最終戦争(遊戯王OCG)

登録日:2009/12/21 Mon 22:32:37
更新日:2024/02/24 Sat 00:15:17
所要時間:約 5 分で読めます





遊戯王OCGに存在するカードの1つ。

最終戦争
通常魔法
手札を5枚捨てて発動する。
フィールド上に存在するカードを全て破壊する。

概要

第2期最初のパックである「Magic Ruler -魔法の支配者-」で登場した通常魔法。
Magic the Gathering黙示録/Apocalypseがモチーフとなっていると思われる。
効果は、フィールド上の全てのカードを破壊する。要は「ブラック・ホール」と「大嵐」を合わせたものである。

イラストは、荒野と夕焼け(朝焼けかも)と立ち上るキノコ雲をバックにして立つ人が描かれている。

ちなみに、立つ人のシルエットがまさに


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    |
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である。ナンテコッタイ


フィールド上のカードをすべて破壊する効果は非常に派手だが、特に規制がかかっているということはなく、このカードは無制限である。

そもそも、このカードの発動にコストとして手札を5枚捨てなければならないので当然だろう。

「マジック・ジャマー」でカウンターされても泣かない。

手札コストが5枚と半端無いため、それを確保できる専用デッキを作らねば基本的に手札で腐る。
というか、初手で引かなければほぼ使用できない。

だが、専用デッキを作り発動後にモンスターを召喚→直接攻撃の流れを作れば、その爽快感は計り知れない。
無防備な相手にダイレクトアタックして相手を涙目にしてやろう!!


え?ブラロでいいって?

なに?ランク4にはヴェルズビュートがいるって?


知るか!!!!!


なお、発動→召喚の流れは最低でも七枚のカードが必要な為、専用デッキでも不発した場合は負けを覚悟する必要がある。

八式対魔法多重結界されても泣かない

また当然のごとく相手は手札を消費していない。
こちらがダイレクトアタックして相手を涙目にしてもこちらはコストの影響でトラップに手が回らないため、
次の相手のターンに
ライトニング・ボルテックス→召喚→直接攻撃されるとこちらが涙目になってしまう。

ゴーズが出てきても泣かない

このようにメリットもデメリットも多いため、発動すれば勝つも負けるもすぐに勝負が決まる。
それがこのカード、最終戦争の本質と言えるかもしれない。

魔宮の賄賂されても泣かない。


どのカードにも言える事だが発動後、どのように勝ちに持って行くかを考えて使うべきである。

封魔の呪印されても泣かない。

また、コストの高さからネタカードとしても有用である。
想像できるだろうか?
劣勢の中、手札とフィールドを見比べ戦略を練る自分を嘲笑うように発動されるこのカードを……
優勢のはずの自分フィールドが壊滅してゆく光景を……

もう、笑うしかない。

手札が5、6枚もある状況を劣勢というかどうかは人に寄るが。



このカードと相性の良いデッキ


  • 凡骨ターボ
要は「凡骨の意地」で手札コストを強引に確保するデッキ。
手札の確保も容易なので、発動→召喚→直接攻撃の流れが非常に簡単。

かつては「凡骨」からの大量ターボ→「次元の裂け目」→「最終戦争」→「次元融合」で1ショットキルするデッキもあった。
これは最終戦争の手札を捨てる事がコストである事を利用した戦法。

上記の通り簡単に手札が貯まるので発動は容易。
手札が充実したところで裂け目を発動→最終戦争発動。
コストのルールにより、この時点で捨てられたモンスターは除外される。

最終戦争の効果で相手のモンスターも破壊されるが、永続魔法の裂け目も破壊している。
なので相手のモンスターは一体も除外されずに墓地へ送られる。その後、次元融合で自分だけがモンスターを特殊召喚して、終わり。

ゲームで異次元の女戦士が使用するが、たいてい次元の裂け目を発動するのでそこまで脅威じゃない。



正直、手札を5枚も捨てるのはアホらしいので、それを踏み倒してしまおうというデッキ。
その中のダイヤモンドガイのエフェクト『ハードネス・アイ』を使う。
デッキトップを公開し、それが通常魔法なら全てのコストを無視して次のターンに発動する。

「メガトン魔導キャノン」や「終わりの始まり」も発動できる。

ダイヤモンドガイの効果で手札コストを無視できるので手札を気にする必要が無い。
が、単発で使うとギャンブル性が高く、「鳳凰神の羽根」や「ゾンビキャリア」とコンボしたいところ。


え?ファイナル・インゼクションの方がいいって?


知るか!!!!!!!



天罰されても、スタダがいても泣かない。



手札コストでE・HERO シャドー・ミストを捨ててその効果でE・HERO バブルマンをサーチすれば、
バブルマンのドロー効果の発動条件を満たす事ができる。
シャドー・ミストはエアーマンやエマージェンシーコール、増援などで簡単にサーチする事ができる。
バブルマンの効果でモンスターや融合魔法を引けばさらにそこから攻め立てる事もできるので、
最終戦争の課題である発動後の攻め・守りの薄さを補う事も可能。
もし最終戦争を引けなくても普通のHEROデッキとして戦う事もできる二段構えのデッキだ!


それがどうした。


最初から普通にHEROデッキとして組んだ方が絶対に強いし、最終戦争なんて事故要素を入れるメリットは全く無い。
強いて言えば「こうやるとバブルマンの効果発動条件を能動的に満たせるんだぜ!」「スゲー!」という一発ネタができる程度。


ゲーム版

魔法カード
てきとみかたのしょうかんしたすべての
モンスターとトラップとてふだをはかい
魔法カード
場にあるカードと手ふだを
全て消めつさせる
OCGとは異なりフィールド・手札の強制オールリセットという凄まじい効果を持つ。
ただし撃った時点でこちらはカードがないのでターンを終了するしかなくなり、相手のターンに1ドローを許すためデッキトップ勝負を余儀なくされる。
DM7・8では三幻神が効果除去耐性を持つため、予め出しておくことで一方的な制圧が可能になる。


遊戯王ラッシュデュエル

遊戯王ラッシュデュエルでは「レジェンド覚醒パック」にて実装。
ルールにより毎ターン5枚にできるため、前のターンに最終戦争を伏せておくなりすれば発動はOCGよりも遥かに容易。

しかし、発動した後に何もできないという問題がOCG以上に立ち塞がる。
現状では「破壊された時に発動する効果」「フィールドから墓地へ送られたら発動する効果」「墓地にいる時に発動できる効果」と言ったカードが存在しない。
そのため発動した後の攻め手は必然的に手札から出すことになるが、ラッシュデュエルでも手札を6枚以上抱えながら動くのは難しく、そういった動きをするとデッキ回転が鈍ってしまう。
相手のフィールドを吹き飛ばしても、次のターンには相手の手札は5枚なのでサンドバッグにされてしまう。

何より各種デッキに1枚しか入れられないLEGENDカードなのが問題でブラック・ホールを使ったほうが良い場合が多く、魔法のLEGENDカードはモンスター・罠と比べても超激戦区。
結局の所LEGENDの中でも最下位を争う性能となっており、LEGENDじゃなかったとしても弱いと言われてしまうぐらい厳しい立ち位置となっている。




最後に、下位・クズカードを評価するスレでこのカードが評価された時の評価文を置いておく。

このカードに込められた願いにデュエリスト諸君は気が付いているだろうか。

このカードのイラストにはキノコ雲が描かれ、頭を抱えた男が一人立っている。
そう、このカードはかつての第二次世界大戦を意識したカードなのだ。

このカードを使用した場合、手札も場もほとんどなにも残らないだろう。戦争も同じである。ただ失うだけ。

この文章を書いている私自身もであるが殆どのデュエリストは戦争を経験していないだろう。
そんな戦争を知らないデュエリスト達に平和の尊さを伝えるのがこのカードの真のアドである。

このカードの生まれた時代の主なデュエリストの年代層からして、
きっと制作者は「あの戦争がこのカードであそぶデュエリストたちにとって最後の戦争であってほしい」と願って作ったに違いない。

同時に当時のデュエリストたちに伝えたかったに違いない。
「戦争しても何ものこらないんだな」
ということを。

その思いは、今や世界を駆ける。

遊戯王は世界的カードゲームとなり世界各国でアニメやグッズが展開し、多くの子供達もデュエリストとしての道を進んでいく。
その時に出会うのがこのカードだ。

きっと彼らの中には「Wow! This is Japanese history!!」と初めて日本の歴史について知るものもいるだろう。

そして同時に先ほど述べた戦争の辛さ、苦しみを理解するに違いない。
このカードは世界中のデュエリストにまで効果を及ぼす幅広い効果範囲をもっている。

今の時代はグローバル化が進み遊戯王は世界大会が行われるまでになり、なんとネット中継されている。

そんなときに思い出してほしい、70年前までは、
机を挟んで世界のデュエリスト達がデュエルを楽しみ笑い合うなんて考えられなかったという事を。


「最後の戦争であってほしい」という願いを伝え続けること、
このカードの真のコストは全カード中最も大事で重い「平和維持コスト」ではないだろうか。


真面目な話


①手札コストが重い

手札を5枚捨てなければいけないというのは、事実上手札がこのカード+他5枚の合計6枚を要求するということである。
メタモルポット》を使っても5枚。原作版《天よりの宝札》相当の効果を持つ《サイレント・バーニング》《未来の沈黙》や《蘇りし天空神》でようやく6枚。尋常ではなく重たい。
インフレにより宝札効果が容認されつつある現状でさえ、余程ドロー手段に恵まれたデッキでないと現実的には撃つこともままならない。
《凡骨の意地》や《光神テテュス》級の爆発的なドローが行えるデッキなら採用の余地は一応あるのだが、以下の問題がさらに立ちはだかる。

②自分側のフィールドも巻き添えに全体除去してしまう

《最終戦争》本体を消費し、5枚捨てて、さらに自分フィールドにカードがあればそれらも情け容赦なく消し飛ばされる。
破壊耐性を持っていたり、自己再生が行えるモンスターならコンボにできるだろうが、5枚のコストを確保しつつそれらを並べる難易度の高さはもはや論じるまでもない。
自分フィールドが空であれば損失を最小限に抑えられはするが……。

③カードアドバンテージを取りにくい

《最終戦争》が発動された時点で、自分は《最終戦争》1枚と手札コスト5枚の計6枚、カードの枚数面でディスアドバンテージを被っていることになる。
これで破壊できたのが1枚や2枚などでは到底割に合った話ではない。
損失を補填するには相手フィールドに大量のカードが存在する状況で、それらを一網打尽にすることを求められるわけだが……。

④発動を通しにくい

フルール・ド・バロネス
シンクロ・効果モンスター
星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。

(3):お互いのスタンバイフェイズに、自分の墓地のレベル9以下のモンスター1体を対象として発動できる。
このカードを持ち主のEXデッキに戻し、そのモンスターを特殊召喚する。
現在の環境ではこんな感じの妨害モンスターが、平然と複数体並んだ状態でターンが返って来るのは珍しくもなんともない。加えて正体不明のリバースカードも併存していることだろう。
「相手フィールドに大量のカードが存在する状況」とはすなわち、「相手が大量の妨害・防御手段を構えている」ことと同義なのである。
相手からすれば通すわけにいかない効果である上、手札コストも甚大と止め所は明白であり、確実に何かしらの対応はされてしまうことは想像に難くない。

……とまあ、このカードの評価はあまりの使い難さからお世辞にも高いとは言えないのだが、ではさっぱり使えないのかと言われれば環境下での採用例が存在するせいで、一概に弱いとも産廃とも完全には言い切れないのがまた困ったところ。


三原式

このWikiにも個別項目が存在する、由緒正しきデッキ破壊系1キルデッキ。嘗ての禁止カード《サイバーポッド》を複数回リバースさせて相手のデッキを枯渇させ、《手札抹殺》の強制ドローでとどめを刺す。
しかし《サイバーポッド》は自分にもドローを発生させるため、状況によっては《手札抹殺》で自分がデッキ切れを起こしてしまう可能性がある。この溜まっていく手札を減らすために《最終戦争》が使われていたのである。
後に残手札全てをコストに要求する《連続魔法》の登場で、《最終戦争》はその役割を失うことになった。

【最終次元】

《最終戦争》の重いコストを逆手に取り、《次元の裂け目》と組み合わせて《次元融合》用の除外モンスターを確保し、相手のカードは《最終戦争》で《次元の裂け目》もろとも除外させずに墓地へ送るという1ターンキルデッキ。
「コスト」と「効果」の両方をきちんと生かせるのならしっかり強い、という現実的な運用がなされた一例。

幻影騎士団

幻影騎士団はほとんどのカードが墓地効果を持っているため、コストで捨ててしまっても大きな問題にならない。
主に【神碑】へのメタカードとして運用されており、「魔法なので効果モンスター無効の影響を受けない」「全体除去なので身代わりで対処されない」点を活かして使われている。

これらの例を見てわかるとおり、「全体除去を生かす」というよりは「手札コストそのものを利用する」デッキで採用がなされる傾向にある。
魔轟神】【未界域】のような「捨てるコスト」がアドバンテージに転じるデッキが台頭してきた暁には、《最終戦争》が環境で輝く日が再び来るのかもしれない。


アニヲタを五人捨てる
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最終更新:2024年02月24日 00:15