クリオネマン

登録日:2019/08/05 Mon 22:42:33
更新日:2024/02/10 Sat 09:18:25
所要時間:約 6 分で読めます





わたしは一刻も早く一期生の先輩方を
全滅させたくてイライラしているんだ!

所属:正義超人・残虐超人(原作)
身長:230㎝
体重:73㎏
出身地:ロシア
超人強度:107万パワー
:高崎拓郎
同期:ジェイドスカーフェイスデッド・シグナル


【概要】

キン肉マンⅡ世に登場した超人。
万太郎たちに続き、ヘラクレス・ファクトリーを卒業した二期生の中でも特に優秀な成績で卒業し、地球防衛の任務を放り出して自堕落な生活を送る一期生との「日本駐屯超人入れ替え戦」を行う「ニュージェネレーション-EX」のひとり。

二期生の生徒の中でも一番のシャレ者。頭の大きな一つ目のようなものはフードで、その下には鋭い眼光を放つ目がある。
ヘラクレス・ファクトリーでの認識番号は21で、口癖は「キョキョキョー」
ある意味綾茂高校の逆輸入である

北極などに生息する軟体動物クリオネの化身超人で、その軟らかいゼリー・ボディを様々な形態に変化させて戦う。
また、このゼリー・ボディは魚やセイウチンなどの海棲物を取り込める性質を持ち、海に関係ない超人でも海に落ちたりして海棲物の特性に変化させれば取り込むことができる。

性格は大変な自信家で、一応先輩の一期生を敬うような事を言うが、実際は一期生を完全に見下してナメきっており、丁寧な話し方もかえって相手をバカにしているように聞こえる。

さらには本来守るべき対象である人間をも根底から見下しており、
正義超人の力は大きな視野に立って使うもので、不良を更正させたり老人の手助けといったことに使うものではないという、間違ってこそいないもののあまりにも傲慢かつ危険な考えを持ち、
例え人間であってもワルには容赦なく攻撃すると言う、正義超人の面汚し。
普段は天使のように優雅だが、獲物を見つけるとバッカルコーン*1を剥き出しにして喰らいつくクリオネの二面性・暴力性・そして残虐性を顕著に表した超人と言える。

『II世』の時代では半ば形骸化してしまってるが、超人界には正義・悪行問わず『人間を無闇に傷つけたり、殺したりしてはいけない』という絶対的な掟がある。
自身の傲慢な思想の元にその掟を破ったクリオネマンの行為は『正義超人』の人間からの信頼を根底から失墜させかねない大暴挙である。*2
これにはただ単に悪行超人を倒す『力』だけを求め、「人間を愛する」「正義を愛する」「平和を愛する」『心』の教育を怠った委員長やロビンマスクの責任は大きいと言える。
シルバーマン始祖の人達が見てたら、問答無用で粛清されていただろう。

相手にできるだけ血を流させずに仕留めることを美学としているが、実はそこには秘密がある。

二期生の中でも、元々悪行超人だったスカーフェイスは別としても特に正義超人とは思えない言動が目立つ。
超人の力を人間のために使おうとせずに、正義超人の務めを果たそうとしていない。
作中の人間の中学生に技を放つという非道な行いのせいか、学研の図鑑「超人」では二期生の中で唯一悪行超人に分類されてしまっている。(後にただの誤植であった事が分かった)*3


【技】

・ダブル・カカトオトシ
まるで体操選手のような素早い動きから、両足で踵落としを放つ。

・ゼリー・ボディ・インパクト
ゼリー・ボディを細長く伸ばし、相手に巻き付き締め上げる。

・アイス・シェルド
右腕を凍らせて氷の盾を造る。

・アイス・ソード
右腕を剣状に凍らせて剣を造る。

・ソーラーエナジーヒート
ゼリー・ボディを巨大なレンズ状の「コンベックス・レンズ・ボディ」に変化させ、太陽光線を集めて熱線を発射する。

・ビッグ・フィッシュ・ボーン
ゼリー・ボディに閉じ込めた相手を、巨大な肋骨で刺し貫く(アニメ版では刺さずに包み込む)。
クリオネマンは超人の体にある底知れぬツボを正確に突き、出血を最小限に抑える事ができる。

x・y・z(エグザイズ)クラッシュ
ビッグ・フィッシュ・ボーンの体勢からジャンプし、相手の頭だけを出して抱えるようにしながら落下し、頭をコーナーポストに激突させるクリオネマンの必殺技。
名前の由来はアルファベットに「x・y・z」に続く文字はなく最後であり、この「x・y・zクラッシュ」にかかったらどんな超人も最後ということから。

・スター・ダスト・シェル
万太郎に割られたコンベックス・レンズ・ボディの破片を巻き貝にして発射する。

・水母落とし
クラゲに変身し、ものすごい勢いで降ってきて、その後人に戻りギロチンドロップをする。

・アイス・ブレス
口から冷気を吐き、相手を凍らせる。


【活躍】

入れ替え戦の代表として登場し、トーナメントBブロック「ヘラクレスの足の裏リング」一回戦でセイウチンと対戦する。

序盤の力比べこそセイウチンに譲ったものの、実はその後のセイウチンの攻めを全て実力を量るためにわざと受けていたと語り、セイウチンを充分倒せると宣言する。

言葉通りにまずはコブラツイストをゼリー・ボディで難なく脱出すると、「ゼリー・ボディ・インパクト」で締め上げる。
セイウチンも力で脱出して反撃するが、それをアイス・シェルドで受け止め、アイス・ソードで斬りつける。
そして、セイウチンをゼリー・ボディに閉じ込めると一方的に攻撃し、失神させる。

しかし、観客席にいたセイウチンの母・ドロシーが投げ込んだ巨大な魚が開けた穴から脱出され、反撃のツームストン・ドライバーを食らってしまう。

ところが、この攻撃でクリオネマンの怒りに火がつきボディを「コンベックス・レンズ・ボディ」に変化させて「ソーラーエナジーヒート」を発射し、セイウチンを追い詰める。

ここで、セイウチンに助けられて更正した中学生がセイウチンを助けようとリングに上がろうとするが、
何とクリオネマンは
「超越的な力を持つ自分たちが劣った人間どもを庇護してやる」
「力は大局的に振るわれるべきものであって、ささやかな親切など評価に値しない」
「一度悪の道に走った者は遠からずまた罪を犯す。ゆえに問答無用で処断あるのみ」
と自らのあまりに傲慢かつ狂気に満ちた思想を言い放ち、この中学生に熱線を放つという大暴挙をしでかした。
この時のクリオネマンは、まさに流氷の『天使』(正義超人)の皮を被った『悪魔』(悪行超人)そのものである。
それを庇ったセイウチンは熱線を受けて炎に包まれてしまう。
セイウチンを言葉巧みにゼリー・ボディに誘導して再び閉じ込めると「ビッグ・ボーン・フィッシュ」で貫き、必殺の「x・y・zクラッシュ」でセイウチンの牙をへし折ってKO。
半ば反則勝ちに近い内容でトーナメント二回戦に駒を進めた。


続く二回戦では、八景島シーパラダイスの海上の特設リングでデッド・シグナルを破った万太郎と対戦。

万太郎を秒殺しようと試合早々ゼリー・ボディに閉じ込めようとするが、勝ちを焦るあまり陸上生物の万太郎を取り込めないという事を忘れており、先手を取られてしまう。

それでも万太郎の技から脱出するとアイス・ソードでロープを全て切断。
万太郎を海に確実に叩き込める状況を作り出す。
しかし、万太郎はミートのアドバイスで徹底して寝技を繰り出し、クリオネマンの戦法を封じる。

が、いつもと違って活躍する万太郎に飛んだギャルの声援と、「広末涼子があんたの応援をしているぜ」というクリオネマンの嘘から生まれた隙をついてついに万太郎を海に落とすことに成功。
何故かせっかく海に落とした万太郎を救い上げるが、実は海に落としたのは陸上生物の万太郎に海の養分をくっつけ、ゼリー・ボディに取り込めるようにするためであり、あっという間に万太郎を取り込んでしまう。

勝負あったかと思われたが、何と万太郎はゼリー・ボディの中で小便を漏らし、これにはクリオネマンもたまらず万太郎を吐き出してしまう。
そしてコーナーポストに顔面を叩きつけられ、反対に海に落とされてしまい、カウントが数えられるがゼリー・ボディを巨大イカに変化させて剣先を万太郎に突き刺し「ソーラーエナジーヒート」を繰り出す。

しかし、海に逃げた万太郎が捕まえたタコの墨でレンズを曇らされてしまう。
熱線を封じられレンズを割られてしまうが、ミートとジ・アダムスの同時のアドバイスに万太郎が戸惑った隙をついてすかさず「水母落とし」で反撃。
アイス・ブレスで万太郎を凍らせ、遂にゼリー・ボディに閉じ込める事に成功する。

「ビッグ・ボーン・フィッシュ」で万太郎を貫き、「x・y・zクラッシュ」に繋げようとするが万太郎陣営の声援で万太郎が気がつき「ビッグ・ボーン・フィッシュ」から逃れようと動き始め、傷口が広がり最小限に抑えられていた出血が大きくなっていきながらも抵抗を始める。
すると、相手のダメージが大きくなっているのに何故かクリオネマンは焦り始める。

実は、クリオネマンの体内は無色透明でがらんどうに見えるが、実際は見えないだけで内臓が存在していた。
クリオネマンは技の予備工作として相手を体内に閉じ込めなければならない。
それは自らの内臓に相手を近づけるという諸刃の剣であり、その危険から内臓を守るためカモフラージュしていたのだった。
小便や血を狼狽えたのも、自身の体に色が着いて内臓の存在がバレるのを恐れたため。

弱点が現れてうろたえたが、すでに万太郎は激戦で疲労困憊となっており平静を取り戻す。
しかし、再び起こった声援で動き出した万太郎にまたも焦り始める。
二期生側もジェイドが声援を飛ばすがクリオネマンはこれを拒否し「x・y・zクラッシュ」を放つ。

しかし、とうとう万太郎に足を抜かれ心臓にオーバーヘッドキックを入れられると、たまらず万太郎を吐き出してしまい、新必殺技「イ・ロ・ハ地獄巡り」を受けて遂にKOされた。

どんなに強くとも、心に『愛』を持たなければ真のスーパーヒーローにはなれない。
心に『愛』を持たずに行き止まり(x・y・z)で満足してる者が、
心に『愛』を持ち、前に進む(イ・ロ・ハ)事に希望を持つ者に勝てる筈がなかったのである。

試合後、ジェイドに試合中万太郎への声援に孤独感に襲われ、心がくじけそうになった事を話し、自分に唯一声援を送ってくれた事に礼を言うと、
「試合には負けてしまったがわたしはもっと大きなものを得た」
と感謝の言葉を送った。


その後は不明だが、アニメでは最終回でデッド・シグナルとサンシャインと共に串カツ屋(?)で万太郎の試合を応援している姿が描かれた。
どうやら、人間に暴力を奮った罪でH・Fからは退学させられた(もしくは改心後の自責の念で自ら退学した)模様。

エリート街道からは外れてしまったが、野に下った事で「超人と人間」の在り方を見つめ直し、「人々を守るために戦う」真の正義超人となってくれる事を願わずにはいられない。


わたしは一刻も早く一期生の先輩方の項目を追記・修正したくてイライラしているんだ!


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • クリオネマン
  • キン肉マンⅡ世
  • キン肉マン
  • クリオネ
  • 正義超人
  • 超人
  • 新世代超人
  • ジェネレーション-EX
  • 軟体
  • ロシア
  • 高崎拓郎
  • 正義超人の面汚し
  • 危険思想
  • ニュージェネレーションズ
  • 超人レスラー
  • 八景島シーパラダイス
  • ゼリー・ボディ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月10日 09:18

*1 クリオネの頭部に隠された六本の捕食器官。触手。「トリビアの泉」では92へぇ。

*2 『II世』では顕著だが、ただでさえ正義超人であっても『超人』の存在を快く思わない人間はごまんといる。

*3 https://gakkenep.jp/extra/choujinseigo/seigohyou.pdf