ガロウ(ワンパンマン)

登録日:2019/07/18 Thu 21:46:24
更新日:2024/03/21 Thu 21:10:35
所要時間:約 13 分で読めます






「うんうん決めたぜ。臆病者には罰を」


「悪を執行する。皆殺しパーティーだ」



ガロウとは、ONE氏原作のWEB漫画【ワンパンマン】の登場人物。怪人協会編におけるキーパーソンとなるキャラクターである。
CVはグリリバこと緑川光

●目次

【概要】

某バ○タン星人のような、2つに分かれた逆立った銀髪が特徴の青年。
元はS級ヒーローの"シルバーファング"ことバングの一番弟子だったが、他の弟子たちを理由なく半殺しにしたため破門された過去を持つ。
人間でありながら怪人になることに憧れており、そのために協会に登録されているヒーロー達を襲撃する"ヒーロー狩り"という事件を巻き起こした。


超能力者やサイボーグ、光を越えた速度を持つ忍者など人間を辞めている者が多いS級ヒーローや、
それらと互角の戦闘力を持つ怪人協会の幹部連中にも、己の体一つで立ち向かう作中屈指の武闘派である


過去の描写ではごく普通の家庭で育ったようだが、この頃から安易な善悪二元論に疑問を持ちヒーロー側ではなく悪役の方に感情移入していた。
そのせいか純粋にヒーローを応援する周りの子供たちからいじめに遭う様になり、反抗してもその子供が人気者だったがゆえに教師も敵に回るなど、孤独な少年期を過ごしてきた。
それに加え、ヒーローごっこで無理やり怪人役にされヒーロー役のクラスの人気者からいじめを受けていた。彼は抗議して騒動を起こした後、自分に非はないと主張するも日陰者のガロウを他の生徒も教師も全く信用していなかった。
そのため多数の意見=正義という構図を非常に憎むようになり、その象徴であるヒーローたちを特に敵視するようになる。
また悪(というより嫌われ者)が必ず最後には正義(人気者)に敗れるという様式美も嫌っており、そのために「正義を挫き悪を助ける」人間怪人を目指すようになった。


【人物】

上記のような経緯があるため、当然ながら他者に対し非常に攻撃的。
特に協会に登録されているヒーローには出会いがしらに襲撃をかけてボコボコにするなど、ことヒーローに対する憎悪はかなり強い。
しかし一般市民には余程のことがない限りこちらから仕掛けることは無く、悪行もヒーロー狩りを除けば精々食い逃げをやったことくらい。

これは「正義の味方を倒すことで名を上げ、皆に恐れられる怪人ガロウ」を目指している為、ヒーローを倒せばその図式が得られると考えてのこと。
その為に幾人ものヒーローを病院送りにしてきたが、一方で直接命を奪うような描写は実はなく、殺すという一線を越えることはしていない。
怪人協会にもそのことを指摘され、「甘さが抜けていない」と何度も言われるものの、それを改める事は最後までしなかった。

他にも昔疎外されていた経験からか、公園でブサイクだからいじめられていた子供のタレオを幾度となく庇うなど、
怪人を目指しておきながら弱者の立場にある子供を見捨てることができない性分。
後に圧倒的な力を手に入れ、サイタマとも戦えるほどの戦闘力を持った後でも、当のサイタマには「怪人ごっこしているただの人間」とみなされたのも、誰も殺してはいない事実や子供を一切手にかけようとしなかったあたりが起因している。

またONE版では最初、チンピラめいた言動も多かったが、村田版では幾分か修正された。



【戦闘力】

"流水岩砕拳"を初めとする数々の武術を操り、敵を圧倒する格闘家。
本編登場前より数々の武術を経験し、時には道場破りすら行ってきたため武道に関する造詣はかなり深い。
村田版で行われた武術大会編でも、その前の大会にて「ウルフマン」という選手名で優勝経験を持つ*1


その高い身体能力から繰り出される技の数々にしても充分にS級に迫るものがあるが、彼を語るうえで外せないのが「人間離れしたタフネスと学習能力」、そして「度を超えた成長速度」
度々自身を「天才」と称して憚らないが、それに見合うだけの圧倒的な戦闘センスの持ち主である。


初登場時こそタンクトップマスター相手に劣勢を強いられるレベルではあったが、強敵達との連戦や数々の死闘を潜り抜けたため、急激に戦闘力を上げていった。
加えて全身斬り刻まれたり、骨をバラバラに粉砕されたりと重傷を通り越して致命傷レベルのダメージでも、直ぐ回復して立ち上がる驚異の体力と根性を持つ。某サイヤ人もびっくりである。
また一度見た、喰らった技を直ぐに分析し、自身に取り入れるラーニングセンスも持ち合わせており、劇中でも"旋風鉄斬拳""交牙龍殺拳""タンクトップタックル"といった相手の技も披露した。

他にも相手の動作や呼吸を的確に読み取ることで、攻撃パターンを即座に把握したりと学習レベルも常人の域を遥かに超えている。

怪人協会編ではヒーロー、怪人問わず様々な格上と戦い続けた結果、サイタマ同様に生物のリミッターが外れ、
超人すらも越えた圧倒的力を手に入れることとなった。詳しくは下記の【覚醒ガロウ】の方で。



◇技一覧◇

  • 流水岩砕拳
師匠である"シルバーファング"バングが使用する武術。
流水のような軽やかな動きで相手の攻撃をいなし、その隙に岩を砕くような鋭い一撃を放つ攻守共に完成された武術である。
ガロウ自身、元バングの一番弟子であったためか非常に高いレベルでこの技を使える。

当初は「ジジイの顔がチラつくから」とあえて封印していたようだが、タンクトップマスター戦にてそのこだわりを捨てあっさりと解禁。
以降なんだかんだ言いつつも一番多く実戦で使っており、打撃斬撃銃撃といった様々な攻撃をこの技一つで凌いできた(防御能力が高い流水岩砕拳と、防御しつつ学習していくガロウ自身と相性が良いというのもあるだろうが)。

しかしそれでも師にして創始者のバングと比べればまだ未熟であり、バングなら何度も受け流したクロビカリのタックルを受け流せなかったり、そのバングと戦った時も(疲労困憊な状況を抜きにしても)熟練度では師が上だとジェノスも判定している。

一番長く学んだのが殺傷に向かない護身術なあたり、ガロウ本来の性格が見て取れる。


  • 旋風鉄斬拳
バングの兄ボンブが使用する武術。
その名の通り鉄をも斬り裂く程の風を繰る、非常に攻撃的な武術。

バング兄弟からの襲撃を受けた際、どさくさに紛れて習得した模様。なんだコイツ。
村田版ではほぼ見よう見まねにもかかわらず、鬼クラスの怪人もバラバラにする程の技のキレを見せた。


  • 爆心解放拳
原作にて名前だけ登場したが、村田版にて深掘りされた流派。
若かりし頃のバングが使っていた武術で、拳の衝撃に合わせて心臓が爆発的な脈動を起こし、肉体の限界値を瞬間的に破る超破壊型の邪拳。
直撃せずともその衝撃波で着実に相手の体力を削るらしく、受け流していたバングも相応の消耗を強いられるほど。

バングがこの武術を用いていた頃は、力に物を言わせ贅沢の限りを過ごしていたが、兄ボンブに敗れ改心して以降はこの拳を封印。
流水岩砕拳を作り道場を開きヒーローに参集したという経緯を辿る。

そのためガロウは直接見ていないが、道場を去る前に金庫を破り、その伝書を一読し会得した模様。
しかし完成度自体はやはりバングのが上らしい。


  • 交牙龍殺拳
上記二人の兄弟武人が放つ連携奥義。息もつかせぬ連続攻撃で敵を圧倒する。
本来なら武術の達人同士で使われる合体技であるが、ガロウは右手・右脚に流水岩砕拳、左手・左脚に旋風鉄斬拳を構えることで独自習得に成功している。なんなんだコイツ。
どんな攻撃すら寄せ付けない鉄壁の筋肉を持つクロビカリを、この武術で撃破した。


  • 旋風 流水 轟気空列拳
同じく上記二人の兄弟武人が放つ連携奥義。村田版のみ披露した技。
こちらもガロウは左手で流水岩砕拳、右手で旋風鉄斬拳を構えることで独自習得に成功している。本当になんなんだコイツ。
その威力はバングをして「一発でも貰えば全身が粉々になる」と考えるほど。


他にも虎牙烈真拳、炎舞弾道拳、空虚深淵拳etc.etc.……といった、様々な武術を体得している模様。








【覚醒ガロウ】




「俺が不吉な未来。災害レベル"神"だ」



数多の死線を潜り抜けた結果、ついに生物としての限界を超えた最強形態のガロウ。
外見上、特に大きくなったり醜悪になったり等はしていないが、2つに逆立った髪は角のように変化し、身体中を黒い塵や布で覆われた状態となっている。
怪人協会編の終盤にて遂に覚醒にいたり、S級ヒーローたちに壊滅的打撃を与えてみせた。

体力、速度、攻撃力、防御力、耐性、精神力といった全てのフィジカルが驚異的なまでに上昇。
0.1秒を切る閃光のフラッシュの動きを初見で難なく対応し、全てを粉みじんにするアトミック侍のアトミック斬すら最初の一刀目を捌く動体視力も併せ持つ。
加えて独自の呼吸法で闘気を高めたり、相手の呼吸やちょっとした動作から次の動きを容易に予測することも可能。
竜クラスの怪人、黒い精子の奥の手であり、負傷したタツマキとも互角に渡り合った黄金精子すらも瞬殺してみせたことから、上記の言の通り災害レベル"竜"の遥か上を行く実力を持つ。


劇中、あのサイタマのパンチを難なく回避してみせた最初の怪人(人間?)。
幾らサイタマに武術の経験が皆無といえ、この偉業を成し遂げたのは今のところ彼のみである。


タフネスも、サイタマの「連続普通のパンチ」をもろに食らっても動けるほどだが、サイタマ自身、「ガロウを人間として殴っている=怪人として殺す気で殴っていない」とも取れるため、実際はどの程度かは不明。無論相応に高いという評価は確かであるが。

ガイドブックにて竜クラス以上と明かされ、「星の表面(アニメでは星ごと)を消し飛ばす攻撃が可能」「10日間もあれば地球を更地に出来る」実力者のボロスとはよく比較されるが、ONE氏曰く「パワーは大体互角。でも接近戦・格闘戦ならガロウがパンチやキックを見切って躱してしまうのでガロウの方が上だろう」とのこと。
逆に遠距離戦であれば惑星を破壊できるボロスに軍配が挙がると思われる。


◆技一覧◆
  • 怪害神殺拳
数多の武術を吸収し極めた末にたどり着いた、ガロウが編み出した独自武術。
その拳は飛び交う瓦礫の流星群すらもハウスダストのように振り払い、あらゆる局面にも対応して動き出せる死角なしの最強武術。
名前の由来は"神"という不確かな拠り所すらも破壊するという自信からつけたもの。厨二病乙
サイタマからは「診察券」と誤解された。

  • 神殺瞬撃
目にもとまらぬ速さで連撃を放つ。その威力は岩盤の雪崩ですら粉みじんにしてしまう。
サイタマの両手・連続普通のパンチとも少しだけ張り合えるくらいの強さを持つが、
喰らっている相手もチートなので実際の程は良く分からない。

  • 神殺昇撃
地を踏み砕きながら放つアッパーカット。
こちらもサイタマを宙に浮かせる程の強さを持つが、喰らっている相手もチートなので(ry

リメイクでは拳→蹴りの2連撃に変更。
サイタマを吹っ飛ばしビル3棟を巻き込むほどの威力が描写された。

  • 大発勁
リメイクにて登場。
両の掌にて放つ発勁で、巻き込んだビル3棟が粉みじんに変わる破壊力。
相手の内臓に甚大なダメージを与えるとのことだが、喰らってる相手が以下略。

  • (ごく)発勁
ガロウが思いつく限りの渾身の一撃。
怪人化によって生やした第三・四の腕から炎をジェットの要領で噴き出し、その勢いで発勁する。
威力はエベレストを思わせる程の巨大な山を簡単に押し潰し、衝撃は地球の裏側まで伝播し地殻変動を引き起こし、その影響で異空間にひずみを生じさせ地球の一部を膨張させてしまう。 でもやっぱり喰ら(以下略)

【劇中の活躍】

名前自体はボロス編の始まりにて既に出ていた。
元バングの一番弟子だったが、実戦と称して他の弟子たちを半殺しにしたためにバングにボコボコにされた過去がここで明かされる。

その後キング編の終わりくらいに本格的に登場。
「地球がヤバイ予言」の対策に向け、ヒーロー協会が集めた腕自慢のアウトロー達に紛れて現れ、警備のヒーロー諸共ならず者たち全員を血祭りにあげるという鮮烈のデビューを飾った。*2

それと並行してヒーロー狩りも開始。無免ライダーやS級ヒーローであるタンクトップマスターを皮切りに、数々のヒーロー達を襲撃していった。
しかし、その中にはバングの最後の弟子であるチャランコも含まれており、再びバングの怒りを買うことに。

リメイクこと村田版ではこの後も金属バットや番犬マンとも戦っている。前者は相手がボロボロだったこともあり無傷で突破したが、後者は獣特有の動きに攪乱され撤退する羽目となった。
実質的な敗北だが、まだまだ自身に成長の余地があることに喜びで震える中で、遂に最強のヒーローであるキングとサイタマに遭遇。高揚感と共に挑んだが、当然のことながら一撃で敗北する。


その後もA級ヒーロー達の襲撃やジェノス、バング兄弟の猛撃に遭い絶体絶命のところを怪人協会に救われ(拉致され?)、勧誘を受ける。
その時に怪人であることの証明として「人間を100人殺せ(リメイクではヒーローを1人殺せ)」と言われるが、地上に戻ってからはブサイクなガキことタレオをかばったり、
微妙なヒーロー(サイタマ)に喧嘩を売って返り討ちにあったりと醜態を重ねた為、遂に怪人協会からも見限られてしまう。*3

鬼クラスの怪人複数に囲まれボロボロにされるも、その瀕死状態から数時間でなんと自力復活(この頃から生物としてのリミッターが外れて怪人化が進んだ模様)。
タレオも怪人協会に攫われた為、御礼参りもかねて怪人協会にたった一人で突入。
ヒーロー協会、怪人協会、そしてガロウ単独による三つ巴の戦いが幕を開けた。



【ガロウ語録】


「悪を執行する。皆殺しパーティーだ」


「そんなモン(信念)無くても強え奴は強えんだよば~~~~~~~っか!」


「ヒーローはいつも遅れてやってくるが怪人はいつも先手。理由もなく突発的に現れるものだ」


「(流水岩砕拳解禁に対し)まぁいっか~~こだわりは捨てましょう~~」


「何が正義だ!何が悪だ!結局は多数派の意志で俺が殺されていくだけだ!許せん!理不尽! 根拠は巧く解析できんが俺は怒っている!」


「いただきマンモス」


「お前等ヒーローどもは糞だ。糞ほど民衆に支持されるのが手に負えねえ。
だからこそ俺は戦う。この命かけて正義を蹴散らす。テメーにこの怪人ごっこは終わらせえぞ」


「理不尽が嫌いで、理不尽を作る人間も嫌いだった。そんな俺は人間だったってか。
じゃあ結局は…俺はこうして死にたかったのか……」


「不測の事態。主役の登場だ」


「知ってたよクソジジイ、痛みは知ってる。お前にも教えてやる。俺にしかできない事だ」


「世の中に必要なのは不平等な正義ではない。平等な絶対悪だ!」


「(サイタマのヒーロー活動は趣味という発言に対し)そんなのヒーローじゃない!!




追記、修正はヒーローを狩りながらお願いします。
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最終更新:2024年03月21日 21:10

*1 正規の登録ではなくマスクマンだったのを利用した成りすまし。同大会ではガロウの優勝以後、マスクなどの被り物が禁止になった。

*2 この中には音速のソニックもいたが、ガロウが騒ぎを起こす前からとっとと抜け出していた。

*3 リメイク版では逆で、ガロウの才能に気付いたギョロギョロがわざと好戦的な怪人を送らせ、より多くの死闘を積ませ強くなるよう図っていた

*4 なお本気でタレオを殺すつもりはなかったため、わざと見当違いな方向を指さして言ったのだが、そのせいでサイタマにはこの行為を「下手な演技の怪人ごっこ」と見做される。

*5 村田版にて、怪人化の条件は"死に迫る状況を何度も乗り越えること"と判明しており、キリサキング達との死闘を切っ掛けに片目に変化が現れるようになった