先輩と私

登録日:2011/07/21(木) 01:53:41
更新日:2021/01/02 Sat 22:20:13
所要時間:約 3 分で読めます




先輩と私は、徳間書店より刊行されている一般小説である。

著者は森奈津子氏。
ハードカバー版と文庫版がある。
だが、後述の理由より、多少高いがハードカバー版を強くオススメする。
現在、ハード版は絶版となり文庫版のみ書店では取り扱ってる模様。


【あらすじ】
T女子大学の学生秋吉光枝は、羽田阿真理の主催する好色文学研究会(好研)に入会し、官能小説を執筆し会誌に連載している。
T女子大には小早川華代の率いる全会員がレズビアンであるエロティック文学研究会(エロ研)が存在し、好研とは対立していた。

あるとき光枝に、エロ研の華代から、阿真理を監禁したと連絡が入る。
光枝は阿真理を解放するために、華代たちエロ研の目の前で阿真理とレズ紛いのオナニーをさせられることに。
徐々にエロ研に誘惑される中、光枝の阿真理への恋心はどこへ向かうのか。


【登場人物】
◇秋吉光枝
好研に所属する女子大生。
見かけだけは清純派だが、官能小説を執筆し自家発電するむっつりスケベ。
阿真理に恋心を抱くが、彼女の思想を肯定するためにレズビアンであることを否定する。

◇羽田阿真理
好研会長。
12歳ぐらいにしか見えないが実年齢22歳の合法ロリ。しかも巨乳。
女性が自慰行為によって男性に依存することがなくなれば、女性は真に自力できると考えている。
レズは否定しているため、エロ研を嫌っている。

◇小早川華代
エロ研会長。資産家のお嬢様。
自らのプレイを元にした私小説を会報に載せている。
タチでS。

◇阿部エリィ
エロ研会員。華代を崇拝している。
長身で女子プロレスラーのような容姿。
だがネコでM。

◇加々美瑠璃
小柄で小学生のような容姿。アニメ声。
光枝の官能小説のファンとして光枝に近づく。
だが実はエロ研会員。
陵辱・拷問・切断などたっちーみたいなプレイが好み。

◇小野仁子
エロ研会員。南国風の美女。
瑠璃の嗜好の理解者。

◇添田亜希子
エロ研会員。眼鏡っ子。


【解説】
前述のとおり、本書の分類は一般小説である。
だが、表紙が明らかにそこらのラノベよりエロい。
しかも表紙イラストは、大林森というエロ漫画家が描いている。

そんな本が、書店のハードカバーの棚に紛れこんでいるのはカオスである。
森見登美彦や森博嗣など著名な作家と同じ棚にエロ本が並んでいるのを見つけたとき、書店員の配置ミスを疑うことは必至だろう。

さらにハードカバー版は、カバーをめくると光枝と阿真理の完全にアウトなイラストが潜んでいる。


内容は当然9割がエロシーン。
しかしこの手の小説に多い背徳的な暗い印象はなく、バカバカしく明るいコミカルな作風となっている。
しかも濃厚な描写と放送禁止用語の嵐で、実用性も高い。
もはや美少女文庫である。


これは作者である森氏が、「レズを嫌う人たちに、笑ってもらいかつオカズにしてもらえたら楽しいなぁ」として書いたためである。
馬鹿馬鹿しい作風とは裏腹に、社会的マイノリティである同性愛者を認知してもらうための本として氏は執筆している。


余談だが、ハードカバー版の帯には、こう書かれている。

「ドがつくほどHな本なのに、買いやすい」をテーマに造本を心がけたつもりです。お気軽に、どうかお気軽に、レジへお持ちくださいませ。

徳間書店渾身の捨て身ネタである。
まず帯からしてお気軽にお持てない。



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最終更新:2021年01月02日 22:20