ロールを耳の上に二つ作っている。
祥子とは血のつながらない親戚にあたる(祥子の従兄の従妹)。
演劇部所属で当初は色々と猫をかぶっていたが、祐巳との紆余曲折を経て次第に変わって行った。

黄薔薇ファミリー
島津由乃(しまづよしの)　2年生
CV:池澤春菜
祐巳と同学年で、親友。二年生の時には祐巳と同じクラスになった。長い髪を三つ編みにしている。
姉である支倉令とは実際に従姉妹同士で、家も隣。幼いころから心臓に穴が開いていて病弱だったが、改造手術後は別人のようにパワフルに変身した。
いわゆる「深窓のお嬢様」を彷彿とさせる儚げな容貌とは裏腹に、趣味はスポーツ観戦、池波正太郎の剣豪小説を好むなど、根っこの部分は体育会系。

支倉令(はせくられい)　3年生
CV:伊藤静
由乃のお姉さまで従姉。祥子と同学年で親友。家は剣道道場で、自身も3段の腕前を持つ。
抜群の運動神経と、宝塚の男役を思わせるボーイッシュな容貌で、後輩からの人気が高く、「ミスターリリアン」の称号を持つ。
しかしながら、趣味はお菓子作りと編み物、小説は恋愛ものを好むなど、中身は乙女チック。
また、幼少時から由乃の面倒を見てきたためか、子離れできない母親のようなところがあり、彼女が健康になってからは、その活発さに振り回されるヘタレな一面が目立つようになった。

鳥居江利子(とりいえりこ)　卒業生
CV:生天目仁美
令のお姉さま。常に前髪をヘアバンドであげている。なんでも並以上にこなせるため、いつもつまらなそうにしている。
その反動か、面白いものや希少価値が大好き。卒業後は合格した大学の中からあみだくじで決めた芸術系の大学に進み、花寺学院の非常勤講師・山辺さんと交際中。

有馬菜々(ありまなな)　中学3年生
CV:生天目仁美
リリアン女学園中等部三年生で、由乃の二学年下。江利子に似ている。
ひょんなことから由乃と知り合いになり、中等部在籍中（祥子や令の卒業式の時）に由乃の妹となった。剣道をしている。

白薔薇ファミリー
藤堂志摩子(とうどうしまこ)　2年生
CV:能登麻美子
二学年上の聖の妹。祐巳が1年生の時のクラスメイト。祐巳と由乃の親友。おだやかな性格で、フランス人形を思わせる美少女。
学年をひとつ飛ばして薔薇様の妹になったため、聖の卒業後は2年生ながら薔薇様を務めることになった。
敬虔なクリスチャンだが家が大きな寺で、その秘密について長く悩んでいた。日舞は名取で、ピアノ演奏も得意。

佐藤聖(さとうせい)　卒業生
CV:豊口めぐみ
志摩子のお姉さま。ギリシア彫刻のような美貌だが、中身はセクハラ親父（対象は祐巳くらいだが）。
人懐っこく陽気な性格で、いざという時に頼れるかっこいい先輩だが、高等部二年生までは中二病反抗的で人間嫌いな性格であった。彼女が変わった顛末が描かれた「いばらの森」は百合好き必見。
卒業後はリリアン女子大に進み、祐巳の窮地に現れ助けてくれたりする。

二条乃梨子(にじょうのりこ)　1年生
CV:清水香里
志摩子の妹。おかっぱ頭の日本人形のような純和風の容姿。リリアンには高等部から入り、入学式の時には新入生挨拶をした秀才。クールでサバサバしている。
趣味は仏像鑑賞で、それがきっかけで志摩子の秘密を知る。志摩子のことを「志摩子さん」と呼び、非常に親しい関係である。

男性陣
柏木優（かしわぎすぐる）　大学生
CV:檜山修之
リリアンの近所にある男子校、花寺学院に通う男子。
祥子の従兄で、婚約者でもある。
容姿端麗、成績優秀、物腰やわらかな完璧超人だが、他人の心の機微に疎いという致命的な欠点がある。
婚約者の祥子に対し、「自分は同性愛者で子供が作れないから、偽装結婚して、子供は外の男と作ってほしい」と面と向かって言い放った腐れ外道。
祥子が男嫌いであるのは、彼のこの発言によるところが大きく、その経緯を知る山百合会メンバーからは白眼視されている。
女性読者からの評判も最悪であったが、彼本人はいたって飄々としており、祐巳から嫌われていることを知りながらも、一貫して彼女をサポートする独特な立ち位置を保ち続けた。
初登場時にギンナン絡みで悲惨な目に遭っており、以来リリアンでは「ギンナン王子」と密かにあだ名されている。

福沢祐麒（ふくざわゆうき）　2年生
CV:市来光弘
祐巳の年子の弟。花寺学院に通う。愛称は「ユキチ」。
容貌は祐巳とよく似ているが、双子ではないため、瓜二つというほどではない。
柏木に性的な意味かは不明だが気に入られており、彼から直々に生徒会長に指名された。
完璧超人であった柏木とは違い、何事も体当たりで解決するタイプだが、その懸命な姿勢は評価が高く、なんだかんだで人望は厚い。
祐巳の弟という立場上、男性恐怖症の祥子が気負わず接することのできる数少ない男性。
スピンオフ作品『お釈迦様もみてる』では主役を張る。

追記・修正よろしくお願いいたします。

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