担々麺

登録日:2010/02/11(木) 14:05:29
更新日:2023/10/01 Sun 10:52:31
所要時間:約 3 分で読めます





担々麺とは言うまでもなく麺料理の一種である。
中華料理の中でも四川系の料理であり、四川らしく辛い味付けが特徴。
辣(ラー)(唐辛子のような刺すような辛さ。辣油のラーはこれに由来する。)に麻(マー)(山椒のような痺れる辛さ)をミックスした辛さを大前提にし、更に芝麻醤(ゴマだれ+α)や醤油ダレに鶏ガラスープとラー油などをミックスする。

担々麺の定義があるわけではないが、基本的に

  • ゴマダレ
  • 挽き肉
  • ラー油

このあたりが使われていれば担々麺と言えるであろう。
他によくある具としては

  • チンゲン菜
  • もやし
  • 揚げ葱

などが挙げられるだろう。
あとは自由。

ラーメンもそうだが特に決まりがあるわけではない。
使用するゴマペーストだって白もあるし黒もある。
更に言うと実はこの担々麺、汁があるかないかだって自由である。


◆担々麺の歴史
元々、担々麺は今で言うラーメンのようなものではなくおやつとして食べるようなものであった。

天秤(江戸時代に荷物運ぶのに担いでるようなの)に七輪、水、麺などを入れ、それを担いで売り歩いていたのが担々麺。
よく坦々麺と表記されているが間違いであり、正しくは担ぐ麺なので担々麺である。
担いで運ぶために汁は無く、器の底に仕込んだタレを混ぜて食べるのが本流。
汁無しの麺と言うとイメージが掴みづらいかもしれないがなんてことはない。要はカップ焼きそばと同じである。

茹でた麺をゴマダレに和えて具を乗せて食べる…至福の時である。

最近まぜそばと言うものが増えてきているが、ルーツはこちらにあるのではないかと思われる。

発祥の中国四川省では日本の物よりもやや塩辛い。
これは高温多湿の四川省は汗を掻き難く、漢方医学の知識から辣と麻の辛さに加えやや塩分を多めに仕込んでいるから。
日本の物よりもやや食べやすいが塩分が多いので喉が渇きやすい。

以上のような経緯を持つ担々麺だが、日本で担々麺と言えばラーメンのようなイメージがやはり強い。
担々麺が現在の形になったのは中華料理の父と呼ばれる故・陳健民氏の手によるものである。
最初は汁の無い担々麺を出していたのだが、ラーメンやうどんといった汁有りの麺類ばかりを食べている日本では余り人気が無かった。
そこで日本人に合わせ量を増やし辛さを抑えるために汁を足した事により人気が上がり始め現在に至っている。
同じようなルーツを持つものとしてはもんじゃ焼きがある。

進化の過程で日本人に食べやすく辛さも控え目になったりと、ラーメン同様に担々麺も日本独自の形に進化していると言えるかもしれない。
そのため日本の汁有りはラーメンなどと同じく分類は日本料理という人もいる。
現在では香港など本場中国でも同様の物がある。

なお、名古屋めしの台湾ラーメンは、「ミンチ肉が乗った辛口ラーメン」というスタイルが酷似しているため混同されがちだが、一応定義としては別物。
そもそもこちらは名前の通り台湾料理がベースである。
大まかな違いとしては、台湾ラーメンは「醤油ベースのスープ、野菜はニラ」という店が多いようである。
もっとも、この辺りは店によって色々なので、担々麺そのものな台湾ラーメンを出す店もあったりする。

◆広島 汁なし担々麺
担々麺その物を売りにしている地方はあまり多くない。
そんな中、広島では2001年に汁なし担担麺専門店の先駆者である「きさく」が誕生した。
「きさく」は元はラーメン屋であったが、中国人留学生が賄いに作った汁なし担担麺を食べてその味に深く感銘を受ける。
そしてさほど人気が無かったラーメン屋を畳み、一念発起して汁なし担担麺専門店を開業したという。

最初は知る人ぞ知る程度の物であったが、2010年前後には「きさく」の味に魅せられた人が次々と汁なし担担麺の店を出店。
その様を深夜番組で特集で大々的に取り上げ、現在の広島では「お好み焼き」・「広島つけ麺」に次ぐご当地グルメへと認識されている。
現在広島県内では汁なし担担麺の専門店が60店舗を超え、専門店でなくても置いている店は200店舗を超えている。
有名店舗の店長たちや愛好家と一緒に本場中国に汁なし担担麺ツアーを敢行するなど、他店舗と競合し汁なし担担麺の認知度を向上させる事に意欲的で日夜、味の向上に努めている模様。
それだけに味も各店舗ごとにかなり違いがあり、一ヶ所好みが合わなくても他の店舗だと好みにドンピシャだったという事も少なくない。

食べ方はまず混ぜる。
最初に20~30回くらい混ぜる事により底に仕込んだ数々のタレと麺が混然一体となり香りと味が上がってくる。
更に食しながらも食べては混ぜ、混ぜては食べを繰り返す。
ある程度食べた後に味に変化を付ける為、各店舗にある半熟卵やタレ、山椒・花椒などを入れてさらに自分好みにカスタマイズしていく。
麺を食べた後、最後にライスを残っている担々麺の具材と混ぜ合わせ、担々ライスとして最後に掻き込むのが基本的な流れとなっている。
この際、担々麺と担々ライスに必要となる具材の残りはよくよく考えておかないと担々ライスの味がちょっと味気なくなるので注意が必要。
なお具材を食べ過ぎてしまった危機的状況でも、各店舗にある担々ライス用のタレや食券でトッピング用の具材があったりするので慌てず優雅に具材を投入していこう。


◆現代の担々麺
しかし、どうしてなかなか担々麺はメジャーでないのも事実だ。

やはり他のラーメンに比べればメニューに無いことも多い。
逆に担々麺の専門店が存在している。

個人的にはゴマラーメンと呼べるほどのポテンシャルは持っていると思うのだが…


というわけで、これを読んでいる諸君も、ぜひ一度担々麺を食してみてほしい。

担々麺自体は有名中華料理&ラーメンチェーン店のバーミヤンにもあるのだが、やはり特に美味しいものを食べていただきたい。

「担々麺」でぐぐると上位に「so-tasty」というサイトが出てくる。
都心の店がメインだが、担々麺に関しては日本一のサイトと言える。
そこで店を調べてぜひ担々麺の世界に飛び込んでみてほしい。

汁ありもよし!汁無しもよし!

店によっては担々麺のつけ麺なんてものもあるぞ!

麺に絡むゴマダレ…旨味をぐっと引き出す挽き肉…ピリッとした辛味を生むラー油…香り豊かにしびれるような山椒…
さぁ!君もレッツ担々麺!!



当然だが辛い物が苦手な方にはオススメ出来ない。特に専門店の担々麺ならなおさら。
尚、店によっては辛くない担々麺を扱っている場合もあるので事前に調べておくのもいいかも。






あぁん!? タンメンじゃねぇよ!!

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最終更新:2023年10月01日 10:52