OP詐欺

登録日:2010/04/07 Wed 20:46:18
更新日:2021/11/13 Sat 02:31:28
所要時間:約 10 分で読めます




アニメやゲーム、ドラマのオープニングが本編の内容やイメージと著しく違うことを揶揄した言葉。

OP映像はいわばその作品の顔であり、本編中の映像よりも予算や労力がかけられて製作されることが多い。
そのため、本編中の内容と大きなギャップが発生することもあり、とりわけ大きな違いが発生した時にはOP詐欺と呼ばれることがある。

また、OPはその作品の印象を最初に決定づけるものであり、それを逆手に取った巧妙な演出を行う例もある。


詐欺と言っても大抵はネタの範疇であり、視聴者に深刻な被害を与えるものではないことに留意しておきたい。
たまにトラウマレベルのものもあるけど


大きく分けると
1.演出詐欺

2.主題歌詐欺

3.作画詐欺


の三つに分けられる。


1.演出詐欺

最も多い例。
本編の内容と余りにもかけ離れたOPを流すというもの。
OPムービーだけは異常な完成度なのに本編が駄作という重度のもの以外にもOPに出たキャラが出ない(原作でのキーや人気があるキャラに多い)、
攻略出来ない(ギャルゲー限定)、存在しない組み合わせでの戦闘(一期で因縁があるキャラがぶつかるが、二期ではほとんど絡まない)、
絡みのないもしくは敵対するキャラが仲良くする等々……。
稀にOPムービーの完成度が高過ぎて本編が付いて来れないケースもある。
詐欺度の幅が大きい。

【代表的なもの】


中にはOPの雰囲気が本編とは180゜違う場合も。
有名なのは、OPはハートフルなのに本編はハートフルボッコの超絶鬱ストーリー『なるたる』。

こちらは良い意味で使われる事もある。
特にギャグ色の強い作品では、あえてOPをまったく別ジャンル仕様にしてギャップ自体をネタにするという手法がよく見られる。

【一例】

伝説※アニメOPの中では。
だがよく画面を見ると、アニメ範囲外を含む原作のその後の展開を超絶ネタバレしている
歌詞も「自殺した友人に捧げた唄」であるため、良く聞けばかなり物騒。

伝説※エロゲOPの中では。
なんでこうなったというと、 本編の内容をろくに知らないままOPを作成した為
こちらもよく聞くと歌詞が不穏であり、更にヒロインの衣服に血痕らしきものが…?(後から追加した)
二番目は本編の映像と不穏な意味の英単語を混ぜた、妥当な映像に仕上がっている。

アップテンポの曲にやや意味不明だけど前向きっぽい歌詞に映像も別におかしくない、人気OP。
歌詞とゲーム内容も別に詐欺ってるわけではない…しかし中身はファンも認める電波ゲーで歌詞の真意も実はとんでもない。

初っ端からとある隠しキャラのネタバレを大胆にかまし、そして全く登場しないまま第一期終了。
(裏事情としてはセールス次第では二期の放送が出来なかったらしく、その為に原作ネタを盛り込むための予防策)

論外。とりあえず本編を見れば良いかと。

何から何まで全て間違っている。
一応、理由は作内で解説されている。

OPの文化祭でのバンドのシーン自体が本編にない。DVDのおまけには一応ある。

OP:学園モノのアニメ。
本編:ファンタジーアニメ。

OP:野球アニメ。
本編:ファンタジーアニメ。

130cmですから。

OP:萌え全開。
本編:燃え全開。

本編の遥か上を行くカオスな内容。

新房監督の本気。

OP:萌えアニメ。
本編:触手・凌辱満載。

OPにある異常なまでに完成度の高い戦闘シーン。

OP:シノブと黒シノブが戦う。
本編:黒シノブ自体出てこないし、バトルもない。

  • うた∽かた
OP:神精霊の力で白い衣装を纏う一夏
本編:白い衣装の代わりに、色違いの黒い衣装を纏う一夏

プロローグは最早劇場版アニメクラスの完成度。
でも中身は…。

OP:シリアスなアニメ。
本編:酷い変態アニメ(いい意味で)。

あの大量の黒(ヘイ)とはなんだったのか……。

OP:DTB世界のラブコメアニメ。
本編:ラブコメは十分で終了。みんなで楽しく海になんて行かない。

公式がOP詐欺を認めたアニメ。
OP:ハートフル魔法少女アニメ。
本編:ハートフルボッコ魔法少女アニメ。
10話終了後:まさかの歌詞が本編とリンク。
詳しくはコネクトで。

  • シャフト作品全般
オサレすぎて本編の内容は全くわからない。

OP:ギャルゲ風(一応本編に合った真OPも有る)。
本編:16人の高校生による殺し合いを描いている、ギャルゲモードもあるにはあるが……。

OP:第三期OPで闇遊戯表マリクが対峙。
本編:原作通りそんな展開にはならず(というか表マリクのデュエル自体がなく)闇マリクが覚醒。
なお、原作ストック枯渇の対応で乃亜編が半年に渡って続いていたため、1年弱このOP詐欺状態であった。

OP:第三期OPで十六夜アキがレースクイーンを担当。
本編:代理ではあるが、D-ホイーラー=選手として大会に出場。その後は公式ベンチウォーマー

OP:第二期OPで九十九遊馬Vがデュエル。
本編:遊馬とIIIがデュエル。

  • ステラ女学院高等科C3部
OP・ED:よくあるゆるゆる系百合要素ありのアニメ。
本編:ぼっちだった主人公がサバゲー部に入った結果、反則も問わないガチ勢となり一人暗黒面落ち+誘ってくれた部員と対立。

鳴海亜樹子のOPの眼鏡美人&ハードボイルダーごとリボルギャリー収納。

  • 直球表題ロボットアニメ
OPに登場するロボット軍団は本編にまったく登場せず、当然戦闘シーンも一切描かれない。
それどころか「OPに毎回違うお笑い要素をぶち込んでカオス化させる」というメタ的な名物コーナーまで存在する。

OP:途中でヒロインっぽいのが二人登場
本編:第1巻冒頭でその片方が死亡。まだOPに入っていません。



2.主題歌詐欺

こちらはムービーではなく主題歌(曲)の方。
主題歌の歌詞が本編の内容とは全く関係無いもので、主な原因は、製作に全く関わっていないスタッフが勝手に作詞した為。
またはタイアップで普通の歌手の曲が使われている為。深夜帯で無い近年のアニメはこちらが多い。
ひどいときには真逆の内容だったり、興味がないまま歌い、インタビューされた歌手が適当なことを言ってファンを怒らせたりする。 
(ただし中にはバイオハザードの「夢で終わらせない…」のように、何周か回って合ってしまう場合もある)

他には、低年齢層向けのヒーロー番組でスタッフがやりたい放題やった結果、OPは正統派の熱血ソングなのに、本編は陰鬱な内容になってしまったものもある。

中には主題歌「だけは」神だったり、主題歌だけが有名過ぎる場合もある。

【一例】


3.作画詐欺

OPの作画と本編の作画クオリティが全く別な例。
一昔前のロボ系アニメのそれがファンには特に有名。

OPの出来に対して本編中のクォリティが低いためにがっかりさせられることが多いが、人によってはその違いを楽しんでいたりもするので、視聴者の受け止め方によって評価の違いは大きい。

【一例】

「本編はアレだな! 見なくてもOKだな! でもOPとEDを見たいがために俺らは30分TVの前に拘束されるんだな!」

国際映画社は慢性的な低予算に悩まされており、アクが強いながらも魅力的なシナリオが評価される一方で、作画の質は基本的に低かった。だが、それでもOPと音楽には金をかけており、今なお語り継がれるものも多い。

銀河旋風ブライガーでは、半熟英雄シリーズや「金田パース」「金田光り」で有名なアニメーター、金田伊功がオープニング作画を担当。OPは最高にかっこいいが本編の作画は一部の例外を除きあまり良くない。
なんと作画の質を埋められる演技をしようと声優陣が奮起したという逸話まである。

なお、上のセリフは漫画「アオイホノオ」にて主人公が発したものである。

  • 機甲戦記ドラグナー(前期OP)
前期OPを担当した大張正己により大きくアレンジされたドラグナーで有名。
大河原邦男氏によってデザインされた元々のドラグナーはややずんぐりした体形だったのだが、
大張氏が独特のデフォルメを加えて作画したものは、スマートかつマッシブなヒーロー体形で非常にカッコよかった。

だが、これを再現できる作画スタッフがあまりにも少なかったため、結果的にOP詐欺となってしまった。

大河原氏のデザインしたドラグナーと区別するため、「バリグナー」と呼ばれる。(大河原版はガワラグナー)
あまりの作画の違いにスポンサーから苦情がきたため、中盤で作画修正されたものに差し替えられた。

だが、このバリグナーがファンに愛されていたのも事実であり、後年このバリグナーは魂SPEC ドラグナー1 from ”Opening Silhouette”として販売された。 時代は変わるものである。

OP作画:大張正己

テッカマンブレードは作画の質がよく話題にされる作品であり、特に序盤は作画監督によってキャラクターの顔がコロコロ変わることで有名だった。室井聖人の回は特に顕著。
OP職人として頭角を現わしていた大張氏が担当したことも相まって、なおさらOP詐欺と呼ばれやすい。

もっとも、悲惨な境遇の中でも身を削って戦う主人公に対する評価は今なお高く、それに比べれば些細な問題である。

予算g(ry
作画監督の個性が発揮されやすい作品の1つ。
アニメオリジナルのドーマ編では予算不足のためか、作画が不安定になりやすかった。
200話の社長は伝説。

OPの変態的なCG技術、別名フロムマジック。
ARMORED COREシリーズだけでなく、Another Century's Episodeシリーズなどでも遺憾無く発揮されている。

OPではロボットが全て手描きアニメで中々かっこいい。
だが、本編の戦闘シーンはほぼ動かないフル3DCGなので違和感がすさまじい。

同時期の『ゾイド』と比べてクオリティが低すぎる……が、それ自体は比較対象が悪すぎるのもある。
今見ても十分に動いていると言えるゾイドたちを描いたCG技術は現在失われており、ロストテクノロジーだと言われている。
職人芸的に当時のソフトで描かれたものが、後発のソフトとの互換性を失ったのが一因らしい。
もっともそれは本作のOP詐欺を肯定するものでもないのだが。

ウェブダイバーのCGクオリティの問題点は、当時CGが本格的にアニメに取り入れられるようになった時代であること(前述の通りゾイドはむしろ「高い」方に異質)、
そのスタッフがわずか3名しかいなかったことが理由だと言われる。また、スタッフは手描きでやる意欲があったものの、舞台が電脳世界であることからスポンサーにCGを使うことを強いられていたとも言われている。

最終回ではその鬱憤を晴らすかのように一話丸ごと手描きアニメーションでの戦闘が繰り広げられる。


第3話に代表される作画の微妙さが度々指摘された魔法少女アニメ。
前期OPは基本ベタ塗り、ハートマークの多用、背景、メインキャラよりよく動く蝶々などのせいで、一応1990年作なのにそれより10年以上昔のアニメっぽい印象を抱かせる。
対して後期OPは前期を挽回するかのようにキャラがよく動き、ハイライトのはっきりした現代的な塗りになるなど、キャラや作品の魅力を伝えるのに十分な出来となった。
…が、本編は一新されたバンクシーン以外相変わらずのクオリティであり、結果的にOP詐欺となってしまっている。


アニメカービィの作中作。OPはアニカビのものを差し替えただけだが本編の作画があまりにも酷すぎる。

その他

パターン的にはまどマギと同じ例1に入るが、第二話以降は映像のみ化けの皮を剥がした。
更に話が進むと…

いきなり違うアニメ(星色ガールドロップ)が始まり、OP(しかもやたら歌手やスタッフも豪華)まで流す。
視聴者は約100秒間「あれ?見る番組間違えた??」となるのであった。
なお、次回予告詐欺も行う模様。



余談

海外のドラマ(『24 -TWENTY FOUR-』など)や日本の一部のドラマ(『相棒』など)は、OPはほぼ無く、あっても数秒程度のあっさりしている内容(タイトルロゴが出るだけ)なことが多いので、OP詐欺となることはほとんどない。





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最終更新:2021年11月13日 02:31